産業翻訳とエンターテインメント翻訳は、太陽と月ぐらい違います(どちらが太陽でどちらが月かはこの際、不問に付すとして。)
産業翻訳は、基本的に省略は御法度です。
エンターテインメント翻訳は、省略や意訳は大歓迎。逆に、そうしないと不興を買うことがあります。
両者は、その目的とするところがまったく異なるものですから、これは致し方のないことでしょうね。
産業翻訳は、できるだけ正確に情報を伝えるのが目的です。
エンターテインメント翻訳は、感情や雰囲気、ストーリーを伝えるのが目的です。情報を優先したがために味気ない作品になり下がってしまった、ということもあり得ます。
次は産業翻訳の一例です。上に掲載した画像の動画中で実際に使われた台詞です。
(英文)”We produce a range of products including premium quality infant nutritional base powders, milk powders, proteins and butters.”
(字幕)「製品は、高品質な幼児用粉末栄養食品、粉ミルク、プロテイン、バターなどさまざまです。」
しゃべっている時間(=尺といいます)に制限があるので、できるだけコンパクトな訳文にしなくてはなりませんが、しかし基本的な情報は落とさないように訳すのが、プロの字幕翻訳者の腕の見せ所です。
もしこれがエンターテインメント映画だったら、きっと次のようになるでしょう。
(字幕)「子ども用の栄養食品、粉ミルク、プロテイン、バターなどを作ってます。」
いや、もっと省略するかもしれませんね。
(字幕)「子ども用の乳製品などを作ってます。」
なんて、もしトム・クルーズが話したらちょっと笑ってしまいますが…。
でも、これでだいたいの意味は通じます。
ストーリーの展開が一番大切ですから、ぐちゃぐちゃと情報を詰め込んで流れを止めてはいけないんですね。
株式会社エムストーン
藤原祥隆
yfujiwara@mstone.co.jp
(つづく)
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EDITOR PROFILE
株式会社エムストーン
藤原 祥隆
映像のわかる翻訳会社(=翻訳のわかる映像会社)を目指しています。
沿革:
■機械翻訳開発会社勤務を経て、1990年12月株式会社エムストーン設立。設立当初は、翻訳とコンテンツ(マニュアル)制作がサービスの中心でした。
■1995年8月、秋葉原初のインターネットカフェ開設。そこでの経験に基づいて『インターネット用語がわかる本』(日本実業出版社)、『テレビ会議システム活用ガイド』(日本実業出版社)、『スキャナでらくらく文字入力』(エーアイ出版)を相次いで上梓しました。
■1999年10月、米国コネチカット州のオンラインマーケットリサーチ会社GF社の日本法人設立準備に向けて活動しましたが、翌年に米国のITバブルが弾けて契約解消。
■2008年9月、S.スピルバーグ監修による小児ぜんそく患者向けアニメーションゲーム「Quest for the code」日本語吹替え版を制作したのを皮切りに、本格的に動画の字幕、吹替えを開始し、企業プロモーションビデオ(PV)の撮影制作も手掛けるようになりました。
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