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「ブランディング」の進め方をマジメに解説してみた。 vol.1


ターゲットに響く「最適なPR」とは?
決め手は『独自の魅力』のアピール強化
第1回/そもそも「ブランディング」って?

『BLT』には2度目の投稿。プランナーの河井です。
普段は、企業やブランドにおけるPR再編のサポートが活動の中心。
ビッグワードすぎて個人的には本当はあまり好きではないのですが、
一般的に言われる「ブランディング」の領域でのお手伝いをしています。
フィールドは、学校、衣料メーカー、住宅関連や自動車関連の企業などなど…。

1年程前に出版社から業界誌への連載を依頼され寄稿しました。
お題は『短期集中! “ブランディング”実践基礎講座』。
専門的な知見のない人が読んでも理解できるように、
ブランドPRや企業の対外的なコミュニケーションを改善するための
手順や進め方とポイントを噛み砕いて説明して欲しい…というオーダーは、
いざ手を着けてみると、正直なかなかの苦行でした。
しかもその後、同タイトルでのセミナー講演の要請も受け、
さらには「ワークショップで一部だけでも体験してもらおう」とハードルはどんどん上昇。
大変ではありましたが、今一度自分の経験則や手法論を客観的に見直すという意味では、
とてもいい機会だったと思っています。

せっかく整理し直したコンテンツがここにある。
年も改まってなんとなくタイミングとしても悪くない。
だったら、上記での素材をベースに、再度より標準的なカタチで改稿を…が今回の動機。
果たして、どのレベルでわかりやすいものになっているのか? 
自分なりの意訳の数々がどの程度伝わるものなのか?
若干の不安は否めませんが、ツールの改訂やPRメディア・施策の拡張、
さらには販促・広報活動における問題解決の一助になれば幸いです。
よろしければ、しばらくお付き合いの程を。

では早速…。

************

競合会社以上に魅力的なアピールができていない。
伝えたいことが一方通行になってしまっている気がする。
会社としての良さが充分に伝わっていない感じがする。
既存の会社案内やパンフレット、Webサイトが上手く機能していない。
集客や営業強化としての手は打ってはいるけど、なかなか成果が着いてこない。
…などといったPR業務や販促活動の悩みごと。
繰り返しになりますが、その改善のサポート、解決のヒントの提供が
この連載のそもそもの主旨です。

「PRの立て直しはブランディングから…」ということが定説となる時流の中で、
実際に「既にブランディングとしての動きは進めている」という声は、
意外と多く聞こえてきます。
ところが、その内容を追い掛けていくと
・社名・ネーミングの改変
・ロゴ・マークのデザインリニューアル
・ブランドキャラクターの開発
・広告や販促ツールでのキャッチコピーや訴求イメージの変更
・製品やサービス、販売ルートの見直し
・企業理念や社内への啓蒙手段の再検討 など…
どれも大切なことで、広義の理解としては決して間違いではありませんが、
その解釈が多種多様に拡散し断片的であることにちょっと驚きます。
これらの一部は、むしろ「BI」(ブランド・アイデンティティ)や
「VI」(ビジュアル・アイデンティティ)としての施策だと言った方が
適切なのかもしれません。

「マーケティング」ということばと同様、現在広く過剰気味に浸透している一方で、
その理解のされ方や使われ方にかなりの個人差があるのが実情でしょうか。
そこで連載初回としては、
まずは改めて「ブランディング」の考え方の基本にアプローチし、
わかりやすく整理してみることから始めましょう。

さて、定義の原点に戻ってみます。
ブランド論の第一人者と言われるケビン・レーン・ケラーが唱えた説の
最も重要な部分を凝縮したものが以下の2項目。

●「ブランディング」とは、ユーザーに対して企業価値を向上させるための活動のこと。 
ユーザーが意思決定を単純化できるように、
企業・ブランドにおける製品やサービスの知識を整理し提供すること。
●ユーザーの立場に立った誠実でわかりやすいコミュニケーションが重要で、
 結果としてブランドへの共感を育成することが大事。

これを見て強く感じるのは、
「ブランディング」という活動の主体はもちろん自分たちなのですが、
とにもかくにも「ユーザー」ありき。
活動の対象者であるユーザーの「目線」や「気持ち」が
何よりも最優先の起点であるべきだということ。
併せて、この「ブランディング」というアクションを上手に推進すれば、
そこには共感が生まれる。
つまり、ユーザーの期待するいいコミュニケーションを成立させることに
「ファン」獲得の絶対的条件があると言えそうです。

導入部としてのまとめを。

「ブランディング」とは…
●企業・ブランドとして、ユーザーとのコミュニケーションを最適な状態にすること
これが、何をめざすのか?という目標。
そして、具体的に何をしたらいいのか?という課題に落とし込むと、
●ユーザーの視点から「誰に 何を どう伝えるか」を再編し適正化する
…となりそうです。

「誰に 何を どう伝えるか」

「ブランディング」としてのアクションプランはこの順に進めます。
これが今回の結論。

次回はこの基本的な手順のもう少し俯瞰的な説明と、それが成功した時のメリットについて。
ということで続きます。

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