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スクラム開発とは?意味やチームの構成・役割、流れについて解説

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スクラム開発とは?意味やチームの構成・役割、流れについて解説

システム開発の手法には、ウォーターフォール開発やアジャイル開発などさまざまな種類があり、開発の目的や規模、状況に合った手法を選ぶ必要があります。なかでも、アジャイル開発の亜種といわれるスクラム開発は、どのような開発手法なのでしょうか?名前は聞いたことがあっても、具体的にどのような開発手法なのか、どのようなメリットがあるのかわからないという方も多いかもしれません。

この記事では、スクラム開発とは何か、そのメリットやデメリット、スクラムチームの構成と役割、スクラム開発の流れなどについて解説します。

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スクラム開発とは?

スクラム開発は、チームを組んで開発を進めていく開発手法で、アジャイル開発の亜種といえます。ラグビーのスクラムにちなんで、スクラム開発と名付けられました。

ここでは、スクラム開発とはどのような開発手法なのか、そもそもアジャイル開発とは何なのかについて解説します。

アジャイル開発とは?

アジャイル開発とは、依頼主からのフィードバックを短期的なサイクルで、確認・反映させる開発手法です。「アジャイル」という言葉には、「素早い」「機敏な」などの意味があります。

開発プロジェクトを「スプリント」と呼ばれる単位に区切り、【計画→設計→テスト】を細かい単位で繰り返すことにより、短い期間でシステムを開発することが可能です。開発途中で計画や設計の変更がしやすい、依頼主からのニーズを反映させやすいというメリットもあります。

チームに分かれて短期間のサイクルを繰り返す、アジャイル開発の手法

スクラム開発はアジャイル開発の亜種で、少人数のチームに分かれて、短い期間の開発サイクルを繰り返す開発手法のことです。チームごとにタスクを割りふり、それぞれがタスクを達成していくことで、プロジェクトの完遂を目指します。

チームメンバーの数や開発期間は現場ごとに異なりますが、2~4週間程度の期間に、5~9人程度のメンバーで開発を進めていくことが多いです。

スクラム開発を進めるためには、チームワークやコミュニケーションが非常に重要です。それぞれが役割をもって開発に取り組むことで、複数の作業を同時進行させられ、効率よく作業を進められます。その一方で、コミュニケーションが不足すると、開発がスムーズに進まないこともあるため、注意が必要です。

スクラム開発のメリット

スクラム開発の手法を導入することで、得られるメリットについてご説明します。

生産性が高まる

スクラム開発は、短期間で開発を行い、頻繁に依頼主からのフィードバックを取り入れやすい開発手法です。毎日チーム内で意思疎通を行うことで、その都度方向性の確認や修正をするため、チーム内で仕事の進捗状況を把握しやすくなっています。そのため、生産性を向上させやすい開発手法です。

チームワークが促進される

チームごとに役割をもち、協力してプロジェクトを進めていくため、毎日ミーティングを行うなどコミュニケーションを密にとります。その結果、チームワークが促進されるというメリットも得られます。

正確なスケジュール管理ができる

スプリントごとにチームの仕事量をこまめに確認し、それを繰り返していくため、スケジュールに関するデータが蓄積されていきます。そのデータのフィードバックを繰り返していけば、正確なスケジュール管理ができるようになります。

柔軟性の高い開発が可能

短期間で開発を行い、頻繁にフィードバックができるため、仕様変更に対応しやすく、柔軟性の高い開発を行うことが可能です。スクラム開発の経験が豊富なメンバーがいれば、依頼主からのニーズに柔軟に対応できるでしょう。

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スクラム開発のデメリット

スクラム開発を導入することで、柔軟に仕様変更できる、正確にスケジュール管理できるなどのメリットがありました。しかし、その一方で注意すべき点もあります。

ここでは、スクラム開発のデメリットについて解説します。

プロジェクトが肥大化する場合がある

スクラム開発の大きなメリットは、仕様変更しやすいことです。しかし、これが裏目に出て、プロジェクトの肥大化を招く恐れがあります。

当初の目標や範囲を超えてプロジェクトが肥大化する現象は、「スコープクリープ」と呼ばれます。スクラム開発は、短い期間で開発を繰り返すため、依頼主からの要望やチーム内のフィードバックによる改善などを取り入れて、仕様変更しやすい開発手法です。そのため、仕様変更をある程度制限しないと、開発のスコープ(範囲)がどんどん広がってしまい、スコープクリープが起きてしまうのです。

スコープクリープが発生しないように、仕様変更にどこまで対応するかという境界線を決めておく必要があるでしょう。

経験の浅いエンジニアにはあまり向かない

スクラム開発は開発期間が短いため、チームメンバーに経験の浅いエンジニアがいると、スケジュール通りに開発を進められない可能性もあります。

プロジェクトを完了させるためには、それぞれのチームメンバーが与えられた役割を短期間で果たさなければなりません。エンジニアとしての能力や経験が足りないメンバーがいる場合は、期間内に役割を果たすサイクルを徹底することが難しい場合もあります。

経験の浅いエンジニアが参加する場合には、仕事の難易度を下げる、仕事量を減らすなどの適切な対応が必要です。

コミュニケーションが不足すると大きな支障が出る

スクラム開発では、チームごとに役割を分担して開発を進めていくため、適切なコミュニケーションをとることが必要不可欠な開発手法です。そのため、コミュニケーション不足が起こると、プロジェクトの進捗に大きな支障が出てしまいます。スクラム開発を円滑に進めるためには、毎日ミーティングで適切に情報共有する、必要に応じて柔軟に計画を見直すなどの対応が必要です。

スクラムチームの構成と役割

スクラム開発を行う際には、チーム内のメンバーがそれぞれ役割をもち、適切に動く必要があります。スクラム開発で編成されるチームは、「スクラムチーム」と呼ばれるのが特徴です。

ここでは、スクラムチーム内のメンバーの役割や責任について見ていきましょう。

プロダクトオーナー

プロダクトオーナー(PO)は、開発プロジェクトにおいてオーナーとしての役割をもち、意思決定を行います。開発の成果物や製品であるプロダクトに対する決定権をもつ、プロジェクトの責任者です。後でご説明するスクラムマスター(SM)や依頼主などと連携し、開発の方向性を定める、プロダクトの価値を高めるなどの責任があります。

スクラムマスター

スクラムマスター(SM)は、プロジェクト全体の進行をサポートするポジションです。プロダクトオーナーと連携しながら、進捗状況の確認やトラブルの解決を行い、プロジェクト全体を統括します。また、開発の品質や生産性を高めるための管理作業、チームメンバーへのアドバイスなども行います。

開発者

開発者は、プロダクトオーナーやスクラムマスターの指示に従って、開発を進めていく存在です。扱う開発作業の内容により、システムエンジニアデザイナーなどがメンバーとして選ばれます。それぞれの分野の専門家として、プロダクトに対する責任を負います。

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スクラム開発の流れ

スクラム開発では、2週間程度の期間の「スプリント」と呼ばれる単位で、作業が繰り返し行われます。それぞれのスプリントで成果物を作成し、開発を進めるという流れです。

ここでは、その繰り返しの作業がどのように行われていくかをご説明します。

①プロダクトバックログ

プロダクトバックログとは、やるべき仕事リストのことです。プロダクトオーナーやスクラムマスターが優先順位をつけた後、プロジェクトに組み込むのが特徴です。

開発を始める際には、スクラムマスターがプロダクトバックログから、やるべき仕事は何かを決定していきます。依頼主からの要件をもとに、どのような機能を優先させるかを決め、その優先度に従って開発のゴールを依頼主と共有して決めます。

②スプリントプランニング

スクラムチームでスプリントプランニングミーティングを行い、工数見積もりを行います。見積もりができたら、上記で決めた優先度に従って、各メンバーに作業を分担します。

③スプリントの実施・デイリースクラム

スプリントの実施フェーズに入り、メンバーに割りふられた作業を実施していきます。

このとき、チーム内で情報を共有するために、デイリースクラムと呼ばれるミーティングを毎日行います。長くて15分くらいのミーティングで、毎朝出勤時に「朝会」として行われることも多いです。

デイリースクラムの目的は、各メンバーが進捗状況を報告し、チェックすることです。毎日実施することで、チーム内のコミュニケーションをとりやすくし、問題があればすぐに報告できる体制を整えられます。毎日進捗を確認する場を設けることで、問題が小さなうちに対処できるでしょう。

ただし、デイリースクラムが形骸化し、意味がなくなってしまった場合は、チームのやり方にあった進捗確認方法に変更する必要があります。

④スプリントレビュー

スプリントレビューとは、スプリント期間の最後に行われる会議のことです。依頼主などのステークホルダーに、開発が完了したアプリケーションなどのデモを行い、機能や要件を確認してもらいます。ここで開発の方向性が決まる、大事な会議です。

⑤スプリントレトロスペクティブ

スプリントレトロスペクティブとは「振り返り」のことで、今までの仕事の進め方の振り返りを行い、今後に向けた改善点などを話し合います。

スクラムの3本柱

スクラム開発には、重要な「透明性」「検査」「適応」という3つの要素があります。チーム内のコミュニケーションを適切に行い、効率的に開発を進めるために重要な要素について、解説します。

・Transparency (透明性)
プロジェクトのゴール、開発にかかわる情報、依頼主からの要件などに透明性があることが重要です。
・Inspection (調査)
開発作業全体を常に調査することを指します。とくに発生した問題や障害について、調査することが重要です。
・Adaptation (適用)
問題や障害が発生した際に、調査を行うプロセスのことです。

スクラムの5つの価値基準

スクラム開発には、「確約」「勇気」「集中」「公開」「尊敬」という5つの価値基準が存在します。ここでは、それぞれの価値基準について解説します。

・Commitment (確約)
スクラムチームのメンバーの一人ひとりが、ゴールに向かうことを確約することを指しています。
・Courage (勇気)
開発中に問題や不具合、困難が生じることがあっても、勇気をもってチームで乗り越えていくことを指しています。
・Focus (集中)
それぞれのスプリントで設定されたゴールや目標に対して、集中して作業を行うことを指しています。
・Openness (公開)
関係者に対してオープンな姿勢を保ち、常に公開することを指しています。
・Respect (尊敬)
スクラムチームメンバー全員を尊敬し、互いの考えを尊重することを指しています。

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まとめ

この記事では、スクラム開発とは何か、そのメリットやデメリット、スクラムチームの構成と役割、スクラム開発の流れなどについて解説しました。

スクラム開発は、短い期間で開発を繰り返していくアジャイル開発の亜種です。チームごとに役割を割りふり、チーム内でコミュニケーションをとりあいながら、アジャイル開発の手法で開発を進めていきます。

スクラム開発を導入することで、柔軟に仕様変更に対応できる、正確なスケジュールを立てやすいなどのメリットを得られます。一方で、プロジェクトが肥大化しやすい、コミュニケーションが不足すると大きな支障が出るなどのデメリットには、注意が必要です。

ウォーターフォール開発などのほかの開発手法と比べると、プロジェクトの進め方が特殊です。そのため、スクラム開発を導入したいなら、経験豊富なエンジニアが必要といえます。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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