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盛り上がりを見せるAR(拡張現実)〜Appleの取り組みと今後の動向〜
- [更新日]2020/11/19
- [公開日]2017/08/02
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- 株式会社 大伸社コミュニケーションデザイン
今回はAR(拡張現実)についてのお話をしたいと思います。
先日の6月5日(月)にWWDC2017(Appleが毎年開催している開発者向けイベント)が開催されました。そこではHomePodやiMac Pro、MacのVR対応など、様々な新製品やサービスが発表され、注目を集めました。その中でも、それほど話題になっていないのですが、個人的に一番注目しているのは、iPhone、iPad向け次期OSであるiOS11のAR(拡張現実)対応です。
ARは昨年、ポケモンGOに搭載されたことで改めて注目を集めました。しかし、プレイしたことのある人はわかると思いますが、ポケモンGOのAR機能はとても簡易なものです。カメラで写した光景にキャラクターを合成するだけで、現実の地面や木の位置は考慮されません。AR機能をオフにしている人も多いと思います。
AppleはWWDC2017にて、iOS11にAR機能を搭載することを発表しました。既存のiOSデバイス(iPhone6s以降・iPad第5世代以降)で動くそうで、下の動画はAppleがイベントで披露したARアプリのデモです。ピーター・ジャクソン(ロード・オブ・ザ・リングの監督として有名。個人的には特に初期作品が傑作だと思いますが)が監督したもので、Unreal Engine 4上で作られているそうです。
Wingnut AR Unreal Engine Demo on iOS | WWDC 2017
https://www.youtube.com/watch?v=S14AVwaBF-Y
SFのワンシーンで、村が戦闘機に襲われている場面のようですが、その途中、爆撃から逃げて飛び降りる人に注目です。現実にある机の縁から飛び降りていることが分かります。これまでのARは、QRコードのような認識しやすいマーカーや画像を、平面的な画像として認識して、その上に3Dモデルや動画を重ねるという方法を取っているものがほとんどでした。ところが、Appleが発表したこのARは、机の位置や境界を認識しているので、このデモのように、現実に存在する物と干渉する表現が可能になっています。また、マーカーレスであることの他の利点として、画面内にマーカーが映っていなくても、3Dモデルを正しい位置や角度で表示できるということがあります。それにより全体を一画面に収めにくい大きなモデルを表示したり、カメラで撮影するときのように、モデルの細部にクローズアップしたりといったことが可能になります。家具や車の配置シミュレーションなどで特に有効でしょう。実際にAppleは、IKEAとARアプリの共同開発を行っていることを明らかにしています。
GIZMODO:IKEAとAppleがARアプリを共同開発。
自宅で仮想家具をお試しできる!?
http://www.gizmodo.jp/2017/06/ikea-apple-ar.html
iPhoneやiPadには深度センサーはついていないはずなので、それらの端末で現実の空間の状況を認識しているということは、加速度センサーや画像認識AIなどの情報を高度に統合することで、空間認識を実現していると思われますが、それにしても驚異的な技術です。AppleがこれだけARに力を入れているということは、次期iOSデバイスへの深度センサーの搭載や、グラス型のウェアラブルデバイス発表の布石ではないかと、個人的に考えています。
海外のアプリ制作会社によるテスト動画
https://www.youtube.com/watch?v=WS27iunHmg4
改めてARに注目している企業はAppleだけではありません。Facebookは先日、Snapchatのように写真の被写体を認識、アニメーションを合成するARのプラットフォームを発表しました。Snapchatという写真共有アプリは日本ではそれほど知られていませんが、撮影した顔に対してアプリに搭載されたスタンプやイフェクトのようなものをつけて送りあう機能が、欧米で人気を呼んだアプリです。私には何が面白いのかわからないのですが、欧米人には楽しいそうです。Facebookが発表したプラットフォームはFacebookアプリ内のカメラ機能として利用することができるので、Facebookユーザーをそのまま呼び込めることが大きな強みです。Snapchatがユーザー間のコミュニケーション(友人と送りあって楽しむ)をベースに人気を得たことを考慮すると、ARとSNSの親和性は高いのかもしれません。
フェイスブックがARに本腰、どんなサービスが生まれるか
http://news.mynavi.jp/articles/2017/04/21/facebook/
今までもiOS用のARアプリは数多くリリースされてきました。しかし、今回は、OS、ハードウェアレベルで対応するとのことで、精度の高さや、導入の手軽さは大きく向上すると思われます。UnityやUnreal Engine 4などのゲームエンジンも公式に対応することを発表しています。一方のGoogleもGoogle Tangoというブランド名で高精度のARを推進しています。こちらは深度カメラなどを搭載した専用の端末にサービスを提供していますが、対応している機種がまだ少ないため、普及の見込みが立っていません。Appleは当分、深度センサーがついていない既存のiPhoneやiPadで対応することになるので、Google Tangoより精度は劣ることになります。しかし、Appleは既に広く普及しているデバイス、OSにARが搭載されることの重要性をアピールしており、私もその点に関してはいくら強調してもしすぎることはないと思います。このように、今年は多くの大手IT企業がARに力をいれています。これからのAR市場の発展が楽しみですね。
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