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ChatGPTは「すべての会社にチャンスがある」LLM活用企業が語る、生成AIの活用法と今後の展望

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ChatGPTは「すべての会社にチャンスがある」LLM活用企業が語る、生成AIの活用法と今後の展望

2023年7月6日にTech Meet Business Vol.1(主催:リトライブ株式会社)と題し、渋谷にてオフラインイベントが開催されました。

イベント内のセミナーコンテンツとして、「現場で得た知見から学ぶ!実践的なChatGPTと生成AIの活用法と効果的な導入戦略」をテーマとし、株式会社ゼタント代表取締役・久保健氏株式会社GSSLAB取締役CTO・白川大記氏株式会社デザインワン・ジャパン・岡田博豊氏の3名にご登壇いただいたトークセッションの様子をレポートします。

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ChatGPTは「気付きを得る」ツール

司会:今回は、「現場で得た知見から学ぶ!実践的なChatGPTと生成AIの活用法と効果的な導入戦略」として、トークディスカッション形式にてお話を伺っていきたいと思います。

まずは、2022年11月に公開されたChatGPT。公開当初から研究教育から経済までさまざまな業界での活用法が模索される中、2023年3月2日にはChatGPT APIをリリースされましたが、ご参加者の皆様はすでにChatGPTを使われたことはありますでしょうか?使ったことがあるという方は挙手をお願いします。8〜9割ほど利用があるということで、ありがとうございます。

では、皆様なんとなくChatGPTについてはどのようなものかイメージをお持ちでいらっしゃるかと思いますので、早速トークテーマに基づいてお話を聞いていきたいと思います。

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AIが正しく理解できるような工夫が必須

司会:1つ目のトークテーマは、「ChatGPT(OpenAIサイト)を利用してみて感じた『これは便利』『これは伸び代(課題点)』」について、いかがでしょうか?

久保健氏(以下、久保):まず、LLMはハルシネーション(不正確な情報の出力)に気づけるかどうかが最大の課題だと思っているので、「何かしらの気づきが得られればいい」ときに使うと非常に便利だと考えています。

たとえば、ChatGPTにコピーライターとしての役割を与えたうえで「この条件で10本のコピーを提案してください」という指示を出し、出力されたものに少しずつ手を加えながら最終的に1本を選ぶ、などです。

ただ、こういう「ちょっとアイデアが欲しい」場合は問題ないのですが、自分の守備範囲外の専門領域ではハルシネーションを見抜きづらいので、自分がよく知っている領域で使用してAIのウソを楽しむぐらいの意識でいたほうがいいかなと思います。

白川大記氏(以下、白川)補助金の申請時等にも使えますね。最初に会社の事業内容などの情報を準備しておき、「この文言で聞かれている内容を、以下の情報を使って答えてください」と指示することで、申請書類の準備を時短できます。

これには少しコツがあって、「ここまでは質問で、ここからは参照する情報」という区分をAIに明確に伝えるとうまくいきやすいです。具体的には、質問を書いた後に区切り線を入れ、その後に参照する内容を盛り込むと良いでしょう。

岡田博豊氏(以下、岡田):いま白川さんがおっしゃった例ももちろんですが、有料プランのプラグインやAPIを掛け合わせることで、無限の使い方ができるのも特徴ですね。Youtube動画をインプットして、SEOに強いタイトルや構成の記事コンテンツを作成することもできます。個人のアイデア次第でいろいろ便利に使えるツールだと思っています。

白川:逆に課題を挙げると、現状では「検索に使えない」点が最大のポイントですね。従来の検索手法と合わせて使用できるブラウザもありますが、概してレスポンスが遅かったり、出てきた内容も検索意図を汲んでいないものだったりします。シンプルに情報だけを知りたいときは、AIに聞くよりもググった方が早いというのが現在のレベル感かなと思いますね。

高精度のGPT-4でアウトプットの品質を均一化

「小説のような」ペルソナ設定もできるGPT-4

司会GPT-4については、どういう所感を持たれていますか?

久保:私は一回使ってやめました。確かに便利ですが、月24ドルの価値があるとは思えず……。皆さんは使われていますか?

岡田:私は価値があると思っています。会社ではなく個人としての使い方ですが、GPT-4ではLPを制作するときのペルソナ設定において、どういったBeforeを持っていて、どういったAfterなのかを小説のように書いてくれます。そうなるとペルソナに対するアプローチの仕方もより深く考えられるので、4のほうがアウトプットの精度がいいといえますね。

白川:私もかなり使っています。欠点はレスポンスが遅いことだけなので、長文を生成したいときや文書の要約などを除けば、基本的には4のほうが良くなっていますね。特にメールの文章など、少し気を使った表現が必要なところに関してはすごく人間っぽい言い回しに改善されたと感じています。AIが生成したのか、人間が作ったのか分からないレベルの文章を出してくることも多いですね。

画像を読み込んでくれるのも大きな特徴ですね。以前エヴァンゲリオン対ゴジラの画像を読み込ませて、その画像について説明するよう指示したことがあったのですが、テキストでエヴァンゲリオンと明示しなくとも「ロボット対怪獣」の解説をしっかり書いてくれたので、そういう面白さもあります。

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人間と変わらないものを出力できるケースも

司会:それでは、2つ目のトークテーマですね。「ChatGPTのプロンプトやAPIはどのように利用するべきでしょうか。また、相性の良いサービスや業務があれば教えてください。」

久保:当社ではSlackとの連携を行っています。たとえば「こんな記事を見つけたから、よければ見ておいてね」という情報を共有する場合、そのままでは負担が大きいので、まずChatGPTで要約文を出してもらっています。

要約文は4〜5行程度なので、その記事に興味があるかどうかを判断するのにぴったりです。こういう使い方はもっといろいろできそうですが、岡田さんはどうですか?

岡田ユーザーの代わりに何かを書かせるようなサービスはいいなと感じています。マッチングアプリのプロフィールや、ユーザーのレビューに対してお店側からの返信を修正するといったものですね。4〜5行ぐらいの文章ならほぼ人間と変わらないものを書けるので、それを実用化したケースです。

また、アウトプットされたものの品質を均一化するのにも役立っています。たとえばメルマガの文面を0から作る際、人によって内容の質にどうしてもムラが出てしまいます。そこにAPIを噛ませて入力項目を指定してあげると、それっぽい文章が同じような品質で出来上がります。M&Aツールをはじめ、こうした技術アシスタント機能を入れているサービスは非常に多いですね。

これまで最も使い勝手が良かったのは、サポートセンターのメール文面の生成です。話した内容を踏まえた提案をする際にも、文面の作成をChatGPTに任せることで、大幅に時短できました。

意外と費用が掛かるChatGPTを利用した独自チャットボット

想定売上と想定コストの比較判断

司会:大きな可能性を秘めているChatGPTのAPIですが、クライアントワークとなると、サービスの期待値を擦り合わせるのが難しそうです。

岡田:そうですね。私の場合は「ChatGPTを用いたチャットボットを作りたい」というお問い合わせを受けることが多いのですが、その際には必ず「事前学習データがどれだけ必要なのか」という話をします。事前学習データが多ければ多いほど、精度が高まるからです。

これからの時代、ChatGPTのAPIをただ活用するだけでは市場で生き残っていけません。他社との差別化ポイントが明確であればあるほど息の長いサービスになりやすいので、会社が持っている独自の学習データがどれくらいあるかが成功の鍵になるでしょう。

久保:コスト面への理解もまだまだです。機能についてはなんとなく「たくさんデータを入れておけば、顧客からの問い合わせに自動で返答してくれるらしい」という理解が広がっていますが、費用面となると、想像すらできないお客様が多いです。ChatGPTを使うと、いわゆるトークンと呼ばれるかたちで、文章のインプット分/レスポンス分の双方に費用が掛かるので、想像以上のコストがかかると思っていただいたほうが良いかなと。

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岡田:興味深いです。ただ1点付け加えると、たとえコストがかかったとしてもそれを上回る売上があれば良いわけですから、どちらかといえば「ChatGPTのAPIを活用することでどれぐらいの売上を想定しているのか」を明確化するほうが大切かもしれません。

開発においても、ここが固まっている企業はスピーディに意思決定が進みます。逆に固まっていない企業は、まずこの部分についての考えを固めるべきですね。

白川:コストの核となるAPIトークンに関して言えば、今現在トークンの値段はどんどん下がっていて、今後も基本的に価値がどんどん下がっていく前提で動いていくと考えられます。なので、その事業に価値があるならやったほうがいいなと感じています。

司会:そもそもどういう風に売上を作っていくのかもセットで考えるべき、という指摘ですね。

久保:そうですね。チャットボットの利用者=顧客というビジネスモデルなら、月額いくらでサービスを提供して……という話になりますが、今のところはそういうビジネスを立ち上げるのは難しそうです。

ただ、たとえば問い合わせに対応する人件費が浮くなら、マイナスされた人件費分だけ利益が出ていると考えることもできるので、まずは社内ツールとして、APIなどを使う手前の段階から導入するのも良いかもしれません。

岡田:同意します。当社はエキテンという店舗の口コミ・ランキングサイトを展開しており、エキテン上で店舗の紹介文を作る際にChatGPTを活用しています。駅名やジャンルなどの入力やアウトプットされた文章の整形に、どれだけの人件費がかかるのかも研究中です。

AIが進化すれば今できないことも今後できるようになる

IoTとの連携や独自の取り込みツールなどに意欲

司会:それでは、最後のトークテーマになります。「時間とお金があれば、ChatGPTや生成AIでこんなことやってみたい」。お三方は今後、ChatGPTや生成AIでどんなことを実現したいですか?

岡田:2点あります。まず1つがIoTとの連携です。たとえば冷蔵庫と連携して、庫内に何が入っているかを把握してもらったうえで今日のレシピを能動的に提案してくれる、なんて面白そうです。2点目は国会中継との連動ですね(笑)。誰が何を話したのか要約してくれるようになれば、国会の中身をスピーディに把握できそうです。

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白川:今日のセッションでも独自データの活用という話がありましたが、私はそうした独自データの取り込みツールを作りたいと考えています。データはPDFやExcel、動画などさまざまな形式で保存されていますが、テキストとしてきれいに取り込めないのが難点です。そこで、いずれはすべての形式のファイルを取り込み、改良・生成するツールを作っていきたいです。

久保専属の秘書を作りたいです。私は以前よりISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の導入事務局を立ち上げる企業のコンサルを担っているのですが、先日、審査官による最終審査がなされたときに、不適合という結果をもらいまして……。

ISMSには「自分たちで決めた運用ルールを文書化し、その文書に従って運用する」という絶対的な項目があるのですが、ここに引っかかってしまいました。なぜ私が気付かなかったかというと、このルールを事前に企業の方に口頭で確認した際に「大丈夫です」と言われて、それを鵜呑みにしてしまったんですね。

文書自体を深く確認しなかったのは言うまでもなく私の落ち度ですが、関係する文章をすべて打ち込んでドキュメントにし、「ここは大丈夫ですか?」と聞いてくれる存在がいれば、このようなミスは防げると思うんですよね。

DX推進で独自データを貯めよう

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司会:最後に、皆様からの総括をいただきたく思います。

白川:ChatGPTはこれからも確実に良くなっていくので、現時点で満足できないところがあってもあきらめずに使い続けていきたいですし、多くの企業様にも活用していただきたいです。なおかつ、自社データをデジタルな形で保有していれば、たとえChatGPTでなくとも何かには活用できるので、DXによるデジタル化も併せて進めていけたらと考えています。

岡田:ChatGPTのAPI活用は、全ての企業にとって大きなチャンスです。今のタイミングで手を出すか、出さないかがこの後の大きな差になってくるかなと思っています。動けば社内でナレッジが溜まってくるので、それらのナレッジと自社の資産とをうまくかけ合わせれば、差別化につながるはずです。

久保:先ほどお二人がおっしゃったように、結局は自分たちが保有するデータがあるのか、ないのかに行き着くと思っています。データがなければどんな技術も活用の幅が狭まります。まずは社内にどんなデータがあるかをチェックすることから始めてみてはいかがでしょうか。

司会:ありがとうございます!本日のセッションを通じて、よりChatGPTの活用の仕方や視点が深まったのではないでしょうか。また、今後も展開早く進むであろうChatGPT、AIの動向に注目してきましょう。久保様、白川様、岡田様、本日は誠にありがとうございました。

(文・中島佑馬)

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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