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プロジェクトの失敗を防ぐ要件定義の進め方

目次

プロジェクトの失敗を防ぐ要件定義の進め方

「日経コンピュータ」の調査によると、システム開発のプロジェクト成功率は15年前の26.7%から昨年は52.8%と26.1ポイントも改善されたそうです。
成功率が劇的に向上した!と楽観視する一方で、半分が失敗しているというのも現実です。

ちなみに失敗理由の筆頭は、「要件定義が不十分」で、スケジュールを守れなかった理由は「システムの使用変更が相次いだから」としており、スケジュールを守れなかったプロジェクトで最も苦労した工程は、ここでも「要件定義」という回答が最も多かったです。
本記事ではシステム開発のプロジェクトの失敗原因を探りながら、プロジェクトを成功に導く方法を紹介していきたいと思います。

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1. 要件定義の失敗例

2億のプロジェクトの失敗の原因

とある会社の業務システム開発の予算は2億円でした。
それまで使用していたシステムは、Accessベースのもので増設を繰り返し、不具合の箇所を直すと、ほかで不具合が発生するような危険な状態でした。作業効率も低下しており、システムとして満足に機能するものとは到底言えない状況だったのです。

システムの不具合を回避するために知らぬ間にアナログの運用ルールが増えていき、データのトレーサビリティや整合性が取れない状態にまでなっていました。社内でルールの統一が撮れていなかったので、より状況は悪化していたと言えます。

当時の経営層は、大規模なシステム開発が初めてで、2億という予算を提示したことで満足してしまい、まずはプロの業務コンサルにお金をかけて業務整理をした上で要件定義に入るべきだという開発企業からのアドバイスを無視する決断をしてしまったのです。大規模なシステム開発が初めてだったとはいえ早まった判断だったと思われます。

そして予想どおり、2億を使いきっても一部のシステムしか開発できず、2年のうちにさらに2億以上の予算をかけて開発しなおすことになりました。合計4億という高い支出となってしまい、費用対効果を大幅に下げてしまう結果となりました。

目先の予算に囚われて、業務構造を知らぬまま、要件定義をしてしまったことで倍以上のコストがかかった失敗プロジェクトになりました。プロの言葉に耳を傾け、しっかりと要件定義を行っていれば防げた失敗だったと後悔が残る事例です。

要件定義を進めるために必要なこと

要件定義を進める前に、業務整理ができているかを確認しましょう。自社の業務整理ができていないと要件定義の際に必要な情報が不足してしまうので注意が必要です。情報が不足したまま要件定義を行っても効果が無く、綿密な工程が立てられなくなるのでシステム開発失敗の原因に繋がります。

要件定義はシステム開発の入り口となります。この入り口で上手くいかないと、全体の工程やスケジュール感を詰めることができません。ただ、この要件定義や要件定義の前段階というフェーズはシステム開発業務を主軸にしていない場合、なかなか触れる機会が少ないのも事実です。フェーズやシステム開発において求める目標をおざなりにしてしまう発注企業も多く、そこにプロジェクトの失敗原因があるので十分な確認が必要となります。

開発企業に全てを任せっきりにするのではなく、発注企業側もまとまった情報やフェーズのイメージを想定するように心がけましょう。

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2. 要件定義の流れ

要件定義を十分に行う際には流れを把握しておくと効率的です。開発の全体像と流れを意識しておくことで失敗するリスクを抑えた上で要件定義を行うことができます。

ここからは要件定義の重要性や要件定義の流れについて細かくご紹介するので、これから大規模なシステム開発を考えている場合は必ずチェックしましょう。

要件定義を制するものがプロジェクトを成功に導く

世界基準に比べ保有者数は下回るものの、日本国内でもPMI 本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格であるPMP資格保有者数は年々増加しています。PMP資格を保有していることで、プロジェクトマネジメントをさらに効率よく行うことができるので、年々注目が集まっているのがポイントです。

また工程管理やスケジュール管理を効率よく行えるプロジェクト管理ツールも数多く出回るなど、システム開発のプロジェクト管理は環境として随分と改善されてきています。以前よりも遥かに要件定義のハードルは下がっていると言えるでしょう。

それに伴い、システム開発プロジェクトの成功率も上昇しているのだと推測されますが、それでもまだプロジェクトの肝である「要件定義」に課題感が残る現状です。

ではどのように要件定義を進めれば、成功率を引き上げることができるのでしょうか。ここからは開発の全体像と要件定義の流れについて細かく説明するので、チェックしていきましょう。

開発の全体像と要件定義の流れ

まずは開発の全体像と、要件定義の基本的な流れを把握しておきましょう。

【ソフトウェアの開発プロセス】
STEP1 企画
STEP2 業務設計
STEP3 要件定義★
STEP4 設計
STEP5 実装
STEP6 テスト
STEP7 導入
STEP8 リリース

【要件定義の基本的な流れ】
STEP1 要望を出す
STEP2 要望から要求への変換
STEP3 要求の検討
STEP4 代替案の提案
STEP5 提案⇔要求の繰り返し
STEP6 合意=要件の成立

システム開発を行う場合はこれらの流れが一般的になっています。ゆっくりと手順を踏むことでより確実な要件定義を行うことが可能です。特に重要なこととして、発注側と受注側で細かくコミュニケーションを取りながら要件定義を行うことが挙げられるでしょう。

お互いで確認をして合意を取りながら進めていくことで、ミスや認識のズレを防ぎながら要件定義をすることができます。要件定義の段階でミスやズレがあると、その後の開発の方針もズレたままになるので注意しましょう。

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3. 要件定義の前準備

前述したとおり、業務コンサルをスキップして要件定義したために2億を無駄にしてしまった事例もあるので、要件定義前にやるべき準備をご紹介します。いきなり焦って要件定義を行うのではなく、しっかりと前準備を行うことでより信頼度の高い要件定義を行うことが可能です。特に初めて大規模なシステム開発を行おうと考えている場合は、必ずチェックした上で取り組みましょう。

企画内容の確認

システム開発をするという決断はとても大きなものです。
何かしらの課題があり、目的があって企画され予算が割り当てられるわけですから、どういった背景があるのかを把握しておきましょう。

もし企画書が存在しない…なんてことがあれば、ゴールが無いレースに出るようなものです。分厚い企画書があっても内容が不十分では同じことです。目的や課題感を社内で洗い出し、明確な形で企画書に落とし込むことが求められます。

最低でも下記7項目は確認しておきましょう。

  • なぜ開発するのか
  • 何を開発するのか
  • それはいったい何をするものか
  • それを使う人はだれか
  • 使った人が得られるベネフィットは何か
  • どんな体制でつくるのか
  • いつまでにつくるのか
これらの企画内容を細かく詰めていくことで、開発会社に提出できる企画書の作成に結び付きます。これらの企画内容をまとめる際や情報を洗い出す際は必ず複数人の視点で作業を行うようにしましょう。1人の目線で気づけなかったポイントを効率よく洗い出せるので、忘れずに意識することが大切です。

業務整理は横断的に

業務整理となると、部署ごとに呼び出されて業務ヒアリングを受けて、個別に進められることが多いです。
最初は各部署の担当者が業務を整理・把握する必要がありますが、セカンドステップでは、部署の代表者を集めて関係性を明確にさせます。

例えば、自分の部署では売り上げを入力することが仕事だとします。
・その数字をほかのだれが見ているか知っていますか?
・その数字を使ってほかにどんな業務があるか知っていますか?
・もし、先月の売上数字をあなたが削除してしまった場合、どんな影響が出るか知っていますか?

このように、自分の仕事のはじめと終わりは分かっていても、その続きがあることや互いの関係性を理解して作業に従事しているのはかなり稀なケースです。

一堂に会して話していると、どうりで数字が合わないわけだとか、問題点がシステムではなく運用で解決できるものだったという気づきが生まれ、本来開発すべき要件がどんどん整理されていきます。ここで、多くの情報を洗い出しておくと、開発側との要件定義もさらにスムーズになります。

これらは会議で押し問答になったり、時間がかかったりとかなり負荷が高いですが端折ったりせず、時間を確保して必ず実行してほしい作業です。
この作業は、同時にシステム担当者もしくは開発企業に丸投げさせないためにも重要です。開発側に丸投げしてしまうと、発注企業の細かい問題点に気づけず、システム開発の途中で重大な問題が発生することもあり得ます。「時間を節約したいから丸投げの方がいいのかな」という安易な意識でいると、危険性が大きく高まってしまうでしょう。

「業務内容や問題点は伝えたから、あとはよろしく!」というのは、後にトラブルを招きます。実務者を巻き込み、当事者意識を持ってもらうことこそ成功プロジェクトへと近づいていきます。必ず複数人の視点を持って、細かいところまで問題点や課題を洗い出した上でプロジェクトを進めることを意識しましょう。

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3. 要件定義で失敗しないためにはプロに頼る

自社内で要件定義に必要な情報を洗い出すことができた後は、業務改善を行うために開発企業だけではなく業務コンサルタントとも協力することでよりスムーズな要件定義に結び付きます。

そこでここからは業務改善や要件定義の際にどうすればいいのかという部分についても細かく解説していきます。より効率よく業務改善や要件定義を図りたいという場合は是非ご参考にしてください。

業務改善はその道のプロに

要件定義、および要件定義の前になる業務整理は、工程やスケジュール感を組み、大掛かりなシステムを失敗しないために最も重要な部分となります。ただ、システムの開発会社も開発のプロであるが、業務整理のプロではないのも事実です。

もし、業務整理部分に課題があるのであれば、業務コンサルタントに依頼し、どのような形にするか、何を改善すべきかを明確にしましょう。そこにコストをかけずに全部システムで解決しようと考えてしまうのは、数億、数千万の開発コストを失敗に近づけようとしている悪手となる可能性もあります。

システム開発企業はあくまでもシステム開発のプロと割り切り、業務改善は自社と業務コンサルタントで行い、整理がついた段階でシステム開発企業に正式に依頼しましょう。

要件定義は開発のプロに

また、要件定義に関してもケースによっては要件定義だけで依頼を行った方がよい場合もあります。発注企業側がまだ具体的に開発したいシステム像が見えていないのであれば、まずは要件定義を行って全体像を把握した方がおすすめです。全体像が見えない段階だと自社に必要なシステム機能も分からず、本当に自社に必要なシステム開発に結び付きません。

プロジェクトを失敗しないために重要なのは、とにかく最初の要件定義につながる開発会社と発注会社の目線合わせとなります。ここでズレてしまうと、費用対効果の低いシステム開発で終わることもあり得るのが事実です。自社の状況をよく確認した上で最適な選択を行いましょう。

4. システム開発プロジェクトのまとめ

システム開発プロジェクトの成功は要件定義にあり、要件定義の成功には業務整理がある。予算も時間もかかるものだからこそ、丁寧に順を追ってすすめることが重要です。

しかしながら、プロの業務コンサルを入れることがすべてではありません。
コンサルを入れても自発的な取り組みがなければコストばかりが増えていき、成功にはつながらないので、あくまでコンサルの第三者的意見や、知識・経験談、確立されたフレームワークを参考にさせてもらう程度だと思って導入するのがおすすめです。経営層ともここはしっかり握っておきましょう。

そしてもし、システム開発の依頼先を選定する場合には、ぜひリカイゼンにご相談ください。経験豊富なスタッフがご要望をお伺いし、最適な依頼先探しを完全無料でサポートさせていただきます。
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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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