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【大規模システム開発】発注者の役割と注意すべきポイント

目次

【大規模システム開発】発注者の役割と注意すべきポイント

大規模システム開発を発注者として初めて経験する、もしくはすでに稼働しているシステムをリプレイスするなどが発生する場合、発注者が押さえておくべきことは何か気になるところです。明日からでも使える大規模開発のいろいろについて説明します。

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1. 大規模システム開発における発注の注意点

大規模システムは、大手金融物流保険などの業界のシステム開発に携わると経験する機会が多いかと思います。ただ、それ以外でも気がつくと大規模プロジェクトになっているということも考えられます。ここでは、大規模システム開発において発注者が押さえてくべき注意点を説明します。

大規模プロジェクトの特徴

大規模ソフトウェア開発の特徴として、期間が1年以上の長期間にわたり、数千万円〜数億円以上になることもある費用感のボリュームとなり、発注側、開発側ともに多くの関係者が関わります。

このような大規模になりますと、プロジェクトも複雑化しまうので、思うようには進まずに途中で止まることもしばしばあります。プロジェクトの期間が長くなれば先のことは何が起こるか不透明なことが多く、他のシステムとの連結におけるインターフェースも増えるため必然的にリスクが高まるのも特徴的です。そのため、優秀なプロジェクトマネージャがいないと企画そのものが失敗することもあり得ます。

優秀なプロジェクトマネージャがいることで、複雑な案件管理や人員管理などもしやすくなります。また、そのマネージャをサポートする体制も整っていると、さらに安定した開発が望めるでしょう。大規模システム開発で失敗したくない場合は細かい部分まで見て開発を行うことが大切です。

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大規模ソフトウェア開発の失敗する原因

では、大規模開発で失敗しやすい原因を探ってみます。

設計会社と開発会社が別
ありがちですが、大規模開発の場合、発注者からの一次受けSlierから複数社に渡って二次受け、三次受けの開発会社が関わるのはこれまでの日本の構造では一般的です。
そうした場合、上流部分の設計部分を行う会社と、実装部分を請け負う会社が別なことは珍しいことはありません。よほどコミュニケーションを取らないと、なかなかうまくいかないのが現状です。定期的なミーティング、オンライン会議などを行って、細かくやり取りしないと見落としているポイントもあるので注意が必要となります。
キーマンが開発の途中で異動
大きなプロジェクトになる程、際立たったキーマンとなる人がいるものです。ただ、何を間違えるのか、キーマンに限って異動してしまうケースが多々あります。そのような人員配置をしてしまうと、プロジェクトそのものに大きな支障が出るので、開発期間中はなるべく避けましょう。
度重なる仕様変更
どの現場でも発生することですが、仕様変更が度々発生することもプロジェクトがうまく稼働していない現場ではよくあることです。度重なる変更があると思い描いていたシステムから遠ざかってしまう可能性があります。そのため、なるべく要件定義などから外れたシステムなどは盛り込まないようしましょう。
プロジェクトが頓挫
いくつかの要因が重なると、いよいよプロジェクトを進行することが難しくなり、頓挫するということがあります。巨額の損失に繋がる場合もあるので、十分な要件定義、細かいコミュニケーションのやり取りを欠かさないようにして失敗しないようにしましょう。

以上のように、誰でも聞いたことあるような大手SIerが入ってプロジェクトを稼働していても、こういったことが起こるのは、少なくありません。これは開発会社だけの問題ではなく、発注側としてプロジェクトを牽引するにあたり心得ておかなければいけない事案ばかりです。

2. 大規模システム開発における発注者の役割

それでは、プロジェクトを失敗させないためにどのようなことを考えなければいけないのか、説明します。
開発プロジェクトでキーマンとなるのが、PMと呼ばれるプロジェクトマネージャで、PMの役割がとても大きいものです。PMには、高い能力や経験、スキルが求められています。

発注側としての協力の姿勢

システムの規模によらず、システムの発注窓口として担当になった場合、システムを開発会社に丸投げしようという姿勢はNGとなります。システムは最終的に使う側が受け入れ時に思っていたものではないという点からトラブルになりがちだからです。開発会社への丸投げはそのリスクを大きく高めることが多いので、十分な注意が必要となります。

開発会社はあくまで開発(技術面)を含めたパートナーという意識で取り組む必要があります。開発プロセスの中でしっかりと開発側と発注者が関係を築きながら開発を進めることが求められるでしょう。コミュニケーションを放棄せず、最初から最後まで細かくコミュニケーションを図り、失敗するリスクを減らすことが大切です。

PMとしての役割

ここで改めてPM(プロジェクトマネージャー)の役割をみていきましょう。
PMは基本的にシステム開発側にもいますが、発注者としても自社の意見をまとめるPMが必要です。システム開発会社に判断を求められたときに的確に会社としての意見を返すなどの役割が求められるでしょう。

実際にシステム開発の全体的な管理を行うPMには下記のような役割が存在します。

  • 規模や予算、人員、スケジュールを発注者へ提出し決定させる
  • 発注者の要件を明確にして要件定義へ落とし込む
  • 要望や決定事項をスムーズにプロジェクトチームへ伝える
  • 進捗管理を徹底する
  • スムーズに進行管理を行う
  • プロジェクトの進捗状況をわかりやすく発注者へ伝える
  • 必要に応じて、会議セッティングを行う

また、PMをサポートする要因や体制になるPMO(Project Management Office)の役割がとても重要になります。PMは、プロジェクト全体の進捗管理や全体マネジメントを行う役割を果たします。しかし、大規模プロジェクトで一人のPMに全ての権限や進行管理の責任が集中することは危険です。

PMOは、PM方式の標準化を図って、PM一人に負担がかからないようにプロジェクトを組織的に回すための施策を実施します。PMの業務も、属人化するのはよくないことですので、PMOが入ることで組織的なプロジェクトとして成立させます。

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PMの重要性

大規模システムの開発では、プロジェクトの途中で何かがおかしい兆候が出ても、なかなか現場レベルでは修正や改善をすることが困難な場合があります。

そのためにも、PMをサポートする形でPMOの存在を明らかにしているわけです。まずは、何か起きている現場でのPMOが問題を抽出し、その現場レベルでマネジメントを行います。それらの動きは必ずPMへエスカレーションします。PMOの動きによって円滑に回り出せば問題ないですが、もし問題が派生する気配があり、解決へ至りそうにない場合は、PMも交えて調整を行います。

プロジェクトを円滑に回すには、なるべく属人化を脱する組織を標準化させたプロジェクトマネジメントが必要です。特に大規模システム開発では、経験、ノウハウの豊富な会社で且つPMがいることがマストになります。

最近では、システムの技術も以前より複雑化していますが、コンピュータの技術は進化しているので、ハードウェアの性能に頼る形でなんとなくシステムが動いてしまうこともあります。なんとなくうまく行っているように見えても、実稼働に入った際にトラブルが続出ということも考えられます。

開発の各フェーズでやらなければいけないことを共通認識で把握し、属人化しないプロジェクト体制に持っていくことがもっとも重要です。客観的に物事を見れるようにPMOを強化して、常にスケジュール通りに進んでいるか、問題が発生していないか見極めながらシステム開発を進めることが求められます。

3. 大規模システム開発の成功するポイント

大規模システム開発を成功へ導くポイントがいくつかありますので紹介します。

開発リスクの把握
過去の案件で似たような事例がないかを調査し、その際の失敗事例などを知ることでリスク回避をします。もし、過去に似たような失敗事例がある場合は開発側と発注側で情報を共有することが大切です。失敗事例の情報を共有しておくことで具体的な対策を練ることができ、システム開発におけるリスクを軽減することが可能でしょう。
計画の見える化
大勢の人数が関わっているからこそ、あらゆることを共通化することが大切です。開発におけるプロジェクトマネジメントの「標準化」を定めるのが大事です。要件定義を行い、資料を作成することで計画の見える化を行うことができます。お互い資料があると、計画の確認もしやすくなるので、お互いが開発しやすいように見える化には必ずこだわりましょう。
プロジェクトコントロールチームの設置
計画の見直し等を含めて意思決定ができる「プロジェクトコントロールチーム」を設置することが大切です。管理をプロジェクトマネージャ任せでいると計画のコントロールが難しくなり、システム開発の企画が失敗しやすくなります。定期的に計画を複数人で見直せると、思わぬ修正点を把握できることも多いので、大規模なシステム揮発を行う場合は必ずプロジェクトコントロールチームの設置を行いましょう。
プロジェクトの範囲の見直し
各フェーズの中でのプロジェクト範囲を見直して、明確に決めることも必要です。必要のないシステムの追加などが無いか細かく確認することで、より無駄のない開発に繋げられます。追加する必要のないシステムを追加してしまうと、プロジェクトが複雑になることも多く、工程も伸びるので、無駄を省きプロジェクトに必要なシステムを搭載できるように心がけましょう。
「中工程計画」でプロジェクトを調整
大規模開発になると、部分的な範囲のものが複雑に絡み合っています。現場レベルではとても小さな範囲で判断しがちですが、もう少し視点を上げて中規模の範囲で見直しを行ってプロジェクト調整を行うことが重要です。このように規模の範囲を変えてチェックすることで無駄な工程や作業を減らせるので、大規模開発を行う場合は是非意識してみましょう。
システムリソースを管理
システム開発する中でのシステム資源(リソース)についての管理を行うことです。大規模になる場合、それらのリソース管理が成功可否に響いてきます。リソース資源の管理を怠ってしまうと、人材が揃わないなど思うようにシステム開発が進まず、スケジュールに遅れが生じることもあり得ます。なるべくスケジュール通りに開発を終わらせるためにもシステムリソースの管理まで視野に入れて行動しましょう。

システム開発において、要件整理から相談したい場合もリカイゼンにご相談下さい。実績ある会社からアドバイスを受けながら開発を進めることも可能です。合う開発会社をご案内します。

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4. 大規模システム開発のまとめ

今回は、大規模システム開発で発注者が押さえておくべきポイントを説明してきました。大規模開発を行う上で大事なのは、プロジェクトマネージャ(PM)とそこを支えるプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の役割であるということは理解できたのではないでしょうか。

また、発注者側での調整もとても重要になってきます。プロジェクトが大きいだけに、なかなか細かいところまで見えないのが実情だと思います。プロジェクトを成功させるためにも、発注者は開発会社へ丸投げではなく、PMやPMOとの密なコミュニケーションと、何か問題が起きそうな時の立ち回り、問題が起きた時の対処の仕方で上手く稼働するのではないかと思います。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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