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AIとは?AIの歴史や活用方法、今後の動向について紹

目次

AIとは?AIの歴史や活用方法、今後の動向について紹

最近、テレビやSNSなどで「AI」「人工知能」といった言葉を耳にする機会が増えてきました。一種のバズワードのようなものなので、一定数は企業のブランディング目的で使われるケースも多いでしょう。

ただ、実際にほとんどの人は、「AIが使われると何が変わるのか分からない」「AIってなんとなく怖いイメージ」「そもそもAIという言葉は聞いたことあるけど何のことかさっぱり分からない」
このように感じているのではないでしょうか。

今回は、AIの意味や歴史、活用方法、今後の動向などをご紹介します。
AIという言葉の裏側に潜む、大きな物語を知ることが出来るでしょう。

*今回の記事では、著者:松尾豊氏 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの を参考に作成されています。より詳しく知りたい方はそちらの本をご確認ください。

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そもそもAIとは

まずは言葉の定義から理解していきましょう。

AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語訳で人工知能と呼ばれています。辞書的な定義では「コンピューターで記憶・推論・判断・学習といった人間の知能の持つ機能を備えたコンピューターシステム」と記載されています。(小学館 デジタル大辞泉より抜粋)

ただ一方、学術的な定義は実は決まっていないのです。AIという言葉自体は1956年に出来たのですが、常に新しい技術が出現し、その度にAIという言葉が持つ意味の範囲が広がるため、明確に決めきれないのです。

とはいえ日本国内の有識者の方たちは下記表のように独自の定義をしています。

人工知能

参考:松尾豊「人工知能は人間を超えるか」

ここで、AI研究の第一人者である松尾豊氏の言葉を切り取ってみると、

人工的に作られた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術。人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から特微量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である

要は、「コンピューターで人間の知能を模倣するための概念及び技術」といったところでしょうか。

AIの歴史

最近、よく耳にするようになったAIですが、前述したとおり、言葉自体は1956年に出来ました。この章ではそんなAIの歴史について3つのAIブームを切り取って解説していきます。

3つのAIブーム

参考:松尾豊「人工知能は人間を超えるか」

第一次人工知能ブーム(1956年~1960年代)

AI(人工知能)という言葉は1956年に始めて使われました。
アメリカ東部で開催されたワークショップで「人間のように考える機械」のことをAIと呼んだと言われています。

この時代のAIは「推論」「探索」が可能になり、特定の問題に対して解を提示することが出来るようになりました。

しかしながら当時のAIでは迷路やチェスなどの単純な問題に対しては答えを出すことが出来ましたが、実際に現実の世界のような複雑な問題は解くことが出来ない「フレーム問題」が明らかになり、1970年代は一転して冬の時代となりました。

第二次人工知能ブーム(1980年代)

第二次人工知能ブームは1980年代に起こりました。
第一次人工知能ブームは「推論」「探索」がフォーカスされた時代でありましたが、第二次人工知能ブームでは「知識」の時代だと言われています。

知識とは、「コンピューターが推論するために必要な情報をコンピューターが認識できる形にしたもの」であり、AIに知識を導入することで現実世界で実現可能な「エキスパートシステム」が開発されました。

エキスパートシステムとは、あらゆる専門分野の情報を取り込み、そこから推論することでAIが専門家の様に振る舞う事ができるシステムのことです。

しかしながら、エキスパートシステムは自身で新しい情報を取り込むことが出来ず、人間が必要となる情報をコンピューターが理解できる記述に書き直さなければならなかったのです。

現実世界の膨大な情報をすべて、コンピューターに書き写すことは困難であり、実際にエキスパートシステムを利用する時は、専門分野をかなり限定する必要がありました。こうした理由から1995年頃から2回目の冬の時代になりました。

第三次人工知能ブーム(2006年~現在)

第三次人工知能ブームは2000年代から現在まで続いています。IoTの普及によって大量のデータ(ビッグデータ)を取り込むことでAI自身が知識を得ることが出来る「機械学習」が開発されました。

機械学習の技術は多くの分野で利用されており、企業でも顧客や従業員のデータを分析し、購買促進や組織マネジメントなどに役立てられています。

また、2012年には知識を定義する要素を人工知能が自ら習得することができるディープラーニングも大きな話題になっています。

最近の話題だと、「googleアシスタント」や「Amazon Alexa」などにもディープラーニングが使用されており、イメージが付きやすいのではないでしょうか。

AIのレベル

AIには、実用生活に取り組むに当たってレベル分けがあります。本章ではレベルごとにどういった事ができるのか紹介します。

レベル1 単純制御:単純な制御プログラムが組み込まれているもの

予め定められたルールに従い制御されているコンピューターです。
実際は「制御工学」や「システム工学」として長い歴史のある分野の研究によるものです。

(具体例)
スマート家電

レベル2 ルールベース:推論、探索を行い、数多くのパターンに対応するもの

世界を観測することによって振る舞いを変える事ができるコンピューターです。

(具体例)
  • チャットボット
  • 掃除ロボット

レベル3 機械学習:サンプルとなるデータを基にルールや知識を学習し、自動的に判断するもの

人間が予めルールを細かく決めて組み込んでおかなくても、大量のデータから対応パターンを自ら見つけ出す事ができます。

(具体例)
  • 将棋ソフト
  • IBMのWatson(ワトソン)

レベル4 深層学習:人間が介在やルールを設定しなくても、自律的に特徴やルールを学習し、自動的に判断するもの

対応パターンを自ら見つけ出すこと点はレベル3と同じですが、人間が学習に使う着眼点を与えなくても、コンピューター自ら見つけ出し、対応パターンを生成できます。ディープラーニングとも言われています。

(具体例)
  • 自動運転
  • 画像検索

現在では一般的にAIという言葉はレベル3、レベル4のことを指すようです。世の中には多くのAIのようなものがありますので、上記を参考にしながら見極めるといいでしょう。

今後は、ディープラーニングの研究が更に進み、自動運転、音声認識など多くの分野で応用され、私達の生活は大きく変わっていくと予測されます。特に2023年現在では、OpenAI社の「ChatGPT」リリース以降、AIに関する期待も高まっています。

AIができること

現在のAI技術は非常に幅広い分野で応用されています。ここでは、具体的にどういった事ができるのか、どのように使われているのか、紹介していきます。

画像処理

人間は、目の前にあるモノや風景の光を認識して、意思決定や外界とのコミュニケーションを図ることが出来ます。現在のAI技術も、人間同様、カメラやセンサーを駆使して、外界のモノや風景を認識することが出来ます。

(具体例)

音声処理

人間は空気中を伝わる様々な音を聞き分け、内容を理解し、他者とコミュニケーションを取ります。現在のAI技術もマイクなどで音を聞き分け、物事を判断することが出来ます。

(具体例)
医療業界初!AI音声認識技術で新型コロナ禍での多様な医療記録を支援。「AmiVoice®IC-Support」、1月28日リリース

言語処理

人間は、自分の思いや感情を言葉にして他者とコミュニケーションを取ることが出来ます。現在のAI技術も人間と同様に言葉を発することが出来るようになりました。

(具体例)

単純作業

今まで、人が行ってきたスーパーのレジ打ち、銀行窓口などのようないわゆる単純作業はAIが最も得意とする領域であり、すでに様々な分野で実用化が進んでいます。

(具体例)

AIを活用したサービス事例

AIができることを紹介しましたが、実際にはサービスにどのように落とし込まれているのでしょうか。サービス例をあげて詳しく見ていきましょう。

チャットボット|自然言語処理、機械学習

AIチャットボットとは、人工知能技術を用いて、テキストベースの対話を行うプログラムのことです。コンピューターが人間と会話するためのシステムであり、自然言語処理技術や機械学習アルゴリズムを用いて、人間と同じようにテキストを理解し、適切な応答を返します。

例えば、オンラインショップでの商品購入や、フライトの予約、銀行口座の残高照会など、様々なサービスでAIチャットボットが活用されています。AIチャットボットは、24時間対応できるため、人手不足やコスト削減などの課題を解決するためにも活用されています。

【AIチャットボットのサービス例:チャットプラス】
サービス名チャットプラス
サービスサイトhttps://chatplus.jp/
サービス概要チャットサポートツールをホームページやアプリに簡単に埋め込むことができる、AIチャットボット・チャットサポートツール。有人によるチャット以外にも、チャットボットによる自動応答、AIによる応答、有人とチャットボットによるハイブリットなど、様々な運用にあわせカスタマイズが可能。
運営会社チャットプラス株式会社

AIカメラ:画像認識、機械学習

AIカメラは、画像や映像を撮影し、人工知能を搭載したシステムによって自動的に解析されるカメラです。AIカメラは、画像認識技術と機械学習アルゴリズムを組み合わせて、人や物体を認識し、それに応じたアクションを起こすことができます。

例えば、セキュリティカメラにAIを搭載することで、不審な人物や動きを検知し、自動的に警報を発したり、警備員に通知することができます。また、交通カメラにAIを搭載することで、交通量や交通事故を監視し、交通の流れを制御することができます。

【AIカメラのサービス例:Vieureka】
サービス名Vieureka
サービスサイトhttps://www.vieureka.com/analysis/
サービス概要AIカメラ内の画像解析アプリにより、「来店客の人数」、「属性情報(性別、年齢、滞留時間)」をデータ化し、「商品棚の陳列状況の変化」をグラフィカルに確認することが可能。
運営会社Vieureka株式会社

議事録、IP電話|音声認識、自然言語処理

AIを用いた議事録や要約は、音声認識技術を利用して、会議や講演の音声を自動的に文字に変換することができます。さらに、自然言語処理技術を使って、文字起こしした文書から重要なキーワードを抽出し、要約を作成することもできます。

IP電話においては、AIを使って通話内容を自動的に識別し、自動音声応答システムを利用して、適切な対応をすることができます。例えば、電話がかかってきたら、AIは発信者の声を識別し、自動的に名前や会社名を確認することができます。さらに、AIは質問に答えることができ、必要に応じて人間のオペレーターに転送することもできます。

【議事録、IP電話のサービス例:MiiTel】
サービス名Miitel(ミーテル)
サービスサイトhttps://miitel.com/jp/
サービス概要電話での話速・会話の被せ率・沈黙回数などを定量的に分析・可視化することで、電話営業の生産性を向上してくれるAI搭載型クラウドIP電話。 全通話の録音と自動文字起こしが出来るほか、CRMとも自動連携し顧客対応を一元管理することが可能。
運営会社株式会社RevComm

eKYC(認証システム)|画像認識、自然言語処理

AIを用いたeKYC(電子的な顧客認証)は、金融機関などが顧客の身元を確認するために、人工知能技術を活用する方法のことです。主に画像認識技術と自然言語処理技術が用いられます。

具体的には、深層学習技術を応用した顔認識システムが使用されることが多く、顧客の顔写真を高精度で認識し、マッチングを行います。また、OCR(Optical Character Recognition)技術を使用して、書類のテキスト情報を自動的に読み取ることもできます。

【eKYC(認証システム)サービス例:LINE eKYC】
サービス名LINE eKYC
サービスサイトhttps://clova.line.me/line-ekyc/
サービス概要LINE上で、オンライン本人確認(eKYC)を行うAIソリューション。LINE CLOVAが開発した高度なAI技術(身分証・顔写真判定)とLINE公式アカウントを組み合わせ、スムーズでストレスのない本人確認を実現可能。
運営会社ワークスモバイルジャパン株式会社

空調制御システム|機械学習、ディープラーニング

空調制御AIとは、建物や部屋の温度や湿度、人の居住状況などを継続的にモニタリングし、自動で最適な温度や湿度を調整するために、人工知能技術を用いた制御システムのことです。空調制御AIには、主に機械学習技術が用いられており、過去のデータやパターンを分析することで、環境変化に対して適切な応答を迅速かつ正確に行うことができます。

例えば、人の存在を検知し、部屋の利用状況や外気温などを考慮して、適切な温度や湿度を維持するように調整されます。空調の運転スケジュールを最適化することで、エネルギー効率を向上させ、省エネ効果を実現することができます。

また、人の存在を検知するためのカメラから得られる映像データを解析し、人物の検出や追跡を行うためにディープラーニング技術を用いることがあります。

【空調制御システムのサービス例:Smart DASH】
サービス名Smart DASH
サービスサイトhttps://www.ntt-f.co.jp/campaign/smartdash/
サービス概要AIエンジンを活用し、空調管理の見える化、電力の無駄の最小化を実現するサービス。温度センサーからホットスポットなどの情報を計測、集められた情報を自動学習機能で分析し、空調機を自動制御する。
運営会社株式会社NTTファシリティーズ

スマートスピーカー|音声認識、自然言語処理

スマートスピーカーは、音声コントロールで家電や情報検索などを行えるスマートデバイスの一種です。音声認識技術や自然言語処理技術、対話エンジンなどのAI技術によって、ユーザーの声や言葉を理解し、対話を行うことができます。

スマートスピーカーは、音楽再生やニュースの配信、天気予報の確認、スケジュール管理、買い物リストの作成など、様々な機能を持ちます。機械学習深層学習を用いて、スマートスピーカーはより自然な音声対話が可能になり、ますます多様な応用が期待されています。

【スマートスピーカーのサービス例:Google アシスタント】
サービス名Google アシスタント
サービスサイトhttps://assistant.google.com/intl/ja_jp/
サービス概要Google Home や Android デバイスなどの製品で利用できるサポート機能。 Google アシスタントと対話形式で調べたい情報があるときや、アプリの機能を使いたいときに質問することで回答を得られたり、指示したことを実行したりすることが可能。
運営会社Google LLC

AIの今後の発展

AI技術は今後更に指数関数的に発展していくことが予想されます。
その上でAIと人間の付き合い方について様々な議論が上がります。

シンギュラリティ

シンギュラリティとは「AIの性能が全人類の知性の総和を超える転換点」を意味し、日本語では技術的特異点と呼ばれています。

人工知能研究で世界的な権威であるレイ・カールワイツ博士が2005年に提唱し、そこから世間に広く知られました。

人工知能が今以上に知能を持ち、本当の意味で人間よりも知能を持ってしまった場合、AIが独自の意思で人類に武器を向けてしまうのではないか。

早すぎる技術の革新に対して、ビル・ゲイツ(Microsoft創業者)やイーロン・マスク(テスラCEO)など多くの有識者がこのような危険信号を発しています。

▼詳しい記事はこちらから

AIが仕事を奪うのか

AIがこれから社会により普及していくため、今まで人間が行っていた仕事が必要なくなってしまうのではないか。

そうなると、多くの人達が職を失ってしまうのではないか。

このような議論がなされています。
実際にAIの普及によって今ある多くのいわゆる単純作業の仕事はなくなっていくでしょう。
しかし、その反面、AIの普及によっても新しく生まれる仕事もあるはずです。

時代の流れから逆算し、10年後はどのような仕事が残っているのか。社会から必要とされているのか、常にブラッシュアップを繰り返しながら自身のキャリを作っていくことが必要になります。

▼詳しい記事はこちらから

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はAIについて様々な角度からご紹介させていただきました。

人類は今まで先人たちの知恵を紡ぎ続け、今日まで発展してきました。その土台の上で、現在のAI技術があります。
イノベーションには多くの人をより良い人生にする力があります。

ただ一方、既得権益で守られていた人、時代の流れについていけなかった人は逆に不利益を被る可能性もあります。
そういったことを加味しても人類はこのイノベーションの連鎖からは抜けることは出来ないのです。

人工知能が私達の今後の生活に大きく関わっていくからこそ、当事者意識を持って理解を深めていくことはとても重要です。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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