アニメや工芸品だけでなく、近年日本の『弁当』文化も世界に広まって『BENTO』が共通語となり、日本製のコンパクトで機能的な弁当箱は外国人旅行者の土産品として人気が高く、また駅や空港施設の弁当売り場では幕内弁当から新幹線やキャラクター容器の弁当まで面白そうに見ている姿もよく目にする。
日本人の私たちでも、趣向を凝らした色とりどりの弁当は買わずとも眺めているだけで楽しいものである。
私はこの4月から週に数回弁当を作らなければならない生活が始まった。
詰め具合によって入りきらなかったおかずが残るため、ついでに自分用の弁当も作ることにした。
社会人になって今まで昼食は外食かロケ弁、近くの店で買ってきたものをオフィスで食べる生活をしてきたので弁当箱を持っておらず、弁当生活開始から数日間はプラスチック製密閉保存容器を代用してのスタートとなった。
料理は得意で弁当を作ること自体は苦ではないが、仕事と家事と自分の時間を保ちながらなので無理はせず、基本的には夕食のおかずを弁当のために少し多めに作って、翌朝詰め合わせる程度である。
しかし、それでもちょっとした味付けや調理アレンジを加えて、2食続けて同じものを食べる印象にならないように出来る限りの工夫をしているのは、クリエイティブ制作に携わる上で『限られた状況下でもベストを尽くすモノ作りをしたい』という思いを常に持っている私のプライドかもしれない。
複数人でキャンプやBBQをすると、食事の準備をする際の手順や手際の良し悪し、センスの有無や性格までがよくわかると言われるように、料理はクリエイティブな作業である。
買い物の段階から栄養バランスや色彩を考える能力、複数の調理を同時進行する調整力・推進力、器選びの演出から盛り付けのセンスまで、様々な進行力とクリエイティブ力といった類の才能が必要とされる。
更に弁当の場合は小さな箱に美しくうまく詰めるという空間認識力も必要となり、対象物は違っても普段の業務の制作ディレクションをする上で求められることと、さほど変わりはないと思う。
制作ディレクション業務は1人で複数のクライアントを持つことも、1つのプロジェクトで複数のアイテムを同時進行することも日々ごく当たり前で、1つの業務にじっくり時間をかけて取り組み、次の作業に移行するということはほとんどない。
多くの場合はいくつものことを同時に手際よくこなしていかなければならない。
1日の中で抱える業務の優先順位をつけることができれば仕事の効率はアップし、それぞれにかかる時間を逆算して同時に進めるイメージが的確に予測できれば他のことをする余裕が生まれる。
制作ディレクション業務も料理も、全ては状況を俯瞰で見つつ一歩先も予見しながら、段取りよく効率よく進めるバランス感覚が求められる。
今は一般家庭でもロジカルクッキング(化学的調理理論)などが定着しつつあり、材料の特性や調理の基本を正しく知っていれば、アレンジやオリジナルといった《足し算》も、時短テクニックや便利グッズの使用・調理加工品をうまく利用するなどの《引き算》もできる。
同じように制作ディレクション業務もしっかりとした基礎的スキルと経験値があれば、スケジュールや予算に合わせた調整や違う切り口の提案・アドバイスもでき、急な変更やトラブルがあった時でも慌てることなく解決策を見つけ、冷静なジャッジとフレキシブルな対応ができる。
弁当作りを始めて約3か月、私にとってそれは制作ディレクション業務と共通点が多く思考の延長線上にあり、創造力も対応力も応用力もフルに活用できる楽しい作業になってきている。
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EDITOR PROFILE
株式会社テラスカンパニー
野口康一
ディレクター(現場監督のようなもの)を主に、企画、ライティング、たまにイラストも描きます。
やってみたい仕事は趣味でもある「車関連」。
孔子の「好きなことを仕事にすれば、一生働かなくてすむ。」を経験したみたいと思う今日この頃です。
株式会社テラスカンパニー
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イラスト制作