【背景と実施概要】
ブロックチェーン技術を利用した「トークンエコノミー」のサービス化を目標にした、新規事業部の実証実験アプリの開発を受託いたしました。このプロジェクトのゴールは、商用化可否の判断を下すことと、商用化する場合の具体的な要件定義、基本設計の抽出でした。当社は企画検討段階からプロジェクトに参加し、アプリの設計、開発までを実施し、最終的に商用化されることになりました。

【アプリ概要】
工事現場では、作業員の安全確保のために、ヒヤリハット報告書の共有、安全行動の奨励、体操への参加などの取り組みが重要です。これらを奨励、推進するために、なんらかの報酬（インセンティブ）を作業員に提供することが有効だと考えられています。このように報酬を与えて望ましい活動状況を作り出す考え方は、トークンエコノミーと呼ばれます。

お客様が開発するアプリは、作業員の良い行動への報酬の証としてコイン（またはトークン）を作業員に付与し、コインと飲み物や菓子などに交換できるようにするアプリでした。コインの付与と景品への交換をブロックチェーンで管理・記録することで、透明性の高いトークンエコノミーを実現し、これをアピールポイントにすることにしました。

作業員（報酬を受け取る側）および現場監督（報酬を与える側）がスマホで、ヒヤリハットの報告をしたり、それを閲覧したり、検温結果を報告、確認したりできるようにしました。また良い行動に対して報酬も付与できるようにしました。Webアプリの形式でシステムを構築することでスマホアプリをインストールせず簡単に導入できるようにしました。

【進め方】
まず、ブロックチェーン技術およびトークンエコノミーのビジネス応用について、調査結果等も踏まえたレクチャーを提供し、実証実験で何に注力すべきかの決定プロセスを支援しました。

その後、お客様に要件をまとめていただき、レビューしながらアプリシステムを設計しました。お客様の事業部ですでに開発していた別のシステムとも結合したいというご要望もあり、またシステム設計の段階で要件レベルの検討漏れや矛盾も発見されるため、要件検討と設計を繰り返しました。

開発したアプリシステムは、Azure （クラウド）上のVM（仮想Linuxサーバ）にDjangoを用いたWebアプリシステムとして構築しました。