プロジェクト体制図とは?重要性や作成において意識したいポイントを解説
- [更新日]2023/02/17
- [公開日]2022/01/19
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目次
プロジェクト体制図とは?重要性や作成において意識したいポイントを解説
社内でのシステム開発において、「プロジェクト体制図」の作成は、リスクヘッジや業務効率化など、重要な役割があります。このワードを聞いたことはあっても、「実践したことがない」「方法がわからない」という企業の担当者様も多いかもしれません。
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今回は、プロジェクト体制図の基礎知識から重要性、作成時のポイントなどを詳しく解説します。実際の体制図を例として挙げているので、作成時の参考にもしていただけます。基本的な作り方やポイントを押さえて、プロジェクトへ有効活用してみてください。
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1. プロジェクト体制図とは?
プロジェクト体制図とは、プロジェクトに対する認識や目的をメンバー全員に共有させ、各自のパフォーマンス向上やトラブル発生の影響を軽減させるものです。
具体的には、各チームの役割や指揮系統などを明確にし、どこで・誰が・何をして、責任の所在はどこか、などを具体化させます。これらが明確になることで、トラブルや進捗の遅れなどへ迅速に対応できます。
2. システム開発におけるプロジェクト体制図の重要性
システム開発におけるプロジェクト体制図の重要性について、3つのポイントから解説します。
参加しているメンバーの認識をそろえる
体制図を作成することで、プロジェクト参加メンバーの認識を統一し、足並みをそろえやすくなるでしょう。プロジェクトは進行するに従って、各チームのポジションやメンバーの役割などが変化することもあります。このような場合、体制図を作成しておけば、変化があったときにもメンバー間の認識を統一できます。
例えば、プロジェクト内のテストチームが2つにわかれる際、体制図に変更内容を書き込んでおけば「どのチームがどうわかれたのか」を一目で把握可能です。情報をリアルタイムに更新して共有できるので、認識のズレによるトラブルを未然に防げます。
指揮命令系統を明確にする
体制図はそれぞれの役職と指揮命令系統を図解しているので、情報を明確に理解できます。プロジェクトの規模によっては、チーム数やリーダーなどが多くなり、管理体制が煩雑化します。
指揮命令系統が明確になっていないと、各チームは進捗状況や連絡事項をどのリーダーへ報告すべきなのかわかりません。各リーダーも状況を把握できず、進捗の遅れにつながる可能性もあります。
体制図は規模の大きいプロジェクトであっても、各自の役割・指揮命令系統を明確に表現できます。トラブル発生時の対処や相談先を各メンバーが理解できるため、プロジェクト全体のフットワーク軽量化が可能です。
プロジェクトの説明が容易になる
体制図を作成しておくことにより、キックオフ会議でプロジェクト全体の説明がしやすくなります。体制図がなければ、口頭・資料でプロジェクトの参加チームや各々の役割などを説明しなければなりません。手間がかかるほか、プロジェクトの規模次第では把握困難な恐れがあります。
体制図があれば、全体像を図で説明できます。図を見ながら細かな説明ができるため、各メンバーはプロジェクトの内容・目的もイメージしやすくなるでしょう。
3. プロジェクト体制図に書かれるポジションは?
プロジェクト体制図に書かれるポジションは、大きく3つあります。各ポジションの役割と特徴を解説します。
プロジェクトオーナー
プロジェクトオーナーとは、プロジェクト全体のトップ(発注者)であり、体制図において、もっとも高い位置に記載されます。他のメンバーと同じように作業や役割をいくつももっていますが、プロジェクト推進の一翼を担っているポジションです。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとは、チームの責任者であり、計画の作成や予算・進捗の管理なども行うポジションです。品質の確保やシステムの安定稼働などは、プロジェクトマネージャーが担っています。体制図では、プロジェクトオーナーの次に記載します。
チームリーダー
チームリーダーとは、メンバーを統率しつつ、プロジェクトや組織の目標を達成するために行動するポジションです。プロジェクトを成功に導くためのビジョンをもち、メンバーの意欲を高めて、パフォーマンスを発揮させる行動が求められます。体制図では、プロジェクトマネージャーの下に各チームリーダーを記載します。
4. プロジェクト体制図の作り方
体制図の作り方を理解していただくためにも、まずは具体例を以下に示します。
- <体制図の例>
- <作成までのフロー>
-
- プロジェクトの目的や目標、ゴールを決める
- ①をもとに、業務範囲を定める
- 必要な人材やチームを決める
- 各チームの役割を決める
- 各チームの指示系統を決める
- ①~⑤をもとに、体制図を作成する
体制図の例は、あくまでも参考としてご確認ください。実際のプロジェクトへ活用する際は、業務範囲やチーム構成などに応じて、チーム名や配置を書き換える必要があります。
5. プロジェクト体制図の作成において意識したい7つのこと
プロジェクト体制図の作成において、意識したい7つのことを解説します。
プロジェクトの目的・目標が決定したときに作成する
プロジェクトの目的・目標が決定してから体制図を作成しなければ、以降の工程をどれも明確化できません。目的・目標がない場合、プロジェクト全体の計画を立てられず、達成に必要な人材やチームの配置がバラバラになる可能性があります。
一方、目的・目標が決定していれば、無駄な予算・工程のない計画を立てやすく、必要な箇所に人材・チームを配置できます。目的・目標の決定は、体制図作成はもちろん、プロジェクト全体の進行にもかかわる重要なポイントです。
誰が見てもわかるように書く
体制図は、誰が見てもわかるように記載し、役割を把握できるように作成する必要があります。たとえば、各ポジションの役割を曖昧に書いた場合、プロジェクトマネージャーやチームリーダーの役職・役割が不明確になってしまいます。各チームは誰に従えばいいかわからないほか、複数のリーダーから指示を受けてしまうかもしれません。
誰にでもわかる書き方ができれば、指示系統は明確になり、報告・連絡・相談などもスムーズに行われます。はっきりしない名称はもちろん、体制図における不明瞭な線(指示系統を示す線)は避けましょう。
シンプルにまとめる
体制図はシンプルにまとめて、全員が把握しやすいよう配慮することも大切です。情報の流れ方や注意書き、責任の範囲などの詳細をすべて書いてしまうと、全体を一目で把握できません。
体制図は「各自の役割や指示系統を把握してもらう」という目的を担っています。必要最低限の情報のみを掲載したシンプルな体制図であれば、各自が自分の役割を一目で理解しやすくなります。
指揮系統を一本にまとめる
指揮系統を一本にまとめることで、誰が誰の指示を受けるのか、どこへ相談・報告すべきか把握できます。指揮系統を示す線が複数あったり、線が重なっていたりすると、各チームは誰から指示を受けるべきか、混乱するかもしれません。
指示系統を一本の線で示すことにより、誰の意思決定・指示を優先すべきか明確になり、各リーダーは指示を出しやすくなります。現場の混乱も抑えられ、プロジェクト進行におけるリスクヘッジにも期待できます。
各ポジションの役割を明確にする
各ポジションの役割は明確にして、プロジェクトメンバーの認識をそろえる必要があります。チーム名に「支援」や「臨時」などが記載されていても、具体的に何をするチームかわかりません。各リーダーや他のチームは、支援・臨時チームにどんな要求をしていいのか判断できないので混乱します。
一方、品質や運用、開発などの名称であれば、各ポジションはどんな役割なのか一目で把握できます。認識は統一され、各チームが役割に応じた対応を取れるでしょう。
できる限り1人につき1つだけの役割に配置させる
体制図では、1人につき1つの役割を配置させるようにします。たとえば、複数のチームに1人のリーダーがついている場合、リーダーとしての負担が大きくなります。さらに、他のメンバーから「書き間違いなのでは?」と認識されかねません。
兼務せざるを得ない状況であれば、各ポジションでの役割の違いや、書き間違いでないことの注意書きを残しておきましょう。ただし、負担増加によるヒューマンエラー防止のためにも、1人につき1つの役割がおすすめです。
人員に変更があった際には書き換える
人員に変更があった際には、体制図を書き換えて、現状を共有しなければなりません。たとえば、設計チームの一部が別プロジェクトへ移動になった場合、現状を知らない他メンバーは、確認や相談先を見失う可能性があります。
管理体制が崩れることも考えられるので、情報は最新の状態を維持しなければなりません。体制図の見直し時期をあらかじめ決め、そのタイミングを周知しておけば、各メンバーは状況把握しやすくなります。
6. まとめ
プロジェクト体制図は、指揮系統や役割を明確にすることで、プロジェクト全体をスムーズに進行させられます。作り方にはポイントや注意点があるため、この記事をご覧になっている企業の担当者様は、事前に把握することをおすすめします。
- <体制図を作る際に意識する7つのこと>
-
- プロジェクトの目的・目標が決定したときに作成する
- 誰が見てもわかるように書く
- シンプルにまとめる
- 指揮系統を一本にまとめる
- 各ポジションの役割を明確にする
- できる限り1人につき1つだけの役割に配置させる
- 人員に変更があった際には書き換える
「プロジェクト体制図の作成において意識したい7つのこと」では、各ポイントを詳しく解説しているので、プロジェクトのキックオフまでには、チェックしてみてください。
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