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システムの信頼性とは?可用性との違い、向上させる取り組みを解説

目次

システムの信頼性とは?可用性との違い、向上させる取り組みを解説

開発したシステムを運用する際は、いつも正常に稼働してくれるかが重要です。情報システムにおいて、障害などが発生せず、機能やサービスを安定的に提供し続けられることを示す指標について、「システムの信頼性」と呼ばれます。では、システムの信頼性とは、具体的にどのように定義されるのでしょうか?

この記事では、システムの信頼性の定義やほかの指標との違い、企業がやるべき信頼性向上の取り組みなどについて解説します。

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システムの信頼性とは?

信頼性の高いシステムは、求められる機能やサービスを継続してユーザーに提供し続けることができます。たとえば、給与システムであれば毎月の給与処理を確実に処理する、ECサイトがメンテナンス期間を除き、24時間365日問題なく稼働するなどです。

では、システムの信頼性とは、具体的にどのように定義されるのでしょうか?ここでは、システムの信頼性の定義や、その重要性などについてご説明します。

信頼性の定義

ここで言う信頼性とは、システムが指定された期間に指定された条件のもとで、意図した機能を一貫して提供する確率のことです。故障や障害が発生したとしても、システムがその機能とパフォーマンスを維持する力を測定します。

信頼性の確保が重要である理由

システムの信頼性を確保することは、なぜ重要なのでしょうか?

信頼性が確保されていれば、情報が正しく保持され、システムが適切に動作します。システムが正しく稼働せず、求める機能を実行できなければ、ユーザーの満足度は低下して離れていってしまうでしょう。近年は、社会のあらゆる場面でITシステムが利用されており、システムの信頼性を確保することは必要不可欠といえます。

信頼性の分析方法

信頼性を分析する際に重要な指標には、以下のようなものがあります。

・平均故障間隔(MTBF)
MTBFは故障間の平均時間です。システムの合計稼働時間を障害発生回数で割ることで、計算できます。
・平均故障時間(MTTF)
MTTFは、システムが故障するまでの平均時間です。

信頼性とほかの評価指標との違い

システムを評価する際は、RASISと呼ばれる5種類の指標が使われます。その歴史は古く、1970年代にIBMが、当時のメインフレームと呼ばれ、大型コンピューターの信頼性を評価する「RAS」を提唱しました。その後、日本でIntegrityとSecurityが追加され、現在のRASISになっています。

<RASISを構成する要素>
  • Reliability(信頼性)
  • Availability(可用性)
  • Serviceability(保守性・運用性)
  • Integrity(保全性・完全性)
  • Security(機密性・安全性)

信頼性はシステムの壊れにくさを表し、評価指標は「平均故障間隔(MTBF)(時間、分)」です。ここでは、信頼性とそれ以外の指標は何が違うのかをご説明します。

可用性(Availability)

可用性とは、システムを使用できる状態の維持率のことで、評価指標は「稼働率(%)」です。システムが使える状態をどれくらい維持できるかを表しています。一方、信頼性はシステムの壊れにくさを表すため、観点が異なることがわかります。

保守性・運用性(Serviceability)

保守性・運用性とは、システムの機能・性能などの維持しやすさを示す指標です。故障が発生してから復旧するまでの平均時間である「平均復旧時間(MTTR)(時間、分)」で評価します。

信頼性は壊れにくさに関する指標ですが、保守性・運用性はシステムメンテナンスのしやすさ、壊れてからの復旧のしやすさを表すという違いがあります。

保全性・完全性(Integrity)

障害や誤動作が発生したことによるデータ破壊、喪失、不整合などの起こりにくさを表します。データが正しく保持され、一貫していることを評価する指標です。

信頼性はシステムの壊れにくさを表すため、評価の観点が異なることがわかります。

機密性・安全性(Security)

システムのセキュリティ性能を評価する指標です。信頼性はシステムの壊れにくさを表すため、セキュリティに関する評価とは異なります。

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企業がやるべき信頼性向上の取り組み

システムの信頼性を保つために、企業が行うべき取り組みについて解説します。

常に最新状態に保つ

システムの障害や故障の発生を防ぐために、ソフトウェアを常に最新の状態に保つ必要があります。アップデートを怠ると、ソフトウェアの脆弱性が生じ、脆弱性を悪用した不正アクセスなどを受けるリスクが高まります。

そのため、常にソフトウェアのアップデートを行える体制を整えておくことが重要です。

定期的な診断・メンテナンスを実施する

ハードウェアの定期的な診断やメンテナンスを実施することも重要です。診断やメンテナンスを定期的に行うことで、ハードウェアの故障や障害が発生する前兆を早期に検知し、対策を講じられます。

システムを冗長化する

サーバー機器やネットワーク機器を冗長化しておくことで、万が一障害が発生しても、システムの中断を防ぐことが可能です。また、障害発生時に冗長化した機器への切り替えがスムーズに行えるか、日ごろから確認しておくことも重要です。

ライフサイクル管理を行う

ハードウェアの故障やソフトウェアの非互換性が発生することを防ぐために、ライフサイクル管理を行うことも重要です。ハードウェアの交換や、ソフトウェアのアップグレードなどを計画的に行える体制を整えておく必要があります。

障害・インシデントへの対策を適切に行う

万が一、障害やインシデントが発生した場合に備え、適切な対応を行える体制を整えておくことも重要です。障害の対策手法には、主に以下の4つがあります。システムの信頼性を高めるために、さまざまな観点からの対策を行う必要があります。

・フォールトアボイダンス
障害や故障を回避するために、あらかじめ対策しておくことです。具体的には、耐久性に優れた製品を利用する、検証を十分に行って性能を向上させるなどの対策があります。
・フォールトトレランス
万が一障害や故障が発生しても、予備として用意しておいたシステムや機器に切り替えて、正常に稼働させることです。具体的には、電源装置を二重化する、ネットワーク回線を二系統用意するなどの対策が該当します。
・フェイルセーフ
障害や故障などのトラブルが発生した際に、人的被害を起こさないための対策のことを指します。自動車やエレベーターなど、事故が起こると人命に直結する製品には、フェイルセーフの対策が行われています。
・フールプルーフ
意図しない方法で使用された場合でも、誤作動を起こさないよう、事前に設計することを指します。たとえば、電子レンジは扉を閉めないと作動しないため、子どもが手を出して火傷をしないようになっています。

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まとめ

この記事では、システムの信頼性の定義やほかの指標との違い、企業がやるべき信頼性向上の取り組みなどについて解説しました。

信頼性とは、システムが指定された期間に指定された条件のもとで、意図した機能を一貫して提供する確率のことです。このような指標は信頼性だけではなく、可用性、保守性・運用性、保全性・完全性、機密性・安全性もあります。システムを構築する際は、RASISと呼ばれる5つの評価基準で評価し、対策を行うことが重要です。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
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