次世代通信規格「5G」の基礎とメリット・デメリット、伸びる業界まとめ
- [更新日]2021/07/29
- [公開日]2019/05/29
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目次
次世代通信規格「5G」の基礎とメリット・デメリット、伸びる業界まとめ
次世代通信規格「5G」について、日本のみならず海外の通信業者も積極的に案内をするようになりました。5Gが始まれば、これまでの通信の概念や利用範囲などが全く変わってきます。それは、どのような業界にどのようなインパクトがあるのでしょうか。ここでは、5Gの基本的概念、5Gになるまでの背景、そして5Gになることによる業界変化について解説します。
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第五世代移動通信システムを、5G(ファイブジー)と言います。5Gは、5Th Generationを略記したもので、1G、2G、3G、4Gに続く無線通信システムです。
5Gは2020年3月に商用化がスタートしました。各携帯キャリアでもサービスが開始され、利用者は徐々に増えています。そして5Gの普及によって、多くの業界で新たなビジネスチャンスがあると予想されています。ここでは、いくつか紹介します。
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5Gのメリットは複数存在していますが、その中でも特に目立ったメリットとしては下記の4つが挙げられるでしょう。
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1. 次世代通信規格「5G」とは
5Gとは
改めて、各世代の移動通信システムの発展経緯を振り返ります。
第一世代(1G)は、80年代から90年代にかけての「アナログ無線技術のモバイルネットワーク」が、最初の携帯電話でした。その頃、日本、米国、欧州の地域別に技術開発が進められていました。
無線技術のデジタル化が進んだ90年代は、デジタル無線技術を用いたモバイルネットワークが標準化されました。デジタル無線による携帯電話システムが第二世代(2G)になります。
無線技術がデジタルになったことで、メールをはじめとした携帯データ通信が本格化します。1999年には、NTTドコモがiモードを開始しました。各種情報提供やインターネットメールを携帯電話で行えるようになり、携帯データ通信の利用が一気に広がりました。
一般的に携帯電話が普及することで、ユーザたちは「高速化」を求めるようになります。そこで、3Gのコア技術となる「CDMA(Code Division Multiple Access)」が商用化されます。
また、1Gと2Gでは地域ごとに別々の技術で商用サービスが始まったことで、1台の携帯電話を別の地域、つまり世界中で使うことができませんでした。この問題を解決するためにITU(国際電気通信連合)が標準化を始めました。これが3Gになります。また、3G時代には10〜20bpsクラスの高速化技術が実用化されるようになりました。
3G時代で技術進化が進むなか、4Gという表現がされるようになりました。2012年、「4Gサービス」が登場することになります。
そして現在、5Gのサービスが開始され、5Gのターゲットは「2020年代を支えるモバイルネットワーク」とされており、多様な場面とニーズに対応できるように考えられています。これまで4Gは「スマートフォン」のための技術色が強かったですが、5Gに関してはすべての端末、すべてのアプリケーションのための技術と捉えられています。
実際にはVR、車の自動運転、遠隔医療など様々な最新技術に採用されると見込まれています。いずれも5Gが導入されることでさらに便利になったり、サービスの質が向上したりするものばかりです。5Gがこれからの暮らしに欠かせないものになる日も遠くないでしょう。
5Gの特徴
5Gは、「超高速」と「多数常時接続」を同時に実現可能です。この技術は、データを大量に扱う必要のある「IoT」の基盤となることに期待が持たれています。
IoTは、あらゆるモノがインターネットに繋がるのですが、中でもロボットの効率化、高度なコントロールが可能になると言われています。IoTではAIとの関係性が深いですので、大量データを瞬時に送り高速処理対応が必要になります。
自動運転システムが一つの例としてわかりやすいです。自動運運転システムは、通信の遅延によって命取りになることが多いに考えられます。時速kmで走行中の自動車がある場合、停止指示が0.1秒遅延することで、約1.7メートル走行して停止します。急ブレーキが必要な状況では、とても危険でぶつかる可能性が高いです。
そこで5Gでは、転送遅延が1ミリ以下に抑えられることと、基地局間の通信や端末のデータ処理改善が進むことで実際に自動車を運転しているのと変わらない感覚で操作ができるようになると考えられています。
自動車は、個々の車載センサーとデータのやりとり、高精細な地図情報や映像の送受信には、超高速性と多数同時接続性が必須になります。それらが5Gでは対応可能と言われています。
そのほか、5Gの普及によってスマホ機能も向上します。2021年に開催をひかえる東京オリンピックの大規模スポーツイベントでは、スタジオに集まる多くのユーザ端末に向けて、リアルタイムにマルチアングル映像を再生できるサービス提供が想定される中、5Gの技術は必要不可欠になっています。5Gの技術によってよりスポーツ観戦が白熱することが予想されます。
このようにあらゆる分野において、超高速化、大容量化、多数同時接続化の技術による産業発展は未知のポテンシャルを持っていると言っても間違いではありません。これからの世の中ではさらにIoTやインターネットの普及が進むと考えられているので、5Gは必要不可欠なものになるでしょう。
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2. 5Gのメリット
いずれも5Gならではのメリットとなっており、高い効果を発揮します。ここからはそれぞれのメリットについて詳しくご紹介するので、5Gのメリットをさらに細かく学ぶ際のご参考にしてください。
大容量化、高速通信化
5Gでは、最大通信速度(下り)の目標値は20Gbpsとしています。2010年当時の4Gと比較してみると約100倍、2019年春にサービスを開始したNTTドコモ「PREMIUM 4G」と比較しても約20倍の速さを誇っているのが特徴的です。
実際に「高速大容量」が実現できるのは「Massive MIMO」というアンテナ技術の存在が大きいです。高周波数帯において、数十から数百のアンテナ素子を利用することで、大容量のデータ送信を可能とします。
また、この技術に電波を細く絞り、特定の方向へ発射する技術「ビームフォーミング」を組み合わせることで、電波の強度を上げ、遠距離での高速通信を実現できます。そのため、さらなる高速大容量が可能となっているのがポイントです。
低遅延化
医療用途関係は、自動運転以上の低遅延性能が要求されます。無線利用で1ミリ秒以下の伝送速度が要求されます。そこで、5Gはデバイスとサーバーの物理的な距離を縮め、低遅延をなくす「エッジコンピューティング」を用いた低遅延性能を備えているのが特徴的です。
エッジコンピューティングでは、デバイス→基地局→基地局の近くに設置したサーバーと通信経路が短くなっているので、遅延しづらい環境になっているのです。そのため、低遅延通信が必要となる設備などでも安心して5Gを導入できます。
超多数端末同時接続
5Gでは、通信基地局から同時接続可能な端末数が1キロ平米あたり100万個とされています。この数値はLTEの10倍に相当します。実際にこの超多数端末同時接続を可能にしているのが「グラント・フリー」という技術です。このグラント・フリーは、デバイスと基地局の通信をシンプルにし、デバイスの同時接続数が増やすことが可能な技術となっています。
グラント・フリーの技術では、基地局の事前許可が無くてもデータを送信できます。これによって通信の混雑を避けて、1つの基地局に多くのデバイスが同時に接続できる環境を構築します。そのため、5Gでは超多数端末同時接続が可能となっているのです。
低コスト、省電力化
現状、社会全体的に電力消費は増加傾向にあるため、通信運用コスト削減のためにも省電力化は重要な要素になります。そこで実際に5Gでは4Gよりも高効率で運用できる・高周波帯域となっており、同じ消費電力でより高い通信能力や、処理性能を得られるというメリットがあるのが特徴的です。
ただ、さらに低コスト、省電力化を目指すためにどの携帯キャリアでも5Gのコストを減らそうとしている動きが見られ、これからさらに低コスト、省電力化が進んでいくとされています。
その他
5Gの高速通信速度は、現在のLTEの1,000倍の通信速度に達するため、動画配信やインターネット利用が今よりも格段に快適になります。現在、トラフィックの増大に伴うネット遅延や障害が発生することがありますが、5Gでは通信の大容量化が実現できるので、それらの問題は削減できます.
同時接続可能端末すうが100倍になると言われていますので、例えば数万人が集まるようなドームのような場所でも快適に通信ができるようになります。また、IoT等の対応も可能になります。低遅延化、高信頼性によって自動運転の精度が向上します。また、医療分野では遠隔治療、遠隔手術なども可能になります。
5Gの通信速度は、これまでとは違う圧倒的な速さを実現します。現在の4Gネットワークの約1000倍の速度を持つと言われています。そして、5Gに求められている要件が主に4つあります。それは、「大容量化・高速通信化」「低遅延化」「超多数端末の同時接続」「低コスト化・省電力化」になります。
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3. 5Gの課題・デメリット
5Gはメリットが目立ちますが、同時に課題点が複数存在しているのも事実です。特にセキュリティ問題や普及率に関する問題は無視できません。そこで、ここからはそれぞれの5Gの課題について詳しくご紹介します。いずれも5Gを活用する上で非常に重要なポイントとなるので、必ず確認しましょう。
セキュリティ問題
スマホ以外のインターネットへの接続機器が増えることで、その分のセキュリティ対策が問われることになります。情報社会が発展していくにつれてサイバー攻撃や悪質な詐欺業者など、ユーザにとって危険な存在が触れているのが事実です。そのため、5Gが普及してその分、多くのユーザが増えれば外部から攻撃を受ける可能性も高まります。
そこで、セキュリティ機能の高いIoT機器を採用し、パスワードを徹底管理するなどの対策が必要となります。また、ファームウェアのアップデートでの対策などユーザを守る対策が今後も求められていくでしょう。
普及率の問題
古い端末では、5Gに対応できない可能性があるため、5G普及には端末の買い替えが必須になる可能性が高いです。
一般的なインターネット接続では現行のLTEで十分なシーンも多いため、5Gの認知、普及へは時間を要するのかもしません。そこまで通信速度にこだわりが無く、最低限ネットが使えればいいという方にとってはそもそも必要が無いということもあり得ます。
また、5Gが利用できるエリアも限られているということもあり、エリアを今後さらに拡大する必要があります。ただ、利用エリアの拡大スピードもまだ不明瞭なことが多いのも事実です。こういった課題が複数あるので、5Gの完全な普及は今後も時間がかかるでしょう。
4. 5Gの用途
5Gの様とは様々ですが実際にはB2B領域とB2C領域に分かれているのが特徴的です。ここからはそれぞれの5Gの用途について詳しく解説します。5Gの用途をより細かくイメージする際のご参考にしてください。
B2B領域
B2Bの領域であれば、医療、産業、工場などの分野でIoTデバイスの広がりが考えられるでしょう。遠隔医療やオンラインを通じたデジタル人材の派遣など、様々な分野で5Gの高性能な通信が活用されることが予見されています。
今までの通信速度では不可能だったより繊細なコミュニケーションが可能となるので、実際に対面しているのと変わらない形でビジネスを進めることができます。まだ、どのくらい普及するかは不明瞭なところも多いですが、B2B領域でもビジネスの加速のために5Gの技術は積極的に導入されていくでしょう。
B2C領域
B2C領域では5Gの高性能な点を活かしたVR,AR,MRなどのXR技術とのコラボが期待されます。デジタル空間をより鮮明に表現し、リアルタイムで現実とリンクするデジタルツインなどが具体性を帯びます。ゲーム、映画などのエンターテイメント業界やエンタメ要素をあわせたキャンペーン企画、イベントなど様々な分野においてXR技術が導入されることが予見されます。
そのため、今後いかに5Gを活用したリッチな体験をユーザに届けられるかがB2C領域での鍵になるでしょう。
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5. 5Gの基礎まとめ
ここでは、次世代通信規格「5G」についての基本と、これまでの規格変化のポイント、そして期待される業界などを解説してきましたが、いかがでしょうか。
各国の通信業者も、大きなポテンシャルを持つ5G対応について動いています。消費者がすぐに実感できるのは、スマートフォンサービスかもしれませんが、あらゆるサービスが提供され始めると、これまでとは格段に違う通信技術に恩恵を受けることになります。これからの新事業創出・マーケティングにうまく活用していきたいですね。
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