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非機能要件とは?機能要件との違いや6つの項目、定義する方法を解説

目次

非機能要件とは?機能要件との違いや6つの項目、定義する方法を解説

システム開発において、「非機能要件」と「機能要件」の違いを理解せずに開発業務を委託すると、思わぬトラブルや品質の低下を招く恐れがあります。

この記事では、非機能要件と機能要件の違いを詳しく解説し、非機能要件の具体的な6つの項目とその定義方法について説明します。この記事を読んで、開発を委託する際の要点を把握し、スムーズなシステム開発の参考としていただければと思います。

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非機能要件とは?

非機能要件は、システムがどのように機能するべきかを規定します。直接的に機能とは関係ありませんが、ユーザー満足度やシステムの品質を左右する重要な要件です。

非機能要件の意味と重要性について詳しく解説します。

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システムの主目的である機能以外のすべての要件

非機能要件とは、システムの主目的である機能的な要件以外の要件を指しています。どのように動作するかを定めている要件で、システムが耐え得る負荷やデータ処理速度、セキュリティなどが挙げられます。

非機能要件の定義が不十分な場合、システムはユーザーにとって不便で、不快な体験を提供することになりかねません。どんなに優れた機能をもつシステムでも、実際の運用で期待どおりに動作しない可能性があり、明確に定義すべき重要な要件です。

非機能要件と機能要件の違い

非機能要件は、プロジェクト全体の品質やユーザー体験に大きな影響をおよぼします。反応速度や同時接続数、セキュリティレベルが不十分な場合、ユーザーの満足度やシステムの信頼性が低下します。

一方で、機能要件は、システムが保有する機能を直接的に定義する要件です。たとえば、機能要件ではユーザー登録機能を定義し、非機能要件ではユーザー登録処理の速度や、データの保護レベルの定義が挙げられます。

非機能要件がなぜ重要なのか

非機能要件は、システム全体のパフォーマンスを最適化でき、信頼性の高いシステムになり、ユーザーが安心して長く利用できることにつながる重要な要件です。

システムダウンなどのトラブルを予防した安定稼働の維持や、システムのレスポンス速度の担保ができ、ユーザーはスムーズに操作できます。脆弱性を未然に防げるため、セキュリティの強化が可能です。メンテナンスの効率化を促し、システムリリース後も含めたトータルコストの削減にも寄与します。

非機能要件には6つの項目がある

非機能要件は、情報処理推進機構(IPA)によって、以下の6大項目に分類されています。

<非機能要件の6つの項目>
  • 可用性
  • 性能・拡張性
  • 運用・保守性
  • 移行性
  • セキュリティ
  • システム環境・エコロジー

それぞれの項目について、詳しく解説します。

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可用性

可用性とは、システムが利用可能である時間の度合いを示す指標です。稼働時間の割合で測定され、パーセンテージで表現されます。たとえば、可用性が99.9%と定義されている場合、年間約8時間45分のダウンタイムが許容される計算です。非機能要件に可用性の数値が設定されていれば、障害発生時の影響を抑えられ、迅速な回復につながります。

性能・拡張性

性能要件は、システムがどの程度、迅速かつ効率的に機能を実行できるかを示す要件です。ユーザーの満足度やビジネス目標達成に直結するため、性能を正確に定義し、維持することが重要です。

拡張性は、将来的な需要増加や技術の進化に対応する能力を指します。新機能追加や利用者の増加に、柔軟に対応できることを求める要件です。

運用・保守性

運用・保守性は、システムの維持管理のしやすさを示す指標です。高い運用・保守性があれば、システムの管理コストを抑えながら、障害発生時には迅速な対応ができ、信頼できるシステムとしてユーザーの信頼を得られます。

システムを長期間運用するうえで、維持管理コストの削減やスムーズな運用は必要不可欠です。運用・保守性の高いシステムを構築できるよう、開発業務を委託する際は、将来的な改修が容易であるように設計できる委託先を選ぶと良いでしょう。

移行性

移行性とは、システムがほかのプラットフォームや環境に、どの程度容易に移行して適応できるかを示します。移行に伴う作業量や時間、コストがどれだけ発生するかが指標です。

開発委託先には、プラットフォーム非依存のアーキテクチャや、柔軟なインターフェース設計を求めると良いでしょう。移行性の要件を適切に定義できれば、システムの更新や拡張がスムーズになると同時に、将来の技術変化にも柔軟に対応できる基盤を築くことが可能です。

セキュリティ

セキュリティは、データの保護と不正アクセスの防止が主な要件です。機能要件では、アクセス制御や認証機能の実装など、直接的なユーザーの操作に関連し、機能の一部として定義されます。一方で、非機能要件では、システム全体の堅牢性やリスク管理を対象とし、とくに脆弱性評価や侵入テストの結果に基づいて判断されます。

リスクを理解し、適切な管理計画を策定することで、システムの信頼性を向上させることが可能です。

システム環境・エコロジー

サーバー設置場所などの物理的な設置環境が、システムの安定稼働に影響する度合いを定義します。法令や条約で定められている場合もあり、エネルギー効率の高さが環境に与える影響を考慮する必要があります。

とくにITインフラにおいては、消費電力が環境負荷に直結するため、エネルギー効率を高めるシステム設計が求められます。単に技術的な対策だけでなく、持続可能なビジネスを目指すうえで、不可欠な要素といえるでしょう。

非機能要件を定義する方法

ここでは、非機能要件を適切に定義するための3つのステップを詳しく解説します。それぞれのステップを理解できれば、後々のトラブルを防ぎ、よりスムーズにプロジェクトを進められるでしょう。

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システムの方向性や特性を確認する

システムの特性を正確に把握することが、適切な非機能要件を定義するための第一歩です。以下のポイントを意識しましょう。

<意識するべきポイント>
  • ユーザーのニーズ:ユーザーが求めている性能を明確化する
  • 競合の標準: 業界で求められる基準や競合の特徴を考慮する
  • スコープ: どの範囲までをシステム対象とするか検討する

たとえば、金融系システムではセキュリティを最優先にする一方、ゲームアプリではパフォーマンスや拡張性を重視する傾向にあります。

非機能要件の草案を作成する

システムの方向性を踏まえて、上述した非機能要件の6大項目にのっとり、非機能要件の草案を作成します。開発業務を委託する場合、できるだけ具体的で測定可能な表現を使って、委託先に要求するのがおすすめです。たとえば「ピーク時には同時接続ユーザーが5万人まで対応可能」といった性能要件や、「99.9%以上の稼働率を確保」といった可用性要件が含まれます。

依頼主から合意を得る

開発委託先からの草案の内容を確認し、合意する必要があります。草案の作成・確認時には、以下の点を意識すると良いでしょう。

<草案の作成・確認時に意識する点>
  • 不明点の解消
  • 優先順位づけ
  • 文書化

依頼主と委託先が正確に非機能要件の内容を定義して理解することで、後から「こんなはずじゃなかった」といったトラブルを防げるので、重要なポイントです。

非機能要件の評価指標

評価指標とは、システムの動作や品質を客観的に測定するための基準です。評価指標を設定することで、非機能要件が実際に満たされているかを確認できます。

3つの評価指標であるRASISSLASLOを詳しく解説します。

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RASIS

RASISは、システムの信頼性や品質を測る以下の5つの要素をまとめた概念です。

<RASISの5つの要素>
  • 信頼性(Reliability):システムが安定して動作する能力
  • 可用性(Availability):システムが稼働している割合
  • 保守性(Serviceability):システムの修復やアップデートのしやすさ
  • 完全性(Integrity):データが正確で改ざんされていないことの保証
  • 安全性(Security):不正アクセスや情報漏洩の防止

5つの項目をバランス良く定義・評価することで、システム全体の信頼性を確保できます。

SLA

SLA(Service Level Agreement)は、「サービス水準合意書」とも呼ばれ、依頼主と委託先の間で結ばれる契約の一種です。提供するサービスの水準や、障害時の対応時間などが具体的に定められています。SLAを締結することで、依頼主には安心材料となり、委託先には品質保証の基準となります。

SLO

SLO(Service Level Objective)は、上述したSLAで定めた目標を達成するための具体的な数値目標です。SLAが依頼主と委託先との契約なのに対し、SLOは委託先の内部基準として運用されることが一般的です。SLOは運用チームがパフォーマンスを評価し、改善点を見つけるための指針としても活用されます。

非機能要件をテストする方法

非機能要件のテストには、以下の5つの方法が挙げられます。

・性能テスト
システムが通常の利用環境で、どのくらいスムーズに動作するかを測定するテストです。「ウェブサイトが1秒以内にページを表示できるか」などが挙げられます。
・負荷テスト(ストレステスト)
システムに高い負荷をかけて、その限界をチェックするテストです。たとえば、大量のユーザーが同時にログインした場合や、データベースに膨大なデータを保存する場合に、システムが耐えられるかを確認します。
・ユーザビリティテスト
操作のしやすさや、迷わずにしたいことを実行できるかを確認するテストです。アプリのメニューが直感的に理解できるかどうかなどが挙げられます。
・セキュリティテスト
不正アクセスやデータ漏洩を防ぐために行われるテストです。攻撃を想定して、パスワード管理やデータ暗号化の強度をチェックするなど、システムの弱点を洗い出します。
・保守テスト
システムが運用中でも、修正やアップデートを簡単に行えるかを確認するテストです。たとえば、ソフトウェアの一部を修正した際に、ほかの機能に影響が出ないかどうかをテストし、運用中のトラブルを抑える効果があります。

まとめ

本記事では、非機能要件の重要性、具体的な6つの項目、そしてその評価やテスト方法について解説しました。非機能要件を理解し、次の開発プロジェクトの活用につなげていきましょう。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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