【業務効率化】RPA開発とツール選びのポイントを紹介
- [更新日]2023/06/02
- [公開日]2019/05/31
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目次
【業務効率化】RPA開発とツール選びのポイントを紹介
ロボットで業務を自動化する「RPA」によって、手作業で行われていた多くの業務が自動化され、企業や自治体の事務的業務の3分の1が2025年までにRPAに置き換わると言われています。
RPAを導入すると飛躍的に業務を効率化できるため、非常に魅力的です。しかし、いざRPAを導入しようと思っても、初めて検討する方は、「何から検討すればいいかわからない」「RPAをどうやって導入すればいいのかわからない」「そもそもRPAで何ができるのか理解できていない」という場合も多いと思います。
本記事ははそのような方に向けて、「RPAで何ができるのか」「RPAはどうやって開発・導入するのか」「おすすめのRPAツール」などをRPAを初めて導入する方に向けてご紹介します。
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1.RPAとは何か、その導入メリットを解説
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)は、ロボティック・プロセス・オートメーションの略称であり、コンピューターを使って業務プロセスを自動化する技術です。
RPAは以下のような業務と相性が良いとされています。
- 一定のルールに従って繰り返す
- データが構造化されている
- 業務が標準化している
- プロセスに3名以上のリソースが求められている
- 人的エラーが起こりやすい
よくある例としては、「毎日たくさんの売り上げデータをExcelに入力している」「週次で大量のデータ分析レポートを作成している」など、定期的に行われるデータの入力・収集・分析・出力などやツールの連携などが挙げられます。
さらに、2025年までには事務的な業務の約三分の一がRPAによって置き換えられると予測されています。
(参考)
自治体RPA利用動向調査 2021(2021年5月時点)|総務省
RPA国内利用動向調査 2022(2022年9月時点)|株式会社MM総研
RPA導入のメリット
業務工数を削減し効率化を図る
RPAの導入により、業務工数を削減し効率化を図ることができます。
- 時間を要する作業の自動化
- 24時間365日、業務時間外でも対応可
- より生産的な業務への人材投資
例えば、定型業務にRPAを活用することで、作業が自動で完了するだけでなく業務担当者はRPAが自動化できないようなより生産的な業務に注力できるようになります。このような業務には、人間の目や手による確認が必要な業務や、人間の判断やイレギュラーな対応が必要な業務が含まれます。
このような業務の効率化だけでなく、長時間労働を是正し作業時間を大幅に短縮に貢献できることも大きなメリットです。
人為的ミスを削減し、高い品質を維持できる
RPA導入により、人が集中力を欠いて起こすようなヒューマンエラーが減少し、高い品質を維持することができます。手作業においてよくあるケアレスミスや、計算や入力などの単純で重要な作業においても、RPAの利用によりミスを防ぐことができます。
通常、手作業で業務を行う場合、ヒューマンエラーを防ぐために複数人での確認作業が必要ですが、RPAを用いて定型業務を自動化することで、繰り返しの確認作業を省くことができます。
さらに、業務担当者は「ミスをしてはならない」というプレッシャーから解放されます。RPAによって人為的ミスのリスクを最小限に抑え、確認作業の回数を削減することは、業務担当者の身体的な負担と精神的な負担を軽減することにも繋がります。
2.RPAでできること
RPAは、定型業務の的確な処理や単純作業の自動化に最適です。請求書作成や給与計算、データ入力などの事務業務や管理業務、販売管理や経費処理など、決まった手順で進められる業務が対象です。
RPAはルールに基づき高速に繰り返すことが得意で、レポート作成やデータ入力などの業務に活用できます。
そのほかにも以下のような機能を組み合わせることで様々な業務に対応することができます。
- 情報収集
- 入力
- 連携
- 抽出
- 分析
- 出力
以下では、どのような業務がRPAによって効率化できるのか、代表的なものとして「書類作成・データ処理関連」「顧客関連業務」「報告書作成・営業サポート関連」に分けて具体例をご紹介します。
書類作成・データ処理関連 |
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顧客関連業務 |
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報告書作成・営業サポート関連 |
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書類作成・データ処理関連業務
RPAは、日々の書類作成やデータ処理関連の業務を自動化するのに特に適しています。定型業務はRPA開発の手順が非常に簡易的であり、RPAツール導入後、初心者であっても簡単に作成することができます。
ここでは、請求書処理業務を例に挙げてご説明します。
- 請求書処理業務
- RPAを用いて、請求書の作成や送付のほか、受け取った請求書を適切に処理し、支払いを行うための業務などを自動化することができます。具体的には以下のような機能をRPAに持たせます。
- 請求書のデータの抽出
- 支払い条件や金額の一致を確認
- 支払い処理を実行
- 関連システムのデータベースを反映
そのほかにも、以下のような書類作成・データ処理関連業務を自動化することができます。
- 発注処理業務
- 商品やサービスの発注手続きの自動化、注文書の作成や発注先への通知。
- 給与計算業務
- 従業員の給与計算や源泉徴収票の作成の自動化、給与支払い実行。
- データ入力業務
- 大量のデータの自動入力
顧客関連業務
RPAは顧客対応や顧客情報管理などにも適しています。RPAを活用することで時間の制約なくスムーズに顧客対応することが可能になるため、顧客体験の向上に貢献します。
ここでは、メールの自動分類と返信についてご紹介します。
- メールの自動分類と返信
- 受信したメールを適切に分類し、自動的に返信や転送などの対応を行うことができます。あらかじめテンプレートや分類方法を指定しておく必要があるため、設定には多少手間と時間を必要とします。
- メールの件名や差出人、本文の解析
- 顧客データベースとの照合
- 特定のキーワードに基づく分類
- 予め設定されたテンプレートに基づいて文章を生成
- 作成したメールを送信
そのほかにも、以下のような顧客関連業務を自動化することができます。
- 顧客情報の更新と管理
- 顧客情報の自動更新や管理、正確な顧客データの維持。
- 顧客対応の自動化
- テンプレートメールの送信や問い合わせへの自動回答などの顧客とのコミュニケーション。
- 顧客満足度調査の実施
- アンケートの送付や集計、顧客満足度の調査。
報告書作成・営業サポート関連
レポート作成や営業活動関連の業務にもRPAを活用することができます。データの入力・出力だけでなく、分析した結果をフォーマットすることで関係各所への報告業務が非常にラクになります。
ここでは、報告書の作成と分析についてご紹介します。
- 報告書の作成と分析
- データの収集や分析を自動化し、報告書の作成を迅速化します。分析手法によってはRPAツールには実装されていない機能が必要になることもあるため、他ツールとの連携や独自開発が必要となるケースも存在します。
- 各データベースからデータの抽出
- 各データの成型、集計
- データの分析・グラフや図表の作成
- フォーマットへの入力
- 送付先に報告書の送信
そのほかにも、以下のような営業活動関連業務を自動化することができます。
- 営業活動のサポート
- 見積書の作成や商談履歴の管理
3.RPAではできないこと・向いていないこと
RPAは定型業務や単純作業の自動化に優れていますが、以下のような作業には制約があります。
- 判断や意思決定が必要な業務
- RPAはプログラムに基づいて行動するため、複雑な判断や意思決定を必要とする業務には適していません。人間のような判断や洞察力が求められる場合は、RPAだけでは対応することができません。
- 知識の創造や創造的な業務
- 創造性や新たなアイデアを必要とする業務に活用することも難しいです。「Chat GPT」などの生成系AIと連携して自動化することは可能ですが、RPA単体の機能では新しい知識の創造やアイデアの提案はできません。
- 複雑な非構造化データの処理
- RPAは構造化されたデータや決まったフォーマットに基づく作業に適していますが、非構造化データ(例:自由形式の文章や画像)の処理はできない場合が多いです。非構造データを扱う場合は、一度人間の手で構造化する必要があります。
- ルールに設定されていない業務
- RPAを動かすためには、事前に設定やルールの定義が必要です。未知の業務や予測不可能な変化に対しては対応できません。業務フローが変化した場合、それに伴ってRPAの設定も書き換える必要が生じます。
RPAは定型業務の自動化に特化しており、上記のような複雑さや創造性が必要な業務には限定的な適用範囲となります。
RPAは自社開発できる?
ここまで、RPAでどのようなことができるのか確認してきましたが、RPAは自社開発できるのでしょうか?
結論、RPAツールを活用することで誰でも簡単にRPAを開発できる
結論、RPAは自社開発することができます。単純な業務の自動化であればプログラミングの知識がなくても開発することが可能であり、現場担当自身が開発することができます。
開発の際にはRPAツールを用います。RPAツールは、RPAプロジェクトの開発、管理、実行を支援するソフトウェアであり、だれでも感覚的にRPAを開発することができるほか、作成したRPAの実行ログなどの監査機能も備えています。
では、RPAを自社開発する際のメリットと課題について確認していきましょう。
自社開発のメリット
シナリオの変更・修正に迅速に対応できる
RPAは、定期的にシナリオを修正する必要があります。企業の業務フローは常に一定であるわけではなく、変化していきます。RPAは業務フローに即してシナリオを設計するため、RPAを開発する際、また、開発した後においても、定期的な修正が必要となります。
RPAを自社開発する体制を構築している場合、ユーザーの要件や変更リクエストを直接共有し、開発の進捗状況を把握しながら、変更修正に対応できます。
また、緊急の修正や状況変化にも迅速な対応が可能であり、ユーザーからのフィードバックや現場の要望に基づいて、プロセスの改良や新機能の追加を素早く行うことができます。
社内にノウハウが蓄積される
RPAの開発プロセスに携わることで、組織内にRPAの知識やノウハウが蓄積されます。これにより、継続的な改善や保守が可能になり、RPAの効果的な活用が期待できます。
また、現場担当にDXの知見を新しく持たせることができます。RPAの自社開発は現場担当が積極的に関与するため、自ら考えて業務効率化するプロセスを経験することでDXやツールに対しての理解を促進できます。
さらに自社開発は、組織内の開発者やエンジニアのスキルアップにもつながります。RPAの開発プロジェクトを通じて、自社の技術力を向上させることができます。
自社開発のデメリット
初めてRPAを開発する場合、失敗する可能性が高い
初めてRPAの開発を検討している場合、人材育成に相応の時間や手間がかかります。ツールを用いた開発ではそれほど高度なスキルは要求されませんが、開発担当にはある程度の知識やスキルは必要となります。
また、想定外のエラーや技術的なトラブルが発生した場合に、RPA開発になれていないと解決までにかなりの時間が必要となることもあります。
ツールによっては知識がないと使いこなせない機能もあるため、担当の育成が重要になります。セミナーへの参加の他、サポートデスクへの相談や、ベンダーのサポートも検討しましょう。
コア業務の開発はリスクが大きい
コア業務の自動化は企業の重要な業務プロセスに関わるため、高い専門知識と経験が必要です。エラーを起こして止めてしまった時のリスクが大きい場合は、外部ベンダーに依頼することが得策です。
多少コストはかかりますが、信頼性の高い外部ベンダーを選定して自社と外部ベンダーで共同開発のチームを構築し、プロジェクトを推進することが理想的です。
初めての開発やコア業務の自動化は外部ベンダーのサポートが肝心
以上のように、RPAはRPAツールを活用することで自社開発が可能です。
一方で、初めて導入を検討している場合や重要な業務の自動化を検討している場合は、外部ベンダーの導入支援を受けてながら社内の人材を育成していくことがおすすめです。
BtoBマッチングサービスのリカイゼンでは、RPA開発の支援やサポートを行っている会社を無料でご紹介いたします。実際にどのように活用できるのか相談からしてみたいというケースでもご利用いただけますので、お気軽にご連絡ください。
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4.RPAを開発する方法
RPAは独自で開発するというよりも、RPAツールを導入して、そこから自社業務に当てて自動化用の設定を進めていく、ということが多いです。
導入までの流れを簡単に確認したあと、「簡易型開発」と「コーディング型開発」の2つの開発方法をご紹介します。
RPA導入までの流れ
RPAを導入する際の一般的な流れは、以下のようになっています。
- RPA導入までの流れ
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- 課題の特定と評価:現在の業務プロセスでの課題やRPAに期待する効果を評価する
- プロセスの選定:RPAを適用する業務プロセスを選定する
- RPAツールの選定:導入するRPAツールを選定する
- プロセスの分析と設計:選定した業務プロセスを分析し、自動化のための設計やワークフローを作成する
- RPAの実装とテスト:プロセスを実装し、自動化のルールや手順を設定する
- ロボットの運用と監視:RPAロボットを運用し、業務プロセスの自動化を実施、改善する
- 変化管理とトレーニング:RPAの導入による変化を管理し、関係者への適切なトレーニングやコミュニケーションを行う
「簡易型(画面操作記録型)」の開発が最も一般的
簡易型のRPA開発は、RPAツールを用いることで、プログラミングスキルを持たない人でも簡単に開発できる方法であり、最も一般的なRPAの開発方法です。
「画面操作記録型」ともいわれるように、RPAツールを用いながらいつものように作業するだけで、自動でRPAのシナリオを作成することができます。その後、細かい調整を行うだけで、開発が完了します。
簡易型の開発は単純作業の自動化に優れていますが、RPAツールの発達によって、より複雑な作業の自動化にも対応できるようになってきています。
- プログラミング知識がない方
- 単純な作業を自動化したい方
- 中小企業や部署単位など、小規模組織での導入を検討している方
「コーディング型」は複雑な業務の自動化にも対応できる
コーディング型のRPA開発は、プログラミングスキルを持つ開発者によって行われる方法であり、複雑な業務の自動化に適しています。
簡易型の開発では対応できない複雑な業務を自動化したい場合、JavaやC言語、PythonやC#などのプログラミング言語を使用して、RPAのタスクや自動化のロジックをコーディングします。
高度なカスタマイズや制御が必要な場合に適しており、柔軟性や拡張性が高いのが特徴です。一方、エンジニアの協力が不可欠な開発方法でもあるため、社内で育成し、体制を整えましょう。それが難しい場合は、外部ベンダーに依頼することも検討します。
- JavaやC言語、PythonやC#などのプログラミングスキルを持っている人
- 複雑な業務を自動化したい方
- 会社全体や複数部署など、大規模組織での導入を検討している方
5.RPAツールの選び方とおすすめのRPAツール
RPAツールの選び方
RPAツールを導入する際には、以下の3点を意識するようにしましょう。
- 担当者スキルや導入目的に沿った機能がそろっているか
- 提供形態が自社にあっているか
- 継続的に運用できる価格
- 担当者スキルや導入目的に沿った機能がそろっているか
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RPAツールによってRPAの処理設計方法や自動処理の設定方法が異なります。
フロー図によってシナリオ作成できるものもあれば、プログラミング言語によるルール設計が可能な製品もあります。また、ワークフローの作成可否などもツールによって異なるため、自社に必要な機能を見極めながら選定しましょう。 - 提供形態が自社にあっているか
-
RPAツールの提供形態も確認してください。
近年のトレンドとして、クラウド・サーバー型対応のRPAツールが増加しています。このタイプの提供形態を求めている方はおそらく問題なありません。
一方で、セキュリティや基幹システムへの配慮によってオンプレミスやデスクトップ型のツールを探している方は、注意が必要です。ツールによってはすべての提供形態に対応しているものもあるため、担当者に確認を取るようにしてください。 - 継続的に運用できるにあった価格
- RPAツールには保守・管理機能も含まれているため、長期的な利用継続が予想されます。初期費用だけでなく、RPAツールの利用期間をあらかじめ予想し、ランニングコストも踏まえたうえで検討するようにしましょう。
有名なRPAツール
WinActor
2010年にNTTの研究所で誕生した純国産のRPAツールであり、NTTグループ内での社内利用と機能改善が行われ、2014年1月にNTTアドバンステクノロジ株式会社によって販売が開始されました。
2020年8月時点で、金融業をはじめとする幅広い分野の5,300社以上の企業に導入されています。
動作形態 | デスクトップ・サーバー対応 |
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料金 | 要問い合わせ |
ロボパットDX
継続率が98%以上と非常に高い評価を受けています。また、無料のサポートが充実しており、実際の利用に至るまで完全なサポートを提供しています。
また、企業の規模や業種、部門に関係なく、さまざまな規模の企業で導入されています。2022年10月時点、導入実績は1000社を突破しています。
提供形態 | オンプレミス |
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料金 | 19,800~120,000円 / 月(無料トライアルあり) |
ASTERIA Warp
16年連続国内シェアNo.1のデータ連携ツールです。Excelから基幹システム、業務アプリケーション、クラウドサービスまで、100種類以上のデータソース間の複雑な連携処理やデータ変換処理を、ノーコードで簡単に実現することができます。
また、9,800社以上の企業で、システム間連携やデータ分析・マスターデータ管理、業務自動化など、さまざまな用途で活用されています。
提供形態 | クラウド・オンプレミス対応 |
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料金 | 30,000円~60.000円 / 月 |
また、上記のRPAをベースに、よりアプリケーションやOSに応じて使いやすくなるよう自社パッケージ化したRPAサービスを展開している会社もあります。RPAは、できることも幅広いため、どのような部分から利用するのが自社にマッチしているのかを検討して、利用するとよいでしょう。
6.まとめ
本記事では、RPAツールのメリットやできること・できないこと、開発の方法などを解説してきました。
RPA開発は、ツールを用いることで簡単に行うことができますが、ツールの選定には十分に注意しましょう。
特に初めて開発する場合やコア業務の自動化を検討している場合は外部ベンダーのサポートを受けることで、失敗のリスクを抑え、社内の人材育成も両立することができます。
初めてRPA導入について検討するという方は、リカイゼンをご利用ください。リカイゼンでは、16年にわたるビジネスマッチングの運営を活かし、ご要望に応じて適したパートナー会社を無料でご紹介いたします。まずはお気軽にご連絡ください。
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