プログラミングの開発環境とは？初心者からプロまで使えるおすすめ7選を紹介

プログラミングの開発環境とは？初心者からプロまで使えるおすすめ7選を紹介

プログラミングの開発環境とは、パソコンやキーボード、使用するソフトウェアなど、開発に用いられる各種ツールを指します。適切な環境を構築するには、判断基準となる基本的な知識が欠かせません。

そこで今回は、プログラミングの開発環境について、基本から選び方まで詳しく解説します。おすすめの開発環境7選もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

予備知識を身につけておけば、余計なコストをかけず、エンジニアの作業効率を落とさない環境を整備できるでしょう。

開発環境とは？

開発環境とは、システム・ソフトウェア開発を行うための作業環境を指します。専用ツールやプログラミング実行環境、パソコン・モニターなど、開発に関するあらゆるものを総称して、開発環境と呼ばれています。

次項では、開発環境の重要性と統合開発環境（IDE）について、詳しく見ていきましょう。

開発環境が重要な理由

エンジニアの作業効率や納品物の品質を向上させるためには、適切な開発環境の整備が求められます。たとえば、ソースコードの構築には、テキストエディタと呼ばれる、プログラミング言語を書くためのツールが必要です。

Windowsに標準搭載のメモ帳もテキストエディタの一つですが、プログラミングに特化したツールではありません。動作が軽量でプログラミングをサポートする機能がなければ、エンジニアの作業効率は低下するでしょう。

スムーズな作業環境はエンジニアの負担やストレスを軽減し、ヒューマンエラーの防止にもつながります。納品物の品質を担保するためにも、快適な開発環境の整備は欠かせません。

統合開発環境（IDE）とは？

統合開発環境（IDE）とは、テキストエディタや実行環境、デバッガ（バグを見つけるツール）などを1つにまとめた専用ツールです。IDE登場以前は、各種ツールを個別にインストールし、使い分ける必要がありました。

しかし、IDEは開発に必要なツールがパッケージングされているため、開発作業をワンストップで進められます。エラーチェックや自動補完（入力補助機能）なども搭載され、システム・ソフトウェア開発の効率化に期待できるでしょう。

開発環境を構成する要素

開発環境を構成する要素は、ハードウェア・ソフトウェアの2種類にわけられます。各要素について、次項から詳しく解説します。

ハードウェア

ハードウェアとは、プログラミングや製品のテストなどを行う物理的な機器です。開発環境におけるハードウェアの具体例を見ていきましょう。

＜ハードウェアの例＞

• パソコン
• キーボード
• モニター
• マウス
• スマートフォン（アプリ開発の場合）

上記のハードウェアをそろえなければ、開発は進められません。なかでも、パソコンは開発に適したスペックが要求されるため、CPUやメモリなどの性能を考慮する必要があります。

ソフトウェア

ソフトウェアとは、プログラミングを行うための実行環境やツールを指します。開発環境におけるソフトウェアの具体例を見ていきましょう。

＜ソフトウェアの例＞

• パソコンのOS（Windowsやmacなど）
• テキストエディタ
• プログラム実行のターミナル
• 統合開発環境（IDE）
• プログラムの変更内容を把握する管理ツール

システム・ソフトウェア開発では、プログラムを記述するテキストエディタはもちろん、作成したプログラムを実行する環境も必要です。さらに、プログラムは随時変更されるため、現在の状況を把握するバージョン管理ツールも欠かせません。

ただし、ソフトウェアの種類によって、使い勝手や機能は異なります。開発対象をもとに、必要なソフトウェアを選別しましょう。

初心者からプロまで使えるおすすめ開発環境7選

初心者からプロまで使える、おすすめの開発環境を7種ご紹介します。メリットやデメリット、向いている開発も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

Visual Studio Community

Visual Studio Communityは、Microsoft社から提供される統合開発環境です。

Visual Studio Communityは各種言語に対応しているため、AI領域やスマホアプリ、Webサイトなど、幅広いジャンルの開発に適しています。

ただし、組織内での利用には制限があります。学習用やフリーランスの開発用など、用途が限られるため注意しましょう。

Claris FileMaker

Claris FileMakerはデータ管理に特化した、Claris International Inc.提供の統合開発環境（IDE）です。

Claris FileMakerはデータ管理に特化しているため、顧客管理やプロジェクト管理、請求書発行などのシステム・ソフトウェア開発に向いています。Windowsやmac、LinuxなどあらゆるOSに対応するほか、直観的な操作性でエンジニア初心者にも扱いやすいIDEです。

ただし、開発対象が限定的なため、開発予定のシステム・ソフトウェアにマッチするか検討しましょう。

Eclipse

Eclipseは、オープンソースソフトウェアとして提供され、誰でも無料で利用可能な統合開発環境（IDE）です。

オープンソースであるEclipseは、既製品のように決められた機能性・拡張性に縛られません。必要なプラグインを導入することで、開発ジャンルを問わず対応できる環境が整えられるでしょう。

ただし、プラグインの選定や初期設定はすべて自前で行う必要があり、初心者には扱いが難しいかもしれません。パソコンのスペックも考慮しつつ、拡張範囲を定める必要もあります。

Xcode

XcodeはAppleプラットフォーム向けの統合開発環境（IDE）です。

Xcodeには、学習にも活用できるフレームワークが提供されているため、初心者でもアプリ開発に携われます。ただし、開発対象はApple製品に限定されるので、汎用的なIDEとはいえません。

Android Studio

Android Studioは、Androidアプリ開発に特化した統合開発環境（IDE）です。

Android Studioは、Google提供のIDEなので、Androidアプリ開発への親和性・信頼性に優れています。初心者向けのトレーニングカリキュラムも提供されているため、スキル・ノウハウを問わず、利用しやすいIDEといえるでしょう。

RStudio

RStudioは、統計・データ分析に特化した開発言語「R」を用いる、オープンソースライセンスの統合開発環境 (IDE) です。

Unity

Unityは複雑なプログラミングなしで、ゲームや3Dモデルを開発できる統合開発環境(IDE)です。

Unityは直観的な操作で、ゲームや3DモデルをプログラミングできるIDEです。アプリやインディーゲームの開発、初心者の学習などの用途に向いたIDEといえるでしょう。

プログラミング言語別のおすすめ開発環境

プログラミング言語別に、おすすめの開発環境と構築方法を解説します。

Java

Javaにおすすめの開発環境、構築方法は、次のとおりです。

Javaは、WindowsやmacOS、Linuxなど、あらゆるOSで実行できるプログラミング言語です。開発環境を整える際は、用途に応じたIDEを用意することで開発をスタートさせられます。

Python

Pythonにおすすめの開発環境、構築方法は、次のとおりです。

PyCharmは、初心者～上級者まで扱いやすいIDEで、無料版も提供されています。一方、AnacondaはPythonに特化しており、データ解析・分析に向いたIDEです。スキルや用途に合わせ、IDEを使い分けましょう。

PHP

PHPの開発環境を構築するには、まずPHP本体を公式サイトからインストールする必要があります。必要に応じて、以下のIDEもインストールしましょう。

なかでも「XAMPP」は、開発に必要なデータベースやWebサーバーなど、各種ツールがセットになっているため、開発環境の構築にかかる手間を省きやすいIDEです。

Ruby

Rubyの場合、実行環境であるRuby本体をインストールし、ライブラリ管理ツールやフレームワークを導入することで環境構築できます。

IDE（RubyMine）の導入により、エンジニア好みに開発環境をカスタマイズできます。

JavaScript

JavaScriptにおすすめの開発環境、構築方法は、次のとおりです。

JavaScriptは、ブラウザ上で動作するプログラムなので、特別なツールは必要ありません。しかし、上記のようなIDEを導入することで、動作確認やバージョンチェックなどを速やかに行えます。

C言語

C言語におすすめの構築方法は、次のとおりです。

個人開発であれば、初心者にも扱いやすく、機能性に優れたVisual Studio Communityがおすすめです。「チーム体制での開発」「エンジニア好みの環境を構築」などを目的とする場合は、柔軟性の高いEclipseも検討しましょう。

Swift

Swiftは、Apple製品のアプリ開発に用いられるプログラミング言語です。そのため、開発環境はXcodeを導入し、構築しましょう。

＜Swiftの開発環境構築＞

• macOSのパソコンを用意する
• AppleIDを取得する
• Xcodeのインストール＋初期設定

Xcodeは実行環境も含め搭載されているため、インストールするだけで開発環境を整えられます。

開発環境を選ぶ際のポイントと注意点

開発環境を選ぶ際のポイントと注意点について、解説します。

自分が扱いやすいものを選ぶ

自分（エンジニア）が扱いやすい環境を整備することで、作業効率を落とさず、制作物の品質向上も狙えます。たとえば、初心者エンジニアの場合は「直観的な操作性」「簡易な初期設定」などを軸に選ぶことで、プログラミングに注力しやすい環境を整えられるでしょう。

自分のスキルやノウハウをベースに環境を整備できれば、作業工数の削減やヒューマンエラーの防止にも効果が期待できます。

プログラミング言語との相性を確認する

開発環境を選ぶ際は、プログラミング言語との相性を確認し、開発を進められるかを判断しましょう。たとえば、XcodeはApple製品に特化した開発環境であり、対応言語はSwiftやC/C++、Javaなどです。

異なる言語（PythonやPHPなど）には対応していないため、言語を間違えると開発を進められません。プログラミング言語と開発環境の相性を確認し、導入すべきIDEやツールも選定しましょう。

拡張性を確認する

開発環境の拡張性を確認し、エンジニア好みの環境を整備できるかを判断しましょう。たとえば、Eclipseの場合、プラグインによって、タスクやバージョン管理機能の追加、エディタ機能の拡張などが行えます。

拡張性が高いほど、エンジニアの特性や好みに応じた機能・仕様を追加でき、生産性や作業効率を高められます。

予算に合ったものを選ぶ

開発予算に合わせた開発環境を選び、コストを圧迫しないよう注意しましょう。パソコンやキーボードなどのハードウェアはもちろん、IDE・各種ツールのソフトウェアも価格はピンキリです。

なかでもソフトウェアは、価格によって機能・性能に差があります。無料版には使用制限もあるため、予算はもちろんですが、用途にマッチする機能・性能があるかも必ず確認してください。

最新のツールが最適とは限らない

予定している開発プロジェクトに対し、最新のツールが最適とは限りません。大切なのは、プロジェクト・エンジニアとツールの親和性です。

たとえば、最新のパソコン・IDEを用意しても、パソコンの性能がIDEの処理速度に追いつかない場合、動作遅延により開発を妨げる恐れもあります。開発言語や搭載機能、スペックなどを照らし合わせ、適切なツールを選択しましょう。

専門家のサポートを受けて、最適な開発環境を構築しよう

専門家のサポートを受け、最適な開発環境を構築することで、より快適かつスムーズな開発につながります。知識や経験がなければ、プロジェクトやエンジニアに適切な開発環境はどれか、判断が難しいかもしれません。

間違った選択は余計なコスト・リソースを割いてしまい、開発に支障をきたすでしょう。目的やスキルに合った開発環境を整えることは、作業効率や製品の品質向上につながります。

「チーム開発に最適な環境がわからない」「どんな環境がベストか知りたい」といった場合は、専門家の知恵も借りてみましょう。

まとめ

開発環境の構築は、開発プロジェクトの円滑化、エンジニアの負担軽減などに効果を発揮します。ただし、設備・ツールは最新のものにこだわる必要はありません。

大切なのは、エンジニアやプロジェクトとの相性です。中古のパソコンであっても、各種ツールが稼働できる処理性能があれば、問題ありません。

パソコンのスペックや総合開発環境（IDE）の機能など、詳細な要件を開発プロジェクトと照らし合わせ、適切な環境を構築しましょう。