【オフショア開発の実際②】ITに詳しくない人のための 顧客管理システム

オフショア開発だから大規模な案件しか受託しない、とは限らない

前回の【オフショア開発の実際①】では、金融機関のお客様より受託した大規模な書類管理システムについてお話ししました。ですが、いつも大型案件に取り組んでいるわけではありません。弊社アイジェントでは、個人事務所やSOHOからのご依頼もお引き受けしています。

オフショア開発というと、海外の企業を動かすわけですから、大型案件でなければ人件費の大きな削減にならない、コストメリットが生じないとお考えの方がいらっしゃいます。一面では確かにそのとおりですが、弊社のように柔軟な対応が可能な会社もあります。オフショア開発をひとくくりに考えず、ぜひお気軽に相談してみてほしいと思います。

事例②：顧客数が増えた某会計事務所の場合

こちらの会計事務所では、顧客情報はExcelで管理するのが習慣でした。ところが、順調に顧客数が増えた結果、情報の入力に時間がかかり、更新時に入力ミスが起こるなど、Excelでの管理に限界が見え始めてきたのです。困った所長様から弊社に顧客管理システムをつくってほしいと依頼されました。

難しかったのは、コミュニケーションでした。日本語と中国語の、言葉の問題ではありません。通常、私たちとの仕事のやりとりを担当するお客様は、開発技術についての知識をお持ちです。ところが、今回のお客様は、開発技術について、ほとんど何もご存知ないのです。技術を知らない方に、技術の話をしなければならず、その点のコミュニケーションに苦労しました。

自社開発のデータベースシステムをカスタマイズして活用

それでも、所長様から「どのような機能が欲しいのか」をお聞きし、お客様に最適なシステムのイメージを膨らませていきました。私たちは、社内で検討した結果、自社で開発していたデータベースシステムをカスタマイズして使うことを決めました。そうすることで、開発費用を安く抑えることができ、それはお客様の要望にも叶うことだったのです。

弊社は、企業向けのシステムから個人向けのモバイルアプリケーションまで、多種多様な製品を開発しており、一部はパッケージ化しています。こちらの会計事務所のケースでは、過去に開発していたデータベースシステムが機能の上でも、そして操作性の上でも最適だと判断し、採用することにしました。

デモを見ていただくことで、ITに不慣れな方の理解を促進

システムを説明する時には、操作画面やデモを見ていただきました。言葉をいくつ重ねるよりも、一目見てもらえば理解してもらえると思ったからです。これは、自社開発のシステムだからこそ可能なことです。デモのおかげで、より細かい部分までご要望を聞き出すことができましたし、私たちの意図もわかっていただけました。

私たちが提案したデータベースシステムは、お客様がこうしたいと思っていたことと合致していました。写真や資料のスキャン画像を含めて、顧客情報をスピーディに検索できます。また、入力画面、検索画面、管理画面をよりわかりやすく設計し、それまでのExcelによる管理では不完全だった、容易な一元管理を可能にしました。所長様からは「助かりました！」と言っていただきました。そうした声は、本当に励みになります。

今回は、Excelデータを自社開発のデータベースシステムにスムーズに移行することができましたが、仮にデータソースが紙の書類だった場合も、弊社なら対応可能です。自社で独自開発した入力支援システムを使う方法、提携したデータエントリー会社に入力作業をアウトソーシングする方法など、さまざまな対応策をご提案することができます。

前回は書類管理、今回は顧客管理と、いわば企業システムにおける王道的な製品をご紹介してきました。次回は、リモートネットワークで在宅作業者を結び、情報共有を行う会議システムについてお話ししましょう。IT技術の進展により、今はワークスタイルの革新が始まっている段階です。新しい働き方を支援するシステムは、今後、さらに注目されていくと思います。では、次回もぜひごらんください。