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WebSphereとは?種類やできること、インストール手順まで詳しく解説

目次

WebSphereとは?種類やできること、インストール手順まで詳しく解説

WebSphereはIBM社製のJavaベースのアプリケーションサーバ製品で構成される、システムの構築や運用、統合に用いるミドルウェアやソフトウェア群を指します。

この記事では、WebSphereとは何か、WebSphereの種類には何があるのか、何ができるのか、インストールの方法などについて詳しく解説します。

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1. WebSphereとは?

WebSphereは、IBM社製のアプリケーションサーバで構成されるミドルウェア・ソフトウェア群です。WebSphereについてご説明する前に、Webサーバ、アプリケーションサーバ、DBサーバについてご説明しましょう。

WebシステムはWebサーバ、アプリケーションサーバ、DBサーバの3階層にわけて構築するのが基本です。ざっくりいうと、Webサーバはユーザーが操作する画面を表示し、DBサーバはデータベースを管理し、アプリケーションサーバはその間に立って処理をおこないます。

ユーザーが画面に文字を入力したりボタンを選んだりすると、Webサーバからのリクエストがアプリケーションサーバに届きます。

アプリケーションサーバは、受け取ったリクエストを元に処理をおこないます。たとえば、ログインIDとパスワードが入力されログインリクエストが届いた場合、DBサーバにリクエストを飛ばして、ログイン情報が正しいか照合します。

DBサーバからログイン情報の照合OK、またはNGというレスポンスが返ってくるので、アプリケーションサーバは、その結果をWebサーバに返します。

Webサーバは返ってきた結果を元に、ログイン後の画面、または、ログインできなかったことを知らせるエラー画面を表示します。

WebSphereは、このような役割をもつアプリケーションサーバの一つで、インターネットビジネスの構築・運用・統合が可能です。WebSphereのバージョンアップや無償版・有償版の情報について、ご説明しましょう。

WebSphereのバージョンアップについて

IBMのWebSphereの最新バージョンは、2021年12月時点で、バージョン9.0.5です。最新バージョンには最新の機能が追加されているだけでなく、最新のセキュリティ対策に対応しているので、できるだけ最新バージョンをインストールしましょう。

インストールは、IBM社の公式ページからできます。

WebSphereの無償版・有償版の違い

WebSphereは、インストールしてから120日間は、無償版として無料で利用可能です。有償版のライセンスを購入する方法は以下の3つがあり、それぞれ課金体系が異なります。

使い方によってライセンス額を抑えられるようにライセンス方法を選べるので、それぞれの使い方に適した課金体系を選びましょう。

・PVU課金
導入する際のサーバ、プロセッサ、コアのそれぞれに課金する体系です。使用するサーバ数やプロセッサ数に応じた課金なので、数の増減に臨機応変に対応可能です。
・ユーザー課金
WebSphereを使用するユーザーに対して課金する体系です。企業などで多くの人が使用する際に、ユーザー課金を使うことが多いです。
・ソケット課金
実際に搭載するソケットごとに課金していく体系です。利用する頻度が少ない場合にコストを抑えられるので、家庭用などの小規模な開発環境に適しています。

WebSphereの種類

WebSphereにはいくつかの種類がありますので、ご説明します。

WAS(WebSphere Application Server)

WAS(WebSphere Application Server)は、Java EEに対応した、アプリケーションサーバです。BM社製の主力製品で、WebSphereの中心的存在です。

HCL Commerce

HCL Commerceは、ネットショッピングなどのeコマースを開発するための、プラットフォームです。マーケティング、販売、注文管理などの処理が得意です。 もとは「WebSphere Commerce」という名称でIBMの製品でしたが、2019年7月にHCL Technologiesに売却され、名称がHCL Commerceになりました。

WebSphere MQ

WebSphere MQは、システム連携をおこなう際に利用されるミドルウェアです。メッセージキュー方式で、信頼性の高いメッセージ通信が可能です。旧システムは、「MQSeries」、「WebSphre MQ」という名称でした。

2. WebSphereでできること

WebSphereは、アプリケーション基盤の構築や運用、統合をおこなうアプリケーションサーバです。WebSphereでできるのは、主に以下のようなことです。

<WebSphereでできること>
  • システム管理
  • ワークロード管理
  • セッション管理
  • パフォーマンス管理
  • セキュリティ

システム管理

WebSphereの機能や設定を管理できます。WebSphereには多くの機能がありますが、それらをGUIで管理することが可能です。

ワークロード管理

ワークロード管理キューを使用することで、パラレル・ジョブや、サーバ・ジョブの開始を管理できます。デフォルト設定では使用可能になっていますが、使用しないことも可能です。

セッション管理

セッションとはWebサーバからアプリケーションサーバ、DBサーバなどをやり取りする通信のことを指します。一度に保持できるセッションの数やセッションがタイムアウトする際の秒数の設定などの、セッション管理ができます。

パフォーマンス管理

WebSphereを使用する際のパフォーマンスデータを収集し、分析、モニター、管理できます。レスポンスタイムやCUP使用率、リソース使用率などのパフォーマンスデータを収集し分析することで、最適なパフォーマンスのシステムを構築できます。

セキュリティ

WebSphereで構築するリソースを保護し、認証、アクセス制御、機密性、プライバシーなどのセキュリティ要件を実現します。

3. WebSphereをインストールする手順

WebSphereをインストールする具体的な手順は、以下のとおりになります。

<インストール手順>
  1. WASをインストールする
  2. プロファイルを作成する
  3. アプリケーションの稼働環境を準備する
  4. アプリケーションを導入する

それぞれ詳しくご説明します。

①WASをインストールする

1.インストーラーをダウンロードする
IBM社の公式ページ(https://www.ibm.com/docs/ja/was-nd)からインストーラーをダウンロードします。
2.インストールをおこなう
インストーラーを起動します。「Add Repository」を選び、「respositories.config」を選択します。インストールしたいバージョンを選択し、ライセンス契約内容を確認して「I accept(同意)」を選択します。

共有リソース・ディレクトリを選択し、適用できるパッケージを選択したら、インストールを開始します。インストール完了のメッセージが出るまで、待ちます。

②プロファイルを作成する

インストールが終わったら、プロファイル管理ツールを起動します。セキュリティ・ユーザー名とパスワードを入力します。

「Cell」を選び、プロファイル作成オプションで「Typical profile creation」を選び、「Create(作成)」を選択します。プロファイルが正常に作成されたら、「Finish」を選んで終了です。

③アプリケーションの稼働環境を準備する

インストールしてプロファイルが正常に作成できたら、稼働するサーバごとにリソースの定義などを設定します。稼働するサーバが複数ある場合は、サーバごとに設定する必要があります。

④アプリケーションを導入する

必要なアプリケーションを導入したら、準備は完了です。開発を開始できます。

4. WebSphereをデプロイする手順

デプロイとは、開発したアプリケーションファイルを利用するために環境に配置することを指します。WebSphereでアプリケーションを開発しただけでは、利用したい環境で使えません。

開発環境で完成したプログラムを、テスト環境やクライアントが利用する環境などに配置するのがデプロイです。

デプロイ手順は、以下のとおりです。

  1. アプリケーションファイルのインストールに使うメソッドを決める
  2. アプリケーションファイルをインストールする
  3. デプロイしたアプリケーションファイルを起動する

5. まとめ

この記事では、WebSphereとは何か、WebSphereにはどのような種類があるのか、どのようなことができるのか、インストール方法やデプロイ方法などについて解説しました。

WebSphereはIBM社のミドルウェアやソフトウェア群で、高度なWebシステムやeコマースサイトなどを開発することが可能です。さまざまな機能を利用できるので、高度な開発に役立つでしょう。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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