インダストリー4.0とは?基本概念と本質的な狙い、IoTとの違いまとめ
- [更新日]2020/11/18
- [公開日]2019/05/30
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目次
インダストリー4.0とは?基本概念と本質的な狙い、IoTとの違いまとめ
ドイツで提唱され、積極的に基盤づくりが進んでいる「インダストリー4.0」。インターネットおよびスマートフォンの普及によって、より個人のニーズがフィーチャーされるようになりました。それまでの同じ製品の「大量生産」が、ニーズに合わなくなってきているという意味でもあります。今回は、インダストリー4.0の基本的知識と合わせてその狙い、IoTと何が違うのかについて解説します。
インダストリー4.0とは、ドイツが2011年に提唱した第4次産業革命のことを言います。その本質は、製造業のデジタル化にあり、全バリューチェーンの設計から製造までをシームレスに行うためのプラットフォーム実現になります。そうするために、あらゆる技術や人、システムを連携する必要があります。これらをドイツでは、「スマートファクトリー(考える工場)」というコンセプトが打ち出されています。 1785年にさかのぼりますそれまで人力や馬力、風車や水車で行なっていた作業を、上記の力を利用して機械化した動力の革命で、「蒸気機関の発明」が始まったとされています。 第二次産業革命は、1865年頃からイギリス、ドイツ、アメリカを中心に始まりました。この時期は、重工業の技術革新、電気利用が実現しました。また、フォードではベルトコンベア方式を導入したことで、一つの製品を大量に生み出す大量生産方式の基本が完成したのが特徴です。 第二次産業革命に続くように第三次産業革命では、ソフトウェアを用いた「自動化」の革命と位置付けられます。生産設備の制御をプログラム可能なソフトウェアで実現したことで、画期的な発明とされました。 ドイツが提唱したインダストリー4.0は、本質的なものはどこにあるのでしょうか。それは「製造業のデジタル化」と言われています。ドイツはもともと製造立国として世界の製造業を牽引してきました。ただ、昨今の世界情勢を見たときに、ITを武器とした新しいビジネスモデルを創出するアメリカ、一方で安価な労働力と最新技術に投資できる中国が出てきており、競争力を保ち続けるために何をすべきなのかが大きな課題と言えました。そこで出てきたのがインダストリー4.0というビジョンになります。そして、そのコンセプトとして「スマートファクトリー」の実現を出しております。 工場内のあらゆる機械設備や管理システムをインターネットに接続して、製造プロセスの円滑を図り、効率的に高付加価値の商品を大規模生産するための仕組みを、スマートファクトリーと言います。 まず、ダイナミックセル生産について説明します。 ダイナミックセル生産を推進し、進化させていくことで、最終的にはそれぞれ仕様が異なる製品の生産に対応できるようになります。それは、コストを増大させないやり方で実現できるのでインパクトが大きです。とてもタイムリーに、多様な顧客ニーズに対応した製品を「1ロット」から生産して市場に提供できる製造手法を「マスカスタマイゼーション」と呼びます。これは、大量生産の「マスプロダクション」と受注生産の「カスタマイゼーション」を組み合わせた造語です。 インダストリー4.0では、センサーネットワークを使って取得したデータをクラウド上のシステムで分析され、サイバーフィジカルシステムによってものづくりを進化させることを目指しています。 インダストリー4.0は、IoTと何が違うのか?と思われることも少なくありません。その違いについて説明します。 ここまで、インダストリー4.0について具体的にどのようなものなのか、そしてIoTとの違いについて解説してきましたが、いかがでしょうか。インダストリー4.0とは
インダストリー4.0までの歴史を振り返ってみます。第一次産業革命
第二次産業革命
第三次産業革命
インダストリー4.0の狙い
スマートファクトリーとは
工場をスマート化するためには、IoT、ビッグデータ、AI、産業用ロボットの活用が欠かせません。そして一連のサプリあチェーンのネットワーク化をする必要があります。IoTやロボットなどの先進的技術を活用してネットワークでつながる工場というのがスマートファクトリーの骨子とされています。
では、具体的に実現することについて解説します。ダイナミックセル生産の実現
製造では、ライン方式とセル生産方式というのがあります。ライン方式は流れ作業になりますが、セル生産は一人から数人の作業員が一つの製品を組み立てる方式です。部品や工具をU字型に配置したセルと呼ばれるラインで生産することから、セル方式と呼ばれています。
セル生産では、それぞれのセルが独立したラインとみなせるので、多品種少量ずつの生産が可能です。需要に応じてセル増減が可能かつ、既存設備の手直しが容易です。
スマートファクトリーでの少量多品種、高付加価値生産の大規模生産を実現するには、このダイナミックセル生産方式が必要として考えられました。
ダイナミックセル生産は、ライン生産とセル生産の良いとこをとって進化させた生産方式とされています。ダイナミックセル生産では、数種類にライン工程を分類して、各工程で組手作業を行うロボットが、クラウドにある情報などを現場の作業者とリアルタイムに交換しながら最適化された数、種類の生産を進めることです。マスカスタマイゼーションアピール
マスカスタマイゼーションが実現できると、ニーズによって仕様が変わるそれぞれの製品が、スピーディでスムーズに生産することが可能になります。これは消費者にとって、オーダーメイド商品が安価でスピーディーに手に入れることができるということになります。サイバーフィジカルシステム(CPS)によるものづくり進化
センサーネットワークとは、データを計測する複数のセンサーが相互に接続されたネットワークのことを言います。フィジカルとは実世界のことで、サイバーフィジカルシステムとは、実世界とサイバー空間のシステムを連携させることです。
このようなインフラが整うことで、設計、開発、生産に至るまで、あらゆるデータが蓄積され分析することで、自律的に動作して消費者へ届けることができます。IoTとインダストリー4.0の違い
IoTは、モノのインターネットで、モノがインターネットにつながることによってアクションを起こす仕組みのことです。IoTでは、基本的にモノとインターネット間で情報をやりとりします。
一方のインダストリー4.0では、モノとインターネットに加えて、モノとモノが繋がります。そして、それらの集合体と業務プロセス同士が繋がって情報交換します。複雑な連携によって、最適化された生産体制を維持しつつも自律的、自動的に稼働できるように実現するのが、インダストリー4.0への取り組みです。
ドイツでは、インダストリー4.0の基盤づくりが積極的に行われています。日本でも、その取り組みに似た仕組みづくりへの試みが始まっています。まとめ
製造業分野は、消費者からはなかなか見えない部分であるので分かりにくい部分も多いものです。しかし、個人のニーズに合わせた製品が安価でスピーディーに手に入れられる時代が来るのであれば、それは頼もしいことです。インダストリー4.0の基盤づくりが完了し、あらゆる分野へ展開されてきたときには、様々な業界でイノベーションが起きているかもしれません。
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