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「中小企業のDXはノーコード一択」多数のDX支援を手掛けるママン東京 植村弘明がそう断言する理由とは

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「中小企業のDXはノーコード一択」多数のDX支援を手掛けるママン東京 植村弘明がそう断言する理由とは

いま、世の中にDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せています。ビッグデータの活用やデジタルマーケティングの導入が注目される中、「何か手を打ったほうが良いのだろうか」と悩む担当者も少なくないでしょう。

しかし、ITシステムやアプリの開発費用は決して少なくなく、フルスクラッチでの開発ともなれば数百〜数千万円規模に及ぶこともあるといいます。たとえ「オリジナルのアプリがあれば、顧客と関係を深められるのに」と感じていても、中小規模の企業にはあまりにも負担が大きすぎるのが実情です。

そんな中小企業の課題を解決するのが、各種のノーコード開発ツールです。これらのツールは文字通りノーコード(プログラミングなし)でアプリや各種サービスを作成できるため、非エンジニア職でも挑戦しやすいと言われます。また、開発工数が少なく済む分、かかるコストを抑えやすいメリットもあります。

この記事では、自らも中小企業の経営者でありながら、ノーコードツールに特化したITソリューションを提供する株式会社ママン東京代表・植村弘明氏に、ノーコードの魅力とDX成功のカギを語っていただきました。

ママン東京_植村様_写真

株式会社ママン東京 代表取締役
植村弘明
元自衛官。先代から婦人服店「ママン東京」を事業承継したのち、時代に合わせたビジネスモデルへと転換し成功。衣・食・住の3領域にわたって事業を展開する。その後、ノーコード開発ツール「Click」と出会い、同ツールを活用したアプリ開発やDX支援を多数実施。現在ではノーコード専門のエンジニアを育成するオンラインスクールも開講している。
PRページ:https://rekaizen.com/company/maman
HPページ:https://www.mamantokyo.org/

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ノーコードなら開発費も大幅ダウン。アジャイルな開発体制は中小企業と相性良し

——御社では多数の中小企業のDXを手がけられています。事業内容について、改めて教えてください。

ママン東京は、システム開発事業、ITコンサル事業、教育(エンジニア育成)事業を3本柱とする企業です。もともとはオーダーメイドによる高級婦人服店だったのですが、先代から会社を引き継ぐにあたって事業内容を転換。これまでのリソースは生かしつつも、時代に合ったソリューションを提供するIT企業へと進化しました。

具体的な事業内容としては、ノーコードアプリ開発ツール「Click」によるモバイルアプリの受託開発や開発支援を手掛けるほか、DXに悩む中小企業へのコンサルティングを提供しています。加えて最近では、エンジニアへのキャリアチェンジや副業、社内転職を希望する方に向けたオンラインスクールも開始し、人材育成の面でも中小企業のDXを支援しています。

——DXにあたり、ノーコードツールを選択するメリットは?

ママン東京_植村様

圧倒的なコスト削減と、アジャイル開発(状況に応じた臨機応変な開発)との親和性ですね。

「Click」をはじめとしたノーコードのアプリ開発ツールでは、コンテンツの投稿やメッセージの送受信、マップやカートなど必要な機能があらかじめコンポーネント化(ひとまとまりの機能として提供)されています。そのため、まるでブロックを組み立てるような要領でごく簡単にモバイルアプリを開発できます。

ふつうアプリ開発は、専門的なエンジニアを雇うか、システム開発会社に委託するかしなければいけません。費用もその分高額になり、内容によっては1000万円以上かかることも珍しくありません。資金の乏しい起業家や中小企業にとっては大きな負担です。

いっぽう「Click」を使えば、簡単なアプリならせいぜい1〜3ヶ月ほどで作れてしまいます。工数が下がれば開発費用も下がるので、中小企業にも手が届きます。あくまでもイメージですが、フロント(ユーザーから見える画面など)なら50万円〜程度で開発できてしまうのではないでしょうか。

開発のハードルが低いので、非エンジニア職による内製も不可能ではありません。複雑な仕様が実装できないなどのデメリットはありますが、よほどの事情がない限りはノーコード開発で充分なはずです。

それから、アジャイル開発のしやすさもノーコードの魅力です。システム開発会社主導でアプリを開発する場合、はじめに仕様を詰めてしまい、あとはその要件定義にしたがって開発を進めるウォーターフォール型が一般的です。これでは、開発中にビジネスの仮説が変わった場合にすぐさま対応できません。

ノーコードツールで簡便に開発するスタイルなら、あらかじめ用意されている機能をポチッと追加したり、組み替えたりするだけでアプリを修正していけます。中小企業は機動力が命ですから、仮説の変更に合わせてアプリ自体も進化させられるのは大きな魅力です。

——ノーコードなら簡単に開発できるとのことですが、具体的にはどのくらい簡単なのでしょうか?

ノーコードのメリットを体感していただくためには、実際の開発を見せるのが一番です。こちらをご覧ください。

【テスト】パン屋さん

——パン屋さんのECアプリですか?

はい。実はこのアプリは、この取材が始まってから弊社のエンジニアが作り始めました。

——わずか20分ほどの間ですね!

その通りです。もちろん、デザイン性や機能などはまだ最低限で、完成版と呼べるレベルではありませんが、ノーコード開発の利点が充分お分かりいただけたことと思います。

——このくらい簡単に作れるのであれば、ITにくわしくない担当者でも作れそう(内製できそう)でしょうか?

難しいところですね。いくらノーコードといっても、一般よりは高めのITリテラシーが求められる部分はどうしてもあります。普段からITに親しみ、「簡単なWebサイトくらいなら作れます」という方であれば内製も可能だと思いますが、まったくITにくわしくない方だと苦戦するかもしれません。

ITにくわしい方が社内に一人もいらっしゃらない場合は、やはり弊社のようにノーコード開発に特化した会社にご相談いただいた方がスムーズですし、ノーコードの「低価格・短納期」というメリットだけを味わっていただけるのではと思います。

——納得です。ちなみに、ノーコード開発とフルスクラッチ(コーディングによる開発)、どちらが適切か選ぶ目安はありますか?

ユーザー数が1万人に達するかどうか」ですね。ノーコードで作られたアプリはどうしても挙動が重くなる部分があり、大規模なアクセスをさばくのには向いていません。

とはいえ、町の中小企業が導入する規模のアプリでユーザー数が1万人を超えるケースはまれなはずです。その実情と中小企業の予算規模を鑑みれば、ある程度「中小企業はノーコードで充分」と断言してもよいのではないかと考えています。

デジタルパンフレットからマッチングアプリまで。ノーコードはここまでできる

——御社が手がけてきたDX事例の中から、代表的な案件をいくつか教えてください。

まずご紹介するのは、JR九州が開催したビジネスコンテスト『「Q」uest for the best』にてファイナリストに選んでいただいた事例です。このコンテストはタスクフォーカス型で行われ、JR九州が抱えるビジネス課題(タスク)の解決策を提案することが求められました。

弊社が取り組んだのはテーマパーク『ハウステンボス』内にある温泉の顧客満足度をアップさせることでした。提案にあたっては実際にハウステンボスに宿泊し、アナログ/デジタルの両面で改善点をリストアップ。そのうえで温泉の混雑状況をLINEで可視化するアイディアを提案し、高く評価されました。

温泉混雑状況確認アプリ_ママン東京

次にご紹介するのは、福岡で開催されたマラソン大会『The Fst in Fukuoka』をDXした事例です。

多くのマラソン大会では、出走順や給水ポイントを紙のパンフレットや掲示板で告知しています。しかし、紙での通知は情報が錯綜しやすく、印刷費などのコストもかさみます。そこで弊社はWordPressやClick、Bubble、LINEリッチメニューなどを活用してデジタルな情報発信を実現。出走する選手に5分前集合の通知を送るなど、参加者の利便性を大幅に高めました。

陸上競技場案内アプリ_ママン東京

最後にご紹介するのは、弊社が運営するオンラインスクールの受講生による卒業制作です。

この作品は、不動産を所有するオーナーや管理会社と内装業者のマッチングアプリです。アプリには不動産管理者向け/内装業者向けの2種類があり、不動産管理者側のアプリからは「クロスを張り替えて欲しい」「水漏れを修理して欲しい」といった案件を登録できるようになっています。

いっぽう内装業者側のアプリからは案件の詳細が閲覧でき、予算・工期ともに問題がなければ案件に立候補できる仕組み。こうして双方の合意が成立すれば受注へと進みます。

内装業者マッチングアプリ_ママン東京

このアプリにはユーザー登録や案件の投稿、Googleマップの埋め込み、受注成立後のメール送信などいろいろな機能が搭載されていますが、いずれもノーコードで実現できています。「中小企業のDXなら、ノーコードで充分」とお伝えした理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。

「なぜDX?」理由の深掘りがビジネス改善への最大の近道

——これまでの実績を経て、中小企業がDXを成し遂げるために大切なことは何だと思われますか。

ママン東京_植村様2

あらゆる経営改善に言えることですが、動き出す前に「なぜDXが必要なのか?」を考えることが大切です。

筋トレを始める場合を考えてみてください。運動初心者が「そろそろ痩せなきゃ」と考えて始めるのと、すでにムキムキな人がさらなる高みを目指して鍛えるのとでは必要なメニューが大きく変わってくるはずです。それを理解せずに「とにかくDXだ」と焦ってしまうと、システム開発会社に言われるがまま余計なコストがかさむ結果に陥りかねません。

中小企業がDXする目的は、売上アップ人件費削減新規事業の開拓という3つのパターンに当てはまることが多いです。そして、目的によっては必ずしもDXが答えにならないこともあります。課題の分析が甘いままではシステム開発会社の営業マンの思うつぼですから、自社のねらいが売上、人件費、新規事業のどれに当てはまるのかをまず分析してみましょう。

——悩みが漠然としており、うまく分析を始められない場合はどうすればよいでしょうか。

「DXしなきゃ」と考えた理由を追求してみることです。人間、何のきっかけもなく危機感を覚えることはありません。たとえすぐには思い出せずとも、危機感を抱かせるだけのトリガーがどこかにあったはずです。

筋トレのたとえに戻るなら、体重が増えたとか、筋力の衰えを感じさせるような出来事があったとか。なぜ今「DX」というアイディアに辿りついたのか、悩みの源泉を把握しましょう。もちろん、弊社のようなコンサルタントを頼っていただくのもひとつの手です。

——そのうえで「やはりDXだ」と動き出す場合、どのようなところに気をつけると良いですか。

コストの計算ですね。ノーコード開発はコストを抑えやすいとはいえ、バックエンド(ユーザーの画面からは見えない、通信やデータの蓄積を行う部分)やデザインのフィーも含めれば100〜300万円ほどかかることもあります。中小企業にとっては決して安くない金額ですが、計算もせずに「高い!」と切り捨てるのはいただけません。仮に100万円かかったとしても、1年あたり100万円の経費が節約できるなら、たった1年でコスト回収が済んでしまうわけですから。

冷静にコストを判断するには、「このアプリ(Webサイト)を作成すれば、どのくらい人件費が浮くのか」と試算してみることが一番です。まずはDXで何がしたいのかを突き詰め、次にコストを計算する。この2ステップを踏めば、やみくもに費用をかけることなく、必要な分だけのDXを成し遂げやすくなるはずです。

いま、日本にある全企業数のうち99.7%は中小企業です(参考:中小機構)。日本を支えているといっても過言ではない中小企業の競争力を高めるには、DXによるエンパワメントが欠かせません。そのためには今後も多数のDX支援を手掛けていきたいですし、ノーコード開発のエンジニアを育成することにより、間接的にも日本のビジネス競争力アップに貢献できたらと考えています。

取材・執筆:夏野かおる

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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