インクルーシブデザインとは?事例やWebサイトにおける重要性を解説
- [更新日]2023/02/17
- [公開日]2022/02/24
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目次
インクルーシブデザインとは?事例やWebサイトにおける重要性を解説
近年では、SDGsがあらゆるビジネスで促進されている影響から、Webサイトのデザインにもインクルーシブデザインが注目を集めるようになってきました。とくに日本の場合は、障がいを抱えている人だけでなく高齢者の人口も増えていることから、さまざまなユーザー層を想定したデザインが重視されています。
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Webサイトなどを含めたさまざまな商品のデザインは、高齢者や外国人、障がい者など、制約のある人たちの使いやすさを考慮したものではありませんでした。そこで、国籍や人種、年齢や障がいの有無という垣根を超えて快適に扱えるデザイン手法として開発されたのが、インクルーシブデザインです。
インクルーシブデザインが注目されるようになった主な理由は、日本を含めた国連加盟国193か国が2016年から2030年までの15年間で、「SDGs(持続可能な開発目標)」を実現することを掲げているからです。
インクルーシブデザインはすでにさまざまな分野に浸透しているため、私たちが何気なく使っている商品の中にもインクルーシブデザインが適用されているものは多いです。ここからは、具体的な事例を3つご紹介します。
アメリカの大手製薬会社「ジョンソン・エンド・ジョンソン」が販売する絆創膏ブランド、「バンドエイド」のデザインもインクルーシブデザインを取り入れています。従来は、白人の肌に近い色で製造していましたが、「多様な肌の美しさを受け入れるため」と発表し、新たにブラウンとブラックの絆創膏を開発し、販売を開始しました。
時計の有名ブランドである「CTIZEN(シチズン)」では、視覚障がい者学校と協力し、触ることで時間を知れる時計の開発と販売を行っています。この時計は、視覚障がい者と健常者という区別をなくし、誰もが使える腕時計というコンセプトから開発されており、すべての人にフィットするというインクルーシブデザインが採用されました。
現在ではLGBTQ+と呼ばれるさまざまなジェンダーが存在することから、これまで男女のみで分けてきたトイレの区別をなくした「ジェンダーニュートラルトイレ」が、アメリカニューヨークを中心に設置され始めています。
インクルーシブデザインは、日本ではあまり普及していない用語でもあるため、似たような言葉と混同されがちです。その中でも以下の2つは、イメージが似ているため、違いを把握しておきましょう。
ユニバーサルデザインとは、商品やサービスを「すべての人」が使いやすいようにデザインする手法です。一方でインクルーシブデザインでは、制約のある人たち、つまり「高齢者・障がい者・外国人」という明確なターゲットを中心に置いています。
アクセシビリティには、「利用しやすい」や「便利である」という意味があり、どんなユーザーでもWebサイトやサービスが利用できることを指します。最近では、Webサイトやサービスの開発を行っている企業が、アクセシビリティにインクルーシブデザインの考えを取り入れるようになりました。
総務省が発表した令和2年度の「情報通信機器の保有状況」によると、スマートフォンの保有率は83.4%という結果でした。つまり、Webサイトやサービスの利用者には、高齢者や障がい者、外国人などさまざまなユーザーが含まれていることが分かります。
具体的に自社で運用しているWebサイトにインクルーシブデザインを取り入れるには、以下の4つの方法がおすすめです。
1つめは、実際にユーザー自身が抱えている能力差や状況によって疎外されてしまう場面を特定することです。
2つめは、自社の開発チームだけでなく、違うコミュニティに属している人たちに意見をもらいながらデザインする方法です。
3つめは、ユーザーに合わせたさまざまな利用方法を提供することです。
4つめは、高齢者や障がい者、外国人、制約のない人たちすべてに対して同等の利用体験を提供することです。
今回の記事では、インクルーシブデザインの概要や、Webサイトやサービスでインクルーシブデザインを導入する重要性について解説しました。SDGsの実現は、2030年を目標に世界各国が取り組んでいます。そのため、今後のWebサイトやサービスの開発では、インクルーシブデザインを取り入れた商品やサービスが高く評価される可能性が高いです。
今回の記事では、インクルーシブデザインの意味や、Webサイトにインクルーシブデザインを取り入れることの重要性について解説します。
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1. インクルーシブデザインとは
インクルーシブデザインが注目される理由
SDGsでは、人々の多様性を受け入れ、社会に誰ひとり取り残さないことを目標にしています。そのため、多くの人たちが利用するWebサイトやコンテンツにも、インクルーシブデザインを取り入れることが推奨されるようになったのです。
2. インクルーシブデザイン3つの事例
多様な肌の色に対応した「バンドエイド」
視覚障がい者学校協力のもと開発された「触って時間を知る時計」
誰でも使える「ジェンダーニュートラルトイレ」
このように、区別することで制約を感じてしまう人々を考慮したインクルーシブデザインは、さまざまな場所で適用されており、Webサイトも例外ではありません。
3. インクルーシブデザインとは混同されやすい用語との違い
ユニバーサルデザイン
例えば、街の階段にある「手すり」は、高齢者や障がい者などの制約を持っている人たちも重宝するデザインですが、制約を持っていない人にとっても大きな助けになっています。このように、制約の有無を問わず、「すべての人」が使えるようにすることがユニバーサルデザインです。
アクセシビリティ
例えば、Yahoo!JAPANでは、これまで利益や市場の優位性を求めていたところにインクルーシブデザインを取り入れて、高齢者や障がい者も気軽に使えるものを開発していきたいと表明しています。
このように、今後開発されるWebサイトやサービスでは、アクセシビリティにインクルーシブデザインを取り入れた考えが主流になってくるでしょう。
4. Webサイトにおけるインクルーシブデザインの重要性
そのため、Webサイトやサービスには、インクルーシブデザン求められています。今後は利益や優位性を求めて一部のターゲットのみに絞って開発されたアプリやサービスよりも、制約の有無に関わらず誰もが使えるアプリやサービスのほうが評価されるようになっていくでしょう。
5. Webサイトにインクルーシブデザインを取り入れる方法
①ユーザーが疎外されてしまう場面を特定する
例えば、ジェンダーによる疎外を想定するのであれば、会員登録時の性別に他の選択を加えたり、そもそも性別の登録をなくしたりすることが考えられます。
このように制約を抱えているユーザーが疎外感を味わうような場面をあらかじめ想定して、Webサイトを制作するとインクルーシブデザインを取り入れやすくなります。
②異なるコミュニティに属する人々と共にデザインする
1つのチーム内だけでデザインしてしまうと、どうしても偏見が入りやすくなってしまうので、別のコミュニティに属している人々と一緒に開発することで、よりインクルーシブデザインを取り入れたサービスを開発できるでしょう。
③さまざまな利用方法を提供する
先ほども述べましたが、特定のユーザーを想定して開発を進めてしまうと、インクルーシブデザインを取り入れることは難しくなってしまいます。そのため、さまざまなユーザーを想定した機能を搭載することで、より多くのユーザーに利用してもらえる可能性が高くなります。
④すべてのユーザーに対して、同等の体験を提供する
あらゆるユーザーを想定し、複数のオプション機能を搭載できれば、たとえ制約があっても同等の体験を提供できます。具体例としては、YouTubeなどの動画配信サービスで字幕設定ができたり、再生速度を細かく変更できたりするところが挙げられます。このようにすべてのユーザーになるべく同じくらいの体験が可能になるような配慮が大切です。
6. まとめ
しかし、いきなりインクルーシブデザインを意識したWebサイトの制作をするのはイメージが湧きにくく、これまで以上に開発が難しくなるかもしれません。そのようなときには、「リカイゼン」が提供する無料でビジネスパートナーや外注先を探せるビジネスマッチングサービスの利用をおすすめします。さまざまなニーズに合わせた企業が存在するため、自社に適した外注先を探すときに役立つでしょう。
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