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ファイルシステムとは?種類や機能、選び方まで初心者向け解説

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ファイルシステムとは?種類や機能、選び方まで初心者向け解説

パソコンでデータを保存したり読み出したりするとき、その裏でファイルシステムが活躍していることをご存じでしょうか。普段は意識せずに使っているファイルシステムですが、システム開発を委託する際には、ファイルシステムの基本知識をおさえておくことをおすすめします。

基本知識があるだけで、システム開発会社とのコミュニケーションがスムーズになるケースもあるためです。そこで今回は、ファイルシステムの種類や機能、選び方といった基本知識をわかりやすく解説します。

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1. ファイルシステムとは?

ファイルシステムとは、コンピューターに保存されているデータを、ファイルという単位で扱うための機能です。WindowsやMac、Linuxのパソコンでは、文書データも写真も音楽データもファイル単位で管理されています。

たとえば、データを読み出したいときはファイルを開きますし、データを複製したいときはファイルをコピーします。データを消したいときは、ファイルをゴミ箱にいれます。

このような、データをファイルという単位で管理し、開いたりコピーしたり消したりする機能を提供しているのが、ファイルシステムです。ファイルシステムのおかげで、データを直感的に操作できるのです。

OSとの関係性

ファイルシステムは、OSが持つ機能のひとつです。ファイルシステムにはさまざまな種類の規格があり、OSによって採用している規格が違います。

OSをインストールするときに、そのOSが対応しているファイルシステムの規格で、記憶装置(HDD/SSD)をフォーマットします。

2. ファイルシステムの種類

前述したとおり、ファイルシステムにはさまざまな種類の規格があります。代表的な規格を解説します。

FAT

FAT(File Allocation Table)は、Microsoftが開発したファイルシステムの規格で、多くのOSが対応しています。

FATには複数のバージョンがあり、現在主に使われているのは、FAT16、FAT32、exFATです。FAT16/FAT32はMS-DOSやWindows95などで使われてきました。非常に汎用性が高く、多くのOSが対応しています。

その一方で、扱えるディスクサイズに制限があり、FAT16は2Gbyteまで、FAT32 は32Gbyteまでの容量しか扱えません。

exFATは、FAT32で課題だったディスクサイズやファイルサイズの制限を事実上撤廃した規格です。大容量化が進むUSBメモリやSDカードドライブで多く採用されている規格です。

NTFS

NTFS(NT FileSystem)は、FATの進化系の規格です。FATにはない、圧縮や暗号化、アクセス制限といった機能に対応していて、WindowsNT系のOSで採用されています。

Macでは、NTFSフォーマットで保存されたファイルを読むことはできますが、書き込むことはできません。

ReFS

ReFS(Resilient File System)は、Microsoftの最新のファイルシステムです。Resilientは回復力の意味で、ファイル破損を正確に検出してオンライン状態を維持しながら修復する機能を備えています。そのため、障害からの早期復旧が必要になるWindowsServer系のOSで採用されています。

HFS+

HFS+(Hierarchical File System Plus)は、10.12までのmacOSで採用されていた規格です。Mac専用のファイルシステムであり、Windowsからの読み書きはできません。

APFS

APFS(Apple File System)は、iOS や10.13以降のmacOSで採用されている規格です。APFSは、記憶装置として主流になりつつあるフラッシュメモリや、SSDに最適化されています。また、暗号化にも重点をおいていて、複数鍵によるディスク全体の暗号化といった高度な暗号が可能です。

ext・XFS

ext(extended file system)Linuxで標準的に使われている規格で、ext2、ext3、ext4といったバージョンがあります。現在のLinuxディストリビューションのほとんどでext4がデフォルトになっています。

XFSも、LinuxなどのUNIX系OSで多く採用されているファイルシステムです。ext4もXFSもジャーナルと呼ばれるデータ破損からの復旧機能を備えています。ジャーナル機能に対応したファイルシステムは、ジャーナリングファイルシステムとも呼ばれます。

UDF

UDF(Universal Disk Format)は、CDやDVDなどの光学ディスク記憶媒体向けのファイルシステムです。特定の機器やOSに依存しない独立した形式になっており、さまざまな機器やOSで同じように読み書きできます。

3. ファイルシステムの機能

データをファイルという単位で扱うファイルシステムは、次の機能ももっています。

  • ファイルの保存
  • ファイルの暗号化
  • ファイルの圧縮
  • ファイルの管理
  • ファイルシステムの耐障害性の向上

それぞれの機能について詳しく解説します。

ファイルの保存

ファイルシステムは、データをファイル単位で保存します。ファイルには任意の名前をつけることが可能で、ユーザーは、実際のデータを参照せずとも、ファイル名でデータの内容を判断することができます。

ファイルシステムは、ファイル名の他にファイルの更新日時や更新者といった情報もセットで記録しています。
また、保存したファイルに「読み取り専用」「読み書き可能」などの属性を付与することができます。

ファイルの暗号化

ファイルシステムは、ファイルを暗号化することができます。暗号化されていない場合、ファイルが保存されている記憶装置をPCから抜き取って他のPCに装着すればファイルを読み書きすることが可能です。そのため、機密情報や個人情報などを盗まれるリスクがあります。

暗号化しておけば、記憶装置を抜き取って他のPCに装着してもファイルを読み書きすることができず、重要なデータを盗まれたり改ざんされたりすることを防ぐことができます。

ファイルの圧縮

ファイルシステムは、ファイルを圧縮して保存することができます。圧縮することで、容量が小さな記憶装置でもより多くのファイルを保存することができます。

ですが、ファイルアクセス時に圧縮/解凍の処理を行う分、ファイルアクセスが遅くなるデメリットもあります。ファイルの圧縮は、SSDのような容量が小さくて高速アクセスが可能な記憶媒体で、とくに有効な機能です。

ファイルの管理

ファイルシステムは、記憶装置のどこにどのファイルが配置されていて、どこに空きがあるかを管理しています。そのため、ユーザーが記憶装置上のファイルの場所を意識しなくても、ファイルシステムが最適な位置にファイルを保存してくれます。

また、ファイルが複数の場所に分割して保存されている場合でも、ユーザーは分割を意識することなくファイルを扱えます。

ファイルシステムの耐障害性の向上

旧来のファイルシステムでは、ファイル書き込み中の停電や瞬間的な電源断により、ファイルが破損しアクセスできなくなるといった致命的な障害が発生することがありました。そんな障害を防ぐため、一部のファイルシステムでは、ジャーナリングという仕組みを導入して耐障害性を向上させています。

ジャーナリングとは、ファイルの管理情報の更新履歴をジャーナルと呼ばれる領域に保存しておき、ファイルの管理情報が破損した場合は、ジャーナルに保存した情報を使って管理情報を修正することで、ファイルへのアクセスを維持する仕組みです。ext3,4やNTFSが、ジャーナリングに対応しています。

4. ファイルシステムの選び方

ファイルシステムを選ぶときは、対応OSや扱いたいファイルのサイズを考える必要があります。具体的な選び方を解説します。

対応OSで選ぶ

OSによって、対応しているファイルシステムが異なります。そのため、ファイルを扱いたいOSに応じてファイルシステムを選択するのが基本です。

ひとつのOSのみでファイルを扱いたいのであれば、そのOSが対応している最新のファイルシステムを選択するのがおすすめです。最新のファイルシステムのほうが、暗号や圧縮と言った機能が豊富でパフォーマンスにも優れているためです。

一方、共有ファイルサーバーのようなWindowsからもMacからもファイルアクセスしたい場合は、両方のOSが対応しているファイルシステムを選ぶ必要があります。

ファイルサイズで選ぶ

ファイルシステムによって、扱えるファイルのサイズが違ってきます。動画などの大容量のファイルを扱いたい場合は、扱える最大ファイルサイズが大きいものを選びましょう。とくに、FAT16やFAT32は扱えるファイルサイズの上限が小さいため、注意が必要です。

5. ファイルシステムの確認方法

WindowsやMac、Linuxで、今のファイルシステムの種類を確認する方法を紹介します。

・Windows
  1. 確認したいドライブを右クリックし、プロパティを選択します。
  2. 全般タブの中に現在のファイルシステムが表示されます
・mac OS
  1. ディスクユーティリティを起動し、確認したい記憶媒体を選択します。
  2. 種類の欄に、現在のファイルシステムが表示されます。
・Linux
  1. コンソールで、以下のコマンドを実行します
  2.            df -T
              
  3. マウントされているドライブの、現在のファイルシステムが「タイプ」として表示されます。

6. ファイルシステムは変換も可能

ファイルシステムの種類を変換するには、変換したいファイルシステムで記憶媒体をフォーマットします。ただし、フォーマットすると保存されているファイルは、すべて消えていまいます。

Windowsでは、保存されているファイルを消さずにファイルシステムをFATからNTFSに変換することもできます。保存されているファイルを消さずにFAT→NTFS変換するには、CONVERTコマンドを使います。CONVERTコマンドを使ってファイルシステムを変換する手順は、次のとおりです。

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で起動する
  2. 次のコマンドを実行する
  3.          CONVERT ボリューム: /FS:NTFS
             
  4. ボリュームラベル名を入力する

※変換によりデータ破損が発生する可能性もあるため、必ずバックアップをとってから実行しましょう。

7. まとめ

普段パソコンを使う際には、ファイルシステムの知識がなくても、さほど問題にはなりません。ですが、ファイルを扱うシステムを開発する際には、ファイルシステムの基本知識が必要になります。

システムでどのファイルシステムを選択するかを検討する場面で、システム開発会社とのコミュニケーションをスムーズにするためにも、本稿で解説してきた基本知識をおさえて、最適なファイルシステムを選択できるようになっておきましょう。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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