リレーショナルデータベースのメリット、用途を紹介

近年ではマーケティングなどにビッグデータが活用されることが多く、どんどん身近なものになってきました。
そこで、データを管理するデータベースの1つとして多く活用される「リレーショナルデータベース」というものが存在します。

そこでここからはリレーショナルデータベースについて詳しく解説します。
定義や特徴、リレーショナルデータベースで使用される言語についても記載しているので、これからリレーショナルデータベースへの理解を深める際のご参考にしてください。

1. リレーショナルデータベースとは

リレーショナルデータベースの定義

リレーショナルデータベースとは、RDB（Relational Data Base）とも呼ばれ、データ管理方式の一つです。また、その方式に基づいて設計されたデータベースのことを指します。日本語では「関係データベース」と呼ばれることもあります。中小規模のデータベースでは最も一般的な方法です。

リレーショナルデータベースは、テーブル内のデータを直感的に表すモデルとなっているため、使いやすいことがポイントとして挙げられます。そのため、多くの企業で採用されているのが特徴的です。

また、リレーションデータベースは安全性も高いことから、eコマース・トランザクションの処理、大量の顧客情報の管理などに活用されることも多くなっています。

リレーショナルデータベースの特徴

リレーショナルデータベースはデータ構造を複数の表形式で持ち、相互に関係のある表は関係付けで結合して（リレーション）利用できます。これにより、ディスク領域の無駄や更新の手間を省くことができます。

データベースが登場した初期には、すべてのアプリケーションが独自の構造でデータ保存を行っていました。そのため、データを使用するアプリケーションを構築したい場合は、必要なデータを見つけるために特定のデータ構造を細かく理解している必要がありました。

これらのデータ構造は非効率的かつ、保守が難しく、優れたアプリケーション・パフォーマンスを提供するように調整するのが難しい側面があったのも事実です。そこで、リレーショナル・データベース・モデルは、複数の任意のデータ構造の問題解決を図るために設計されました。 このような使いやすさや利便性の高さの面から、リレーショナルデータベースは現在最も広く利用されています。

リレーショナルデータベースで使用される言語

リレーショナルデータベースで使用される言語としては「SQL」が挙げられます。
SQLは、「エスキューエル」という呼び方以外にも、「シークェル」または「シーケル」という呼び方があります。1970年代にIBMが世界初のリレーショナルデータベース管理システムである「System R」を開発しました。その操作を担う「SEQUEL（Structured English Query Language）」が、現在のSQLのベースとされています。

SQLはデータベース言語の中で普及率の高い言語となっており、データベース上でデータ、データベースを制御する役割を担うのがポイントです。ユーザーやシステムからのコマンドを受けてリレーショナルデータベースに問い合わせを行い、結果を返します。

また、SQLの特徴としてはデータベース言語としてISO（国際標準化機構）で規格化されていることが挙げられます。そのため、一つのデータベース用のSQLを覚えたら、他のリレーショナルデータベースで同じように利用することが可能です。

SQLはプログラミング言語と混同されて考えられてしまうことが多いですが、実際にはデータベース言語なのでほぼ別物です。SQLはデータベースに対してしか命令することしかできないので、プログラミング言語と違って用途が限られています。あらかじめ混同しないように違いを理解しておきましょう。

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2.　リレーショナルデータベースのメリット

ここまではリレーショナルデータベースの概要や特徴について解説しましたが、実際には多くのメリットが存在します。
リレーショナルデータベースの具体的なメリットとしては下記のものが挙げられるでしょう。

• 複雑なデータの関連性を扱える
• データ処理の一貫性が保てる
• 条件づけ検索ができる

複雑なデータの関連性を扱える

リレーショナルデータベースでは複数テーブルによってデータベースを構成しているので、複雑なデータの関連性を扱うことができます。そのため、複雑なデータを扱う場合でもSQL 言語を用いればより効率的に処理可能です。

また、複数の表を組み合わせることでさらに複雑なデータの取り扱いを行うことができます。したがって、より高度なデータの取り扱いや処理を行いたいという場合にリレーションデータベースは非常に便利です。

データ処理の一貫性が保てる

リレーショナルデータベースのメリットとしては、データ処理の一貫性が保てることも挙げられます。
リレーショナルデータベースではデータベースの処理が正常に行われた場合は結果が表示され、処理が正常に行われなかった場合は処理前の状態に自動的に戻る仕組みになっているのが特徴的です。

リレーショナルデータベースの処理において、エンドユーザーは確認できず、結果のみを確認する事ができます。また複数のテーブルを連結してデータベースを構成する事で、データの追加・削除・更新といったデータ処理の一貫性が図ることが可能です。

データが煩雑にならずに済むので、より効率的にデータ処理を行うことが可能です。データ処理を加速してさらに効率化したい場合に非常に便利と言えるでしょう。

条件づけ検索ができる

リレーショナルデータベースでは条件づけ検索を行うことができるのも特徴の1つとなっています。条件づけ検索を行えるということは、重複を避けて検索できるということなので、非常に便利です。

条件を指定して、それに適するものだけを抽出することができるので効率よく検索を行えます。普通のデータベースで同じデータが複数保存されている場合は、検索をして表示される量も増え、検索結果も複数該当してしまいます。

そのため、検索における効率性を重視する場合は、リレーショナルデータベースを導入する価値が高いと言えるでしょう。

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3.　リレーショナルデータベースのデメリット

ここまではリレーショナルデータベースにおける複数のメリットをご紹介しましたが、実際にはデメリットも存在します。
そのデメリットをあらかじめ理解しておくことで、さらにリレーショナルデータベースへの理解が深まるでしょう。

複雑化しやすい

リレーションデータベースは条件検索や、複雑なデータの関連性を扱えることがメリットとされています。ただ、あまりに複雑なシステムかつ大量のデータの下で利用すると、プログラムが複雑化しやすく、処理速度が低下しやすいというデメリットが挙げられます。

また、データを読み込む部分の拡張は比較的容易ですが、書き込む部分を拡張する際には専門的な知識や長いリードタイムが必要になり、時間がかかる場合があります。あらかじめそのデメリットを理解しておかないと、導入後の運用の際に違和感を覚える可能性があるでしょう。

したがって、リレーショナルデータベースを運用する際は複雑化しやすいことや、大量のデータを扱う場合は処理速度が落ちることをあらかじめ理解しておきましょう。

4.　リレーショナルデータベースの用途

リレーショナルデータベースは複数のデータを扱えることや、条件づけ検索を行うことができます。そのため、基幹システム、情報管理システムなどから、個人利用するような住所録などまで広く利用されているのがポイントです。

また、リレーショナルデータベースは、行と列を用いた2軸でデータの相関性を表現しています。そのため、例を挙げるとすると、GoogleスプレッドシートやExcel のような表で構成されたデータベースとなっているのが特徴です。

そのため、使い勝手も非常に良く、より多くの企業や個人に普及している理由の1つとなっています。

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5.　リレーショナルデータベースの計画

リレーショナルデータベースは利便性が高く、使いやすいデータベースとなっていますが、利用する際は計画の流れを理解しておくことが大切です。計画を細かく練ることでより効率的な運用に結び付きます。

そこでここからはリレーショナルデータベースの計画について下記の流れでご紹介します。

• 情報のカテゴリを決める（テーブル）
• テーブル同士の相互の関係を決める
• フィールドを用意する
• 外部キーの設定
• フィールド内容の整理

情報のカテゴリを決める（テーブル）

最初はどのような目的でリレーショナルデータベースを作成するのか、またはどのように問題解決を行うのか策定しましょう。ここが方針や目的がブレていると、リレーショナルデータベースを作成するメリットが薄れてしまいます。

目的を策定した後はリレーションデータベースにおいて必要なテーブルを決めましょう。あらかじめテーブルを決めることで、リレーショナルデータベースの大枠を決定することができます。リレーショナルデータベースではさまざまなタイプや量のデータをカテゴリに分けて保存します。
そのため効率的なデータベースを構築する際には、扱う情報カテゴリを正確に識別することが重要と言えるでしょう。

情報のカテゴリの具体例としては、顧客テーブル、請求書テーブル、商品テーブルなどが挙げられます。

テーブル同士の相互の関係を決める

リレーショナルデータベースにおいて必要なテーブルを決定した後は、テーブル同士の相互の関係を決めましょう。テーブル同士の相互関係を明確にすることで、より全体像が分かりやすくなるからです。

具体例としては「顧客が製品の注文を行う」、「請求書に顧客の注文を記録する」といったように、カテゴリの相互関係を策定します。1対1、1対多、多対多などと連携させるとさらに分かりやすいデータベースへと仕上がります。そして、カテゴリの関係性を決めた後はデータベースを編成する作業に移りましょう。

フィールドを用意する

テーブルを使用して、共通の要素や目的を含むデータをグループ化してフィールドを用意していきましょう。１つのテーブルに氏名や住所を保存し、別のテーブルに受注日、製品番号、単価といった情報を保存し、データベースの詳細を決定します。

レコードの検索とソートを効率的に実施するために、姓と名、敬称、住所の各項目（郵便番号、県名、都市名など）に分けて個別のフィールドを作成することがおすすめです。個別のフィールドに分けて作成することで、最終的にレポートをより簡単に生成可能になります。

この時点で効率化まで意識してフィールドを用意できると、利便性の高いデータベースが仕上がります。業務効率を意識する場合は必ず取り組みましょう。

外部キーの設定

それぞれのフィールドを策定した後はそれぞれのデータベースに共通する外部キーの設定を行いましょう。
具体例としては顧客を個別に識別するIDを設定すると、顧客のレコード作成がより容易になります。

リレーショナルデータベースを作成する場合は複数のテーブルを作成することが多いので、顧客1人1人を個別で識別できるIDがあると、ソートなどの整理の際にも役立ちます。
より利便性の高いデータベースを作成する際に必須の作業となるので、あらかじめ覚えておきましょう。

フィールド内容の整理

リレーショナルデータベースを作成する場合、共通するキー以外のフィールドは、データベース内で1度だけ使用するので、重複していくものは取り除いていきましょう。どこに保存するか、どこから参照するかなどを整理していくと、より精度の高いデータベースに仕上がります。

また、その後はテーブル間のリレーションシップを決めていきましょう。１つのテーブルの照合フィールドと、対応する関連ファイルの照合フィールドを整理します。テーブル間のリレーションシップは、共通のデータが含まれている照合フィールドによって決まるので、重要度の高い作業と言えるでしょう。

フィールド内容の整理が完了した後は、データベースへのアクセス制限やレイアウトなど細かい所を詰めていき、データベースの作成を完了します。

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