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SESと受託開発、どちらを選ぶべきか――発注担当者が知っておくべき判断基準

目次

SESと受託開発、どちらを選ぶべきか――発注担当者が知っておくべき判断基準

「開発リソースが足りない。とりあえずSESでエンジニアを確保しよう」 「要件が固まっているから、受託開発で丸投げすれば楽だろう」

こうした判断で発注を進めた結果、思うような成果が出ずに悩んでいる企業は少なくありません。SES(システムエンジニアリングサービス)と受託開発、それぞれに適した使い方があり、プロジェクトの性質によって選択を誤ると、コスト増や品質低下を招きます。

本記事では、クライアント企業の発注担当者に向けて、SESと受託開発の本質的な違い、SESのメリット・デメリット、失敗しないSES企業の選び方、そして受託開発を検討すべきケースについて解説します。

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よくある発注の失敗パターン

まずは、実際に起こりがちな失敗例を見てみましょう。

SES発注での失敗例:

  • 「月額80万円でエンジニアを確保したが、スキルが期待以下で戦力にならない」
  • 「3ヶ月契約したが、途中で担当者が変わり、プロジェクトが停滞した」
  • 「気づけば複数のSES企業に依存し、月間コストが500万円を超えていた」

受託開発での失敗例:

  • 「要件を詰め切らずに発注したら、想定と全く違うシステムができあがった」
  • 「納品後の運用・保守まで考えておらず、結局また別の会社に依頼することに」
  • 「固定金額での契約だったが、追加要件が発生し、追加費用が膨らんだ」

これらの失敗は、SESと受託開発の特性を理解せず、安易に選択した結果です。では、両者の違いを整理していきましょう。

SESと受託開発の本質的な違い

契約形態の違い

SES(準委任契約): エンジニアの「労働時間」に対して対価を支払います。成果物の完成責任はクライアント側にあり、SES企業は「技術者を提供する」ことが契約の主眼です。

受託開発(請負契約): 「完成した成果物」に対して対価を支払います。受託側が成果物の完成責任を負い、仕様通りのシステムを納品する義務があります。

責任範囲の違い

項目SES受託開発
プロジェクト管理クライアント側受託側
成果物の完成責任クライアント側受託側
品質保証限定的受託側が責任
指揮命令権クライアント側受託側

コスト構造の違い

SES: 月額単価 × 人数 × 期間で計算されます。稼働時間に応じた変動費として扱われ、プロジェクトの進捗に応じて柔軟に調整できます。

受託開発: 見積もり時に総額が確定します(固定費)。ただし、仕様変更や追加要件が発生すると追加費用が発生するケースが多いです。

適したプロジェクトの違い

SESが適している場合:

  • 要件が流動的で、柔軟な対応が必要なプロジェクト
  • 社内に技術的な知見があり、マネジメントできる体制がある
  • 短期間でリソースを増強したい場合
  • 特定の技術スキルを持つ人材が必要な場合

受託開発が適している場合:

  • 要件が明確で、成果物のイメージが固まっている
  • 社内にプロジェクト管理のリソースが不足している
  • 一定の予算内で確実に成果物を得たい
  • 専門的なノウハウが必要で、丸ごと任せたい分野
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SESのメリット・デメリット

SESを活用する際は、メリットとデメリットを正しく理解しておく必要があります。

SESのメリット

1. リソースの柔軟な調整が可能

プロジェクトの進捗や状況に応じて、人数を増減させることができます。繁忙期だけ増員し、落ち着いたら減員するといった調整が容易です。

2. 即戦力の確保

採用活動を経ずに、必要なスキルを持ったエンジニアをすぐに確保できます。特定の技術スタック(React、AWS、Pythonなど)に精通した人材を、必要な期間だけ活用できるのは大きな利点です。

3. 社内にノウハウが蓄積される

エンジニアが社内で働くため、開発プロセスやコードが社内に残ります。また、社内メンバーがSESエンジニアから学ぶことで、技術力の底上げにも繋がります。

4. コミュニケーションの密度が高い

受託開発と違い、日々のコミュニケーションが取りやすく、細かい調整や仕様変更にも迅速に対応できます。

SESのデメリット

1. 長期的にはコストが高い

月額単価での契約のため、長期間利用すると総コストが膨らみます。例えば月額80万円のエンジニアを2年間契約すると、1,920万円になります。

2. 品質のバラつきがある

派遣されるエンジニアのスキルレベルは一定ではありません。期待したスキルセットと実際のスキルにギャップがあるケースもあります。

3. 人材の継続性が保証されない

契約期間中でも、SESエンジニアが別のプロジェクトに移ったり、退職したりする可能性があります。担当者の交代により、プロジェクトの継続性が損なわれるリスクがあります。

4. マネジメント負荷がかかる

クライアント側がプロジェクト管理や品質管理を行う必要があるため、社内にマネジメントリソースが必要です。

5. 依存体質になりやすい

SESに頼りすぎると、社内での開発力が育たず、いつまでも外部リソースに依存する構造が固定化してしまいます。

失敗しないSES企業の選び方

SESを活用する場合、企業選びが成否を分けます。以下のポイントをチェックしましょう。

チェックポイント1:技術者のスキルレベルと実績

  • 提案される技術者の経歴とポートフォリオを確認
  • 類似プロジェクトでの実績があるか
  • 技術面接や事前面談の機会を設けてもらえるか
  • スキルシートだけでなく、実際の成果物やGitHubアカウントを見せてもらう

チェックポイント2:マッチング精度

  • プロジェクトの要件をしっかりヒアリングしてくれるか
  • 技術スタックだけでなく、業務ドメインの理解があるか
  • 複数の候補者を提案し、選択肢を与えてくれるか
  • ミスマッチ時の対応方針が明確か(交代保証など)

チェックポイント3:フォロー体制

  • 定期的なフォローアップやレポーティングがあるか
  • トラブル発生時の対応フローが整備されているか
  • 営業担当者が技術的な理解を持っているか
  • エンジニアのモチベーション管理やケアを行っているか

チェックポイント4:契約条件の柔軟性

  • 契約期間の最小単位(1ヶ月単位、3ヶ月単位など)
  • 中途解約の条件やペナルティ
  • 稼働時間の調整可能性(週3日勤務など)
  • リモート・出社の選択肢

チェックポイント5:単価の妥当性

  • 市場相場と比較して適正な単価か
  • スキルレベルと単価が見合っているか
  • 諸経費や管理費の内訳が明確か
  • 長期契約での割引制度があるか

契約前に確認すべき質問リスト

SES企業との初回面談では、以下の質問を必ず確認しましょう。

  1. 「提案いただく技術者は、何年の実務経験がありますか?」
  2. 「類似プロジェクトでの実績を教えてください」
  3. 「技術者の交代が必要になった場合、何営業日で対応できますか?」
  4. 「月次でのレポーティングや面談の頻度はどうなっていますか?」
  5. 「契約期間中に技術者が退職した場合の対応は?」
  6. 「稼働開始前のトライアル期間は設定できますか?」
  7. 「技術者への指示系統はどのようになっていますか?」

これらの質問への回答が曖昧だったり、即答できない企業は注意することをおすすめします。

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SES市場の現状と課題

近年、SES市場には大きな変化が起きています。発注側として知っておくべき現状を押さえておきましょう。

エンジニア不足で人出しが困難に

IT人材の不足は年々深刻化しています。経済産業省の調査によれば、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。

その影響はSES市場にも表れており、「希望するスキルセットのエンジニアが見つからない」「提案までに時間がかかる」といった状況が常態化しています。

単価の上昇傾向

エンジニア不足を背景に、SESの月額単価は右肩上がりです。数年前は月額60万円程度だった中堅エンジニアの単価が、現在は80万〜100万円に上昇しているケースも珍しくありません。

特に以下の領域では単価が高騰しています。

  • クラウドインフラ(AWS、Azure、GCP)
  • モバイルアプリ開発(iOS、Android)
  • データサイエンス・AI/ML
  • セキュリティ関連

優秀な人材ほど確保が難しい

優秀なエンジニアは、SESではなく自社開発企業への転職やフリーランスとして独立する傾向が強まっています。その結果、SES市場に残るのは、経験の浅いエンジニアや、特定の技術スタックしか持たない人材の割合が高くなっています。

「以前は簡単に確保できた人材が、今は全く見つからない」という声は、多くの発注企業から聞かれます。

多重下請け構造の問題

SES業界特有の多重下請け構造により、実際に作業するエンジニアの手取りは単価の50〜60%程度というケースも少なくありません。この構造が、優秀な人材のSES離れを加速させています。

受託開発を検討すべきケース

こうしたSES市場の現状を踏まえると、受託開発への切り替えを検討すべきケースが増えています。

ケース1:要件が明確なプロジェクト

「新規ECサイトの構築」「既存システムのリプレイス」など、要件が明確で、成果物のイメージがはっきりしているプロジェクトは、受託開発が適しています。

SESで複数のエンジニアを長期間確保するより、要件定義から納品までを一括で任せた方が、トータルコストを抑えられるケースが多いです。

ケース2:中長期的なコスト削減を図りたい場合

SESは月額単価での契約のため、1年、2年と続けると総額が膨らみます。一方、受託開発なら初期コストはかかりますが、完成後の運用・保守費用は比較的抑えられます。

例えば、SESで月額150万円(エンジニア2名)を2年間契約すると3,600万円ですが、受託開発で2,000万円で完成させ、保守費用が年間300万円なら、2年間で2,600万円と1,000万円のコスト削減になります。

ケース3:社内リソースが限られている場合

プロジェクト管理や要件定義を行える社内メンバーが不足している場合、SESを活用しても成果は出にくいです。

こうした状況では、要件定義から設計、開発、テスト、納品までを一貫して任せられる受託開発の方が、結果的にスムーズに進みます。

ケース4:専門性の高い領域のシステム開発

特定の業界や技術領域に特化したシステム(金融システム、医療システム、物流システムなど)は、その領域に精通した受託開発会社に任せる方が、品質とスピードの両面で有利です。

SESでドメイン知識のあるエンジニアを探すのは困難ですが、専門の受託開発会社ならノウハウが蓄積されています。

ケース5:SESの人材確保が困難な場合

前述の通り、SES市場では優秀な人材の確保が年々難しくなっています。「3ヶ月待っても適切な人材が見つからない」という状況なら、受託開発に切り替えた方が、プロジェクトを前に進められます。

SESと受託開発のハイブリッド活用も選択肢

必ずしもSESか受託開発かの二者択一ではありません。プロジェクトのフェーズや内容に応じて、両者を組み合わせる方法もあります。

ハイブリッド活用の例:

  • 要件定義・設計フェーズ: 受託開発会社に依頼し、要件を固める
  • 開発フェーズ: コア機能は受託開発、周辺機能はSESエンジニアで内製
  • 保守・運用フェーズ: 受託開発会社の保守契約 + SESで機能追加対応

このように、プロジェクトの性質や社内体制に応じて柔軟に組み合わせることで、コストと品質のバランスを取ることができます。

まとめ:プロジェクトの性質に応じた最適な選択を

SESと受託開発、どちらが優れているということはありません。重要なのは、プロジェクトの性質、社内のリソース状況、予算、スケジュールに応じて、最適な選択をすることです。

判断のチェックリスト:

□ 要件は明確に定義できているか?

□ 社内にプロジェクト管理できる人材がいるか?

□ 柔軟な仕様変更が必要か?

□ 予算は固定か、変動を許容できるか? □ 開発期間はどれくらいか?

□ 社内にノウハウを蓄積したいか?

これらの問いに答えることで、SESと受託開発のどちらが適しているかが見えてきます。

また、現在のSES市場の環境を考えると、「以前はSESで対応していたが、今後は受託開発にシフトする」という判断も、合理的な選択肢の一つです。

重要なのは、慣習や過去の成功体験に縛られず、現在のプロジェクトにとって最適な発注方法を、データと現実を踏まえて判断することです。


あなたのプロジェクトに最適な発注方法は何ですか?

一度、現在進行中のプロジェクトや今後予定しているプロジェクトについて、SESと受託開発のどちらが適しているか、チェックリストを使って見直してみることをお勧めします。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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