スパイラル開発とは?アジャイル開発やウォーターフォール開発との違い、メリット・デメリットを解説
- [更新日]2025/04/30
- [公開日]2014/03/13
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目次
スパイラル開発とは?アジャイル開発やウォーターフォール開発との違い、メリット・デメリットを解説
新規システムの導入・開発を始める際に、開発手法の違いを理解しなければ、想定する予算・スケジュールを超過する恐れがあります。
そこで今回は、スパイラル開発を軸に、主な特徴やほかの開発手法との違いについて解説します。スパイラル開発のメリット・デメリットも解説するので、システム導入の目的や理想にマッチしているかを確認してみてください。
開発手法の基本を理解できれば「求める品質水準に達していない」「これ以上コストをかけられない」などのリスクを軽減できます。
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スパイラル開発とは?
スパイラル開発とは、機能ごとに要件定義、設計、開発、テスト、評価・改善の工程を繰り返し、システムを開発する手法です。一連の工程を終えた際はプロトタイプを作成し、クライアントからのレビュー・フィードバックを受け、改善による品質向上を狙います。
同じ工程を繰り返す流れが、螺旋の形状を連想させることから「スパイラル」という名称が付けられました。
スパイラル開発の流れ
スパイラル開発の流れを5つの工程に分けて、解説します。
➀要件定義
要件定義では、システムの目標・目的や機能など、開発の方向性を明確化します。システムのイメージを具体化できるよう、以下のポイントを仕様書に反映してもらいましょう。
- <要件定義で具体化するポイント>
-
- システムを導入する目的や背景
- 搭載したい機能
- 業務プロセスにおける課題や実現したいプロセス
- セキュリティ性能や将来的な拡張性
- 開発予算やスケジュール
要件定義は、ベンダーからのヒアリングを通じて行われます。完成した仕様書はクライアントにも共有されるため、抜け漏れがないか上記のポイントとも照らし合わせてチェックしましょう。
②基本設計
基本設計では、要件定義をもとに全体の骨組みを作成します。
- <設計される内容>
-
- 実装する機能
- 各機能の概要
- システムのユーザーインターフェース
- データ処理の流れや構造
基本設計では、優先度の高い機能から設計します。作成された設計書はクライアントも確認できるため、この段階で意図しない仕様を発見した場合はベンダーに確認しましょう。
③詳細設計
詳細設計では、開発担当のエンジニア向けに設計書が作成されます。
- <詳細設計で具体化される内容>
-
- 各機能の実装方法
- アルゴリズムの詳細
- データベースの格納方法や索引(インデックス)
詳細設計書をもとに、エンジニアはプログラミングで機能を実装します。
④開発・テスト
開発・テストでは、詳細設計に基づいて機能の実装・検証が行われます。
- <開発・テストの流れ>
-
- 設計書に基づいて機能を実装する
- 機能ごとにテストを行い、仕様通りに動作するかを検証する
- 各機能を統合し、全体が正しく稼働するかを検証する
- テスト結果のレビューを行う
テスト結果で改善点が発見された場合、次回のスパイラル(開発工程)の品質改善に活かされます。
⑤評価・改善
評価・改善では、完成したシステムが仕様に沿って開発されているか、確認が行われます。
- <評価・改善の実施内容>
-
- クライアントのフィードバックを受け取る
- フィードバックをもとにシステムを評価する
- 評価結果から改善点を洗い出す
- 次回のスパイラルで実施すべき改善策を決める
評価・改善は、次回のスパイラルに向けた準備段階の工程です。ベンダーやクライアント、ステークホルダーなども参加し、改善点の洗い出しが行われます。全体の品質を向上させる重要な工程なため、評価・改善では積極的にコミュニケーションを図りましょう。
スパイラル開発のメリット
スパイラル開発のメリットを3つ解説します。
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仕様やスケジュールを柔軟に変更できる
スパイラル開発は、設計~評価を繰り返す中で完成系を目指すため、仕様やスケジュールの柔軟な変更が可能です。前述のとおり、スパイラル開発は機能別に設計~評価を行い、改善点を見つけて次回のスパイラルで修正します。
改善・修正を前提としているため、クライアントの要望による仕様変更・機能追加にも対応してもらえます。
リスクを最小限に抑えられる
スパイラル開発は、機能ごとに段階的な開発を進めるため、開発の途中段階でもリスク要因の洗い出しと改善が可能です。たとえば、機能実装の段階で仕様書と異なる箇所が発見されても、次回のスパイラルで改善・修正できます。
スパイラル開発は、定期的なリスク管理を実施できるため、開発プロジェクトの安定化が図れるでしょう。
プロダクトの品質を保ちやすい
スパイラル開発は、プロトタイプのレビュー・フィードバックを行うため、プロダクトの品質を保った開発を実現できます。スパイラル開発では、初期段階でプロトタイプを完成させ、完成系のイメージをクライアントと共有します。
求める機能・性能を満たすか、開発の途中段階で評価できるため、品質低下のリスクを抑えられるでしょう。さらに、スパイラル開発は修正・改善を前提とした手法です。機能追加や不具合の改善が発生しても、後戻りによる大幅なスケジュール遅延のリスクも軽減されます。
スパイラル開発のデメリット
スパイラル開発のデメリットを解説するので、許容できないリスクがないかを確認しましょう。
プロジェクトの全体像を把握しにくい
スパイラル開発は、機能ごとに計画を立てて開発を進めるため、プロジェクトの全体像を把握しづらくなります。具体的な工数を把握しないまま、評価・改善を繰り返し続けた場合、予定していたリリースが遅延するかもしれません。
さらに、仕様変更の繰り返しで、開発プロジェクトの方向性がズレると、システム導入の目的・目標から遠ざかるリスクもあります。ベンダーと密にコミュニケーションを取り、全体像の把握に努めましょう。
開発コストがかさみやすい
評価・改善を繰り返した結果、開発コストが想定以上にかさむリスクもあります。開発コストの大半を占めるのは、人件費です。
評価・改善の繰り返しで開発期間が延びるほど、稼働時間・人数が増え、人件費が増加します。限られた予算内で開発を行う際は、コスト管理も含めてベンダーと相談してください。
スパイラル開発とほかの開発手法の違い
スパイラル開発とほかの開発手法の違いを解説します。各開発手法の特徴を理解して、自社の予算・スケジュールにマッチした手法を見つけましょう。
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アジャイル開発との違い
アジャイル開発との違いは、次のとおりです。
項目 | アジャイル開発 | スパイラル開発 |
---|---|---|
開発の目的 | ・開発の迅速化・高品質なプロダクトの提供 | ・高品質なプロダクトの提供 |
開発手法 | ・機能単位で開発工程を繰り返す | ・機能単位で開発工程を繰り返す |
評価のタイミング | ・計画時に定めた期間ごと | ・プロトタイプ完成後 |
リリースのタイミング | ・機能が完成した時点 | ・すべての機能が完成した時点 |
どちらも機能単位で開発を進めますが、アジャイル開発では計画的に評価とリリースを繰り返します。スケジュール遅延のリスクが少なく、より迅速な開発プロジェクトを実現できる手法です。
ウォーターフォール開発との違い
ウォーターフォール開発との違いを見ていきましょう。
項目 | ウォーターフォール開発 | スパイラル開発 |
---|---|---|
開発の目的 | ・開発状況の把握・スケジュール遅延の回避 | ・高品質なプロダクトの提供 |
開発手法 | ・上流から下流へ段階的に進行 ・工程を後戻りしない | ・機能単位で開発工程を繰り返す |
評価のタイミング | ・テスト実施時 ※ベンダー側でテスト | ・プロトタイプ完成後 |
リリースのタイミング | ・すべての工程を終えた後 | ・すべての機能が完成した時点 |
ウォーターフォール開発は綿密な計画を立て、上流から下流工程に向けて段階的に進行させる開発手法です。スパイラル開発のように工程を繰り返さないため、スケジュール遅延のリスクが軽減されます。
プロトタイプ開発との違い
プロトタイプ開発との違いを見ていきましょう。
項目 | プロトタイプ開発 | スパイラル開発 |
---|---|---|
項目 | プロトタイプ開発 | スパイラル開発 |
開発の目的 | ・高品質なプロダクトの提供 | ・高品質なプロダクトの提供 |
開発手法 | ・初期段階でプロトタイプを作成 ・クライアントと認識を合致させる | ・機能単位で開発工程を繰り返す |
評価のタイミング | ・要件定義後 | ・プロトタイプ完成後 |
リリースのタイミング | ・プロトタイプ改善後 | ・すべての機能が完成した時点 |
プロトタイプを作成し、評価・改善を繰り返す点において、プロトタイプ開発とスパイラル開発は似ています。しかし、プロトタイプ開発は機能ごとに開発工程を区切りません。
プロダクトのプロトタイプ(試作品)を要件定義後に作成し、クライアントのフィードバックを受けます。クライアント・ベンダー間において、認識のズレを最小限に抑える手法といえるでしょう。
スパイラル開発が向いているプロジェクトの特徴
スパイラル開発が向いているプロジェクトの特徴をご紹介します。
比較的規模が大きい
品質水準の高まる規模の大きいプロジェクトほど、スパイラル開発が向いています。プロジェクトの規模が大きくなると、細部のエラーやトラブルが把握しづらくなります。
たとえば、ウォーターフォール開発のようなトップダウン形式の開発手法では、全体を把握しきれず、品質管理へのハードルが高まるでしょう。一方、スパイラル開発の場合、規模の大きさにかかわらず、機能単位で品質を高めながら開発を進められます。
ただし、規模が大きくなるほど開発コストも高まるため、潤沢な予算を確保できることが前提です。
仕様変更の可能性が高い
仕様変更の可能性が高い場合、スパイラル開発が適しています。スパイラル開発は、機能単位でクライアントからのレビュー・フィードバックを受けながら、進行します。つまり、仕様変更を前提とした開発手法なため「完成系が見えない」「複雑な仕様が求められる」といったケースに適しているでしょう。
発注者がシステムの発注に慣れていない
発注企業の担当者がシステム発注に慣れていない場合、ベンダー・クライアント(発注企業)で認識を合致させられるスパイラル開発が向いています。システム開発の発注経験がない場合、完成系のイメージが難しく、ベンダーと認識がズレるかもしれません。
しかし、スパイラル開発は、機能単位で状況を把握しつつ進められます。実物を見ながら完成系をイメージできるため、理想に近いシステムを開発できるでしょう。
スパイラル開発は専門家に依頼して、効率よく進めよう
スパイラル開発は、専門家(開発会社)に依頼して、効率的に開発を進めましょう。システム開発の内製化は、新規人材の雇用や育成にコスト・時間がかかります。コア業務へ支障をきたす恐れもあるため、システム開発に慣れない企業は、専門家への外注を検討しましょう。
とくにスパイラル開発の場合、評価・改善を繰り返しすぎると、スケジュールの遅延やコスト増加を招きます。最小限の工程で開発を終えるためにも、ノウハウ・実績が豊富な専門家へ依頼しましょう。
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まとめ
スパイラル開発は、機能ごとに開発工程を繰り返し、プロダクトをブラッシュアップできる手法です。クライアントとベンダーの認識がズレるリスクも少なく、開発プロジェクトを成功に導きやすい手法ともいえるでしょう。
ただし、要望の変更や機能の追加を何度も行うと、当初の計画が崩れるリスクもあります。システム開発を外注する際は、求める仕様やシステム導入の目的を明確化しておきましょう。
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