国際宇宙ステーションでも新鮮なお刺身が食べられる？

最近は、新鮮なお魚を世界中に運ぶというビジネスに興味を持っています。
地元が福岡ということもあり、子供のころから新鮮な魚介類に触れてきたというのもあるのだと思います。
ただ、それだけではなく、鮮魚の、特に物流に関する技術やインフラの革新がすばらしく、WEBと絡めてなにかできないかと思っています。
今日は、いくつかご紹介したいと思います。

那覇空港の航空インフラ

最近良くメディアなどでも取り上げられているので、ご存知の方も多いと思います。
那覇空港が実は今、とても熱いです。
　　・ロケーションが、那覇空港を中心に4時間圏内に東アジアの主要都市がすべて網羅されている
　　・24時間通関ができるので、ここにモノを集めてくれば、夜中のうちに発送出来、翌日には店頭に並べることができる
　　・発着枠などの外的要因が比較的少なく、輸送の効率化にもつながっている
主にはこういった要因が支えています。
現在那覇を拠点にして、日本中の新鮮な農林水産物を毎日集約し、それをアジア各国のマーケットに向けて出荷するというスキームができているようです。
北海道や青森で朝取れた鮮魚が、翌日香港で食べられている。
そんな時代に今はなっています。

鮮度が下がらない氷

魚は全体的に、細胞の中に含まれる水分の構成比高い生き物なのだそうです。
そのため、冷凍したり、解凍したりする際に、細胞破壊が進み、鮮度が急激に下がる。
そのようなことが原因となって味に影響が出るそうです。
（厳密には他にもいろいろな要因があるようですが、本筋と外れますので、意図的にカットします。）
しかし近年、絶妙な温度管理ができて、長時間の輸送を冷凍せずに行うことができる「魔法の氷」というのが群馬県にある会社によって開発されたそうです。
これにより、沖縄から東京まで、鮮魚を陸路で運ぶということが可能になったそうです。

国内で水揚げされる活魚を輸出する

これも先ほどの「魔法の氷」のお話に似ていますが、こちらは鮮魚よりもっと活きの良い活魚のお話です。
活魚とは、最近流行ってきていますが、調理直前まで活きた状態の、本当に新鮮なお魚です。
直前まで元気に生きていないといけないので、当然ながら水揚げしてから市場、店頭へとの輸送がかなり難しくなります。
それを、特殊な方法でお魚を仮死状態にして安全に長距離輸送することに成功した福岡の企業があります。
この技術を使えば、海外への輸出も可能なのだそうです。

日本食を世界中へ

これらの技術を上手く組み合わせることができれば、たとえば、
今朝あがった大間のマグロを、魔法の氷で那覇へ、そしてそこからアジアの主要拠点へ送ることができる。
そして、明日には世界中でマグロの解体ショーを見ることができる。
そんなことが出来るようになります。
日本食は、お寿司やお刺身など、生食で魚介類をいただくものが多いです。
そのためグローバルで考えたときの鮮度や食の安全という問題が難しく展開が難しいという点があったと思います。
ここが改善できるというのはとてもすばらしいお話だと思います。

たとえば、近代マグロのようなものとの組み合わせも、シナジーを生むでしょう。
たとえば、TPPと絡めていけば、グローバルでの日本食ブームの加速にも貢献するでしょう。
活魚のテクノロジーは、応用すれば、貴重な魚の生態の研究や、水族館への輸送などにも役立つかもしれません。

お魚の物流という分野は、今まさに夢をたくさん育む未来のテクノロジーです。
これらがもっと進歩して、更なる長期間の輸送が可能になったり、環境変化への対応が進んだとしたら。
あるいは、宇宙への輸送インフラが整っていくとしたら。
近い将来、国際宇宙ステーションでも、新鮮なお刺身が食べられるでしょう。
そのような夢を子供たちに繋ぐことも、僕たちには必要なことなのではないでしょうか。

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