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「最大の魅力は、プロトタイプを容易に開発できること」デザインワン・ジャパンが語る、ChatGPTの可能性

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「最大の魅力は、プロトタイプを容易に開発できること」デザインワン・ジャパンが語る、ChatGPTの可能性

LINEやSlackでの活用など、ChatGPTAPIを活用した独自のサービスが次々と登場しています。ありとあらゆる業種の企業がその可能性を探り、日々新たなアイデアが生まれているなか、「自社でもなにかはじめたい」と考えている企業は多いのではないでしょうか。

最近では、「ChatGPTを用いて何かできないか」という問い合わせが、ITに強みをもつ受託開発の会社に相次いでいるといいます。『エキテン』を手がけていることでも有名な株式会社デザインワン・ジャパンもそんな企業のひとつ。世間の関心の高まりを受け、ChatGPTを用いたサービス調査や、UdemyでのChatGPT講座の発信をはじめています。

ChatGPTについて、「IoTとの連携など、ChatGPTの活用には大きな可能性がある」と語るのは株式会社デザインワン・ジャパン DX事業本部長の泉川氏。この記事では泉川氏に、ChatGPTのメリットや懸念点、そして未来について詳しく伺いました。

デザインワン・ジャパン_泉川氏

株式会社デザインワン・ジャパン DX事業本部長
泉川 学

大学卒業後、小売業界でブランド品のバイヤーなどを経験したのちIT業界に転身。株式会社ライブドアのインフラ事業の営業責任者を担当。ベンチャー企業の運営に関わった後、2016年にデザインワン・ジャパンへ入社。「エキテン」事業の営業・サポート部門責任者を務めたのち受託開発事業の立ち上げを担当し、現在はDX事業本部とその所管子会社3社を統括。

PRページ:https://rekaizen.com/company/designone
HP:https://www.designone.jp/

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ChatGPTを用いて、プロトタイプを開発し、アイデアを膨らませる

お客様のアイデアをブラッシュアップするきっかけをつくりたい

ーー御社では、ChatGPTに関するサービス調査のほか、Udemyでの講座の配信も行っています。ChatGPTに注目している理由を教えてください。

当社ではこれまでもAIを用いた受託開発を行ってきました。そしてChatGPTの登場以来、AIへの関心が強まり、さまざまな業界の企業からの問い合わせが増えました。

しかし、現状はお客様もそこまでChatGPTに詳しいわけではなく、「とりあえず使ってみたいのだけれど、どうしたらいいだろうか」など、やわらかいご相談を受けることも多いんです。

それならば、まずは我々がChatGPTに詳しくなろうと。なおかつ、どのようなサービスをつくれるのかを紹介することで、お客様がビジネスアイデアを考えるきっかけになればと考え、サービス調査を開始。そこで得られた知見を記事やUdemyなどで発信することにしました。

udemy_デザインワンジャパン
※デザインワン・ジャパンでは、Udemyにて「ChatGPTのAPIを活用した新規事業・自社サービス組み込み事例の解説講座」を配信中。

AIを使用した業務効率化のお問い合わせが増えている

ーー具体的にはどのようなAI開発の相談が寄せられているのでしょうか?

お客様によって千差万別です。たとえば小売スーパーを展開している企業さまが、お客様の購買情報をもとに商品のレコメンドができないかと相談してくださったことがありました。

ほかにも、ネイル関連のサービスを運営する会社さまからは、ネイリスト志望者の練習写真に対し、講師がひとつひとつ品質をチェックする負担が大きいので、機械学習によってある程度自動的に評価するしくみをつくれないかというご相談をいただきました。

具体的な形には差があれど、大きな方向性としては、「AIを用いて、煩雑で大変な業務を効率化したい」というご相談が多いです。

事前学習データがあれば、気軽にプロトタイプが作れる

ーーAIを用いた開発を進めてきた御社ですが、ChatGPTのメリットはどこにあると考えますか?

すでに事前学習データがたくさん入っていることです。

ChatGPTが登場する前は、新たにサービスを立ち上げるには、いちからデータを整備し、読み込ませなければなりませんでした。この負担はなかなか大きく、実際にご相談がストップしてしまうケースも多々ありました。たとえデータをある程度貯めていたとしても、どのデータを使って、どう活用していくかを考えるにはデータサイエンティスト的な知見が必要で、本格的なサービス開発に着手するまでに二重、三重の壁があったのです。

しかしChatGPTを用いれば、そこまでの精度を求めなければ、すぐにプロトタイプを作れます。お客様にしても、何もないところから要望を出すのと、実際に動くプロトタイプを目の前にしながら要望を出すのとでは、後者のほうがよほどイメージが湧きやすいようです。この気軽さは、ChatGPTの大きな魅力ですね。

Check

ChatGPTは事前学習データを保有しているため、プロトタイプの作成が以前に比べて格段にコストをかけずに作れるようになった。

それにより、ユーザー企業側も「目に見える」かたちでプロダクトのイメージを共有でき、サービスの方向性をよりスピーディーに定めていけるようになった。

ChatGPTをビジネスにするには課題も山積

ChatGPTとかけ算するサービスが続々登場

ーーChatGPTを用いたサービスについても教えてください。調査された結果、具体的に見えてきた傾向などはありますか?

まず、ChatGPTが生まれた当初は、Webブラウザ上でしか動作しないなど、使いづらいところがいくつか残されていました。そのためLINEと接続するなどして、「いかにChatGPT自体を使いやすくするか」を目的としたサービスが多く見受けられたように思います。

しかし今では、ChatGPT側が各種のデメリットを改善してくれました。その結果、文章作成に用いたり、データのスクレイピングに用いたりするなど、「価値を提供するサービス」が増えてきたように思います。分かりやすくいえば、サービス活用の土台が整い、ついに本格的に可能性が模索される段階に入ったといえます。

万能ではない、ChatGPTのリアル

ーーさまざまなサービスが出ていますが、ChatGPTを用いた開発における課題はどのようなところにあると感じますか?

まずは、日本語の曖昧性に弱いことが挙げられます。現状では、ほぼ同じ意味の質問を投げかけても、返答が毎回微妙に異なることがあります。この弱点を克服しないまま、顧客対応などに導入するのはハイリスク。クオリティを高めるためには、もっと多くのデータが必要です。

それから、金銭的な問題もあります。ChatGPTを用いた開発は比較的安価で済ませられるのが魅力である一方、日本語は英語よりもプロンプトトークンを多く消費するため、サービス内容によっては多額の利用料がかかります。弊社ではこの課題に対して、英語でプロンプトを投げかけ、回答を日本語で出力するなどの対策を行っています。

事業においては、そのコストを織り込んだ上でビジネスに昇華できるかどうかが問われるでしょう。

そして最後は、ChatGPTに限ったことではありませんが、特定のサービスに依存してしまうことの危険性です。もしChatGPTを用いたAPIをサービスの柱としていた場合、将来的にChatGPTがAPIを値上げしたり、廃止したりした場合、サービス自体が立ちゆかなくなってしまいます。

実際にTwitterでは、APIがすべて有料化され、数々の無料サービスが廃止に追い込まれたことが話題になりました。このように、特定のサービスに依存する形で事業を展開するのは、リスクが大きいのです。

Check

ChatGPT利用サービス開発時の注意点

  • 日本語の曖昧性に弱い
  • API利用によるコスト高
  • サービスに依存してしまうリスク

ChatGPTで広がる、夢の未来

ChatGPTで魔法の世界が実現できる?

ーーメリット・デメリットの両面についてお話しいただきましたが、そのうえで御社としては、ChatGPTにどのような可能性を感じておられますか。

いくつかのデメリットがあってもなお、ChatGPTは可能性に満ちています。

たとえば、『ハリー・ポッター』シリーズに出てくる「生きている絵画(しゃべる絵)」。魔法で命を吹き込まれた肖像画とのユニークなやり取りは同作において印象的なワンシーンでしたが、ChatGPTがあれば充分に実現可能なはずです。

それから、IoTへの組み込みも良さそうです。たとえば冷蔵庫。現在でも、残った食材をもとにChatGPTにレシピを考えてもらうことはできますが、わざわざ入力するのは面倒です。もしもIoT技術で冷蔵庫と接続し、どのような食材が入っているのかを自動で把握・管理してくれれば、入力の手間をかけずにベストな献立を提案してもらえるかもしれません。

AI_IOT

そのほか、当社のサービスである「エキテン」との連携も十分に考えられます。たとえば、お客様の履歴をもとにお好みの飲食店をレコメンドしたり、観光地周辺のおすすめスポットをお知らせしたり。このように、いろいろなアイディアが広がることこそが、ChatGPTの魅力かもしれません。

冒頭でも少し触れたとおり、事前学習データがプリセットされたChatGPTなら、本格的なサービスを立ち上げる前にプロトタイプをすばやく作ることができます。試作のハードルが下がったことで、イノベーションは加速されるでしょう。

とはいえ、「流行っているから」とChatGPTを用いたサービスをやみくもに開発しても、ビジネスとして成り立ちづらいのも事実です。結局のところ大切なのは、「ChatGPTありき」で考えず、お客様に提供する本質的な価値に根ざしてサービスを構想することではないでしょうか。

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AIを活用するサービス利用のプロトタイプづくりに向いているChatGPT。
ただし、実際にサービスに活用する際は、トークン利用による費用コントロールとサービス依存しすぎないことを意識しておくことが大事。

取材:夏野かおる 執筆:林春花

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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