業務アプリとは？メリットや選ぶときのポイント、導入方法について解説

業務アプリとは？メリットや選ぶときのポイント、導入方法について解説

業務効率化や生産性向上には、業務アプリの導入が有効です。しかし「業務アプリにどんなメリットがあるのかわからない」「自社で開発するべきか、既製品を選ぶべきか判断できない」と悩んでいる人も多いでしょう。

そこで今回は、業務アプリの概要と導入までの手順、自社開発・外注・既製品の違い、失敗しない業務アプリ選びのポイントについて解説します。ぜひ本記事を参考にして業務アプリを検討し、業務効率化に役立ててみてください。

業務アプリとは？

業務アプリとは「業務アプリケーション」の略称で、仕事などの作業を効率よく進めるために作られたソフトウェアです。顧客情報の管理を楽にできるなど、会社の仕事をスムーズにし、時間やコストのムダを減らすためによく使われています。

AIの台頭やクラウド利用が広がったことで、より多くの企業にとって使いやすくなっており、大企業だけが使うものではなくなりました。特別な知識がなくても簡単に使えるものが多く、会社の規模・業種に合わせてさまざまな種類があります。

業務アプリの種類

業務アプリにはいくつも種類があり、それぞれが異なる業務をサポートしているため、自社にあった業務アプリを選ぶことが重要です。ここでは、代表的な業務アプリの種類を6つ紹介します。それぞれの役割を知ることで、業務アプリの活用イメージがより明確になるでしょう。

生産管理システム

生産管理システムは、材料の仕入れから製品が完成するまでの流れを、計画どおりにスムーズに管理・進めるためのアプリです。以下のような機能を備えており、主に製造業の会社で使われます。

＜生産管理システムの機能＞

• 製造スケジュールの作成
• 必要な材料や部品の管理
• 製造作業の進み具合のチェック

生産管理システムを利用することで、ムダな材料の仕入れ防止や、納期に間に合うような計画的な作業につながります。

販売管理システム

販売管理システムは、商品の注文や売上、請求など、モノを売る流れを管理するアプリです。商品の販売から、入金されるまでの一連の業務を滞りなく進めるために使われます。

販売管理システムは、次のような機能を備えています。

＜販売管理システムの機能＞

• 見積書・請求書の作成
• 売上データの記録
• 入金状況のチェック

支払い方法が多様でも、入金状況の管理を比較的簡単に行えるでしょう。

在庫管理システム

在庫管理システムは、倉庫にある商品・材料などの数を把握するためのアプリです。過剰な材料発注や、商品の製造を防ぐのに活躍します。

在庫管理システムは、以下のような機能を備えています。

＜在庫管理システムの機能＞

• 商品の出入りを自動で記録
• 在庫の過不足を警告
• 倉庫ごとの在庫数の管理

在庫数が誰でもすぐにわかることで、売れ筋商品の在庫数を切らさず、販売機会を逃さずにすむかもしれません。

財務・会計システム

財務・会計システムは、お金の出入りを記録・管理するアプリです。経営にとって大切なお金の流れを正確に記録し、税金の申告や経営判断に役立てられます。

財務・会計システムは、次のような機能を備えています。

＜財務・会計システムの機能＞

• 仕訳帳や総勘定元帳の作成
• 領収書・経費の入力
• 決算書の自動作成

お金のミスは会社間の信頼性を左右するため、ミスを防げる財務・会計アプリを重宝する会社も多くあります。

人事・給与システム

人事・給与システムは、社員の情報や働き方、給与の計算を行うアプリです。とくに社員数が多い会社では、正確に給与を支払うために欠かせません。また、残業時間の管理も行えるため、社員の過労予防にもつながる便利なアプリです。

たとえば、次のような機能を備えています。

＜人事・給与システムの機能＞

• 社員の情報管理（住所、役職など）
• 税金や保険の自動計算
• 給与・賞与の計算

情報系システム

情報系システムとは、社内の情報共有や連絡、書類の管理などをサポートするアプリです。誰がどの情報をもっているかを整理し、チーム全体の仕事をスムーズに進めるために使われます。

たとえば、以下のような機能を備えています。

＜情報系システムの機能＞

• 社内メール・チャット機能
• スケジュールの共有
• 文書やデータの管理・検索

業務アプリを導入するメリット

業務アプリを導入すれば、日々の仕事がスムーズに進み、会社全体の働き方を大きく変えられる可能性があります。ここでは、業務アプリを導入するメリットを3つ紹介します。

業務の効率化につながる

業務アプリを導入するメリットのうち最も代表的なものが、作業のスピードが上がり、効率化を実現できる点です。これまで手書きやエクセルで管理していた業務を業務アプリに置き換えることで、ムダな作業を削減できます。

たとえば、同じ作業が自動化されることで、何度も同じ作業をする必要がなくなり、ほかの仕事に時間を使えるようになります。また、作業ミスが減る点も大きなポイントです。数字の打ち間違いや転記ミスなど、人が行う作業にありがちなミスも、業務アプリを使えば最小限に抑えられます。

データ分析がしやすくなる

業務アプリは、データの蓄積と活用にも強みがあります。手書きとは違い、すべての情報がデジタルで記録されているため、過去の実績や傾向をもとにした分析を行うことが可能です。

勘や経験に頼った経営から、数字にもとづいた根拠ある判断ができるようになるのは、大きなメリットです。とくに、経営者やマネージャーにとっては、素早く現状を把握し、次の戦略を立てるために欠かせない機能といえます。

属人化の解消につながる

「この仕事はあの人しかわからない」という状況は、多くの会社が抱える悩みでしょう。業務アプリは、属人化を防ぐのにも有効です。業務アプリを導入すれば、作業内容や進捗がアプリ上に記録されるため、担当ではない人でも業務の流れを比較的簡単に把握できます。社内全体の業務知識の安定感が増し、人の入れ替わりにも柔軟に対応できる状態につながります。

業務アプリを選ぶときの4つのポイント

業務アプリを導入する際は、ただ「便利そうだから」という理由だけで選んでしまうと、あとで「あまり導入した効果がなかった」と後悔するかもしれません。ここでは、業務アプリ選びで失敗しないための4つのポイントを紹介します。

必要な機能が備わっているか

導入を検討している業務アプリに、自社の仕事に必要な機能が備わっているかを確認するのは不可欠です。デザインがきれいで、良い口コミが多いアプリでも、自社の業務にあっていなければ意味がありません。自社の業務フローに沿って「この作業を効率化したい」と思う箇所に、対応できる機能がアプリに備わっているかを確認しましょう。

操作性に優れているか

どんなに高機能な業務アプリでも使い方が難しい場合、実際に使用する現場の人は使いたがりません。とくに、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな社員が多い会社では、直感的に使えるかどうかが重要です。操作方法が直感的でない場合、導入後に研修や説明の手間がかかり、生産性が下がってしまう可能性もあります。

自社の環境に合っているか

業務アプリは、導入する会社の規模や業種、働き方によって相性が異なります。たとえば、大企業向けに作られた多くの従業員が使える高性能な業務アプリは、中小企業にとって割高になってしまうかもしれません。

また、自社で使っている、ほかのシステムと連携できるかどうかも重要です。たとえば、勤怠管理アプリと給与計算ソフトが連携していれば、データを手で入力する必要がなくなり、作業が楽になります。

セキュリティ対策は万全か

業務アプリには、社内の大切な情報がたくさん保存されます。顧客情報や売上データなど、外部に漏れると大きなトラブルになってしまう情報ばかりです。そのため、セキュリティ対策がしっかりされているアプリを選ぶことが重要です。

とくにクラウド型のアプリを使う場合は、外部からの攻撃や不正ログインなどのリスクがあるため、運営会社の信頼性やサポート体制を確認しておきましょう。

業務アプリの導入方法

業務アプリの導入方法にはいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。目的や予算、社内のITスキルなどに応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。ここでは、以下3つの方法について解説します。

＜業務アプリの導入方法＞

• 既存のアプリを使う
• 外部に開発を依頼する
• 自社で開発する

それぞれを具体的に見ていきましょう。

既存の業務アプリを導入する

すでに世の中にある業務アプリをそのまま導入する方法です。最も手軽で、多くの企業が最初に検討する方法といえます。「すぐに導入したい」「特別な機能は不要」という企業におすすめです。たとえば、勤怠管理や請求書作成、在庫確認など、汎用的な単体業務であれば、既存アプリでも十分に対応できます。

ただし、アプリ間の連携ができなかったり、仕様が決まっているためその仕様にあわせた業務に変更しなければならなかったり、アプリ間をつなぐための連結アプリの開発が必要になることもあるため、用途とあわせて検討しましょう。

外注して独自の業務アプリを開発してもらう

自社の業務にぴったりあったアプリを使いたい場合は、システム開発会社に開発を依頼する方法もあります。自社の業務に合わせたオーダーメイドのアプリが作れるため、効率化や生産性アップが大きく期待できるでしょう。ただし、開発に時間がかかったり、費用が高額になりやすい点には注意が必要です。

社内で独自の業務アプリを開発する

近年では、ITスキルをもつ社員が、自社内でアプリを開発するケースが増えています。ノーコードやローコードと呼ばれる、プログラミングの知識が少なくても開発できるツールの登場により、社内でのアプリ開発のハードルは以前より格段に下がっています。

ただし、アプリケーションを作るツールは簡単になっても、システムとしてうまく稼働するよう、全体設計やデータベースの考え方、ワークフローの作成などのシステム開発に必要な上流の考え方がないと、システム連携が取りづらかったり、状況ごとに単独アプリケーションが作られて逆に手間がかかったり、ユーザーの使い勝手が悪く結果使わなかったり、ということが発生しやすいので、システムの全体像を知る方がいない場合は、ノーコードやローコードツールを使用する際にもシステム開発のプロに相談することをおすすめします。

自社の目的や予算、社員のスキルなどを整理したうえで、どの方法が最も適しているかを考えましょう。

高品質な業務アプリを作るなら専門家への依頼がおすすめ

業務内容や環境によっては、既存のアプリは適しておらず、導入してもあまり成果を期待できない可能性があります。そのような場合は専門家に相談し、オリジナルの高品質な業務アプリを作ってもらうのが効果的です。

専門家に依頼すれば、業務の流れを理解したうえで本当に必要な機能を形にしてくれるため、より使いやすく、長く使えるアプリができるでしょう。また、業務アプリは作って終わりではなく、運用していく中で修正や改善が必要になることもあります。開発後のサポートを受けられる点も、大きなメリットといえます。

まとめ

業務アプリは、業務の効率化や情報の一元管理を実現する強力なツールです。自社にあったアプリを選ぶことで、業務品質やスピードの向上が期待できます。本記事を参考にして、ぜひ自社にぴったりな業務アプリを導入してみてください。