DX導入のメリットとは?推進されている理由や課題について解説
- [更新日]2022/02/24
- [公開日]2022/02/24
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目次
DX導入のメリットとは?推進されている理由や課題について解説
多くの企業でDX化が推進されるようになり、DX化の成功事例も聞くようになってきました。その一方で、自社にDXを導入することのメリットを把握できていない人も多いのではないでしょうか。
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DX<はデジタル・トランスフォーメーションの略で、もともとは「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」という概念のことをさします。この概念は、2004年にスウェーデンの大学教授エリック・ストルターマン氏によって提唱されました。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
そこで今回は、なぜDXが国をあげて推進されているのかの理由やDXを導入するメリット、導入時に気をつけたい課題について解説します。
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1. DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
日本では、2018年に経済産業省が企業におけるDXの重要性を指摘し、DXを推進するためのガイドラインを取りまとめたことを出発点として、各企業がDX推進に取り組みはじめました。経済産業省のガイドラインではDXを以下のように定義しています。
この定義によると、DXの目的は次の3点です。
- 顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること
- 業務そのものや、組織、プロセス、企業文化、風土を変革すること
- これらの変革により、競争上の優位性を確立すること
この目的の達成のための手段が、「データとデジタル技術の活用」になります。
DXと「IT化」の違い
これまでのIT化とDX化では、その目的が異なります。IT化は、業務の効率化を目的として、IT技術を活用した作業の自動化、効率化、情報の見える化・共有化などを推し進めてきました。
DX化は業務の変革を目的として、IT技術を活用した業務そのものの自動化・不要化、意思決定方法の変革、組織構造の変革を実現しようとしています。さらにDX化では新規顧客の創出やビジネスモデルの変革、新規事業分野への進出といったビジネスの変革が期待されています。
2. DXが推進されている理由
DXが推進されている理由として、これまでの事業の継続では市場競争で生き残れないという強い危機感があります。
ここからは、具体的な背景を解説します。
「2025年の崖」問題
「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年に発表したDXレポートで提起した問題の名称であり、具体的には次の課題をさします。
- 現在多くの企業で使われている既存システムは複雑化、ブラックボックス化といった問題を抱えており、2025年頃にはビジネスに耐えられなくなる
- DX化による既存システムの刷新ができなければ2025年以降の5年間での経済損失が12兆円にのぼる
この「2025年の崖」問題の提起を起点として、DX推進ガイドラインの策定など国をあげてのDX推進の動きが加速しています。
消費行動の変化
消費者の行動の変化もDX化推進の理由の一つです。インターネットやスマートフォンの普及により、Amazonなどの大手ECモールや、Uber、Airbnbのようなシェアリング・エコノミーが発展しています。
これらの企業は、インターネットやスマートフォンによる消費者行動の変化をうまく捉え、時には行動の変化を促すことで、既存の事業からユーザーを奪い取ることに成功しました。
既存の事業者は、インターネットやスマートフォンを中心とした現代の消費者の行動に合わせてデジタル化を行わないと、市場で生き残れないという状況に気づき、市場での生き残りを図るためDX推進に取り組みをはじめています。
テレワークの普及
コロナ禍によるテレワークの普及もDX化を推進する理由の一つです。テレワークが普及したことで、リモートで顧客とつながって商談や契約を行えるシステムが一気に広がりました。
テレワークを行う中で紙とはんこによる書類の処理が大きな課題となったことで、電子書類や電子はんこといったデジタル文書の利用が進んでいます。
3. DX導入の4つのメリット
DX導入にはさまざまなメリットがあります。特にビジネス効果が大きい4つのメリットを解説します。
生産性の向上につながる
DX導入により複雑化したレガシーシステムを刷新することで、顧客や商品、在庫の情報について部門を超えて共有できるようになったり、AIやRPAによる省人化などが可能になったります。これにより、既存の企業が抱えている課題の多くが達成され、生産性が向上します。
テレワークの導入によるテレビ会議システムの普及、ペーパーレス化、リモート営業システム導入といったDX化は、社員の働き方改革にもなりました。社員が個々の事情に合わせて働く場所や時間を自由に選べるようになり、働き方によりいっそうの多様化がもたらされます。
企業が社員の働き方の多様化に合わせて就業制度や組織構造の変革を行うことで、さらなる生産性向上も期待できるでしょう。
新たな商品・サービスの開発につながる
DX化によって、SNSなどから得たビッグデータを分析することで、これまで気が付かなかった顧客のニーズを発掘できる可能性があります。継続的なデータ分析によって消費者のニーズの移り変わりをリアルタイムに捉えて、ビジネスに反映させることも可能です。
このように、DX化によって既存とは違う新たな商品やサービスの開発・提供につながると行ったメリットが期待できます。
レガシーシステムのリスクを回避できる
「2025年の崖」問題として提起されているように、多くの企業のレガシーシステムは限界を迎えようとしています。
今、DX化によってシステムを刷新することができれば、レガシーシステムを使い続けることで発生するシステム維持費の高額化や、災害時のデータ消失といったリスクの回避が可能です。2025年までにDX化を実現してレガシーシステムのリスクを回避することができれば、2030年までに実質GDP130兆円を超えられるという経済産業省の試算もあります。
BCP(事業継続計画)対策になる
BCP(事業継続計画)とは企業が広域災害や大火災、テロ攻撃などの緊急事態に見舞われた際に、事業への損害を最小限にとどめて早期の事業復旧を図るために、取るべき手法や方法を取り決めておく計画のことです。
DX化により、事業資産であるデータの物理的な分散やバックアップ対策、テレワークによる労働力の分散化ができていれば、広域災害などによるダメージを最小限に抑えてスムーズな事業復旧が可能になるというメリットがあります。
4. DX推進の5つの課題
DX化を推進するにあたって、多くの企業が抱えている課題を紹介します。
DX化の目的や経営戦略が不明瞭
他社の成功事例をまねてDX化に着手したのは良いが、目的や戦略が不明瞭だったために、ただデジタル技術を導入しただけで取り組みが終わってしまったという事例も多いのではないでしょうか。
DX化を成功させるには、自社の現状把握と課題の洗い出しを十分に行い、課題のどこをDXで変革するのか、どうやって変革するのかといった目的や戦略が明確なっていることが重要です。
成果が出るまでに時間とコストがかかる
DX化は、成果が出るまでに時間がかかります。DX化の推進にあたっては、長期的にDX化の予算枠を確保しておくことが不可欠です。しかし、DX化は最初にその投資規模を見積もることが難しく、最初からゴールを見据えた予算枠を確保することは現実的ではありません。
DX化の予算は、成果が出るまでに時間がかかることを念頭に置いて一定の予算枠を確保しつつ、短いサイクルで予算の拡張、縮小を判断していく必要があります。
レガシーシステムからの脱却が難しい
DX化を進める中で、現在の業務の中核をなすレガシーシステムを刷新するのが難しいケースもあります。そのような場合には、レガシーシステムの機能を細分化し、段階を踏んで少しずつ移行していく必要があります。
段階的な移行は、通常業務に支障が出ないように慎重に行う必要があるため、時間がかかることも考慮しておきましょう。DX化を成功させるには、時間を掛けてでも複雑でブラックボックスが多いレガシーシステムから脱却し、一貫性のあるシステムを構築することが必要不可欠です。
DX化を担う人材の確保・育成が必要になる
DX化を担えるスキルを持ったIT人材の確保ができていない企業は多いのではないでしょうか。しかしながら、IT人材の育成には時間がかかります。
DX化をスムーズに推進するためには、人材育成と並行して即戦力となるIT人材の中途採用も必要です。今後さらにDX化の動きが広がるとITスキルを持った人材の争奪戦が激化することが予想されます。どうしてもIT人材を確保できない場合は、DX化の推進を外部委託するのも一つの手段です。
社内全体でDX化に取り組む必要がある
DX化は社内全体で取り組む必要があります。しかし、担当や役職などによって、DX化に対する温度差はさまざまです。
DX化の重要性を理解して積極的に進める意識がある人もいれば保守的な人もあり、中には組織風土が変わってしまうことに反発する人も出てきます。DX化を成功させるには、社員全員がDX化の重要性を認識し、自分ごととして取り組めるような意識変革を行うことが何より重要です。
そのためには企業トップやDX推進担当による啓発や対話を重ねたり、勉強会を開催したりして全社員の意識を統一していく必要があります。社員の意識変革がDX化成功の第一歩であり、すべてのベースとなります。
5. まとめ
DX化のさまざまなメリットやDX化推進でよくある課題を解説してきました。これから先、市場での競争力を維持して事業を継続していくには、DX化による変革は避けて通れません。
自社の課題とDX化のゴールを明確にして、全社一丸となってDX化に取り組みましょう。DX化を推進できるIT人材が確保できない場合には、DX化の推進を外部委託するのもおすすめです。ビジネスマッチングサイトの『リカイゼン』を利用すれば、DX化推進のプロであるDXコンサルタントを無料で探すことができます。
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