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ファインチューニングとは?転移学習やRAGとの違い、メリット・デメリットについて解説

目次

ファインチューニングとは?転移学習やRAGとの違い、メリット・デメリットについて解説

ファインチューニングについて「RAGや転移学習と何が違うのか」「どうやって進めるのか」「自社でも使えるのか」などの疑問を持つ方も多いでしょう。

そこで今回は、ファインチューニングの概要から、手順、メリット・デメリットなどをご紹介します。本記事を読めば、ファインチューニングを導入すべきかどうか、またその準備に必要なポイントを整理できます。自社のAI活用を進めたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

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ファインチューニングとは

AIの活用が広がる中で、ビジネスやサービスにぴったり合う回答を出すための技術として注目されているのが「ファインチューニング」です。すでに学習済みの大規模言語モデルに対して、特定の目的や用途に合わせた追加学習を行い、モデルの性能をさらに高める方法です。

たとえば、業種や社内用語に特化した回答をさせたいときや、一般的なAIでは対応しきれない文脈を理解させたいときに使われます。

転移学習との違い

ファインチューニングとよく比較される技術の一つが「転移学習」です。どちらも、すでに学習済みのモデルをベースにして、新しいタスクに適応させるという点では共通していますが、そのアプローチには違いがあります。

違いを次の表にまとめたので、確認してみましょう。

項目転移学習ファインチューニング
再学習の対象モデルの一部モデル全体
必要なデータ少量のデータ大量の高品質なデータ
柔軟性限定的目的に特化するため高い
処理コスト低い高い
【ファインチューニングと転移学習との違い】

RAGとの違い

もうひとつ混同されやすい技術が「RAG」です。RAGは、AIが回答を生成する前に、外部のデータベースや文書から情報を検索し、その検索結果をもとに回答を出す仕組みです。ファインチューニングがモデルそのものの知識を深めるのに対し、RAGは都度リアルタイムで情報を参照する仕組みなので、更新性の高いデータや文脈の変化に柔軟に対応できます。

ファインチューニングが重要な理由

ファインチューニングが注目されている背景には、次のような理由があります。

<ファインチューニングが注目されている理由>
  • 汎用モデルでは対応できないニッチな課題がある
  • 顧客ごとに最適な応答をさせたい
  • 情報漏洩やAPI依存を避けたい
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ファインチューニングの手順

ファインチューニングは、主に以下の3ステップで行われます。本節では、ChatGPTを例に、ファインチューニングの実際の流れを解説します。

<ファインチューニングの手順>
  1. 学習用データセットの準備
  2. OpenAIのサイトにアップロード
  3. ファインチューニングの実行

それぞれを具体的に見ていきましょう。

①学習用データセットの準備

まずは、学習に使用するデータセットの準備です。ファインチューニングで使うデータは、モデルに覚えさせたい知識や、回答パターンが含まれている必要があります。JSONLの形式でデータを用意しましょう。

たとえば、以下のような形式です。

{

  "messages":[

    {

      "role":"user",

      "content":"〇〇とは何ですか?"

    },

    {

      "role":"assistant",

      "content":"〇〇とは、△△のことです。"

    }

  ]

}

②OpenAIのサイトにアップロード

データが準備できたら、次に行うのはOpenAIへのデータアップロードです。OpenAIでは、コマンドラインツールを使って、ファインチューニング用データをアップロードする仕組みを提供しています。

以下の手順でアップロードを行いましょう。

<アップロードの手順>
  1. OpenAIのダッシュボードにログイン
  2. OpenAIのAPIキーを取得
  3. OpenAI CLIをインストール(pip install openai)
  4. 以下のコマンドでデータをアップロード:openai file create -p fine-tune -t "training" -f dataset.jsonl
  5. アップロード後に表示されるfile-idを控えておく

③ファインチューニングの実行

最後に、実際にファインチューニングを実行して、モデルを学習させます。こちらもCLIを使って行います。以下のコマンドを実行しましょう。

openai fine_tunes.create -m gpt-3.5-turbo -t <アップロードしたfile-id>

OpenAI側で、モデルの学習プロセスが始まります。学習には数分〜数時間ほどかかり、完了すると自分専用のファインチューニング済みモデルが発行されます。

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学習させるデータの例

ファインチューニングを成功させるには、どのようなデータを学習させるかが重要です。本節では、ファインチューニングに使われる、データの具体例を3つに分けて紹介します。

社内の非公開データ

代表的なのが、自社にしかない非公開データです。非公開データは、外部の一般的なAIモデルには学習されていないため、ファインチューニングの効果が現れやすいといえます。社内FAQ・ヘルプデスクの問い合わせ履歴や社員マニュアルなど、社内に蓄積されたドキュメントややり取りの記録を活用することで、AIをより有効活用できるでしょう。

専門性の高いデータ

医療、法律、金融、製造などの分野では、一般的なAIでは正確に対応できないケースがあります。専門性の高い資料を学習させることで、より高度な応答ができます。たとえば、医療ガイドラインや税務・会計関連の社内規定集などを学習させれば、その業界知識のあるAIとして機能させることが可能です。

最新のデータ

大規模言語モデルは、学習時点までの情報しか知りません。そのため、リリース後の製品情報や業務の変更点、最新トレンドなどには対応できないことがあります。直近の最新データを使ったファインチューニングを行えば、足りない情報を補うことが可能です。たとえば、法改正に対応した内容や、新たな顧客ニーズに即した内容を学習させれば、リアルタイムに近い回答が得られます。

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ファインチューニングのメリット

ファインチューニングには多くのメリットがあり、業務の質や効率に直結する戦略的な投資として注目されています。本節では、ファインチューニングを導入することで得られる、3つの代表的なメリットについて解説します。

独自の環境を構築できる

汎用的なAIでは、広く一般的な知識や文脈には対応できても、企業ごとの業務内容や業界特有の用語、言い回しには対応が不十分な場合があります。ファインチューニングは、自社に最適化されたモデルを構築し、独自性の高い運用環境を実現できる点が特徴です。社内ナレッジを活用した自動化や業務効率化を目指す場合、この独自性は大きなメリットです。

コストやリソースを削減できる

ファインチューニングによって、AIが自動的かつ正確に対応できる範囲が広がるため、人手に頼っていた作業を減らせます。コスト削減と人的リソースの再配置が可能になり、長期的に見て運用コストを抑えられるといえます。

回答精度が向上する

ファインチューニングの最大の強みは、精度の高い回答を継続的に提供できる点です。一般的なChatGPTでは「なんとなく合っているが違和感がある」といった微妙なズレが発生する場合があります。しかし、自社データに基づく学習によって、それを改善できます。

正確な回答を安定して得られることで、業務の信頼性が向上し、顧客満足度や社内の生産性にもつながるでしょう。

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ファインチューニングのデメリット

ファインチューニングは、大規模言語モデルを自社のニーズに合わせて最適化できる有用な手法ですが、注意すべきデメリットも存在します。本節では、ファインチューニングを検討する際に、あらかじめ知っておくべき3つの主なデメリットを解説します。

過学習のリスクがある

ファインチューニングを行う際にまず注意したいのが、過学習(オーバーフィッティング)のリスクです。AIが学習データに依存しすぎてしまい、新しいデータにうまく対応できなくなる現象のことです。専門分野に特化したデータを使う場合は、狭すぎる内容に偏らないよう注意し、できるだけ多用なデータを使用するようにしましょう。

高品質で多様なデータが求められる

ファインチューニングの効果を最大限に引き出すには、質の高いデータを十分な量で用意する必要があります。これが、大きなハードルになるケースも少なくありません。データ準備にはコストも時間もかかるので、事前に必要なリソースを把握しておくことが重要です。

計算コストが高い

ファインチューニングには、GPUやクラウドサービスの処理時間など、計算リソースが多く必要です。大量のデータを学習させる場合や、精度を高めるために繰り返しチューニングを行う場合、コストが予想以上にかかる場合があります。初期は小規模なデータセットでテストし、効果を見てから拡張するなど、費用対効果を考えて導入を判断することが求められます。

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AI関連ツールの活用は専門家に相談しよう!

ファインチューニングは、正しく運用すれば大きな成果をもたらします。しかし、導入や設計を間違えると、期待した効果を得られなかったり、かえって業務が複雑になってしまったりする可能性があります。RAGやプロンプトエンジニアリングなどほかの手法との使い分けや、データ整備・リスク対策など考慮すべきポイントは多岐にわたり、素人には難しい分野でしょう。

そのため、自社でAIを活用しようとする際は、無理にすべてを内製しようとせず、早い段階で専門家に相談することをおすすめします。専門家に依頼することで、技術的な不安を取り除くだけでなく、事業に合った最適な方法でAIを導入・運用できるようになります。

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まとめ

本記事では、ファインチューニングの概要から、転移学習やRAGとの違い、具体的な手順や活用できるデータの種類、メリット・デメリットまで解説しました。

ファインチューニングは、ChatGPTのような大規模言語モデルを自社業務やサービスに特化させるうえで、有効な手法です。ただし、過学習のリスクやデータ整備、計算コストなど、導入にあたっては慎重な検討と十分な準備が欠かせません。

導入して後悔することのないよう、初めて取り組む場合や導入に不安がある企業は、AI・DXの専門家に相談しましょう。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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