RAG(検索拡張生成)とは?仕組みやメリット、活用例について解説
- [更新日]2025/05/30
- [公開日]2025/05/30
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目次
RAG(検索拡張生成)とは?仕組みやメリット、活用例について解説
AIにも多種多様な種類があるため「RAG」と聞いてもピンとこないかもしれません。そこで今回は、RAG(検索拡張生成)について、仕組みやメリット、活用例を解説します。
AIは、作業の自動化やコンテンツの自動生成など、事業課題を解決に導く機能・性能を持っています。しかし、仕組みを理解しなければ、適切な活用方法がわかりません。セキュリティリスクを高める恐れもあるため、AI導入時は基本的な知識を頭に入れておきましょう。
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RAG(検索拡張生成)とは?
RAG(検索拡張生成)とは、Retrieval Augmented Generationの略で、LLM(大規模言語モデル)に「検索」の要素を組み合わせた、新たなAIの活用技術です。
通常、LLMに学習させるには、用意した膨大なデータセットを読み込ませる必要があります。しかし、RAGは学習用データとは別に、独自に用意したデータベースを提供できるため、追加学習の手間が省けます。
たとえば、LLMに対して「○○のアンケートで最も多い回答は?」と質問しても、対象のアンケートデータを学習していなければ、期待する回答を得られません。RAGの場合、質問と同時にアンケートデータを提供することで、追加された情報から検索を行い、ユーザーが理想とする回答を提示します。
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RAGが注目される理由
RAGが注目される理由は、従来のLLMにあった課題をクリアできるためです。
- <LLMの課題>
-
- 最新情報を参照できない
- 社内情報など、インターネット上に公開されない情報を参照できない
- 事実とは異なる回答(ハルシネーション)を起こしやすい
LLMは、インターネット上の膨大な情報を学習させ、テキストベースで出力させるAI技術です。そのため、流動的な情報に対応できないほか、オープンな情報しか処理できません。さらに、情報が不足している場合、事実と捉えかねない嘘の回答を提示するケースもあります。
しかし、RAGは、ユーザーによる追加学習が可能なため、上記のような課題をクリアできます。最新かつ独自の情報も扱えれば、ユーザーの期待する高精度な情報処理が可能です。
RAGの仕組み
RAGの仕組みを段階的に解説します。
①検索
RAGは、まず以下の方法で検索を行います。
- <検索の仕組み>
-
- ユーザーがプロンプト(指示)を入力
- RAGがLLMを利用して、データベースから必要な情報を検索
- 対象となるデータの収集と取得を行う
検索フェーズにおいては、まずユーザーが扱いたい情報を含む、データベースを提供しなければなりません。そのうえでユーザーが質問を投げかけると、適切な情報をRAGが収集・取得します。
②拡張
拡張フェーズでは、生のデータをLLMに受け渡すのではなく、情報の要約や選択、プロンプトの追加といったデータ加工が行われます。情報の加工によってLLMの理解を促し、より精度の高い回答へとつながります。
③生成
生成フェーズでは、ユーザーに対する回答の生成が行われます。
- <生成の仕組み>
-
- 加工されたデータをもとに、LLMへプロンプトが入力される
- LLMによる言語処理が行われる
- AIにより回答が出力される
生成は、AIを起点として、LLMからの回答を取得・出力するフェーズです。LLMは、独自に追加されたデータをもとに言語処理を行うため、より精度の高い回答が出力されます。
RAGの導入によるメリット
RAG導入によるメリットを4つ解説します。導入を検討する際は、次項のメリットから、事業課題の解決や導入リスクを軽減できるかを判断しましょう。
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外部情報の更新が容易になる
RAGは、外部情報の更新を手軽に行えるため、情報の鮮度を保ちやすくなります。従来のLLMでは、ファインチューニングと呼ばれる方法で、学習データを追加する必要がありました。この方法は、専門知識・スキルが求められるため、簡単に学習データを更新できません。
しかし、RAGは、独自に用意したデータベースから検索を行い、回答を出力してくれます。ファインチューニングに必要な専門知識や学習の手間がかからず、容易に情報を更新することが可能です。
回答の精度を高められる
RAGでは、信頼性の高い情報をもとに処理が行われるため、高精度な回答に期待できるでしょう。LLMの場合、事前に学習したデータをもとに回答が生成されるので、プロンプトによっては事実とは異なる回答になるケースもあります。
しかし、RAGは、こちらで用意したデータベースを参照します。正しい情報源をベースとするため、事実か疑わしい回答が生成されるリスクを抑えられるでしょう。
コストを抑えられる
RAGは、追加学習のコストを最小限に抑えられます。前述したとおり、LLMの場合はファインチューニングによる学習が必要なため、データセットや環境の構築、言語モデル選定などにコストがかかります。
一方、RAGは、データベースを更新・追加するだけで参照先を拡大できるため、LLMのようなコストはかかりません。
非公開情報を扱える
RAGは非公開情報も扱えるため、生成AIの活用領域を広げられます。生成AIは、インターネット上の情報をもとに回答を生成するので、オープンな情報しか扱えません。
一方、RAGの場合は、社内の機密情報やマニュアル、社内規定など、非公開情報をデータベースとして提供できます。「新たなアイディアの生成」「改定すべき社内規定の提案」など、自社独自の要件に合わせて、生成AIを活用できるようになるでしょう。
RAGの4つの活用例
RAGの活用例を4パターンご紹介します。自社の業務プロセス・フローにマッチしているか、導入前に確認しておきましょう。
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社内の問い合わせ対応
社内規定やマニュアル、ガイドラインなどをAIに学習させることで、社内の問い合わせ対応にRAGを活用できます。RAGでは、必要に応じて、独自のデータベースから情報を検索・取得させられます。
社内情報をデータベースに組み込むだけで、社内の問い合わせ対応をAIで自動化できるでしょう。問い合わせ担当者の負担が軽減されるほか、作業効率の向上にも期待できます。
カスタマーサポート
RAGに以下の情報を提供することで、カスタマーサポートの負担軽減や効率化が図れるでしょう。
- <提供する情報>
-
- 過去のサポート対応履歴
- 顧客対応のマニュアル
- 製品に対する技術的なマニュアル
- 社内のナレッジベース
上記の情報を提供することで、専門知識が求められる問い合わせに対しても、正確かつ一貫性のある対応が可能です。カスタマーサポートの品質向上はもちろん、窓口担当者の負担軽減も狙えます。
コンテンツの自動生成
RAGであれば、自社要件に沿ったコンテンツを自動生成できます。一般的な生成AIでも、資料作成やSNSの投稿文章などを生成できますが、自社独自の形式に則った対応は難しいです。
しかし、RAGは自社資料を参照してもらえるため、要件にマッチしたコンテンツを生成可能です。社内の事務作業、営業活動の効率化を図りたい場合は、RAGの導入を検討しましょう。
データ分析
独自に調査したアンケートや市場調査結果、実験結果などをRAGに提供することで、データ分析も行えます。RAGは、LLMと検索を組み合わせたAI技術のため、テキストベースの処理に長けています。
膨大なデータを迅速に処理できるほか、正確な情報収集、データ同士の相関性なども考慮した分析が可能です。商品・サービスの売上予測や、顧客の行動パターンなどを効率的に分析できるでしょう。
RAG導入時の注意点
RAG導入時の注意点を3つ解説します。「許容できないリスクがないか」「自社で対処できるか」など、導入後の活用をイメージしつつ、目を通してみてください。
回答の精度は外部情報に左右される
RAGの生成結果は外部情報に左右されるため、データベースの正確性が求められます。データベースに間違った情報が登録されていれば、どのようなプロンプトでも正確な回答は提示されません。
提供するデータベースは最新に更新しつつ、定期的なメンテナンスも継続しましょう。
セキュリティ対策が必要になる
社内の機密情報や顧客情報をRAGに提供した場合、情報漏洩につながるリスクがあるため、セキュリティ対策が必須です。RAGはあくまでもAIを活用した技術であり、提示する情報に問題があるか、独自に判断できません。
そのため、悪意ある者がRAGを活用し、社内機密を取得した場合、漏洩させられる恐れもあります。アクセス制限やアクセスログの監視など、セキュリティ対策を万全に行わなければ、企業としての信頼を損ねるリスクもあるため、注意してください。
回答するまでに時間がかかる
RAGに提供したデータベースの情報量が多いほど、回答には時間がかかります。一般的な生成AIは、学習済みの情報を活用して回答しますが、RAGには検索にかかる時間も必要です。
そのため、情報量が多いほど検索に時間がかかり、生成AIよりも回答が遅くなるケースもあります。カスタマーサポートや、社内の問い合わせ対応にRAGを活用した場合、利便性を損なうかもしれません。
データベースの情報量を制限するか、利用者に対して「回答に時間がかかる」という旨を提示するなどの対策をとりましょう。
RAGを導入するなら専門家に依頼するのがおすすめ
RAGを導入する際は、導入・構築支援サービスを提供する専門家に依頼しましょう。RAGの導入には、データベースの構築や導入するAIの選別が欠かせません。専門知識が求められるシーンも多いため、導入~運用にかけて、ノウハウを提供してもらえる支援サービスの利用も検討してみてください。
RAGの運用を内製化できれば、ランニングコストの軽減や人件費削減、作業効率の向上などに期待できます。まずはRAGの導入を支援してもらい、適切なノウハウを蓄積するところからスタートさせましょう。
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まとめ
RAGは、LLMと検索の要素を組み合わせたAIの活用技術です。データベースを検索して回答を生成してくれるため、社内独自の要件にマッチしたAIを運用できるでしょう。提供するデータベース次第で活用領域を広げられるため、導入時は自社の業務プロセス・フローに照らし合わせて、活用方法を検討しましょう。
ただし、悪意ある者がRAGを活用した場合、情報漏洩のリスクもあります。導入時は専門家(支援サービス)へも相談し、適切な運用環境も構築してください。
リスクを理解し、正しく対策することで、自社課題の解決や新たな事業領域の開拓などにつながります。
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