システム開発を行う場合はまずは費用相場を把握しておくとよいでしょう。費用相場を把握しておくことで自社の開発予算と照らし合わせることができるので、事前に知っておくと開発の検討を行いやすくなります。
本記事ではシステム開発にかかる費用の詳細や背景について具体的に解説するので、ご参考ください。
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システム開発の費用相場と料金表
システム開発の費用相場 早見表
| 開発の手段 |
ツール導入・クラウド型開発 | パッケージ+カスタマイズ開発 | スクラッチ型開発 |
システムの種類 | 業務・基幹系システム | 数万円~数十万円 | 100万円~300万円 | 500万円~1,500万円 |
Webサービス系システム | 数万円~数十万円 | 50万円~500万円 | 300万円~1,000万円 |
アプリケーション | 数万円~数十万円 | 50万円~500万円 | 500万円~1,000万円 |
システム開発の費用相場は、業務システムであれば100万円~1,500万円、Webサービスであれば50万円~1,000万円、アプリケーションであれば50万円~1,000万円です。
また、ツール導入であれば数万円~数十万円、カスタマイズであれば50万円~500万円、スクラッチであれば100万円~1,500万円が費用相場となります。
システム開発の費用相場を調べるために必要な項目
システム開発の費用相場を調べるためには、システムを開発する方法と開発するシステムの種類が重要な要素となります。
システムを開発する方法
システムの開発方法とメリット
開発方法 | 概要 | 目的 | メリット | おすすめのケース |
ツール導入・クラウド型開発 | 既存のソフトウェアやツールを導入して利用する | 迅速かつ効率的にシステムを導入すること | 既存の機能やテンプレートを活用することで、開発時間と費用を削減可 | 中小規模の企業や一般的な業務プロセスに対応するシステムの導入に適している |
パッケージ+カスタマイズ開発 | パッケージソフトウェアをベースに、必要な機能や要件に合わせてカスタマイズを行う | 特定の業務ニーズや要件に合致する柔軟なシステムを開発すること | 既存のソフトウェアをベースにしながら、カスタマイズによって独自の機能を追加可能 | 中~大規模の企業や特定の業界に特化したシステムの開発に適している |
スクラッチ型開発 | システムを一から開発する方法で、要件定義から設計・実装・テストまで行う | 特定の要件やビジネスモデルに完全に合致するカスタムシステムを構築すること | 独自の機能やプロセスを実装できるが、開発には時間とコストがかかる | 大規模な企業や業界固有の複雑な業務プロセスをサポートするためのシステムを開発する場合に適している |
システムを開発する方法には、「ツール導入・クラウド型開発」「カスタマイズ開発」「スクラッチ開発」の3つの選択肢があります。
まず、ツール導入・クラウド型開発では、既存のソフトウェアやツールを導入し、搭載機能でカスタマイズや設定を行います。これにより、迅速かつ効率的にシステムを導入し、開発時間と費用を削減できます。一般的な業務プロセスに対応するシステムの導入に適しています。
次に、カスタマイズ開発では、パッケージソフトウェアをベースに、必要な機能や要件に合わせてカスタマイズを行います。これにより、特定の業務ニーズや要件に合致する柔軟なシステムを開発することが可能です。既存のソフトウェアをベースにしながら、カスタマイズによって独自の機能を追加することができます。カスタマイズ開発は中~大規模の企業や特定の業界に特化したシステムの開発に適しています。
最後に、スクラッチ開発では、システムを一から開発します。要件定義から設計・実装・テストまでを行い、特定の要件やビジネスモデルに完全に合致するカスタムシステムを構築します。スクラッチ開発では独自の機能やプロセスを実装することができますが、開発には時間とコストがかかります。スクラッチ開発は大規模な企業や業界固有の複雑な業務プロセスをサポートするためのシステムを開発する場合に適しています。
システム開発の方法は、システム開発の目的や企業規模、業界特性などを考慮したうえで開発会社と相談して決定されます。これらの方法は、システム開発費用を大きく左右する要素でもありますので、予算感と照らし合わせながらご参考にしてください。
開発するシステムの種類
システムの種類とシステム例
システムの種類 | 概要 | 目的 | システム例 |
業務・基幹系システム | 企業の業務や基幹的なプロセスを支えるシステム | 業務の効率化や情報管理の向上、生産性の向上 | ERPシステム、在庫管理システム |
Webサービス系システム | 顧客に対してブラウザ上で提供されるシステム | 顧客とのコミュニケーションやオンライン取引の支援、情報提供 | オンラインショッピングサイト、SNSプラットフォーム |
アプリケーション | スマートフォンやタブレットなどのデバイス上で動作するアプリケーション | ユーザー体験の向上や便利な機能提供、個人の利益追求 | モバイルゲームアプリ、タスク管理アプリ |
一般的なシステムは、だれが利用するかという観点において、社内の業務改善や業務を行うために必要なシステムは「業務・基幹系」システム、対外向け・お客様に向けてWEB上で提供するサービスのためのシステムであれば「Webサービス系」システムと位置づけられます。
システムの種類によって必要な機能や開発するプラットフォームが異なり、それに伴って開発費用も変動します。
まず、業務・基幹系システムは、企業の業務プロセスや基幹システムを支えるために開発されます。主に内部向けの業務効率化や情報管理を目的としており、ERPシステムや在庫管理システムなどが代表的なシステム例です。業務の効率化や情報管理の向上、生産性の向上を目指すことが目的です。
次に、Webサービス系システムは、インターネット上で提供されるサービスやアプリケーションを開発するために使用されます。主に外部向けの顧客サービスやオンラインビジネスを目的としており、オンラインショッピングサイトやSNSプラットフォームなどが代表的なシステム例です。インターネットを通じて顧客との関係構築やビジネス展開を行うため、開発費用はウェブサイトの設計やセキュリティ対策などに影響されます。
また、システム開発をする際、同時に検討されることが多いのがアプリケーションです。今回は、こちらも合わせて費用を解説します。
アプリケーションは、主にモバイル利用や個人向けのサービスを目的としており、モバイルゲームアプリやタスク管理アプリなどが代表的な例です。ユーザー体験の向上や便利な機能提供、個人の利益追求を目的としており、ユーザーが利用しているデバイスにインストールされて利用されます。
業務・基幹システムやWebサービス系システムは、アプリケーションのとしても同時に開発されることがしばしばあります。
開発したいと考えているシステムがどの種類に分類されるか確認できたでしょうか。
各システムの詳細について知りたい場合は、以下の関連コンテンツをご覧ください。それぞれの種類について費用相場を解説しているので、依頼したいと考えている種類の解説部分をご覧ください。
業務・基幹システムの費用相場、料金表
業務システム開発の種類別の開発費用相場
【種類別】業務システムの開発費用相場
システムの種類 | 概要 | 搭載機能例 | 目的 | 例 | 平均費用 |
グループウェア | チームや組織内のコミュニケーションや情報共有を支援するシステム | メール、スケジュール管理、タスク管理など | チームのコラボレーションや業務効率化を促進し、情報共有を円滑化すること | 社内メールシステム、スケジュール管理ツール | 400万円~450万円 |
総務管理系 | 企業の総務業務をサポートするためのシステム | 経費管理、勤怠管理、給与計算など | 総務業務の効率化や正確性向上、労務管理の効率化 | 経費精算システム、勤怠管理ツール | 600万円~650万円 |
総合管理系 | 企業全体の経営管理を支援するシステム | 財務会計、資金管理、予算管理など | 経営の効率化や意思決定のサポート、経営情報の一元化 | 経営管理システム、財務会計ソフト | 600万円~700万円 |
販売管理系 | 販売業務を効率化するためのシステム | 受注管理、在庫管理、売上分析など | 販売プロセスの最適化や顧客対応の向上、売上分析による経営戦略の立案 | 受注管理システム、POSシステム | 800万円~850万円 |
営業管理系 | 営業活動の管理や効率化を支援するシステム | 営業日報、顧客情報管理、営業成績分析など | 営業プロセスの効率化や顧客対応の向上、営業成績分析による営業戦略の立案 | 営業日報管理システム、顧客管理ツール | 900万円~950万円 |
顧客管理系 | 顧客情報の管理や顧客対応を支援するシステム | 顧客データベース、顧客履歴管理、顧客対応履歴など | 顧客情報の一元管理や顧客満足度向上、顧客への適切な対応 | CRMシステム、顧客データベース | 950万円~1,000万円 |
基幹システム系 | 企業の基幹業務を統合的に管理する総合的なシステム | 企業特有の業務プロセスに対応する機能 | 企業の基幹業務を一元管理し、業務プロセスの効率化と情報の正確性の向上 | 財務会計、人事管理、生産管理、在庫管理 | 1,000万円~ |
業務システムは、業務の効率化や簡素化を目的として作られるシステムです。主に各企業内で使用されるため、デザイン性などはサービス系開発と比較して重視されない場合が多い特徴を持っています。
業務システムの中で、経理処理や在庫管理、営業管理、販売管理、顧客管理など、どの企業でも行う業務については、汎用的な機能を持つパッケージシステムが開発されているため、パッケージ導入後にカスタマイズ開発を行うことが一般的です。これにより、開発スケジュールを早めたり、コストを抑えたりすることができます。
基幹システムは企業の基幹業務を管理するシステムであるため非常に重要度が高く、また、独自の業務プロセスに適したシステムが必要となるため、費用が高くてもスクラッチ開発することが多くなります。
業務システムの開発方法別の開発費用相場
【開発方法別】業務システムの開発費用相場
開発方法 | 費用 |
ツール導入・クラウド型開発 | 数万~数十万円 |
パッケージ+カスタマイズ開発 | 100~300万円 |
スクラッチ開発 | 500〜1,500万円 |
ツール導入・クラウド型開発の場合、月額料金がかかり、数万円から数十万円程度で利用できるものがあります。
一方、カスタマイズが必要な場合は、初期の開発およびカスタマイズに100万円から300万円程度かかることが想定されます。ただし、ランニングコストをかけずに開発が可能な場合もあります。
業務システムにおいてスクラッチ(完全なオリジナル開発)を選択する場合は、業務内容が独自性が高いか、複数の業務区分をまたがって使用するシステムの開発が必要なケースなどです。そのため複雑な機能開発が必要となり、500万円から1,500万円程度の費用が想定されます。
業務システム開発の案件事例
塾の生徒及びコース管理、請求管理システムの構築
業界・業種 |
教育 |
企業規模 |
中規模 |
課題 |
塾のコース管理および請求管理に関して、紙で一部管理しているため業務が煩雑になっている
生徒ごとにコース内容がカスタマイズされて請求額が変わるため、請求内容も煩雑化している |
解決方法 |
生徒ごとのコース管理、請求管理システムの構築
データベースの移行 |
予算 |
2000〜3000万円 |
開発体制 |
スクラッチ |
企業選定スケジュール |
1か月目:オリエンテーション
2~3か月目:見積書
4~5か月目:発注先決定 |
開発範囲 |
要件定義~保守・運用 |
サービス系システム(Webシステム)の費用相場、料金表
サービス系システムの種類
【種類別】サービス系システムの費用相場
システムの名称 | 概要・目的 | 例 | 費用相場 |
CMS | コンテンツを作成・編集・管理するためのシステム。ウェブサイトやブログの運営に使用され、コンテンツの公開や更新を容易にする。 | ニュースサイトの記事管理、企業のブログ運営など | 50万円~400万円 |
掲示板 | ユーザー間のコミュニケーションや情報共有を行うためのシステム。投稿やコメント、スレッドの管理などの機能を提供し、コミュニティ形成を支援する。 | オンラインコミュニティの運営、情報交換の場の提供など | 50万円~300万円 |
ECサイト | 商品やサービスのオンライン販売を行うためのシステム。商品の展示、注文受け付け、決済処理などの機能を提供し、オンラインショッピングを実現。 | オンラインストアの運営、商品の販売と注文管理など | 50万円~400万円 |
SNS | ユーザー同士のつながりやコミュニケーションを支援するシステム。プロフィール作成、投稿、フォロー・友達追加などの機能を提供し、ユーザーの交流を促進。 | ユーザーソーシャルネットワーキング、コンテンツ共有など | 100万円~500万円 |
予約管理サイト | 予約や予約管理を行うためのシステム。予約の受付、スケジュール管理、予約状況の確認などの機能を提供し、予約業務の効率化を図る。 | ホテルやレストランの予約管理、予約システムの提供など | 80万~500万円 |
マッチングサイト | ユーザー同士のマッチングやパートナー探しを支援するシステム。プロフィール登録、検索・フィルタリング、マッチングアルゴリズムなどの機能を提供し、ユーザーのマッチングをサポート。 | パートナー探し、求人・転職サイトなど | 100万円~500万円 |
サービス系開発は、ユーザー向けに提供するサービスを実現するためのシステム開発を指します。これには投稿サイト、マッチングサイト、SNS、動画配信サービスなどが含まれます。
ユーザーとの関係性が重要であり、業務システムと比較するとマーケティング視点などが求められることがあります。サービス系開発では、一般のユーザーが利用するシステムが多くなるため、デザイン性などの要素にも重点を置く必要があります。
また、システムの機能に頼る範囲によっても、費用が大きく変わってきます。
例えば、単純なユーザー投稿の一方向のシステムであれば、50〜100万円の範囲で開発することができる場合もあります。しかし、ユーザー投稿内容を承認してから掲載する機能や、掲載内容に関するユーザーへのメール通知、ユーザー同士のメッセージ交換などの機能が追加されると、開発費用は300〜500万円程度に増加することがあります。
サービス系開発方法別の開発費用相場
【開発方法別】サービス系システムの開発費用相場
開発方法 | 費用 |
パッケージ導入 | 数万円~数十万円 |
カスタマイズ | 50万円~500万円 |
スクラッチ | 300万円~2,000万円 |
サービス系システム開発の案件事例
飲食店のモバイルオーダーシステム
業界・業種 |
飲食 |
企業規模 |
小規模 |
課題 |
店舗の予約からモバイル上での注文、厨房への注文内容データの送信、決済まで連携できるシステムを一環して管理できるシステムを構築したい |
解決方法 |
ユーザーがQRコードから注文した内容を伝票化して厨房のプリンターに印刷し、伝票のQRコードから決済できるシステムの構築 |
予算 |
200万円~250万円 |
開発体制 |
スクラッチ |
期間 |
約半年 |
開発範囲 |
開発、設計 |
アプリケーション開発の費用相場
アプリケーション開発の種類
【種類別】アプリケーションの開発費用相場
アプリのジャンル | 概要・目的 | 例 | 開発費用の相場 |
店舗系アプリ | 商品情報の閲覧、予約・注文、ポイント管理などの機能を持ち、特定の店舗やブランドの情報やサービスを提供する | 飲食店の予約・注文アプリ、ファッションブランドのショッピングアプリなど | 600万円~ |
ショッピングカート型のECアプリ | 商品の閲覧、カートへの追加、注文手続きなどのEC機能を提供する | オンラインショッピングアプリ、フリマアプリなど | 100万円~ |
ゲームアプリ | エンターテイメントや娯楽を提供するためのゲームアプリケーション | パズルゲーム、アクションゲーム、ロールプレイングゲームなど | 300万円~ |
通話・メッセージアプリ | ユーザー間の音声通話やテキストメッセージの送受信を可能にする | ビデオ通話アプリ、チャットアプリなど | 100万円~ |
ツール | 特定の目的や機能を持ったユーティリティアプリケーション。 | 音声認識ツール、ファイル管理アプリなど | 50万円~300万円 |
チャットボット | 質問応答や情報提供などの機能を持ったユーザーとの自動対話を行うAI搭載のアプリケーション | カスタマーサポートチャットボット、情報案内チャットボットなど | 50万円~100万円 |
アプリ機能追加 | 既存のアプリに追加の機能を提供するアップデートやプラグイン | ゲーム内課金機能追加アプリ、地図アプリの拡張プラグインなど | 10万円~20万円(機能追加1つにつき) |
アプリケーション開発は、搭載する機能と対応するOSによって開発費用が変動します。
アプリケーション開発において、搭載する機能と対応するオペレーティングシステム(OS)は、開発費用に大きな影響を与えます。
機能の追加や複雑な仕様要件がある場合、開発に必要な作業量や開発者のスキル要求が増えるため、それに伴って開発費用も上昇する傾向があります。
また、対応するOSの種類やバージョンが増えると、開発者はそれぞれの環境やプラットフォームに合わせた開発作業を行う必要があり、開発プロセスやテストの工程が複雑化して開発費用が増加することがあります。
したがって、アプリケーション開発の費用相場を把握するためには、搭載する機能の詳細や要件、対応するOSの範囲やバージョン、さらには開発プロセスや作業量などを考慮する必要があります。
開発の規模や複雑さに応じて、予算やリソースを適切に計画しましょう。
アプリケーション開発方法別の開発費用相場
【開発方法別】アプリケーションの開発費用相場
開発方法 | 費用 |
ツール導入・クラウド型開発 | 数万円~数十万円 |
パッケージ+カスタマイズ開発 | 50万円~500万円 |
スクラッチ型開発 | 300万円~1,000万円 |
アプリ開発の案件事例
病院スタッフ用チャットアプリ(iOS)
業界・業種 |
医療・病院 |
課題 |
閉域網でインターネットに繋げないため、病院の先生や看護スタッフ間でコミュニケーションがとりづらい |
解決方法 |
閉域網でネットワークがつながらない環境下で使用できる医師と看護師のiOSのチャットアプリ |
予算 |
200万円 |
開発体制 |
スクラッチ |
期間 |
4カ月 |
開発範囲 |
要件定義~開発・設計・テスト・保守運用 |
システム開発の費用内訳
システム開発費用は、以下の計算式で算出されます。
システム開発費用=人件費+その他固定費用
システム開発における費用の大部分を占めるのは、「人件費」です。開発チームのメンバーの給与や報酬にかかる費用が人件費となり、主に「人月単価」と「開発工数」によって決まります。
人件費=人月単価×開発工数
また、固定費用にはドメイン取得費用、サーバー購入・管理費用、アプリストアの登録費用などなどが含まれます。
ここからはシステム開発における費用を決める要素についてご紹介するのでご参考にしてください。
人月単価の相場
人月単価の相場
| 初級SE | 中級SE | 上級SE |
人月単価 | 60万円~100万円 | 80万円~120万円 | 100万円~160万円 |
経験年数目安 | 1~5年 | 5~10年 | 10年以上 |
会社での役職 | 平社員 | 主任 | 課長 |
「人月単価」とは、1人が1ヶ月間の労働に対して受け取る報酬の単価です。この単価は、開発者のスキルや経験、専門性、市場価値などによって異なります。高いスキルや経験を持つ開発者ほど、人月単価も高くなる傾向があります。
基本的に、上流工程と呼ばれるシステムの要件定義や設計などの重要なタスクは人月単価や役職が高いSEが担当することになります。
開発工数
次に、「開発工数」とは、「人月(開発に必要な1カ月当たりの人数)×開発期間」であり、システム開発に要する作業時間の総量です。開発チームがプロジェクトに費やす総労働時間を指します。
開発工数は、システムの規模や機能、要件の複雑さに応じて変動します。大規模なプロジェクトや高度な機能を持つシステムでは、開発工数が増える傾向があります。
もしシステム開発において発注側と受注側の意識がずれていたり、システム開発にミスがあったりする場合は工数の手戻りが発生してしまうので、十分に注意した上でシステム開発に臨みましょう。
システム開発の費用を見積もる際には、開発工数を見積もり、それに人月単価を乗じて、開発の総費用を計算します。ただし、人件費だけでなく、ハードウェアやソフトウェアの導入費用、外部サービスの利用料など、その他の費用も考慮する必要があることに注意してください。
予算別のシステム開発の対応範囲と発注例
それでは、今ある予算内ではどのようなシステムが開発できるのでしょうか?
いくらぐらいでどのようなシステム開発ができるのか、予算ありきでどのくらいのことまで可能なのか、逆引き用にご紹介します。
【30万円規模のシステム開発】
- 内容
-
- Excel自動化
- ChatGPT導入
- 書類作成自動化等
- 技術
- python,VBA,GAS
- 目安期間
- 2~3ヶ月
(株式会社prezy)
【100万円規模のシステム開発】
- 内容
-
- 利用者と管理者の使用する管理画面が異なるようなサービスシステムの開発
- 利用者側にはよりわかりやすく、使い勝手のよいUIを提供するなど
-
(株式会社FUNBREW)
【1000万円規模のシステム開発】
- 内容
-
- 拡張現実アプリ (AR)
- 動画配信アプリ
- 業務効率化システム等
- 複雑な処理や多くの機能を実装するようなシステム
-
- 目安期間
- 半年程度
(株式会社Fabbi Japan)
システム開発費用の見積もり方法と見積書の項目例
具体的な項目を理解しておくことで、費用の妥当性を見極めることができるようにしておくと安心です。
システム開発の見積もりを依頼すると、以下のような項目について記載した見積書をもらうことができます。
見積書の項目例
開発工数(人月) | 要件定義 |
設計 |
開発・実装 |
テスト |
修正・調整 |
人月単価(円) | 初級SE |
中級SE |
上級SE |
その他固定費(円) | ハードウェア |
ライセンス料 |
外部委託費用 |
その他経費 |
具体的には、以下の見積書サンプルのような内容になります。
【システム開発費用見積書】
【開発内容】オンライン予約管理システムの開発
開発工程
- 要件定義: 1.5人月
- 設計: 1人月
- 開発・実装: 3人月
- テスト: 1.5人月
- 修正・調整: 0.5人月
人月単価: 80万円
開発工数合計: 7.5人月
人件費: 7.5人月×80万円=600万円
その他固定費用
- ハードウェア: 50万円
- ライセンス料: 30万円
- 外部委託費用: 100万円
- その他経費: 20万円
合計費用: 700万円
備考
- プロジェクト期間は6ヶ月を予定しており、開発チームには初級SE2名、中級SE1名、上級SE1名が参加します。
- ハードウェア費用はサーバーとネットワーク機器の導入費用を指します。
- ライセンス料は開発に使用するソフトウェアやツールのライセンス料金です。
- 外部委託費用はデザインやテストの一部を外部の専門業者に委託する費用です。
- その他経費はプロジェクトに関連するその他の費用を指します。
リカイゼンでは、開発や制作等の案件を、複数の制作可能業者に一括で見積もりを取ることが可能です。
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システム開発費用を安く抑える方法
システムの目的や必要な機能、予算を明確に伝える
外部の開発業者に対して、システムの目的やビジネス上の課題、具体的な要件を明確に伝えることは非常に重要です。開発業者がクライアントの要求や期待を正しく理解し、必要十分にシステムを開発する手助けとなります。
具体的には、以下の手順を参考にしてください。
- 目的の明確化:システムが何を達成するためのものなのか、その目的を明確に定義します。具体的なビジネス上の課題やニーズを把握し、それを解決するためのシステムの役割を明確化します。
- 必要な機能の洗い出し: システムが持つべき機能や要件を詳細に洗い出します。優先度や必須条件、追加機能などを整理し、開発に必要な機能を明確にします。余計な機能を排除することで、開発費用を抑えることができます。
- 予算の明確化: 開発にかけられる予算を明確に定義します。予算の範囲内で開発が行われるように、開発業者との間で合意を形成します。開発業者は予算を踏まえて効率的に作業を進めることができます。
パッケージを活用する
パッケージ活用メリットは以下の通りです。
- コスト削減
- パッケージを活用することで、開発にかかるコストを削減できます。既に開発されたパッケージを導入するため、ゼロから開発をする必要がなくなります。
- 時間短縮
- パッケージは既に完成された製品であるため、開発にかかる時間が短縮されます。必要な機能や要件を満たすパッケージを選ぶことで、迅速にシステムを導入できます。
- 安定性と信頼性
- パッケージは多くのユーザーによって利用されており、安定性と信頼性が高いことが多いです。パッケージベンダーが保守・サポートを提供しているため、問題が発生した際にもサポートを受けることができます。
パッケージの利用は一見安いし、スピーディーに開発を進めることができるため、パッケージをそのまま使用できる前提であれば、パッケージの利用がオススメです。
ただし、パッケージの利用は自由度や独自性が制限され、パッケージに合わせて業務プロセスを変更することや、一部の要件や要望が実現できない場合もあります。パッケージも自社用にカスタマイズを想定するのであれば、逆に新規開発の方がコスト押さえられるということもありうるので、パッケージにこだわり過ぎずに候補の1つとして考えてください。
最適な選択肢を見極めるためには、自社の要件や目的に合わせてパッケージの機能や制約を評価し、スクラッチ開発との比較検討を行うことが重要です。
参考:リカイゼンから見た5つのポイント
リカイゼンが過去16年のマッチングサービス運営を行ってきた経験からいうと、システム開発は「予想外」が起きることにより、システム開発費用が膨らむケースがあります。
初回見積もりを見て「安い」からと、細かい内容を確認せずに任せてしまうと、依頼範囲と思っていた部分が見積もりに含まれていなかったり、すべて任せっきりにしていて実際出来上がったものを見てみると思っていたのと違うと再開発が必要になったりなど、初回の見積もりを丁寧に進めていたり、安さだけに飛びつかなければ発生を防げたということもあります。
初回見積もりから、見積もり費用が増幅しないためには、以下のポイントを押さえておくことをオススメします。
- 見た目の安さだけで判断しない
- 見積書の合計金額だけを見て安さを判断してしまうと、想定の対応範囲が含まれていなかったなどのトラブルの原因になるので、「何が見積もりに含まれているのか」を確認しましょう。
- 提案の過不足を確認する
- 提案内容について、自社で対応する範囲が含まれてしまっていないか、逆に依頼したいことなのに漏れている項目がないか確認しましょう。漏れていて、後で出てきた場合には、基本的に追加請求になるケースが多いです。
- できるだけスタートはアジャイルではなく、ウォーターフォールを選択する
- 仕様を固めきらなくても開始できるアジャイルだと、いつまで立っても製品が完成せず、ずるずると開発費用がかかってしまうということがあります。まずは完成品の納品を目指しましょう。
- 完璧な受け身姿勢にならない
- 受け身体制ですべて任せきりにして、蓋を明けたら想定と違ったということを防ぐためにも、積極的に開発会社とコミュニケーションを取ることで、予期せぬ追加開発や改修開発を防ぐことができます。
補助金を利用する
システム開発では、様々な補助金の制度を利用することができます。
それぞれ応募条件はありますが、全体の採択率は50%を超えるものもあるため、一度検討してみることをおすすめします。
| 最大補助額 | 最大補助率 | 採択率 |
小規模事業者持続化補助金 | 150万円~600万円 | 50%~66% | 59% |
IT導入補助金 | 450万円 | 50% | 56% |
ものづくり補助金 | 750万円~1,250万円 | 50% | 50% |
事業再構築補助金 | 4,000万円~1億5,000万円 | 50% | 45% |
まとめ
ここまで、システム開発の費用相場を、システムの種類別、開発方法別に解説してきました。
まずはご自身が抱えている課題がどのシステムによって解決できそうかを把握し、システムの要件を明確にしましょう。
パッケージを活用することで開発費用を抑えることができますが、業務プロセスが複雑であったり、一般的ではなかったりする場合、スクラッチで開発した方が合計のコストは小さく収まることもあります。
見た目の安さだけで判断せず、必要な要件に対して過不足を確認し、補助金なども検討することで、費用を抑えながら満足のいくシステムを開発しましょう。
とはいっても、システム開発になれていない方の場合、何から考え始めればいいのか、どんな会社に依頼すればいいのかなど、わからないことも多いと思います。
システム開発に関して、費用感や内容を相談できる会社を探すなら「リカイゼン」にお任せください。リカイゼンでは、サポートデスクがヒアリングして要望を代わりにまとめ、マッチする候補企業を集めることが可能です。
まずは、どんな会社に相談できるのかの確認も含めお気軽にご相談ください。