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システム開発における「QA」とは?QAエンジニアの業務内容やスキルも解説

目次

システム開発における「QA」とは?QAエンジニアの業務内容やスキルも解説

システム開発におけるQAとは、Quality Assurance(品質保証)を意味します。QAエンジニアとは、システム開発全体の品質管理を行うエンジニアのことです。 この記事では、システム開発におけるQAとは何か、QC(品質管理)とは何が違うのか、QAエンジニアの役割や必要なスキルは何かについて詳しく解説します。

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1. システム開発における「QA(品質保証)」とは?

システム開発におけるQA(品質保証)とは、システムの品質を保つために重要な業務です。開発のメインはシステムの機能要件や非機能要件の定義や構築ですが、システムの品質を保つことも非常に重要です。

QAエンジニアは、構築した機能の仕様確認や評価、テスト内容の評価と実施、品質テスト結果の検証とフィードバック、必要に応じた再テストなどを行います。また、テストツールの作成なども行い、テスト効率の向上を図ることもあります。

QC(品質管理)との違い

QAとよく似た言葉に、「QC(品質管理)」があります。QCは品質を一定基準に保つための管理方法で、QAで策定された品質基準に従ってテストや検証をする作業のことを指します。2つの違いを、時間軸、業務範囲、責任範囲の3つの観点から比較してみましょう。

・時間軸
QCは、要件定義、設計、プログラミング、テスト、納品までの工程で品質管理を行います。一方、QAでは、企画から納品だけでなく、納品後も長期的に品質強化に取り組みます。QCは短期的な対応であるのに対し、QAはプロジェクト終了後も長期的に対応するという違いがあります。
・業務範囲
上記でもご説明したとおり、QCは要件定義、設計、プログラミング、テスト、納品までの業務範囲をカバーします。一方QAは、企画工程から納品までの全行程をカバーし、納品後の運用・保守工程、アフターサービスでも対応します。
・責任範囲
QCは、開発したシステムを納品する際にのみ、品質の責任を負います。一方QAでは、納品後もシステムを使用するクライアントに対して責任を負います。責任範囲は、QCよりもQAの方が広いといえます。

IT以外の業界でもQAは存在する

QAの考え方は、IT業界以外の業界でも使います。たとえば、工場などの製造業界でも、各工程で次のようにQAを行います。

・企画工程
顧客ニーズや過去のクレームなどを分析し、品質基準を満たした企画になっているかチェックします。
・設計工程
設計内容を確認し、不良品が発生する設計になっていないかチェックします。また、JISやISOなどの品質規格を用いて、工程ごとの品質基準を決定します。
・生産工程
上記工程で定めた品質管理基準に基づいた品質検査を行います。基準を満たさない不良品があれば、原因を特定して対策を講じます。
・出荷工程
出荷する製品が品質基準を満たしているかをチェックし、不良品があれば原因を特定して対策を講じます。
・顧客対応
カスタマーセンターの整備や取扱説明書を作成し、必要に応じて問い合わせ対応も行います。問い合わせ対応からあがった問題を検証し、品質の向上に役立つ情報があれば、今後の生産活動に活かします。
・リコール
製品に不具合が発覚し、安全性や使用上で影響が大きい場合は、リコールを行い製品を回収します。

2. QAエンジニアの役割

QAエンジニアは、具体的にどのような役割を担っているかについて解説します。

システム・ソフトウェアが問題なく動作するか検証する

開発したシステムやソフトウェアが正常に動くか検証し、要件を満たしていることを確認します。工程ごとのテストを繰り返して機能要件を満たしているか検証するのはもちろんのこと、非機能要件の検証も行います。

たとえば、24時間稼働が必要なら正しく24時間稼働できるか、レスポンスタイムが求める値になっているか、セキュリティホールはないかなどをテストします。

機能要件と非機能要件の両方の観点から、システムやソフトウェアが問題なく動作するかを検証し、品質を保ちます。

企業の信用・信頼を守る

QAエンジニアは、企業が世に出すシステムやソフトウェアの品質を担保し、企業の信用と信頼を守るという非常に大きな役割を持っています。

システムバグや障害発生でクライアントに損害を与えれば、企業としての信頼は大きく揺らぎます。多大なコストと手間をかけてシステムを改修する必要ももちろんあります。

しかし、それ以上に、企業に対する信頼が失墜することは、大きな問題です。今後の契約を打ち切られ、その噂を聞いたほかのクライアントからの案件が激減する可能性もあるからです。そのようなことが起きないように、QAエンジニアはシステムやソフトウェアの品質を長期的に守ります。

ユーザー目線でシステム・ソフトウェアを評価する

テストや評価は、機能を満たしているかというシステム目線で行うだけでなく、ユーザー目線の評価も必要です。QAエンジニアは、ユーザーはどのような機能を求めているのか、ユーザーがわかりやすい画面配置や画面遷移は何かなどという観点でも、評価を行います。

3. QAエンジニアが行う業務とは?

QAエンジニアが行う具体的な業務とは、以下のとおりです。

機能や仕様の確認・評価

各種仕様書をチェックして、機能や仕様に問題がないかを確認し、評価します。

テストケース設計・実行

テストケースの設計を行い、機能を漏れなく無駄なくテストできるようにします。そして、必要に応じてツールなどを用いて効率よくテストを実行します。

品質テストのフィードバック・不具合の分析

品質テストを行った結果を分析し、どのモジュールにエラーが多発しているか、テスト回数を重ねるとエラー回数は減っているかなどを確認します。

コードのステップ数の割にエラーが多すぎたり、テストを何回か行ってもエラー数が増えていたりするモジュールがあれば、問題が潜んでいる可能性が高いです。そのモジュールのコーディング方法や仕様書などを確認し、問題の原因を突き止めて対策を打ちます。

また、不具合内容を分析し、ほかにも同様のエラーがないか、同じ担当者による同じような不具合がないかなども確認します。

品質テスト自動化の検討・構築・実行

品質テストの工数が膨らみすぎた場合は、自動化を検討して構築、実行し、テストの効率化を図ります。

開発プロセスの改善

バグやエラー内容を分析し、開発プロセスに問題がある場合は、開発プロセスを検証して原因を突き止め改善します。

顧客への問い合わせ対応

品質担当による対応が必要なレベルの顧客からの問い合わせがあれば、対応します。

4. QAエンジニアに求められるスキル

QAエンジニアに求められるスキルは、次のようなものがあります。

論理的な思考力

QAエンジニアの仕事は、エラーやバグの件数、傾向などを分析して原因を突き止め、効果的な対策を講じるなどの、「分析⇒検証⇒対策実行⇒フィードバック」の繰り返しです。そのため、正しい対策にたどり着くまでの論理的な思考力が必須です。

コーディングのスキル

プログラミングコードのバグやバグの発生しやすさを検証するためには、コーディングのスキルも必要です。また、コーディング手法やプロセスを改善する際にも必要とされます。

問題解決能力

QAエンジニアは重大バグや顧客からの大きなクレーム、リコール案件など、さまざまな問題に直面します。そのため、次々と起こる問題に対して、冷静に事実を把握し問題の原因を突き止め、問題の解決を迅速に図る能力が求められます。

5. まとめ

この記事では、QAとは何か、具体的にどのような業務を行うのか、QAエンジニアに求められるスキルは何かなどについて詳しく解説しました。

QCが要件定義から納品までの短期的なスパンで品質管理するのに対し、QAは企画から納品まで、そして、納品後も長期的に品質を保ちます。QAエンジニアは、システム開発になくてはならない存在といえるでしょう。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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