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WEBサイトのアプリ化のメリット・デメリット、手法まとめ

目次

WEBサイトのアプリ化のメリット・デメリット、手法まとめ

今回はWebサイトのアプリ化に焦点を当て、アプリ化をする際のメリット・デメリットの整理、アプリ化する方法について紹介します。また、擬似アプリ化として注目されているPWAという手法についても紹介しますので、ぜひ自社のサービスの参考にしてください。

2021年の総務省の発表によると、日本ではすでに国民の9割近くがスマートフォンを利用しています。ネットショップやニュースサイトなど、多種多様なサービスサイトのアプリが日々リリースされるなかで、自社サービスをWebブラウザのみで展開するべきか、アプリを開発するべきかは、担当者の悩むポイントといえるでしょう。

なおStatCounterの調査によると、2021年9月におけるモバイルOSの世界シェアは、Androidが72.44%、iOSが26.75%を占めています。日本国内に限るとシェアは逆転し、iOSが66.17%、Androidが33.68%です。いずれにせよ、現状はAndroidとiOSで独占されており、基本的に「アプリ」は2つのOSのどちらか一方、もしくは両方での展開を前提としたものになります。

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1. WEBサイトのアプリとは

まずはWebサイトのアプリ化について説明します。

WEBサイトのアプリ化

Webサイトのアプリ化とは、ブラウザ経由で提供しているサービスを、アプリ経由でも提供できるようにすることを指します。とくにECサイトやニュースサイト、ポータルサイトのようなユーザーがひんぱんにアクセスするWebサイトはアプリ化に向いているジャンルといえるでしょう。

なお最近ではWebサイトそのものを擬似アプリ化する方法(PWA)もあり、こちらも「Webサイトのアプリ化」の意味で使われます。ただ、この記事内ではGoogle PlayやApple Storeからダウンロードできるアプリ、いわゆるネイティブアプリの開発を前提に「アプリ化」を使いますので、ご留意ください(PWAについても後述します)。

2. WEBサイトのアプリ化のメリット

Webサイトをアプリ化するメリットは主に下記2つです。

  • ユーザーがアクセスしやすい
  • プッシュ通知を設定できる

アクセスの良さ

アプリでは、ユーザーがスマホのホーム画面からダイレクトにサービスへアクセスできます。

アプリがここまで浸透する前は、各企業やブランドで専用サイトを開設してユーザーにアクセスしてもらっていました。しかし、WebサイトではURLの入力や、キーワードでの検索、お気に入りリストからのアクセスなど、サイトに到達するまでにいくつかのアクションが必要です。途中で別のサイトへ行き先を変更されてしまうこともあるでしょう。

その点、ホーム画面からタップするだけですぐに起動できるアプリなら、必要な情報やサービスにいたるまでの時間が短い分、ユーザーのストレスが軽減できます。サイトへ到達するまでの間に離脱される心配もありません。アプリのサービス内容にさえ満足してもらえれば、リピーターになってもらいやすいわけです。

マーケティング効果が期待できるプッシュ通知

プッシュ通知は、ほとんどのアプリが活用している機能です。プッシュ通知の良さは、スマホのホーム画面上で情報の概要をチェックできる点です。ユーザー側もその都度アプリを起動する必要が無く、手軽に情報の確認ができます。

また通知内容を見て、自分にとって必要な情報だと判断してからアプリを起動できるので、ユーザーに時間を無駄遣いさせません。情報の概要を見せるという点ではメールマガジンと似ていますが、定期的に届く長文のメルマガでは、自分にとって有益な情報が含まれているかどうかをユーザーは瞬時に読み取れません。

一方、プッシュ通知であれば、クーポンの期限やキャンペーンの期日が終了する前にお知らせなどを短文でわかりやすく知らせられます。より的確にアクセス数アップや売上げアップを狙えるのです。

自社サイトやサービスサイトが別にありながらアプリ開発をする最大のメリットは、このプッシュ通知による情報提供でコンバージョンがあがることだと言ってもよいでしょう。

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3. WEBサイトのアプリ化のデメリット

スマホユーザーを取り込むという意味で強力なツールといえるアプリですが、デメリットもあります。

  • ダウンロード・インストールの手間がかかる
  • アンインストールされるリスクがある

ユーザーにインストールしてもらう必要がある

Webサイトとは異なり、アプリの場合はユーザーが必要に応じて都度検索すれば利用できるわけではありません。まずはアプリの存在を知ってもらい、さらにダウンロード・インストールをしてもらわないと、必要なサービスを提供できないのです。

「データ定額制」など通信データ量が決まっているプランの契約者や、格安スマホユーザーの場合は、ダウンロード自体を回避する傾向があるので、ターゲットによってはアプリ化がフィットしないケースも考えられます。

うまくダウンロードしてもらえたとしても、個人情報の入力や、位置情報の提供、プッシュ通知の承認など、設定に手間がかかると利用をスタートしてもらえないこともあります。「少し手間をかけてでも利用する価値がありそうだ」と思ってもらえる工夫が必要といえるでしょう。

アンインストールされるリスク

無事にインストールしてもらっても、「アンインストール」される心配があります。

アンインストールされる理由
  • プッシュ通知が多すぎて疎ましい
  • 登録してみたもののあまり使いこなせない
  • 利用するメリットを感じない
  • ほかによりよいアプリを見つけてしまった など

上記のような理由で、あっさりアプリを削除されることがあります。また機種変更のタイミングでアプリ整理の対象にされたり、バージョンが対応していないことを理由にインストールを避けられるリスクもあるでしょう。

類似サービスが氾濫するなか、アプリとして生き残るためにはあらゆる施策を継続して打っていかなければなりません。つまり、アプリをリリースしたら終わり、とはいかないのです。

4. WEBサイトをアプリ化するには

デメリットはありつつも、アプリをうまく運用できれば大きなマーケティング効果を期待できます。

では、自社で提供しているサービスをアプリにするにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、アプリ開発にかかる費用の考え方と、新規でサービスサイトを構築してアプリ化する場合のポイントを紹介します。

アプリ用の開発が必要

既存のサービスサイトをアプリ化する場合、当然ながらアプリ用に改めて開発が必要になります。仕事効率系のアプリ、ゲームアプリ、ニュースアプリなど、どのようなアプリを作るのかによって費用は変わってきますが、開発費用の多くは人件費です。

アプリ化するときに考えるべきこと
  • そのアプリを作るためには、どのレベルの技術力を持ったエンジニアが必要か
  • どれくらいの工数がかかるか

開発期間と1日あたりの人件費で大体の費用感が見えてきます。トレンドとしては、1人日あたりの40,000円〜のエンジニアが主流です。1カ月にすると、80〜120万円ほどです。例えば、開発工数が100日かかる規模の案件であれば、400万円のコストがかかるわけです。

計算例:人日単価40,000円×工数100日=4,000,000円
※人日単価とはエンジニアを1日稼働させた時の費用

なおアプリ開発期間は、フルスクラッチ型クラウド型のどちらで作るのかでも変わります。

● フルスクラッチ型
ゼロからアプリを開発する方法。開発期間は、開発だけで3カ月ほど、設計から入る場合は半年程度が目安だが、アプリの規模によってはもっとかかる
● クラウド型
開発会社が提供するモジュールを組み合わせる方法。アプリの機能はモジュールに依存するが、開発期間は1ヵ月〜と短め

クラウド型が手軽ではありますが、自由度はフルスクラッチ型が上です。開発したいアプリの機能と予算に合わせて選びましょう。

新規構築の場合はアプリ化を見込んだサービスサイト設計を

現在のWebサイトのアプリ化ではなく、今後のアプリ化も見据えてブラウザサービスから新規構築するのであれば、アプリに反映しやすい環境でブラウザサービスの開発を行うことをおすすめします。

例えば開発にReactNativeを使用すると、同じソースコードでブラウザとアプリの実装が可能になります。ReactNativeとはFacebookが開発したJavaScriptのフレームワークです。1つのコードでiOSとAndroidの両方が開発できるため、ゆくゆくは両方のOSでアプリをリリースしたい場合に魅力的なフレームワークです。

新規でサービスサイトを構築したい場合、まだアプリ化まで費用の余裕がないケースもよくあります。サービスが軌道に乗った後でスムーズにアプリ開発へ進めるよう、最初のサービスサイト設計からアプリ化を意識しておくとよいでしょう。

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5. PWAを使った疑似アプリ化

「Webサイトのアプリ化」というと、PWAという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。いわゆるWebアプリと呼ばれるものです。

Apple StoreやGoogle Playからダウンロードして使うネイティブアプリと違い、サイト自体をアプリのように動作させられます。ここではPWAの基本知識と、PWAでできることを紹介します。

PWAとは

PWAは、Progressive Web Apps(プログレッシブウェブアプリ)の略。Webサイトのコンテンツを使って疑似アプリを作る技術です。

  • 中身はWebサイトだが、アプリのような表示と操作が可能
  • ユーザー側でアプリのインストールが不要
  • アプリストアを通す必要がない
ホーム画面へのWebサイトを追加することで、まるでアプリをインストールしたようにアイコンが表示されます。

開発においても、ネイティブアプリほど高い技術力を必要としません。さらに各ストアの審査基準を満たす必要がなく、またバージョンアップへの対応も不要なため、ランニングコストもネイティブアプリよりおさえられます。

まさにネイティブアプリの使い勝手とWebサイトの手軽さをあわせたような技術といえるでしょう。

ちなみに、PWAの身近な例ではTwitterの「Twitter Lite」があげられます。機能はアプリよりやや制限されるものの、軽くて使いやすいと評判です。他にも日経電子版やSUUMOなどがPWA版を導入しています。

PWAでできること

PWAはあくまでWebサイトを利用した疑似的なアプリではありますが、ネイティブアプリに近い機能が付けられます。

  • ホーム画面にアイコンが作れる
  • プッシュ通知ができる
  • 画面をフルスクリーンにできる
  • オフラインでも利用できる
  • プリキャッシュ機能で表示を高速化できる

PWAでは画面をフルスクリーン表示できるため、ブラウザで閲覧したときに表示されるアドレスバーやアイコンが消えて、ほぼアプリのような見かけになります。

またプリキャッシュで表示速度が早くなるため、アプリよりも動作が軽いのも魅力。これはユーザビリティの向上にも繋がるため、SEOにもプラスに働くでしょう。

ここまで書くと「ネイティブアプリよりもPWAのほうがよいのでは?」と思うかもしれませんが、PWAはブラウザ環境によって使える機能に制限があります。とくにiOSはPWAに対応できていない部分もあるため、アプリとすべて同等レベルの機能を実装できるかというと、現時点ではやや難しいでしょう。

※2022年12月20日追記
WWDC22にて、2023年にiOS16以降、Safariでプッシュ通知がサポートされるとの発表がありました。macOS、iOS、iPadOSでもプッシュ通知がつかえるとなると、PWAの活用が進むかもしれません。

アプリとPWAの2択で考えるのではなく、自サイトのユーザーに最適なサービスを提供する選択肢の1つという視点で検討することをおすすめします。

PWAアプリの成功事例

PWAアプリを活用している事例には具体的にどのようなものがあるのか、以下に紹介します。

事例①:スターバックス

1つ目に紹介するのは、コーヒーチェーンの「Starbucks(スターバックス)」のPWAアプリ導入事例です。

スターバックスは全ユーザーにオンライン注文を提供するため、WEB上に注文システムのPWAを構築しました。具体的には、オフラインでもメニューや栄養情報を閲覧し、注文をカートに追加できるような仕様としました。すなわち、店舗内のWi-Fiに接続していない状態でも注文の事前準備が可能となったのです。

その結果、サイトの表示速度は2倍となり、結果としてオンライン注文数は65%も増加しました。また、オフラインでの商品閲覧が可能になったために店舗の混雑解消にも繋がりました。

本事例においてPWAアプリの構築は、オンラインの収益向上のみならず、オフラインのカスタマーサービス向上に貢献しています。

事例②:Spotify

2つ目に紹介するのは、音楽ストリーミングサービス「Spotify」の事例です。

音楽ストリーミングプレーヤーなどのツールは、ネイティブアプリの印象が強いですが、PWA化することで、初回利用率の向上が期待できます。

本事例のPWAアプリは、ネイティブアプリにかなり近い操作感を実現しました。さらに、PWAアプリ内にネイティブアプリへの動線を明示したり、ネイティブアプリのメリットを表示することでダウンロードへの誘導を狙いました。

この結果、期待通り初回利用率は54%も上昇し、他にも60日以内の既存顧客維持率が14%向上、非アクティブユーザーの再ログイン率が30%向上、30%のWEB版ユーザーがネイティブアプリをダウンロードするなど、多くの効果を生みました。

事例③:Forbes

続いて紹介するのは、グローバルにメディア展開している「Forbes」の事例です。

「Forbes」のネイティブアプリでは、記事の読み込みに3〜12秒かかってしまっていました。

しかし「ページの読み込みに3秒以上かかると、53%のユーザーはサイトから離脱する」という統計があることから、読み込み速度を向上させるは必須でした。

PWA導入することにより、ページの表示速度を0.8秒にまで縮めました。この結果、ユーザーエクスペリエンスは格段に向上し、セッション数は43%、エンゲージメントは100%も上昇させることに成功しました。

さらに、「Forbes」の日本版「Forbes Japan」はPWAのみで記事を配信しており、ネイティブアプリでは雑誌のバックナンバーの閲覧のみを提供しています。

「Forbes Japan」は、PWAアプリとネイティブアプリの役割を明確に区別し、PWAアプリを確固たるツールとして活用しているのです。

このように、PWAを適切に活用することで、現状もっている課題を解決し、ユーザー体験を向上させることにもつながる事例があります。

6. WEBサイトのアプリ化の相談ができる会社(PWA開発が可能な会社)

WEBサイトをアプリ化させるのに、PWAを採用するのも有効な手法です。ここでは、PWAでの開発が可能な会社を3社紹介します。

株式会社マスドライバー

マスドライバー

マスドライバーは、WEBベースの開発を得意とし、特にPWAやSPAなどを用いたシステム開発に強みがあります。
代表の経歴として、SIerでのSEの経歴の他、ソーシャルゲームの開発、GoodPatchなどをスタートアップ立ち上げや新規事業開発の分野で多くの経験があり、新サービス立ち上げのプロジェクトなどご相談いただきやすい会社です。
PWAを使用することで、アプリさながらのリッチなユーザー体験を提供できるサービスや分かりやすい社内業務システムの開発が可能です。

PRページ https://rekaizen.com/company/md
HP https://massdriver.com/index.html
資料ダウンロード 会社紹介資料

株式会社グリームオーブ

グリームオーブ

株式会社グリームオーブは、WEBアプリケーション開発、スマホアプリ開発に強みのある開発会社です。
WEB開発とアプリ開発の両方に対応をしているため、ご相談内容に応じてPWAのほうがよいか、ネイティブで開発したほうがよいかなどご相談いただけます。
その他にも、PHP(Laravel)、Java(Spring、Struts、Seaser2)、JavaScript(Vue.js 、Angular.js、TypeScript)などライブラリやフレームワークを利用した開発を得意とするため、開発の効率性があがり、同業界からも引き合いの多い会社です。

PRページ https://rekaizen.com/company/gleamorb
HP https://www.gleamorb.co.jp/
資料ダウンロード 会社紹介資料

株式会社VAN FUN

VANFUN

システム専門、クリエイティブ専門のそれぞれ強みを持つメンバーが集まり構成された、システム〜クリエイティブまでどちらも本格的な相談が可能という珍しいタイプの会社です。
システム開発を担う担当者の方は、ITベンチャーを経営していた実績もあり、コンサルティングから開発までもご自身でこなすマルチプレイヤーです。
PWAにて対応することが多く、オフライン時のレポート作成アプリや業者の受発注アプリ等、ネイティブアプリ化する手前のニーズの案件の対応をされた実績があります。

PRページ https://rekaizen.com/company/vanfun
HP https://www.vanfun.jp/
資料ダウンロード 会社案内

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7. WEBサイトのアプリ化のまとめ

以前はフルスクラッチ開発が当たり前だったアプリ開発ですが、最近はクラウド型やPWAの登場で、開発方法の選択肢が増えています。

日々多くのアプリがリリースされているため、アプリ開発しないと時代に取り残される!と焦りがちですが、まずはアプリでのサービス提供が自社のターゲットにフィットしているか、競合他社のアプリに埋もれないかといった部分を冷静に分析する必要があるでしょう。維持管理にコストがかかることも忘れてはいけません。

とはいえ、ホーム画面から1タップでアクセスできる、プッシュ通知ができるなど、ユーザーとの距離を縮めやすい点はWebサイトにはないアプリのメリットです。アプリにより期待できるマーケティング効果と、開発・維持費用を天秤にかけて検討すべきといえるでしょう。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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