【ニーズに応じた受託サービスを通じて、業務効率化を実現②】 オペレーション業務の工数削減と、頻発するミスを減少へと導く

私たちは業種限らず、様々な企業様を支援しています。前回ご紹介したのは石油会社でしたが、メディアを運営する企業様の業務改革もお手伝いしました。

■事例2：日々行う定例業務の工程を見直し、より良い方法を模索する

　鉄鋼新聞社という会社があります。こちらは文字通り「鉄鋼」を専門に扱った媒体の運営企業。いわゆる業界紙を発行している会社です。

　馴染みのない方はイメージしにくいかもしれませんが、鉄鋼は為替相場のように日々値段が変わります。同社はこの相場を、毎日媒体を通して伝えているのですが、この情報は各地方の現場記者がそれぞれにExcelにまとめ本部にメール送信することで伝達されてきました。本部にはさらにそれらを確認する校正担当がいて、編集されたのちに世の中へと発信されていきます。このように情報が毎日アップデートされていくのですが、全国からデータを集めるため多くの工数が伴うのと、人的作業のためミスが発生してしまうこともなかにはありました。

　そこでこのやり方を見直し、より正確で効率的な運用方法を模索。ExcelではなくWebを使って入力を簡単にして工数削減を図る。またコピーアンドペーストで登録できるようにすることでミスを減らしたいとお客様は考えていました。

技術力とコミュニケーション力を武器にプロジェクトを推進していく

　私たちはコンペでお客様に選ばれました。勝ち得た理由はWeb関連の開発実績が認められたこと。業務内容にまで踏み込み、具体的な運用シーンを想定しプレゼンしたこと。そして何か連絡をいただいたときのレスポンスを早く行なっていたことだと捉えています。特に質問には早急に対応していました。また弊社の営業担当がお客様と上手くリレーションを構築できたのも理由の1つだと思います。技術力だけでなく、コミュニケーションの部分も認めていただけたのではないでしょうか。

　この開発には1年程度の期間を要しました。とくに時間をかけて練り上げたのは要件定義です。要件定義とは、実装すべき機能や満たすべき性能を明確にしていく作業のこと。現場の記者、また情報を受ける校正担当の両人とミーティングを重ね、どちらの要望も満たすべくバランスを取りながら進めていきました。お客様も非常に協力的だったのですが、まとめ上げるまでに5ヶ月程度の時間を要しましたね。しかし、それが終わってしまえばその後は順調。実際の構築においては、大きな技術的問題はなく進めることができました。

機能だけではない。デザイン性も評価をいただく

　これは納品後の話ですが、実は機能以外にも評価をいただいた点があります。それはデザイン性。入力画面などの見た目の部分ですね。こちらも見やすく、綺麗なものができたのではないかと思っています。

　弊社にはデザイナーがいないのですが、エンジニアのなかにデザインが得意なものがいる。もしかしたら、技術が優先される業界においては珍しいかもしれません。ボタンの配置や色使いなど細かい部分ではありますが、より良い見た目を心がけてつくっていきました。今回で言うと、扱っている鉄鋼が非常に多いので、それらの種類と値段をどう見やすくするかが特に工夫したポイント。ストレスなく見られることも、使いやすいシステムを追求する上では外せないと日頃から考えています。

日々の業務の負担が軽減。実績を重ね、新たなプロジェクトもスタート

　実際に使っていただき、先方の仕事環境も変わったのではないかと思っています。特に本部にいる校正担当の方の業務が大きく変化したのではないでしょうか。

　今まではExcelで送られてきた全データを開き、確認をし、整理して……という作業を行なっていたのですが、そのなかでも間違いがないかの確認作業が非常に手間取られていたと伺っています。毎日時間との戦いだったらしいのですが、今回Web入力に置き換えたことでそれが改善されました。時間に余裕を持って業務を進めることができるようになったと聞いています。お客様の業務効率化と時短につながったので、非常に嬉しく思っていますね。

　また現在も、お客様からは別案件のご相談をいただき、「こういったことをやりたい」「こういった機能を持ったシステムをつくりたい」など、様々な要望をいただいております。我々としてもよりお客様のニーズに寄り添った提案をして、多くの面でお客様の業務を支えるシステムを構築していきたいです。