ベンダーマネジメントとは?3つの役割や成功させるためのポイントを紹介
- [更新日]2023/02/17
- [公開日]2022/01/19
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目次
ベンダーマネジメントとは?3つの役割や成功させるためのポイントを紹介
近年、デジタル技術やシステムの多様化が進んだこともあり、専門技術をもった外部の開発会社(ベンダー)にシステム開発を委託する企業が増えています。
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ベンダーマネジメントとは、開発委託先の企業(ベンダー)への発注、ベンダーの業務管理、ベンダーとの折衝を通じて、ベンダーを適切にマネジメントすることです。ベンダーマネジメントの目的は、委託開発のプロジェクトを成功させることです。
ベンダーマネジメントの役割は、主に次の3つです。
それぞれの役割について、詳しく解説します。
契約管理とは、文字どおり、ベンダーとの契約を管理することです。開発の委託は、適切なベンダーを見つけ、プロジェクトの予算や納期、成果物のレベルをベンダーと合意して契約を結ぶことからはじまります。
ベンダーのパフォーマンスを管理することも、ベンダーの役割です。具体的には、次のような活動を行います。
これらの活動を通して、ベンダー要因でプロジェクトの進行に支障がでないようにベンダーのパフォーマンスを管理することも、ベンダーマネジメントの役割です。
モチベーションの管理も、大切な役割です。ベンダーの顧客は、自社だけではありません。複数の企業から仕事を受注して並行して開発を行っています。
ベンダーマネジメントを効果的に行うための手法は、次の4ステップです。
それぞれのステップについて、解説します。
「VMO」とは、「ベンダーマネジメント組織(Vender Management Office)」の略で、ベンダーマネジメントを専任に行う組織・チームのことです。
VMOを確立したら、その組織のゴールを明確にします。VMOが目指すべきゴールの方向性は、2パターンあります。
どちらの方向性をゴールとするかを最初に明確にすることで、その後の活動における判断や意思決定が、ブレなく迅速に行えるようになります。
ベンダーの選定も、重要なステップです。自社に最適なベンダーを選べないと、成果物の品質が求めるレベルに到達しなかったり、大きな遅延が発生したりといった障害が発生して、プロジェクトが失敗に終わる可能性が高まるからです。
ベストなベンダーとの契約が完了し発注が済んだら、最終成果物の納品までの期間すべてにおいてベンダーがもつ価値を最大化し、リスクを最小化するための活動を行います。
ベンダーマネジメントを成功させる一番のポイントは、VMOの確立です。ベンダーマネジメントを行う専任の組織・チームを確立することで、ほかの業務の影響を受けずにベンダーマネジメントのみに注力することができるからです。
外部委託を活用するプロジェクトでは、ベンダーマネジメントがプロジェクト成功の鍵になるということが、ご理解いただけたでしょうか。適切にベンダーマネジメントを行うには、VMOの確立が最重要です。
しかし、「委託先のベンダーに発注をかけたらひとまずOK。あとは納品を待つだけ」と考えている担当者も多いのではないでしょうか。このようなスタンスでは、ベンダーの進捗や課題の有無が把握できず、蓋をあけてみたら大きく遅延していたなどという事態にもなりかねません。
外部委託を活用するプロジェクトでは、適切にベンダーマネジメントを行うことこそがプロジェクト成功の鍵になります。そこで今回は、ベンダーマネジメントとはどのようなものなのか、成功させるポイントなどを解説します。
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1. ベンダーマネジメントとは
自社開発の場合、プロジェクトマネージャーが各担当者と綿密にコミュニケーションをとり、進捗を管理することがプロジェクト成功の鍵になります。委託開発においても同様で、ベンダーとコミュニケーションをとり、ベンダーの業務管理を行うベンダーマネジメントがプロジェクトを成功に導くのです。
2. ベンダーマネジメントの3つの役割
契約管理
契約を交わす際に、見積もり金額や開発期間は適切か、成果物のレベルは要求を満たしているか、キーパーソンが途中で外れることがないかなど、契約内容の細部まで確認し、適切な契約を結ぶことも、ベンダーマネジメントの役割です。契約管理の役割を果たすためには、システム開発の全般的な知識が必要になります。
パフォーマンスのマネジメント
パフォーマンス管理の役割を果たすためには、システム開発の知識のほかに、リーダーシップや判断力、主体性も必要となります。
モチベーション管理
そのような中で、ベンダーのリソースをなるべく自社のプロジェクトに割いてもらうためには、日頃からベンダーとコミュニケーションをとり、良好な関係を保つことが重要です。
ベンダーとの良好な関係を築き、それを保つこともベンダーマネジメントの役割です。モチベーション管理の役割を果たすためには、コミュニケーション能力や共感力、折衝能力が必要になります。
3. ベンダーマネジメントの手法
①VMOを確立する
ベンダーマネジメントを効果的に行うには、まずVMOを設立して、ベンダーマネジメントを専任で行う体制を確立することが、最初のステップです。
これまでの委託開発は、プロジェクトの担当者がベンダーへの発注や管理も兼任しているケースが多くありました。ですがベンダーマネジメントを適切に行うには、発注から納品までの委託期間すべてにおいて、ベンダーの管理に注力する必要があります。そのため、担当者が兼任で行うには、負荷が多すぎます。
また、専任の組織を確立することで、ベンダーマネジメントのノウハウを体系化して蓄積したり、人材育成を行ったりとったことが効率よくできるようになります。そのため、VMOを確立することは、非常に重要です。
②組織のゴールを明確にする
③自社に最適なベンダーを選ぶ
適切なベンダーを選定するには、まずプロジェクトの成功のために必要な技術や環境を、正確に洗いだす必要があります。
さらに、必要な技術や環境をもつベンダーを複数社選定して見積もりを行う中で、コミュニケーションをとりながらベンダーの適性を判断して、ベストな1社に絞り込むことが大切です。
④価値を最大化・リスクを最小化する
ベンダーに委託している作業内容は正当か、ベンダーはこちらの要求通り作業を進めているか、契約が正しく履行されているか、コンプライアンスは守られているかなどを逐一確認しながら、ベンダーマネジメントを行います。
4. ベンダーマネジメントを成功させるポイント
また、ベンダーマネジメント業務自体を効率化することも、成功のポイントになります。VMO内で情報や知識を共有してノウハウを蓄積する、ベンダー管理の効率化のためにIT技術を導入するといった取り組みを行うことで、将来にわたってベンダーマネジメントを成功させることができるようになります。
5. まとめ
委託開発でのプロジェクト失敗や損失を防ぐために、まずはVMOを確立することを目指しましょう。VMOによるベンダーの価値最大化とリスク最小化を行うことができれば、プロジェクトの成功に大きく近づくことができます。
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