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デザインのコラム 【 文字と声 前篇 】(文字サイズと余白について)


●広告などのデザインをしていると「この文字をもっと大きくできませんか」という修正指示をクライアントから受けることがあります。その理由をうかがうと、ここをもっと目立たせたいからとのこと。●でもちょっと待ってください。目立つ=大きいだけではありませんよ。文字を人の声にたとえるなら、文字を大きくするのは声を大きくするのと同じです。たしかに大きな声を出すことで多くの相手に強いインパクトで伝えることができます。でも、大勢の人が大声を出す雑踏の中ではどうでしょう。いくら声をはりあげてもかき消されてしまうかもしれません。逆にシーンと静まり返った会議室の中では、ちょっとしたささやき声が印象に残ることもあります。●より効果的にメッセージを伝えるには、その周囲を意識することも大事。つまり文字を大きくして目立たせるということは、それ以外の文字を小さくすることでも表現できますし、たとえ小さな文字でも、周囲に十分な余白スペースを設けることで目立たせることもできるのです。
 
●次回は【 文字と声 後篇 】(書体と色づかいについて)をお届けします。
 

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EDITOR PROFILE

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小倉 亮一

デザイナーという職業について四半世紀がたちました。その間にデザインを取り巻く環境はずいぶん変わりました。カッターや糊の作業はパソコンやマウスの作業に変わり、媒体は今や紙から液晶画面へと移行しています。時代とともに環境や方法論は変化するものですが、デザインの本質は変わらないものと僕は信じています。アナログからデジタル、その過渡期を経験できたことはデザイナーにとってひとつの財産かもしれません。



1966年 栃木県宇都宮市出身

1989年 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業

2004年 有限会社シンクロ設立

日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員



主な受賞歴

●朝日広告賞 第2部/準朝日広告賞 ●毎日広告デザイン賞/部門賞 ●フジサンケイ広告大賞/メディア部門優秀賞 ●ニューヨーク・フェスティバル/銀賞 ●産業広告大賞/大賞 ●日本産業広告賞/新聞部門第2席

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