「便利なAIチャットボット開発のカギは、ユーザーを熟知すること」ジーライブ尾上宗玄が考える、AIが“第三の選択肢”になる未来
- [更新日]2023/05/29
- [公開日]2023/05/25
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目次
「便利なAIチャットボット開発のカギは、ユーザーを熟知すること」ジーライブ尾上宗玄が考える、AIが“第三の選択肢”になる未来
ChatGPTの登場以来、AIは誰もが身近に活用する技術となりました。特にAIチャットボット(自動会話プログラム)などのサービスは、問い合わせ対応を中心に多くの企業が導入をはじめており、注目のサービスとなっています。 人口減少に伴う採用難も続くなか、人力での対応コストを大幅に下げてくれるAIをなんとか業務に取り入れたいと願う企業は多いはず。とはいえ実際に使ってみると、求めているような返答がこなかったり、セキュリティ面から機密情報に扱えなかったりするなど、取り扱いが悩ましいのも実情です。 そこで今回は、顧客業務に特化したAIチャットボットを手がけるほか、システムの受託開発も行う株式会社ジーライブの代表取締役・尾上氏にインタビュー。自社で開発したAIチャットボットの事例を通じて、AIはどのように社会に影響を与えるのか、その展望をお話いただきました。 株式会社ジーライブ 代表取締役
PRページ:https://rekaizen.com/company/geelive
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お電話でのご相談は
03-6427-5422 ーーまず、御社はどのようなプロダクトを提供しているのですか? 弊社では現在、顧客業務に特化したAIチャットボットを開発しています。 従来のチャットボットは、あらかじめ登録されたフレーズに反応する仕組みで動いていました。たとえば、入力されたフレーズに「料金」という単語が入っていれば、料金に関連するFAQページを案内するような形です。したがって、登録されていないフレーズには反応することができませんし、漢字の変換が間違っていたり、誤字脱字があったりするだけでも、求める返信ができないことが多々ありました。 そこでジーライブでは、AIを活用した次世代のチャットボットを提供することにしました。このAIサービスでは、顧客業務についての教師用データ(AIを設定するためにあらかじめ与える、受け答えの正解例)を学習させることで、あいまいな質問や間違った漢字表記の質問でも、しっかりと自社オリジナルの回答をしてくれます。 具体的な活用事例としては、WebサイトやLINEの公式アカウントにお客様用の問い合わせとして埋め込むのはもちろんのこと、社内用のチャットボットとしても利用可能です。 たとえば、新しく入社した社員への教育プログラムがある程度固まっているなら、そのプログラムを教師用データとして学習させることで、人間の教育担当が対応するコストを削減できます。 ーー社内での教育にも使えるとは、驚きました。とても便利なサービスですね。 ありがとうございます。ただ、ここで強調しておきたいのは、AIは「導入して終わり」ではないことです。たしかに弊社のチャットボットは、従来型よりも精度が高い回答を返せます。しかし、ときには望ましい回答が思うように返ってこないケースもあります。 AIは、使いながら精度を高める、いわば「育てる」ものです。はじめから完成品を購入するイメージではなく、使いながらどんどん賢くしていくイメージで捉えておいたほうが、期待値のミスマッチを起こすことなくAIサービスと付き合えるでしょう。 ーーAIが普及すると、世の中はどのように変化するでしょうか?尾上さん個人のお考えを教えてください。 個人的に、昨今のAIブームにはすごくわくわくしています。たとえばプログラミングなども、「プログラムを書く」部分に関してはかなりAIがサポートしてくれるようになりました。この流れが加速すれば、人間の働き方や求められるスキルもどんどん変わっていくでしょう。
尾上 宗玄
大阪府生まれ。大手ITベンダーにてシステムエンジニアとして従事した後、2016年8月に株式会社ジーライブ設立。Webシステムやスマートフォンアプリケーションの開発業務を担う。
HP:http://geelive-inc.jp/
企画段階からのご相談も受付中!気軽に相談できるプロをご紹介いたします。
受付時間:平日10:00~18:30
AIは導入して終わりではない
あいまいな質問・誤字/脱字にも対応できる次世代AIチャットボット
AIは「育てる」ものとして考えるとうまくいく
AIが人の仕事を補助する役割に
AIチャットボットは検索の「第三の選択肢」に
とはいえ、人間がまったく必要ない時代はまだ訪れないとも考えています。世の中、意外と「人間に対応してほしい(人間と話しながらベストな選択をしたい)」ニーズがあるからです。それを踏まえると、おそらくですがAIは、人間による対応(フルサービス)と、ポータルサイトなどの利用(セルフサービス)の「中間」になるのではないでしょうか。
分かりやすいのは、旅行の予約です。AIが登場する前は、手数料を支払って人間のコンシェルジュに相談するか、ポータルサイトを用いて自分で検索して予約するかの2択でした。
ここにAIチャットボットが加わると、まるで友人に相談するかのように「ゴールデンウィークに、どこか暖かい国にいきたい。予算は20万円くらいかな」とたずねたり、AIの提案に対して「もうちょっと安く抑えられない?」などとリクエストできたりするはず。人間ほどの細やかさはないものの、セルフサービスよりは寄り添った対応をしてもらえるわけですね。なおかつ、24時間365日利用できるので、お忙しい方にもぴったりです。
世の中には多様なニーズがあるので、すべての要望をAIが解決できるとは限りません。しかし、このような棲み分けをするようになれば、全体としてはユーザーの利便性や快適度は向上するのではないでしょうか。
課題は責任の所在。誤った回答の責任は誰がとる?
ーーAIチャットボットが「第三の選択肢」になるという予測は興味深いです。そのような未来に向けて、現状の課題はありますか?
AIの課題として一番に挙げられるのは精度です。しかし、この点は学習量と技術である程度解決できます。
一方で解決しづらいのが、責任問題です。たとえばAIが「このプランには学割があります」とご案内したものの、実際には適用範囲外だった場合、お客様を激しくがっかりさせることになります。かといって毎回、損害を補填するなどして苦情対応をしていては、何のためにAIを導入したのか分かりません。
完全な解決策として決まったものがあるわけでは無いですが、「この回答はAIによって構成されています。回答は参考程度のものであり、詳しくはお問い合わせください」など、AIを利用しているという旨の注意書きをし、ユーザーにはそれを了承していただいたうえで使ってもらう。
もしくは人間のオペレーターを配置して、回答の文章をAIに考えさせ、送信自体は人間が行う。このようにして業務効率を上げていくことが、直近での対応方針になるのではないでしょうか。
AI開発、どうやって開発会社を選ぶべき?
前提としてAIは手段の1つとして考える
ーーいろいろな可能性のあるAIサービス開発ですが、開発会社に委託して開発を進める場合、どのような基準で開発会社を選ぶべきでしょうか。
まずはAIサービス開発だけでなく、システム開発のソリューションも持つ会社がおすすめです。AIはあくまで手段の一つであり、課題次第ではAIを使わずとも解決できるかもしれません。多様なソリューションを熟知し、課題を整理してベストな提案ができる開発会社に相談したほうが、本当に求めている課題解決に辿り着ける可能性が高くなります。
また、外部の開発会社に委託するということは、発注者側はシステムに詳しくないことが考えられます。そこで注目して欲しいのが、難しい用語を連発するのではなく、顧客に寄り添ってわかりやすく説明してくれる開発会社かどうかです。これは単純に、分からないことを分からない単語で説明されても、Yes/Noを正しく判断できないためです。
「関西弁で質問するユーザーも」実践経験豊富な開発会社への相談が吉
その上でAIサービスを開発しようと考えるのであれば、やはりAIサービスの開発経験が豊富な開発会社をおすすめします。AIに限らず、システム開発においては、類似の開発を多数経験していればいるほど知見が蓄積されるからです。
たとえば弊社では、AIの精度を向上させるべく、1つのライブラリだけではなく複数のライブラリを組み合わせて開発するなどの知見を蓄積しています。
気になるセキュリティ面に関しても、個人情報などの機密情報も取り扱えるような設計が可能です。運用に関しても、AIと人間のオペレーターが協働することを前提としたワークフローを提案できます。
さらに言えば、過去に制作したプロダクトの事例から、こうしたチャットボットでは「あいうえおかきくけこ」などの意味不明な質問を入力するユーザーが多いことなども把握しています。経験のない会社ですと、ユーザーが丁寧語で質問してくることを想定して教師用データを準備しますが、実際には話し言葉(口語)や関西弁でフランクにたずねてくるユーザーも多いんです。
こうした実経験に基づく肌感を持ち合わせたうえで対応策を練れるのは、やはり弊社がAIサービスを多数開発してきたからです。AIの可能性と限界をバランスよく認識し、質のよいシステムを開発するためにも、AIサービスの開発はそれを専門とした会社に依頼するのがベストですね。
取材:夏野かおる 執筆:林春花
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