■G20サミットの円満開催における総合環境整備
蕭山空港から杭州市内に向かう途中、タクシーの中から「おや?なんだあれ?」という建物が見えます。
杭州奥体博覧中心(Hangzhou Olympic and International Expo Center)の競技場施設です。
杭州G20サミットまであと1か月。8/1杭州市党委員会からメイン会場施設の改修工事は完了したと発表がありました。
メイン会場がどこかという正式報道はネットでは見当たりませんが、百度(バイドゥ)地図で「G20峰会会場」を検索するとこの杭州奥体博覧中心がピンポイントで出てきます。
8万人収容のメイン競技場、1万8千人収容の体育館、プール、テニスコート、野球場の他、展示会場や会議施設があり、空港や市内周辺ホテルとの位置関係で考えると世界的なイベント会場としてはうってつけの場所です。
G20を切っ掛けに街が綺麗になることはとても良いことだと思います。
市内を歩いていても「外観を綺麗にする工事」は現在も進んでおり、仕上げのフェーズに入っているのでしょうか。「汚いものには蓋」ではないのですが古い建物の表面を化粧板で覆ったり、取り壊しが間に合わなかったエリアは新設した壁で囲み、西湖に向かう目抜き通りから横道を覗いても「綺麗な外観」ができつつあります。
一方では、整備のための強制取り壊しに住民が抗議し公安に強制連行されたり、違法建築を理由に罰金となるニュースもありあました。(4/30付Epoch Times in Japanより)
今は違法建築かもしれませんが、当時は何らかの形で認められていたわけで、制度や仕組みが変わる「中国の変化」の背景には、これからもいろんなところで歪みが出てくるのでしょうか。
■鉄鋼などの過剰生産能力は協調した対応が必要(G20貿易相会合声明文)
7月9日・10日に上海で行われたG20貿易相会合の共同声明文に「鉄鋼の過剰生産能力の問題」を盛り込む事に対してギリギリまで揉めたそうです。(7/11付日経新聞電子版より)
「盛り込まないと採択しない」という各国の圧力に対し議長国である中国は準備した付属文書を含め、共同声明文が採択されないなどということはあってはならず、過剰生産問題を盛り込むことに譲歩し、まさにメンツを重んじる形となりました。
5月に行われたG7伊勢志摩サミットの首脳宣言でも「鉄鋼における世界的な過剰生産能力は、世界的な影響を伴う差し迫った構造的課題」と示されており、次の杭州G20サミットにおいても激しい議論になることでしょう。
中国政府は昨年、国有企業の再編によって過剰生産設備を減らし、非効率な国有企業の経営改善を促す戦略を発表。今年3月、全人代の5か年計画では過剰な生産能力を抱える赤字体質の「ゾンビ企業」を淘汰する方針も打ち出しています。
だからといって、中国の変化するスピードを武器にゾンビたちをやっつけることができるのかというと、不良債権の問題や失業者の問題でそう簡単にはいかず、「過剰生産問題」の突破口は「地方政府傘下の国有企業再編まで踏み込めるかどうか」がカギだそうです。
わが街、浙江省杭州市にも杭州鋼鉄集団という国有企業がありますが、2015年の12月をもって市内にある製鉄所の高炉の火は消えました。過去の日経新聞(電子版って便利だな~。無料会員だけど…)で検索してみると、大気汚染対策を目的に地元政府から郊外移転を迫られていたようで、寧波鋼鉄(浙江省寧波市)との再編が進んでいるそうです。今年に入って杭州の空気が比較的綺麗なのは、まさにこれが起因しているのかもしれません。
アリババ集団が誕生した杭州市は、ハイテク企業向け税優遇措置や新興インターネット企業への投資促進など、政府が推進する経済改革の恩恵を受けています。輸出・投資主導型からサービス・最先端産業主導型に切り替えようとしている経済改革のお手本となるのか、杭州市はきっとG20でも「猛アピール」することでしょう。
水越@中国在住
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木村 豊
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