【今こそ知っておきたい】ECサイト・ネットショップ制作方法と費用相場

ネットでの商品販路であるECサイト・ネットショップ。2020年、新型コロナウイルス感染症による外出控えも重なり、ECサイトやネットショップの注目度はさらに高まりました。店舗を持つショップでも、店舗で販売している商品のネット販売を行ったり、店舗を持たずに人件費や運営費を押さえて販売したりする方法としてネット販売は拡大しています。

これから商品のネット販売を始めたいという方に向け、ここではECサイト構築方法と費用についてご紹介します。

1. ECサイト・ネットショップに必要な機能一覧

ECサイト・ネットショップは商品を売買するだけでなく、商品の在庫管理や配送管理、決済管理など様々な機能を持ちます。以下に、ECサイトを構築し、ネット通販をする上で最低限必要な項目をまとめました。

販売するために必要な項目

・商品紹介

登録商品の一覧ページや商品にまつわる説明文など

・商品注文

ショッピングカート、お届け先、配送時間の設定、決済方法など

・マイページ

注文履歴、会員情報の編集など

・モバイルサイト

モバイル用ページの作成

・その他

商品検索など

※モバイル版を作らずにPCと共通のURLで対応できるレスポンシブデザインで対応するケースもあります。

管理システムに必要な項目

商品管理

ECショップ店舗の基本情報掲載、商品掲載、支払い方法手数料などの設定

顧客管理

顧客一覧や検索など

受注管理

受注情報の一覧/検索や対応状況のステータス変更など

売上集計

商品の売上金額の集計や入金管理など

2. ECサイト・ネットショップを自作する方法

システム会社に依頼し自社のECサイトを開発するのではなく、無料で簡単に作成できるツールもあります。初心者向けで、直感的な操作ができるオススメのツールを下記にご紹介します。一般にASPサービスと呼ばれるものになります。

BASE

多種多様なデザインテンプレートが用意されており、手軽にショップを作成できことが宣伝文句となっています。商品登録数が無制限ですので、気兼ねなく商品を登録することもできます。他にも決済機能（クレジットカード）も揃っているほか、独自ドメインを取得できるのは無料ツールでは珍しいです。

STORES.jp

デザインテンプレートやロゴ作成機能、商品写真の無料撮影等がサポートされています。無料プランの場合は商品登録数に制限がありますので、注意が必要です。（※有料プランになると無制限登録可能）。デザイン性を重視する場合に良いツールです。

上記のようなASPサービスを利用すると、ECサイトの開設を無料で行うことができます。

テンプレートも多用にありますので、自分で制作することもできますが、ECサイトデザインにこだわりたい場合は、このようなASPサービスでのサイトデザインだけでも対応が可能なWEBデザイン会社もあります。0から作るかたちではないので、コストを抑えながらオリジナリティの高いサイトにできるのも魅力です。ASPサービスでのデザイン制作の依頼先を探すなら、リカイゼンにお任せください！対応実績がある会社を選定して無料紹介致します。

3. ECサイト・ネットショップ構築にかかる費用・相場

ECサイトの構築方法は大きく４つの方法に分けられます。 構築方法によってかかる費用は異なります。

比較的安く抑えたい場合

ECサイト構築のASPサービスやクラウドサービスの利用

上記のようなBASEやSTORES.jpを利用するかたちです。

あらかじめECサイトに必要な機能を揃っており、そのサービスを利用できるものです。かかる費用は、月額料金タイプのものもあれば、開設・月額費用は無料で決済手数料などの一部を手数料として運営しているタイプのものもあります。

各サービスによって費用が発生するポイントは違うので確認しておく必要はありますが、スピーディーに初期コストを抑えてECサイト開設ができるので、まずECを始めるというときなどにおすすめです。

オープンソースを利用

EC-CUBEなどECサイト構築用のオープンソースにも、必要機能はある程度揃っており、そこからカスタマイズでオリジナルのECサイトを構築することができます。100〜300万円程度での開発となるでしょう。

または、WordPressなどのEC専門ではないオープンソースでも、プラグインを使用することによって同じくらいの費用感で構築できます。

思い通りのECサイトをつくりたい場合

思い通りのECサイト、オリジナルのECサイト（特別な機能を設けたい）などの場合は、フルスクラッチでの構築となります。もちろんどのような機能をつけるかにもよりますが、中規模なものなら200〜500万円程度が相場と言えます。

商品点数が多くページボリュームが増えたり、独自の管理システムなどが加わったりすると1000万円程度かかる場合もあります。

あくまで上記は目安の相場となりますので、実際はECサイトの費用は作りたい内容によって異なります。作りたいと思っているECサイトの費用感を知りたい場合は、プロである制作会社に直接見積もりを制作してもらうほうが確実です。複数社から見積もりを取得することで相場が見えてくるでしょう。

ECサイトの実装経験豊富な会社に適切な見積もりの相談をする場合は、リカイゼンにご利用ください！リカイゼンでは、無料でECサイト構築実績のある会社をリストアップし、自社に合うご相談先のプロを見つけることができます。

4. ECサイト・ネットショップ導入の成功事例

では、ECサイトの導入事例には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。以下に3つの事例を取り上げてご紹介します。

事例①：神戸屋

参考サイト：https://mercart.jp/contents/detail/kobeya

1つ目に紹介するのは、多種の高品質なパンを取り扱う「神戸屋」のオンラインストアの事例です。

量産品ではなく一つ一つこだわりの詰まったパンをつくるのが特徴の神戸屋は、2021年頃、コロナ禍でオンラインストアの準備を始めました。情勢の変化や冷凍パンの浸透などの背景から、既存の販売ルートの他に新市場への参入が必要であると考えたのです。

そこで、神戸屋はリアルな店舗とホームページ、さらにECサイトを組み合わせることで神戸屋ブランドを世の中に発信すること、さらにはECサイトの活用により直接顧客の声を聞ける機会を増やすことを目標に掲げてサイト構築に動き出しました。

サイトのオープン後は、お客様の見え方が変化したと言います。例えば「フッツェルブロート」という、少し高価な″ご褒美パン″が店舗に比べてECサイトで好評でした。店舗と比べてECサイトでは商品についての情報を充分に伝えることができたために、売れ筋に変化が生じたようです。

食品ECは「実店舗の利便性を超えることができない」「生鮮食品は向かない」など、懸念は多くありますが、商品の特性や会社のブランディングに沿った構築ができれば、大きな利益や新たな発見を生む可能性を秘めています。

事例②：資生堂

参考サイト：https://fastmake.jp/blogs/omni-channel-shiseido

2つ目に紹介するのは、日本を代表する化粧品会社「資生堂」の導入事例です。

コロナ禍以後、インターネット上での買い物傾向が急増し、資生堂もEC戦略を強化しました。ここでは資生堂のECサイト活用方法をご紹介します。

まず、ECサイトでライブコマースを行うことで商品購入前の顧客の体験を重視しました。テスターを用いたメイクアップ映像を掲載することで、商品使用時の具体的なイメージを提供することができます。

さらに、AIを駆使して顧客分析データをもとに自動送信メールをカスタマイズするといった工夫も施されています。ユーザーのアクセス状況やサイト上の動きを分析した顧客データから、それぞれのニーズにあった情報を配信することができます。

資生堂は、ECサイトを有効活用することで、顧客のニーズを汲み取った上でそれぞれに合った購入体験の提供に成功しています。EC戦略に力を入れる企業が増えている今、顧客の心を確実にとらえるための工夫は必要不可欠です。

事例③：ユニクロ

参考サイト：https://appunity.jp/blog/ec_casestudy_uniqlo/

最後に紹介するのは、アパレル界の中でも代表的な成功事例として挙げられる「ユニクロ」のECサイトです。

ユニクロの成功の秘訣はなんといってもサイトに施された工夫の多さです。以下では、その中でも特徴的なものを取り上げてご紹介します。

まずはカテゴリー分けです。多くのアパレルサイトが「男性／女性／子供」と区別する中、ユニクロは「子供」のカテゴリーの幅が広すぎることに目をつけ「0〜3か月」「3か月〜2歳」などとさらに詳細なカテゴリーに区分しました。ユーザーの検索対象を最小単位に狭める気遣いが見える工夫です。

さらに、商品の詳細ページには会社が提供するスタイリング画像の他に、店舗スタッフや顧客のスタイリング投稿が掲載されています。着用時の具体的なイメージが湧き、商品をより身近なものに感じさせる、購買意欲向上につながる工夫です。

そして、自分の体型にあったサイズを選ぶことができるMy SIZE ASSISTという機能も搭載されています。顧客にとって、衣類をECサイトで購入する際の一番の懸念は″自分の身体にフィットするか？″でしょう。そこで、身長や体重、年齢や好みの着用感などを登録すると、類似した体型・志向の顧客が選ぶサイズを提示してくれます。

ECサイトでの購入は需要の多さに反して失敗も多いアパレル業界だからこそ、顧客の不安を解消し、徹底的に寄り添った仕様のECサイト構築が必要です。

5. ECサイト・ネットショップ構築の発注の注意点

サイトの構築や、開発の外注先を探すことは容易に出来ると思います。

注意すべき点は、オープンした後の対応や、更新等のアフターケアのしっかりした会社へ依頼するということです。初期費用が安いからと言ってアフターサービスが薄いと都度の修正や、新しい商品の追加などで余計に費用がかさんだり、オーダーフォームが上手く起動しなかったりと後々厄介な事が起きることもあります。

いくつかの企業へ問い合わせて料金にどこまで含まれるのか、またアフターサービスについて聞いてから決めることがおすすめです。また補足として、セキュリティーに強い開発会社だとより安心してお付き合いができます。