予約管理システムとは？導入するメリットや機能、選び方について解説

予約管理システムとは？導入するメリットや機能、選び方について解説

ホテルや美容院、飲食店などで予約管理システムを利用できれば、利用者が便利になるだけでなく、企業側も業務効率の改善や生産性の向上につながるので、多くのメリットを得られます。

この記事では、予約管理システムの基本情報や導入するメリット、具体的な機能や予約管理システムの選び方について解説します。

予約管理システムとは？

予約管理システムとはどのようなものなのか、そのメリットについて解説します。

予約や顧客情報の管理を一元化できるツールのこと

予約管理システムとは、パソコンやスマートフォンで、店舗やサービスのオンライン予約を管理するシステムのことです。ホテルや飲食店、美容院などの来店予約、イベントの参加予約など、さまざまな業界の企業が導入しています。

予約の受付、予約状況の確認、キャンセルなどの機能以外にも、利用者へのメール配信、チケットの発行、決済処理、アンケートの実施などの機能を搭載しているシステムもあります。

予約管理システムを導入するメリット

予約管理システムを企業が導入することで、以下のようなメリットを得られます。

＜予約管理システムを導入するメリット＞

• 予約受付業務が効率化される
• 24時間365日対応が可能になる
• スマホで手軽に予約できるため予約のハードルが下がる
• 予約データをマーケティング戦略に活用できる

予約管理システムがあれば、電話で予約を受ける、紙やExcelなどで予約状況を管理するなどの手間が不要になり、予約受付業務が効率化されます。24時間365日いつでも予約を受け付けられ、スマホで手軽に予約できるのも大きなメリットです。

また、予約データを集計・分析することで、どのような客層がどのサービスを利用しているかなどの情報を得られるため、マーケティング戦略に活用すること可能です。

予約管理システムの主な機能

予約管理システムに搭載されている主な機能について、ご説明します。

予約受付・変更・キャンセル

ユーザーから予約を受け付ける、予約内容を変更する、キャンセルするなどは、予約管理システムのもっとも基本的な機能です。

予約を受け付ける際は、カレンダーから希望の日時を選ぶ方法、サービス内容や担当者を選ぶ方法などがあります。予約変更を行う場合、日時やサービス内容の変更以外にも、キャンセル待ち機能でキャンセルが生じた場合に、自動的に予約を変更する機能もあります。予約変更やキャンセルの機能があれば、無断キャンセルを防ぐことにもつながるでしょう。

顧客管理

ユーザーの年齢や性別、住所などの属性情報と予約頻度、選ぶサービス内容、支払い金額などを紐づけて管理することが可能です。このようなユーザー情報を管理することで、ユーザーへメールマガジンを配信する、会員ページでお得情報を通知するなどのマーケティング施策に利用できます。

たとえば、ユーザーの予約履歴から、次に利用しそうなサービスの情報をメールでお知らせする、ユーザーの誕生日月にクーポンを配信するなどが可能になります。

予約通知

予約完了後に予約完了メールを送信する、予約している日時が近くなったらリマインドメールや通知を送るなどの機能もあります。予約通知を行うことで、ユーザーが予約日を忘れて無断キャンセルが発生することを防げます。ユーザーにとっても、予約を忘れる心配がないため便利な機能です。

決済・売上管理

店舗やサービスの予約を行えるだけでなく、予約時に決済処理を行える機能や、企業側で売上データを管理できる機能もあります。

クレジットカード情報を登録する、またはQRコード決済システムと連携するなどの方法で、予約時に決済を済ませてしまうことも可能です。決済機能があれば、売上のアップにつながり、予約キャンセルが多発することも防げます。また、クレジットカード決済、QRコード決済、コンビニ決済など、さまざまな決済方法を選べるとユーザーの利便性が向上するため、新規顧客の獲得やリピーターの増加につながるでしょう。

また、売上データを集計・管理することも可能です。

集客・マーケティング支援

予約システムに、ユーザーの年齢や性別、利用するサービスや支払い金額などのデータが蓄積されるため、そのデータを集計・分析もできます。このデータと、予約流入経路や店舗への来店人数などのデータを組み合わせてさらに分析することで、マーケティング戦略に活かすことも可能です。

たとえば、どのようなキャンペーンを実施したらよいか、どのような広告なら効果が高いのかなどを分析することで、売上アップにつながるでしょう。

多言語対応

予約システムを多言語対応することで、外国人利用の増加につながります。また、海外向けの商品販売やサービス展開を目指す場合には、必要な機能です。

予約管理システムの選び方

予約管理システムを導入する際は、どのようなシステムを選べばよいのでしょうか？予約管理システムにもさまざまな種類があり、サービス内容や業態、顧客の性質などによって選ぶべきシステムは異なります。

ここでは、予約管理システムを選ぶ際の重要なポイントについてご紹介します。

「汎用型」と「業界特化型」のどちらが適しているか

予約管理システムには、さまざまなサービスに対応した汎用型タイプと、特定の業界に特化した業界特化型タイプがあります。

汎用型タイプは、各種イベントやセミナーの予約、習い事、病院など、幅広い業界のサービスの予約受付が可能です。汎用型のため、画面をある程度自由にカスタマイズできますが、基本的な予約の流れは決まっています。

一方、業界特化型タイプは、美容室、飲食店など特定の業態に特化したタイプです。汎用型タイプと比べると、機能やデザインはある程度限定されていますが、その業界に必要な機能や適した予約システムを利用できます。

自社に必要な予約システムはどちらのタイプが適しているのかを、まずは判断する必要があるでしょう。

事業内容に合った機能があるか

自社の事業内容に合った機能がそろっているかを確認することが重要です。たとえば、美容院やネイルサロンなどの場合、日時やサービスを選択するだけでなく、スタッフを指名する機能が必要です。また、即時決済処理が必要か、必要な場合にはどのような決済方法に対応しているのかなど、必要な機能がそろっているかを細かく確認しましょう。

予約条件を柔軟に設定できるか

店舗のスタッフや設備などの状況に応じて、予約枠を柔軟に変更できるかなども重要なポイントです。手作業で予約枠を毎日変更すると手間がかかりますが、店舗の状況に合わせて予約枠や予約条件を自動的に変更できれば、予約管理作業の手間を減らせるでしょう。

決済方法が充実しているか

予約時に決済が可能なシステムにする場合は、決済方法が充実しているか、必要な決済方法に対応しているかを確認しましょう。クレジットカード決済、電子マネー、QRコード決済、コンビニ決済など、自社に必要な決済方法に対応しているかを細かく確認してください。

十分な費用対効果が見込めるか

予約システムの導入コストと運用コストと比べて、十分な効果が見込めるかを検討しましょう。搭載する機能を増やすとそれだけコストも上がりますが、その機能が本当に必要なのか、コストをかけるだけの効果を得られるのかを検証して、サービスや機能を決める必要があります。

サポート体制は十分か

導入時のサポート対応や運用時の問い合わせ対応、メンテナンス対応などのサポート体制が十分かについても、あらかじめ確認しておく必要があります。運用を始めてから、デザインの変更や機能追加などに応じてくれるかなども、必ず確認しましょう。

予約管理システムの費用相場

予約管理システムの費用は、既存で提供されているパッケージシステムやSaaSサービスを利用するか、自社用にオリジナルの予約管理システムを構築するかによっても大きく異なります。

既存のパッケージ使用やSaaSサービスで考えても、予約件数に応じて月額費用が決まる、基本月額費用＋従量課金などさまざまなパターンがあります。相場としては、月額10,000円から20,000円程度で利用できるサービスが多いようです。

たとえば、次のような料金プランの予約システムが存在します。

＜料金プランの例＞

• 月額3,000円＋決済手数料3.6～3.75％
• 月額20,000円/300件、初期費用30,000円
• 月額22,880円/300件、初期費用なし
• 月額10,000円/1,000件、初期費用なし
• 月額25,000円/1店舗、初期費用15万円
• 月額21,000円、初期費用10万円

毎月の予約件数は何件くらいなのかを含め、削減できる人件費と比較して、どこまで予約管理システムに費用をかけられるのかを具体的に検討する必要があるでしょう。

無料の予約管理システムはおすすめできる？

無料で使える予約管理システムもありますが、基本的には予約件数の上限があり、機能が制限されているものがほとんどです。たとえば、月70件程度、一日に2、3件程度の予約が可能で、それ以上利用する場合には有料になるなどです。

制限された範囲内で十分利用できるなら、無料のシステムでも問題ないでしょう。しかし、それでは足らない場合、自社のサービスに合った有料プランを選ぶ必要があります。

スクラッチ開発の予約管理システム費用は？

自社用にオリジナルのシステムを開発するという場合の多くは、他の社内で使用しているシステムとの連携や、予約以外の他業務もあわせて管理ができる業務全体のシステムを導入したいという際に検討されることがあります。

予約管理システムの基本機能（予約枠を提供し、空いている枠に対して予約を入れる。予約枠の管理ができる。予約者管理ができる。予約者に向けたリマインドメールが送られる）というような内容であれば、数百万円〜が相場となります。

ただし、完全なスクラッチ開発ではなく、過去に開発したモジュールの活用やオープンソースで提供されているシステムなどを活用することで、開発コストの削減などを行うこともできるため、予約システム開発に知見の深い開発会社に相談し、適切な価格帯を把握するのがよいでしょう。

予約管理システムの依頼先はどうやって選ぶ？

予約管理システムの開発を依頼する際は、依頼先をどのように選べばよいのでしょうか？

依頼先には、既存システムの導入を支援している会社、カスタマイズに対応している開発会社、一から開発が可能なスクラッチ開発に対応している開発会社などがあります。コストをおさえたいのか、独自のシステムをカスタマイズして使いたいのかなど、目的に合った会社を選ぶとよいでしょう。

なお、スクラッチ開発を依頼する場合は、実績が豊富で、予約システム開発のノウハウを持っている会社を選ぶことをおすすめします。

まとめ

この記事では、予約管理システムの基本情報や導入するメリット、具体的な機能や予約管理システムの選び方について解説しました。予約管理システムにはさまざまな種類があり、自社にあった機能が搭載されたものを選ぶ必要があります。機能、決済方法、サポート体制、費用対効果などを十分に比較して、もっとも適したシステムを選んでみてください。