株式会社クリエイティブ・ユニティ

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「ブランディング」の進め方をマジメに解説してみた。 vol.4


ターゲットに響く「最適なPR」とは?
決め手は『独自の魅力』のアピール強化
第4回/『誰に』

〜ターゲットを特定し その意識や行動に迫る(後編)

前回は「最適なコミュニケーション」の起点となる『誰に』の3つの段階のうち
【1】ターゲットを絞り込むこと と
【2】その意識や行動を深く理解するためのポイント について述べました。
今回は【2】の後半から。
理解のための情報収集について。

【2】ターゲットを知る

(続き)

情報収集のベースは、ひとまず自社内の各担当者からのヒアリング。
知り得る事実を集めながら予測・想像を交えて仮説化していきます。

とは言え、それだけでは限界があったり想定外の実態が隠れていたりします。
ストーリーの精度を上げるうえで、当事者からの発信に勝るものはありません。
手間とコストが多少掛かっても、
従来の顧客やメインターゲットに該当する周辺ユーザーへの
インタビュー(定性調査)・アンケート(定量調査)はぜひ実施しておくべきです。
それくらいこの段階での仮説ストーリーが重要であることと、
想定と実査結果にはしばしばズレや大きな乖離が起きることを認識しておく必要があります。
自分の場合も、調査をしてみて思い込みが崩壊…という目に何度も遭いました。
ターゲットの意識や行動に必ず表れる世情に応じたトレンドや地域性。
それらを見逃さないためにも、一般論や経験則で語るのではなく、
その時々の旬の状況を、できるだけ客観的に把握したいもの。

リサーチの中でも特に「定性調査」のデータは、少人数であったとしても絶対に有効。
直接取材の場は、行動からだけでは察知できない領域も踏み込んで「聞く」ことができます。
心配ごとや困っていること、嬉しいことや嫌なこと、先に向けての思惑や希望…
といった情緒的な情報はファンづくりにおいてとても貴重です。
また規模にもよりますが、仮説としての客観性をより高める意味で、
調査関連のオペレーションや分析については、
できれば専門のブレーンに関与してもらうのがお勧めです。

前回のプレゼント選びの例え話の続き。
贈る相手の好みや嗜好・苦手なものなどがわかれば、
プレゼントは一気に探しやすくなります。
しかもそれが潜在的な「欲しかったもの」のツボを捉えていれば、
絶対に喜んでもらえるはずです。

【3】ターゲットの気持ちと行動を図式化してみる

 

『誰に』の仕上げは図式化。
仮説として組み立てたメインターゲットの
購買・依頼・契約・発注を決めるための行動プロセスをフローの形に置き換えます。
そして収集した情報や調査結果をもとに、
各ステップで活用するツール・メディアや「意識」の部分も書き加え可視化していきます。
こうすることで流れが見えます。変化が見えます。
そして因果関係などもよりわかりやすくなるはずです。

図式化していくうえで重要なのは、
それぞれの行動・アクションの「背景」を考えておくこと。
なぜそう動くのか? なぜそう判断したのか?
○○○だから△△△する? ○○○するのは△△△という理由があるから?
…といった基準になる部分や価値観にあたる部分を、
ターゲットになったつもりでシミュレーション。
再度深掘りして書き加えておきましょう。
このちょっとしたロジカルな検証が、フローによりリアリティを与えてくれます。

こうしてターゲットの目線での考察を繰り返し深めていくことで、
後に続く『何を』や『どう伝えるか』の輪郭も見えてきます。
ターゲットの求めていることや期待することがはっきりすれば、
そこに応え伝えることも曖昧にはなりません。
ターゲットの情報を得る方法・ルートやその影響度レベルがわかれば、
より効果的な伝え方もわかってきます。

最適なコミュニケーションプランを築いていくための大事な根拠…
そこを固めるのがこの『誰に』段階。
いわば企画の基礎工事のようなもの。
ここが強ければ、次の段階も緩みません。
さらにこの基礎工事が盤石であれば、
万一この後設計し進めていく施策でいきなり大きな成果が出なかったとしても、
課題の検証や改善点・修正点の検討のための軸として必ず機能し、
コミュニケーションを精査するためのベースとなってくれるはずです。

次回は『何を』。
ターゲットへのアピールの中核に何を置くのか?
自社の強みをどうそこに活かすのか?…についての手順を紹介。
ということで続きます。

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