ネスレの事例から学ぶ「アンバサダーマーケティング」

こんにちは、コア・アド・インフィニティ編集部の橋本です。

「ネスカフェアンバサダ～♪」というフレーズをご存知ですか。

日本でアンバサダーという言葉が広まるきっかけになったのが、
ネスレ日本の実施したマーケティング手法「ネスカフェ アンバサダー」だと言われています。
ネスレ日本は、見込顧客に商品やサービスの魅力を伝える手段として、ファンを軸にしたコミュニケーション活動を行ってきました。

アンバサダーマーケティングとは

アンバサダーマーケティングとは、SNS上で熱狂的なファン(＝アンバサダー)を育成し、活用するマーケティング方法のことを言います。
熱狂的ファンのアンバサダーは、製品やサービスを知人に紹介して口コミ輪を広げてくれるだけでなく、時には批判からも擁護してくれる心強い存在です。

かつてマスメディアの時代には、TVCMなどのリーチ広告が主な手段として用いられ、企業から発信される情報への信頼度も高く効果的とされていました。
現在では、SNSの普及によって誰でも簡単に情報共有・情報発信ができるようになり、「発信力のある個人」からの情報が重視されるようになりました。
消費者が、企業の広告宣伝からのメッセージよりも、身近な個人からの口コミを信頼するようになったことは調査でも明らかになっており、
情報発信力があるアンバサダーの活用が注目されています。

ネスレ日本の事例

国内で代表的なのはネスレ日本の取り組みです。
ネスレ日本では、これまで個人向けに販売していたコーヒーメーカー「バリスタ」をオフィスでも使ってもらうための施策として、アンバサダーマーケティングを採用しました。

ネスカフェアンバサダーになると、職場に無料で本格マシンが設置でき、カートリッジを定期購入してコーヒーを楽しめます。
カートリッジの掃除や交換、注文などに加え、「職場にマシンを設置して皆で楽しんでいる様子をアンバサダー掲示板に投稿すること」や
「職場および家庭でのマシン使用状況について、ネスレから定期的に送付されるアンケートへの記入を行うこと」はアンバサダーの役割です。
「熱狂的なファン」である顧客がマシンの運営から、口コミの伝播、情報収集まで引き受けてくれる画期的な施策です。

マス広告との連携も効果的でした。
“ネスカフェアンバサダーのケースでは、まず北海道でテストをし、小規模に成功することを確認したそうです。
その後、全国展開を行いモデルがうまく展開することを確かめたうえで、
テレビCMなどのマス広告を本格的に実施され、一気に知名度が上がり、短期で大きな成果を上げることができました。
”（出展：デジタル時代のマーケティング戦略「アンバサダー・マーケティングの威力」第２回　徳力 基彦氏）

現在では、全国に18万人以上のアンバサダー登録者がいます。
アンバサダーの投稿による使用した感想や意見などはWebで公開されており、「以前よりも会話が増えて職場が明るくなった」などポジティブな声が多く寄せられています。
使用者からの口コミとマス広告とを連携して、全国的な展開に成功した事例です。

アンバサダーマーケティングの魅力は、企業がファン（ユーザー）を大切にして
ユーザーからユーザーに評判の輪を広げ、それを事業成長のエンジンにできるといった良い循環が生まれることです。
個人による口コミや、情報の信頼性が重視される現代では、ファンを基軸としたマーケティングで
会社を支援してくれる人たちと長期的な関係を深める施策を検討してみてもいいかもしれません。

参考：
http://agilemedia.jp/ambassador/about/
http://www.hitachi.co.jp/products/foresight/marketing/006/
http://matome.naver.jp/odai/2138467255550159901
http://io-diary.com/mt/2013/11/brand_advocates.php