「ChatGPTと既存のAIを掛け合わせることで可能性が広がる」Archaic横山淳が語る、ChatGPTを用いた新しいビジネスのカタチ
- [更新日]2023/05/15
- [公開日]2023/05/15
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目次
「ChatGPTと既存のAIを掛け合わせることで可能性が広がる」Archaic横山淳が語る、ChatGPTを用いた新しいビジネスのカタチ
2022年11月にリリースされたChatGPT。まるで人間のように自然な会話ができることで話題となっており、全世界で注目を集めています。 簡単な質問文を入力するだけで使い始められるChatGPTは、プログラミングの知識を持たないユーザーでも直感的に利用でき、求める答えを得られるのが魅力。企業からの注目度も高く、たとえば2023年5月6日には、レストラン検索・予約サイト「食べログ」にプラグインとして組み込まれ、「明日の19時に4人で入れる渋谷の焼肉屋さんを教えてください」などと問いかけるだけで簡単にレストランを予約できるようになりました。 このように画期的な活用事例が次々と登場するChatGPT。その動向を気にしつつも、いざ自社でとなるとどのように業務に取り入れればよいのか分からず、悩んでいる会社も多いのではないでしょうか。 今回はAIを組み込んだシステム開発を多数手がけ、ご自身もAIに関する研究者として活動している、株式会社Archaicの代表取締役・横山氏にインタビュー。ChatGPTの可能性やビジネスに取り入れるための考え方を伺いました。
株式会社Archaic 代表取締役社長 CEO
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03-6427-5422 ーー最近、Open AIが開発した自動応答チャット生成AI「ChatGPT」が話題になっています。AIに強みをもつ御社から見て、ChatGPTはどのようなサービスでしょうか? 本当に素晴らしいサービスだと思います。まるで人間のように自然な会話ができることで、AIが一気に身近になりましたね。 AIの歴史を直近で振り返ると、ディープラーニングによりAIの精度が向上したことがきっかけで、「第3次AIブーム」が巻き起こりました。このブームで生まれた技術は、メールフィルターのスパム検知などの形で日常生活においても活用されてきましたが、縁の下の力持ちとしての役割が強く、一般のユーザーにとって身近な存在ではありませんでした。 しかしChatGPTは、AIの専門家でなくても使え、分かりやすい形で「すごさ」を実感できます。それによって巻き起こっているムーブメントは「第4次AIブーム」と呼べるほど大きなものです。 事実弊社にも、これまでAIに関する取り組みをしてこなかったような会社からも、「ChatGPTを利用したい」という問い合わせが多く来るようになりました。このようなことがあると、ブームを実感しますね。 ーービジネスにおいては、どのような使い方が期待できるのでしょうか? 直近で多く寄せられる相談は、チャットボットの作成です。 従来のチャットボットは、基本的に「選択式」です。つまり、「相談内容を選択肢から選んでください」と投げかけて、「料金について聞きたい」などの選択肢を次々と選んでもらうことにより、必要な情報を提供する仕組みです。 この仕組みは、よくある質問であればうまく機能します。しかしニッチな質問をしたいときは「その他」を選ぶほかなく、チャットボット上で問い合わせが完結できないこともありました。企業サイドとしても、「このような問い合わせが来るだろう」というシナリオを階層構造で作り上げなければならず、大きな負担になっていました。 また中には、AIを利用してチャットでやりとりをするものもありましたが、日本語の文法が間違っていたり、うまく会話ができなかったりと、精度に問題がありました。 しかしChatGPTならば、過去の問い合わせのやりとりなどを学習させるだけでチャットボットの作成が可能になります。詳細なシナリオを想定する必要がありませんし、お客様からしても、「○○したい」とチャットで伝えるだけで、最短でゴールに辿り着くことができて便利です。 しかもChatGPTがすごいのは、ある程度ファジーな問いかけでも答えられることです。たとえばサービス解約において、「解約したい」というワードだけでなく、「やめたい」「解除したい」などのワードでも反応できます。日本語が間違っていたり、入力ミスなどがあったりしても、ある程度自分で判断できるだけのインテリジェンスがあるのは大きな強みです。 このほかにも、広告のコピーを大量に作成したり、記事を作成したりするなど、自動で大量に生成できることに可能性を見いだす企業も非常に多いです。今は限られた事例しかありませんが、いずれはありとあらゆるビジネスでの活用が期待できると思いますね。 ーーチャットボット以外ではどのような活用方法が考えられますか? ChatGPTと既存のAIを掛け合わせることで、さらに可能性が広がると考えています。実際に弊社では、過去に自社開発してきたAIとの統合による高度なAIシステムを4つ提供しています。 1つ目は、Video AIによる店舗データ解析。Video AIでは、店舗内のビデオデータからお客様の属性、性別、来店人数などの情報を抽出できます。しかし従来のVideo AIのみでは、そのデータをどう活用していいかを判断するのが難しく、場合によっては人間のコンサルタントが介入する必要がありました。そこでChatGPTを組み合わせたチャットシステムを提供することで、店舗のコンサルティング支援の自動化を可能にしました。 2つ目は、診断AI。医療現場での診断支援を行う診断AIをChatGPTと組み合わせることで、患者が気軽に自分の健康状態に関する質問をできる医療チャットシステムを提供します。患者の不安や疑問を解消し、医療現場の負荷を低減することが期待できます。また、患者の属性から、数十年後にどのような病気のリスクがあるのか、それを防ぐためにどんなことに気をつけるべきなのかのアドバイスも可能です。 3つ目は、需要予測AI。需要予測AIは、販売データや流通データ、市場調査などから、需要予測を行う技術です。これもChatGPTと組み合わせることで、これまで人間のコンサルタントが行ってきた経営アドバイスまでを自動化できるようになりました。 4つ目は、リコメンデーションAI。各ユーザーの過去の購入履歴や行動データ、アンケート回答などのデータから、それぞれに最適な商品を提案できます。また、ChatGPTの自然言語処理能力を活用することで、ユーザーごとに適切な紹介文を自動生成できるようになりました。 まとめると、従来のAIではデータを提供するだけで、具体的なアクションの提案は人間のコンサルタントが行う場合もありました。そのインターフェース部分をChatGPTに担わせることで、コストカットや効率化につながるのが、ChatGPT活用のメリットだと考えています。 ーーChatGPTを活用したビジネスはどれも魅力的ですが、これらは自社開発できるものなのでしょうか? ChatGPTをはじめ、AIはオープンソースのものが多いため、内製は不可能ではありません。ただ、現実問題としてビジネスに組み込むとなると、さまざまな障壁があるのも事実かと思います。 まずは精度向上です。よく知られていることですが、ChatGPTでは、同じ質問をしても毎回違う答えが返ってくることがあります。ときには間違った答えをもっともらしく返すことも。インターネットの情報を幅広く集めるという性質上、間違ったデータも取り込んでしまうためす。 実際に私たちが触ってみたところ、あるニッチな領域において、精度が高くないという結果が出ました。精度を向上させるためには、単に学習データを増やすのはもちろんのこと、データ取り込みの前に学習データが正確になるように前処理をするなど、専門的な知識が求められます。これは、一朝一夕で実践できるものではありません。 次に、セキュリティ面です。ChatGPTはクラウドで誰もが使えるサービスである一方、機密情報を載せることにはリスクもあります。企業によっては、規定により機密情報をクラウド上に載せないと決めている会社もあるでしょうから、開発・運用ともに神経を使いながらプロジェクトを進める必要があります。 ただ、今はChatGPTを追いかける形で、さまざまな大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)が誕生しています。中には、セキュリティ上も安心なローカル環境で使えるものもありますので、「どうせ無理だろう」とあきらめる必要はありません。たとえばAIに専門的に取り組んできた企業に開発を相談するなどして、実現可能な範囲を探っていくと良いのではないでしょうか。 ーーAIによるビジネスの可能性に期待が高まりますね。横山さんが考えるAIの可能性を教えてください。 月並みではありますが、AIアシスタントが一般化すると考えています。これまでもWindowsのCortanaなどのサービスはありましたが、精度が低く、人間のような会話ができるレベルではありませんでした。ChatGPTの登場により、こまごまとした情報を与えずとも、まるで同僚のように「先週のあの件、どうなった?」と聞けるような精度の高いAIが誕生すると良いですね。 さらには、AIによる心理的な影響にも可能性を感じています。たとえばコンサルティングをChatGPTで代行する事例について。人間はどうしても、同じ人間から指摘されると、落ち込んだり、反論したくなったりすることがあります。しかし、AIからの情報提供であれば、「AIがそう言うならばやってみよう」と肯定的に受け止められるのではないでしょうか。 ChatGPTの登場は、技術的な効率化はもちろん、働く人の心理的な負担を軽減するうえでも革新的な一歩となるかもしれません。ChatGPTに限らず、AIの可能性は無限大です。今後もさまざまなサービスが生まれるでしょうから、開発会社として新たな可能性を貪欲に探っていきたいと考えています。 取材:夏野かおる 執筆:林春花
横山 淳
立命館大学にて博士号取得(物理学)。ブリティッシュコロンビア大学数学科留学(2007-2008)。ITベンチャー(マザーズ上場)の創業に参画、独立行政法人に勤務後、エレクトロニクスメーカ、セキュリティベンダーにてR&D、及びAIの研究に従事。その後、ハードウェアベンチャー株式会社DIGIFLAの設立を経て、株式会社Archaicを設立。文科省国際的人材教育プログラム採択(2007)。The Society for Mathematical Biology Poster Prize受賞(2008)。Journal of Theoretical Biology論文審査官 (2012-2013)。論文、特許多数。
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