【イベントレポート】1月18日(木)『DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜』リトライブ株式会社主催にて開催
- [更新日]2024/02/19
- [公開日]2024/02/02
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目次
【イベントレポート】1月18日(木)『DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜』リトライブ株式会社主催にて開催
リトライブ株式会社では、オフライン型自社イベント「BeaTRIBES(ビートライブ)」を定期的に開催しています。 今回は「DX」をテーマとし、DX支援企業による技術活用の最前線の取り組みのPITCHセクションと、アステラス製薬株式会社の兒玉 浩亮 氏によるDX推進事例のセミナーセクションを設け、イベント参加企業様にはDXへの取り組み方への理解を深めていただきました。 2024年始まって第一回となるBeaTRIBESでは、『DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜』をテーマにイベントを開催しました。 DXは、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションというプロセスを踏みながら、デジタルを基軸にした環境構築とそれにともなった事業化へという流れがベースにありますが、前段階が一定落ち着き始め、事業活用へ繋げていくステップに課題・関心が移ってきています。 本イベントでは、DXの取り組み事例として、DX支援企業3社と、自社のDXを推進するアステラス製薬株式会社の兒玉氏のお話を中心に、学びを深めていきました。 DX支援企業によるPITCHセクションでは、各社の強みごとに「DX ✕ AI」、「DX ✕ 導入・運用」、「DX ✕ AR/VR」とテーマを分け、株式会社デザインワン・ジャパン 岡田 博豊氏、株式会社Crew 五十嵐 公輔 氏、株式会社Forgers 今泉 滉平 氏にご登壇いただきました。 自社サービス「エキテン」運営のほか、開発拠点をベトナムにもち、オフショア開発サービスを提供され、昨今は、ChatGPT APIを活用した、新規事業開発・Saas組込み支援を積極的に展開している株式会社デザインワン・ジャパン。 本PITCHでは、社内のDXを進める一手としてOpenAI社が提供している生成AI「ChatGPT」の活用方法を解説。2024年1月10日付で発表されたChatGPTのカスタマイズ版マーケットプレイスである「GPT Store」でできることや、社内業務におけるChatGPTの利用例のほか、デザインワン・ジャパンが自社開発した、ChatGPTの個別学習〜回答精度確認までを手軽に試すことができる検証環境を提供するサービス「プレBOT王」について紹介した。 コンシューマー向けのサービス会社出身の経営陣が中心となり、ユーザー目線でのサービス開発を得意とする株式会社Crew。 本PITCHでは、自社のもつアセットをデジタルサービスに発展させた事例として、コロナ禍のリアルイベントが開催されない時期に、絵を描くことが好きなユーザーに対して、自分が描いたイラストをX(旧Twitter)に投稿すると、そのイラストが実際の絵馬として神田明神に奉納されるという新たな体験を構築した「デジタルエマプロジェクト」や、自社の強みである3Dデザイン制作をアピールするために名刺に印刷したQRコードを読み込むとスマートフォン上で3Dアバターが登場し、自社を紹介する「アバター名刺」の企画について語った。 AR/VR(メタバース)サービスの企画・開発を主力事業とし、NTTドコモ社やNTT QONOQ社向けのXR技術を活用した新製品の開発支援を行っている株式会社Forgers。 自社サービスとして開発・提供している3D✕XRプラットフォーム「RITTAI」は、オンラインショップ向けのAR導入機能や、家具小売店舗向け3D空間シミュレーション機能、取り込んだ商品3Dデータや生成した空間を「スタジオ化」させて現実空間と比べても遜色ないクオリティでの完全バーチャルでの写真撮影代行を実現させるといった、XR技術を用いたこれまでにないサービスである。この「RITTAI」をさらに製造業の従業員トレーニング効率化やプレゼンテーションツールに転用した3Dマニュアルサービス「RITTAI MANUAL」など、DX推進におけるXRの可能性を提示した。 セミナーセクションでは、アステラス製薬株式会社 営業本部 デジタルコミュニケーション部 デジタル推進グループに所属する兒玉 浩亮 氏に登壇いただき、兒玉氏が推進するメタバースを活用した事例を話していただくとともに、DXを推進する上で出てきた課題などについてリアルな声を伺いました。 営業本部デジタルコミュニケーション部は2022年に発足した部署。 営業本部に存在するデジタルケイパビリティ機能を1つに集約し、デジタルツールを活用した情報提供体制を強化する目的で設立された。 兒玉氏が進めているプロジェクトの1つである「アステラスデジタルホール®」は、メタバースを活用したWebシンポジウム空間であり、リアルな講演会をネットワーク空間上に再現するとういう試みから始まった。 このプロジェクトの立ち上げ背景には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が大きく影響した。製薬業界にとって、病院の医師と直接会話をする訪問面談や医療従事者向けの講演会は非常に重要な接点であった。 しかし、コロナ禍により直接の施設訪問の面談機会は減少し、オンライン面談などの代替手段による面談スタイルへと変化し、リアル開催の講演会もWEBセミナーへと移行した。こういった変化の中で、特に講演会においては、対面では得られていた講演会の聴講者による反応や、医療従事者同士のコミュニケーションの機会が減少した。 そうしたWEBセミナーでは得られない体験価値、偶発的なコミュニケーションを再現する場として、注目したのがメタバース空間の活用だった。 アステラスデジタルホール®内では、聴講者自身が操作を行うため、講演に対するリアクションなど、リアルに近い反応や体験を再現している。 兒玉氏は、メタバース活用について期待を持てる点として大きく4点を述べた。 1点目は「XR市場の成長性」である。XRは発表されている各種レポートからも今後大きく成長する分野であり、次世代のチャネルとしてスタンダードになる可能性をもつ。 2点目は「リアルよりも多くのデータを取得できること」とし、リアルでは実際の行動を追跡してデータとして取得する範囲が限られてしまうが、メタバース空間内であれば、リアルに近い行動体験をしつつ、空間内の行動をデータとして取得できるため、より細かなデータからユーザーのインサイトに近づくことができる。 3点目に「物理的制約の解消」がある。例えば、リアル開催の場面では会場に向かう時間などにより時間的制約事項が発生し、会場内のレイアウトや広さなどの空間的制約事項が課題になるケースがしばしばあるが、メタバース空間であれば、こうした距離や空間などの物理的な制約を解消することができる。 4点目は、「リアルに近い反応」である。対比されるWEBセミナーでは、どうしても聴講者の反応を確認するには工夫が必要となるが、メタバースでは参加者が主体的に操作を行うシーンが多く、リアルに近い双方向性が取りやすい環境が用意されている。 一方で、本プロジェクトを進めるにあたって、多くの課題があったとも兒玉氏は言う。 まず立ちはだかった壁は、「企画理解」だ。企画への興味などから肯定的な意見がある一方、費用対効果や経験則などから反対の声も多くある。しかしその多くは、メタバースそのものが「よくわからないもの」と思われているところにあると考え、「実際に体験してもらう」ことによって解決へと取り組んだ。特に注力したのは、プロトタイプを作っては、関係者のもとへ行き、実際に一緒に体験することによって理解を得ていった。この「体験」するというプロセスは、新しい取り組みを行うときには重要とし、体験できるプロトタイプがあれば、企画に対する具体的なイメージの基、ディスカッションが膨らむと述べた。 また、「業界ルールへの対応」も課題に上がった。例えば、医療従事者向けの講演会の開催には基準が設けられており、メタバース内で実施するという慣例がないため、整備されていない項目も存在した。現状のルールで整備できない観点に関しては、現状ルールを逸脱しない設計が必要だと考える。 悩ましい課題としては「トレードオフ」問題もあると言う。メタバース空間のクオリティを高めようとすると、通信速度に対する配慮が必要になってくる。そもそも講演会は情報を提供する場であり、情報が届かないというのは本末転倒であるという本質に立ち戻り、どのくらいの通信速度であれば対応可能なのかという病院の通信速度情報調査などを地道に行い、実施へと至った。他にも、セキュリティとアクセシビリティや、データ収集とプライバシーなど、線引きを行うのは非常に難しい問題だが、目的に応じて見極めることが大事である。本質を見失わなければ、例えば「クオリティが低い」という声に対しても、正しく説明することができる。 一方で、通信速度問題などは技術的進歩により改善されることも見込まれるため、今後の環境変化に対応するための拡張性を持たせておく必要もあると述べた。 まとめとして、兒玉氏はジェフ・ベゾス氏の言葉を引用し「企画者として最も大事にしているのは、執拗なまでに顧客にフォーカスすること」だと述べる。 「なぜメタバースをやるのか」という問いに対し、信念をもって「こういった課題があり、それをこういった方法で解消できると考えているからです。」と言えることが大切であり、自身で進めているプロジェクトも「最終的に患者さんの価値につながる」と信じて取り組んでいると締めくくった。 PITCH、SEMINARのセクション終了後は、登壇者と聴講者を交えての交流会を実施いたしました。各セクションで出てきたテーマを掘り下げたり、事業連携について対話を行ったりとイベントの終了時まで熱気を帯びた盛り上がりが会場を包んでいました。 リトライブ株式会社では、今後も定期的に自社イベントであるBeaTRIBESを開催してまいります。 ご登壇や取材、会場提供などのご連絡、また次回開催イベントに関するご案内のご希望は、info@retribes.co.jpまでご連絡をいただけますと幸いです。 アステラス製薬株式会社 アステラス製薬入社後、9年間MRを経験。その後、営業戦略部戦略企画グループ、営業デジタルイノベーション室、営業戦略部デジタル企画グループを経て、現職に至る。主にXR関連のプロジェクトを中心に、企画立案、実行および運用に向けてプロジェクトをリードしている。 共催のDX王さんによるPITCHセクションの詳細レポートはこちらからご覧ください。イベント:『DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜』
PITCH:「DX支援企業の最前線」
「DX ✕ AI」株式会社デザインワン・ジャパン DX事業本部 岡田 博豊 氏
「DX ✕ サービス開発」株式会社Crew サービス開発部 五十嵐 公輔 氏
「DX ✕ AR/VR」株式会社Forgers 代表取締役 今泉 滉平 氏
SEMINAR:「製薬業界でのXRの取り組み 〜メタバース活用の可能性と課題〜」
営業DX部署の設立の目的
アステラスデジタルホール®プロジェクトの立案の背景
メタバースを活用することへの期待
メタバースなど新しい取り組みの推進における課題
顧客にフォーカスした企画づくりを行うことが重要
交流会・懇親会
まとめ
【BeaTRIBES byリトライブ「DX推進の現場〜先端技術の事業活用〜」】概要
セミナー登壇者プロフィール
営業本部 デジタルコミュニケーション部 デジタル推進グループ
兒玉 浩亮 氏
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