アドビシステムのサブスクリプション型モデルへの完全移行の理由
- [更新日]2020/11/18
- [公開日]2019/05/24
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目次
アドビシステムのサブスクリプション型モデルへの完全移行の理由
デザイン業界、広告業界、IT業界に携わる人で、アドビシステムを知らない人は恐らく多くはないでしょう。フォトショップを始め、イラストレーター、インデザインなど和多くの画像、映像の加工・編集ソフトを手掛けるアドビシステム。以前は、売り切り型のソフトウェアを販売していましたが、近年はサブスクリプション(月額課金型)を中心に販売を行なっています。そして、サブスク化への成功が業界の中で話題になっています。今回は、そもそもアドビシスとはどのような会社なのか、そしてサブスク化の成功の理由などもまとめました。
Adobe Systems(アドビシステムズ)は通称Adobeと言われています。PhotoShopを始め、Illustrator、InDesignなど多くの画像、映像の加工・変種ソフトを手掛けるソフトウェアメーカーとして1982年にアメリカで設立されました。カリフォルニア州サンノゼ市に本社を構えています。 では、ここでは一旦「サブスクリプション」とは具体的にどのようなものかを解説します。 Creative Cloudは、インターネットを経由してクラウド上のものをダウンロードして利用することになりますので、当然のことですがインターネット環境でないと利用できません。 AdobeのCreative Cloudは、サブスク型へ移行を行なった結果、この数年は大きく業績を伸ばし、売り上げが1兆円を超えるビジネスになっています。 今回は、売り切り型パッケージ販売からサブスク型クラウド版契約へとビジネス転換を図ったAdobeについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。1. Adobeとは
Adobeの由来は、スペイン語で「日干しレンガ」「泥のレンガ」という意味を持ち、創立者であるジョン・ワーノック氏の自宅裏に流れているAdobe Creek Riverという川の名前に由来しています。
もともと、ゼロックスの研究所でページ記述言語のインタープレスの開発を行なっていたジョン・ワーノック氏とチャールズ・ゲシキー氏が独立して立ち上げた会社がAdobe Systemsです。設立の翌年には、インタープレスに目をつけたスティーブ・ジョブズ氏がAppleのレーザープリンターの開発に供給することを依頼してAdobeとAppleが手を組むことになりました。
設立当初のAdobeは、紙に印刷するDTPシステム開発を趣旨としていました。Appleとの取り組みを機にソフトウェアメーカーへ舵を切ることになります。
その後、デザイナーでは知らない人がいないほど普及しているPhotoshop、Illustrator、InDesignなどのソフトウェアを世の中に出してきました。
ビジネスモデルから見てみると、従来のソフトウェアは、売り切り型の販売手法が一般的でした。いわゆる「箱で購入」する方法です。ただ、2010年代に入ると各社が「サブスクリプション型」のライセンス形態に移行するソフトウェア企業が増えてきます。スタートアップの企業などがアプリを販売する場合、サブスクリプション型でビジネスを行うシーンが増えたことで、それまで箱売りを行なっていた企業、はビジネス転換を余儀なくされます。
Adobeも同様で、2011年に「Creative Cloud」と呼ばれるサブスクリプション型の年間契約ライセンス形態へ移行することを発表しました。
ここ数年は、Creative Cloudのみ提供しており、ほぼサブスクモデルへ移行を実現している状況です。2. サブスクリプションとは
サブスクリプション(subscription)は、定期購入、月額購入の意味合いを持ちます。そして日本では、月額定額サービス=サブスク、という認識が広まっています。
では、世の中のサービスでサブスクの具体例を紹介しておきます。
特にインターネットを介することを中心とした映像サービスが目立ちますが、「hulu」「U-next」「Nextflix」「Amazonプライム」「kindle unlimited」辺りが有名です。
これまで、サブスクビジネスは、映像や音声配信などデジタルコンテンツが主流でした。しかし、最近ではブランドバックや洋服のレンタル、倉庫レンタルなど、サブスク型の有形サービスも出てきています。
ただ、これまでも雑誌の定期購読プランなど多くの雑誌では用いられているビジネスモデルだと思っている人も多いです。サブスクモデルは、最近になって登場した新しいビジネスモデルなわけではありません。
では、これまでと何が違うのか?それは、「所有から利用へ」という転換を図っていることです。若者の消費動向に関して、「物を所有しない」という文化が広がっています。「車を持たない」「CDを買わない」というのがわかりやすく代表的例かもしれません。スマホの普及によって、あらゆる消費活動が掌の中で行われるようになっています。音楽のダウンロード、映像視聴、ネットショッピングなどです。
そういった時代背景もあり、あらゆるサービスがサブスクリプションへ移行しているのです。3. Adobe Creative Cloudとは?
Creative Cloudは月額制になっており、Adobeのすべての製品とクラウド機能を使用できるコンプリートプランとし月額4,980円になっています。
ここでは、Creative Cloudの特徴を紹介します。
・Adobe製品すべてのソフトが使える
・常に最新版が使える
・アップデートのタイミングは任意なので自分でできる
・1契約で2台のPCにインストール可能
・サインアウトすることで3台目以降の認証も可能
・バージョンのダウングレードも可能
・常時ネット接続は不要で30日に一度ライセンス認証が必須
Creative Cloudが月額4,980円とだけ聞くと割高に感じますが、以前の単体パッケージと料金比較をしてみます。
単体パッケージを購入した場合の金額は、パッケージ5本で425,200円になります。売り切り型のパッケージソフトですと、約5年使えば次のバージョンが出てきていますので、ビジネスとして使う場合は買い換えることになります。
そこで、425,200円をサブスクの4,980円で割ると、約7年利用できる計算になります。そう考えると、Creative Cloudはお得です。4. サブスク化で成功した理由
なぜ、そこまで成長できたのかについていくつかのポイントを紹介します。
上でも触れていますが、消費の市場心理が所有から利用へ変化し、サブスク化に必然性があったということはとても大きな要素です。
そして、ソフトウェア会社としてクラウド版にする大きなメリットがあります。それは、従来型の売りきりパッケージでは、バージョンアップ等を行いたい場合、その販売サイクルに合わせる必要があります。それはおおよそ2年前後のサイクルです。すなわち、次の新しいバージョンを消費者に使ってもらうまで2年前後の歳月が必要ということです。
ただし、昨今はビジネス変革のスピードが早くイノベーションが起きるスピードも加速しています。2年前後の販売サイクルでは、消費者ニーズに応えることは厳しいのです。
Creative Cloudのバージョンアップは毎月、場合によってはもっと短いサイクルで、できるようになったそうです。そうすることで、消費者が新しい機能を利用できるまでの時間は短縮されます。
さらにユーザ利用シーンへの対応も行なっています。
パソコンだけではなく、モバイル端末(スマートフォンやタブレット)へのアプリケーション提供が容易になったと言われています。自宅や会社のパソコンで制作したものを外出先ではiPhoneやAndroid向けのモバイルアプリで提供できるようになっています。
以前の売り切り型の箱売りサービスでは、ユーザー数は数百万人の規模でしたが、Creative Cloudに移行したことで、数千万規模のユーザー数に増えているとのことです。5. まとめ
箱売りで課題だった物を、ユーザにとってベネフィットを得やすくわかりやすいモデルへ転換できたことが、売り上げ増の一つの要因ではないでしょうか。
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