地域の知名度アップのお手本。「うどん県」キャンペーン！ 香川県の事例

こんにちは、コア・アド・インフィニティ編集部の中橋です。
香川県の「うどん県」キャンペーンをご存知の方は多いと思いますが、
単にネーミングが面白かったから話題になったわけではありません。
そこには用意周到に練られた作戦があったのです。
なぜ話題になったのか、ひも解いてみたいと思います。

香川県は、1998年に行われた全国知名度調査で最下位とショッキングな記録を出してしまい、
2010年まで知名度が低い状況が続いていました。
そこで、地元の広告制作会社が中心となり、市場から選ばれる香川県を目指し、
以下の３つのPR方法を軸に知名度向上のキャンペーンが企画されました。

●インパクトのあるPR動画

●２ちゃんねる、SNSなどインターネットの活用

●首都圏での集中PR

起死回生の一手として出したのが、インターネットでのPR動画です。
2011年10月、副知事役の要潤さんが、「香川県はうどん県に改名します」
と宣言する動画を特設サイトで公開したところ、１日17万超アクセスという記録を叩き出したのです。
要潤さんの「うどん県副知事」就任会見には、記者だけではなく、全国から女性を中心としたブロガーを招待しました。
さらに、「香川が面白いことをやっているらしい」と２ちゃんねるで祭りになり、
アクセス集中でサーバーがつながらなくなり、そのことが新聞やテレビで取り上げられました。
（サーバーが落ちたのは予想外の出来事だったようですが、２ちゃんねるで祭りになることは想定されていたようです）

キャンペーン当時の2011年は、まだYouTube、Facebook、Twitterが普及し始めた時期であり、
インターネット・SNSを利用して観光PRを行うという当時にしては先進的な事例だったといえます。

また、インターネット上の動画公開だけでなく、羽田空港や六本木の大型ビジョン、
地下鉄の車内でCMが放映されたり、空港や駅構内にポスターが貼り出されたりと、
東京では大規模な「うどん県」キャンペーンも行われました。
これはインターネット人口が一番多い東京から情報が拡散されることを期待してのことだと思います。

こうした巧みなPR戦略によって「うどん県」の名が全国に知れ渡り、
2013年の知名度調査では、なんと14位まで上昇しました。

地域や商品の知名度アップを考えるときに、
その物自体の特長や良さをどう表現するかということにばかりにとらわれがちですが、
もう少し広い視点で、どうやったら話題になるか、世の中に情報が拡散していくかまで考える必要がありそうです。

参考：
http://www.movie-times.tv/domestic/2690/