今までの大量生産・大量消費の経済システムでは「人は幸せにならない」コラボルトが語る、Web3で実現するサステナブルな未来
- [更新日]2023/08/30
- [公開日]2023/08/30
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今までの大量生産・大量消費の経済システムでは「人は幸せにならない」コラボルトが語る、Web3で実現するサステナブルな未来
ブロックチェーンやNFTなどで各業界から注目を集めるWeb3。非中央集権型の技術としてさまざまな可能性が示される中で、「分散型自立組織」であるDAOもWeb3に適した組織として注目されています。 従来の企業組織にとらわれない組織形態のため、まだまだ成功事例も多くない中で、果敢にDAOに挑むのがコラボルトです。同社は社会問題である地方創生の解決のため、海洋生物・環境の保全などをテーマにしたRefi(※1)プロジェクトを立ち上げ、Web3を活用し資金や人材を集めるという取り組みを行っていますが、実現までの道のりの中では「情報更新が間に合わない」など最先端技術を扱う企業特有の壁もあったといいます。 この記事では、株式会社コラボルト代表取締役・宮田照久氏に、コラボルトの歩みと実現したい世界、Web3の未来について取材しました。 株式会社コラボルト 代表取締役 宮田 照久 甲南大学法学部卒業後、日清食品入社。海外現地法人設立にあたってマーケティング、広告関連業務に従事した後、ギャガコミュニケーションズにて洋画の買い付け、国内版権セールスに従事。ホリプロでは映像制作事業部にてプロデューサー、CMキャスティング業務に携わる。2013年にコラボルトを創業し、現在はビジネスプロデュース・動画プロデュース・タレントキャスティングの3事業を営む。
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03-6427-5422 ——Web3以前はどのような事業をされていたのですか。また、Web3に携わるようになったきっかけも教えてください。 宮田:これまではタレントキャスティングや、ヘアケア・カラコンなどの広告制作といった広告・宣伝・PRを主業務として取り組んでいました。Web3に携わるようになったきっかけは、3年前に一般社団法人「つむぐつづる」を立ち上げた事ですね。 この社団法人は、私が4年前から入居しているWeWorkというシェアオフィスでのコミュニティを活かして「社会課題を解決する」ことをミッションに掲げたもので、現在は事業内容としてもコラボルトと連動した形になるよう事業形態を移行しているところです。 ——エンタメ関係のお仕事から、社会課題の解決という領域へ目を向けられた理由は何だったのでしょうか。 宮田:これまでは、日本や世界の大量生産・大量消費型経済の一端を担っていましたが、こうした資本主義の弊害として、地球温暖化をはじめとする環境破壊が顕著になっています。こうした状況下で仕事をするうちに、「大量消費」や「簡単便利」といったキーワードを追い求めても、人は幸せにならないと感じだしたことが大きな理由ですね。 社団法人のほうは社会課題解決の案件を受ける窓口にして、Web3の運用をコラボルトが担うという形で切り分けようと考えています。 ——社会貢献という領域で、あえてWeb3というテクノロジーで事業を立ち上げられた理由は何だったのでしょうか? 宮田:社団法人はさまざまな会社や人材の集合体なので、自社の社員ではないためピラミッド的なトップダウン型組織とは相性が悪いんですよ。そのため、メンバーがプロジェクトに対して自分事として参加でき、かつ行動したことに対して正当な対価を受け取れるという、フラットな組織形態を実現できる仕組みこそ、DAOで実現できるのではと思いました。 そのメンバーが参画したプロジェクト自体が価値を持てば、そこで発行したNFTに価値が生まれてお金が流通し回っていくという仕組み作りができます。そこの設計がうまくできればしっかりした対価が支払われるうえ、資金調達という意味でも将来性があると感じたのでWeb3に参入しました。 似たような仕組みとしてはクラウドファンディングがありますが、「クラファンの進化型」としてDAOを使えば、誰がどう貢献したかが明確に分かるような仕組みを実現できるかなと考えてますね。世界的に見てもこうした使い方の成功事例はないので、探りながらやっているところですね。 ——Web3を始められる際に「情報を集める」ことが大変だったというお話もありましたが、特にどのあたりが難しかったのでしょうか。 宮田:日々いろいろなサービスや技術が出てくるので、情報更新が追いつかない点が難しかったですね。そんな時に「Web3リサーチャー」と検索したらdemmpa社の情報が出てきたので、note経由でスタッフにアプローチしてもらい業務提携しました。 現在はdemmpaの三井さんから、今のWeb3ではどういうポイントが注目されていて、こういう使われ方をしていて、注目すべき業界はどこなのかといった全体の流れを教えてもらっています。 ——ビジネスの羅針盤として、非常に広い視点から大局観を教えてもらっているのですね。コラボルトでは月1回の企業向けセミナーをやっていると伺いましたが、このセミナーについても教えてください。 宮田:そもそもなぜこのセミナーをやっているかというと、一般企業がWeb3に適応していかなければ広まっていかないんですよね。なので、自分自身も学びつつそこも同時並行でやっていこうかと。セミナーに来ていただいている方も個人事業主から大手企業まで本当にばらばらですし、業種もメーカーや商社、印刷や広告など非常に幅広いです。 特に「どの商品にどういった素材が使われているか、どういう工場を経由して製作されたか」といった情報をブロックチェーン上で書き込んで証明できるトレーサビリティは、印刷やメーカーといったリアルの物を売る業界からの関心も高いです。 また、ブロックチェーンを活用して不動産の売買契約が自動化されれば、不動産仲介の企業が必要なくなります。そうなれば、ブロックチェーンなどのWeb3技術が使われていることは意識されることもなくバックグラウンドで動くことになるでしょうね。 ——そうした時代が到来する中で、非中央集権的なWeb3に対して分からないという企業も多いように感じます。 宮田:実際多いですね。「AIが流行ってるからAIで何かしたい」というときはAI使ってアプリ作ったらいいのかなといったイメージがわきますが、Web3はブロックチェーン、スマートコントラクト、非代替可能トークン(NFT)、分散型自律組織(DAO)など応用範囲が広い分野ですので、一概に「これが正解」とは言うのは難しいです。 いま最も話題となっている参考事例としては、スターバックスが提供している会員制ロイヤリティプログラム「スターバックスオデッセイ」ですね。アプリ会員がタンブラーの購入など何かアクションを起こすとNFTが発行されるという仕組みで、そのNFTを持ってるとスターバックスから優先的に情報を送られてきたり、割引チケットが送られてきます。 このような双方向のユーザーとメーカーのこのコミュニティでビジネスができるので、これまでのような広告媒体に出稿して宣伝するという仕組みから脱却できます。これからはファンマーケティングのような形で直接キャンペーンなどの情報をユーザーに伝えられますし、消費者側も直接企業とやり取りできるようになると思いますね。 ——Web3が当たり前になった時代において、広報やマーケティングの手法はどのように変化するのでしょうか。 宮田:これまでは、消費者のユーザーデータなどの情報は巨大プラットフォームに独占されていました。例えばGoogle広告を出すときにはサーチコンソールなどで消費者像を分析し、設定したペルソナに向けて施策を打つという形でした。 ブロックチェーンという技術の上に情報が乗っているWeb3がスケールしていくと、消費行動の対価として発行されたNFTが各ユーザーのウォレットに貯まっていきます。皆がウォレットを持つようになれば、ユーザーの嗜好や消費行動などをどの企業も見られるようになるので、プラットフォームがなくても直接広告や割引チケットを送れるようになりますね。 また、これからはデータの持ち主が企業から個人になるため、「誰にどのデータを渡すか」も全てユーザーが決められる時代が来るでしょう。データが個人に紐付いているぶん、「サービスが終了して全てのデータが吹き飛んだ」という事も防げます。 ——ユーザーが広告そのものを拒否することもできるようになるかと思いますが、マーケターはどのように集客などを行うべきなのでしょうか。 宮田:やっぱりファンマーケティングが大事になると思いますね。広告を受け入れてもらえるような関係性作りを構築するために、双方向的なコミュニティを作るという流れが主流になりそうです。 今までの広告や情報発信は企業から顧客への一方通行でしたが、逆にユーザーの方から意見が出て新たな商品ができるかもしれないですね。廃版になるはずだった商品が、「廃版しないでほしい」というユーザーのツイートがバズったことで再度生産ロットに乗ったという事例もありましたが、そうしたケースがより顕著になるでしょうね。 メーカーなどにおいても、今までの「大量生産して在庫を抱える」といった手法ではなく、ユーザーとの双方向でコミュニケーションをとる中で需要を把握するので、商品ロスも少なくなるためSDGsにもつながるでしょうね。また、数量限定品にしてすぐ売り切れるというケースも増えると思います。 ——コラボルトにおいても、そうしたマーケティングを展開されるのでしょうか。 宮田:実は挑戦したいと考えているものがあります。メーカーがリサイクルを推進するために、ヘアケアシャンプーなどのボトルを回収するポストを設けていますが、そこにボトルを入れたユーザーにNFTを発行するという取り組みです。 「地球にいいこと」をすると気持ちが盛り上がりますが、そうした精神的なメリットにとどまらず、何かの価値を享受する仕組みを作ることで、行動を後押ししていきたいんです。 その証となったNFTをたくさん持っている人にはメーカーもアプローチしやすいですし、仲間同士のコミュニティの形成にもつながります。私は、NFTの最大の特徴は「無形の価値を流通させること」だと思っているんですよ。この特徴をうまく活かせば、世の中の人が社会課題に意識を向け、積極的に行動する仕組みを作れるんじゃないでしょうか。 こうした狙いがあるので、月1回のセミナーについても、今後はファンマーケティング的なアプローチをしていきたいですね。企業・ユーザー・地球環境・社会に対して「四方よし」の世界が実現できるマーケティングはどうあるべきなのか、探究と議論を重ねていきたいところです。 ——Web3が発展していくにしたがって、世の中はどのように変わっていくのでしょうか。 宮田:まず、社会課題を解決するにあたって人や資金を集めるという点は、一般的な企業の仕組みと変わらないと思います。そうなると、ピラミッド型組織からフラットな組織へと、企業の在り方も変わってくるのではないかと思いますね。 今の世界は、これまでの「会社」という概念がどんどん変わっていく過渡期にあると思いますし、日本の場合は人口減少が進む中でさまざまな課題が噴出しているので、1人1人の能力をどういう形で分配していくかが大事になってきそうです。 日本ではまだフラットな組織への法人格が認められていませんが、アメリカでは一部の州で法制化の動きが出始めています。現在でもフリーランサーがさまざまなプロジェクトに関わっていますが、フラットな組織の法整備が進めばこうした働き方のすそ野も広がっていくでしょうね。これからの世界は、より自由度が高まっていくんじゃないかと期待しています。 ——そのような流れの中で、企業が早い段階からWeb3に触れておくメリットはどこにあると考えますか? 今のうちからWeb3に触れておけば、コミュニティで社会問題を解決するといった活動がやりやすくなったり、スケールしやすくなるという大きなメリットを得られます。先駆者として自分が実現したい世界を実現するためには、誰よりも早くノウハウを得ることがアドバンテージになりますね。 また、その企業がどういった形で社会貢献しているかといった視点は、消費者が企業を選ぶ際の基準となっています。特にZ世代以降の若い人ではこういった意識が高く、企業側もこの流れを感じ取って競争を始めています。こうした情勢のなかで、我々も新たなビジネスモデルを創出できるよう取り組んでいきたいです。 取材:夏野かおる 執筆:中島佑馬
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