いいコピー？を見る目の鍛え方

私は広告制作のディレクター（現場監督のようなもの）をしていて、日々デザイナーやコピーライターの制作物を見て、良し悪しを判断しています。

広告業界5年目の若輩者ですが、何を見てコピーの良し悪しを判断しているかご紹介したいと思います。

発注者やご担当者も、ひとつの指標として参考にしてみてください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その１『何を伝えるか？』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

コピーは言葉の組み合わせです。故に、それっぽいものを合わせるだけで、コピーっぽくなります。

例えば、
「○○○○という、選択。」
「○○○○が嫉妬する。」
「What's ○○○○？」
「それは、○○○○か？」

これではコピーを装った言葉のコスプレです。
ビジネスでは通用しないはずですが、世の中には存在しています。

コピーを通して何を伝えたいのか？なぜこの表現になったのか？
まずは、そこから問うてみてください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その２『その商品のみ当てはまるか？』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

近年はコモディティ化により、類似品との差はごくわずかです。
それでも、優位点を見つけ、魅力や価値を最大限にPRするのがコピーの役割です。

役割を果たしているコピーか見分けるポイントは

「ライバル商品でも当てはまるかどうか」

です。
なぜ当てはまったら駄目なのか？
それは消費者が御社を選ぶ理由に繋がらないためです。

ライバル商品でも言えてしまうということは、消費者はより安い他社にいってしまうかもしれません。

なぜ自社なのか？そこに注視してください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その３『コピーとして力があるか？』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

街中もWEB上でも、世の中言葉で溢れかえっています。
いいことを言っていても、広く告げられなければ、広告ではありません。

消費者が目を向けたコンマ数秒で、気を惹けるかどうかは大事な要素です。
コピーのテクニックやロジックばかり注視して見落としてないでしょうか？

「力がある」とは、音として面白いことや、心に響く、新しい発見となっているかなど多種多様です。
第三者に見てもらうなどして、判断するのもいいと思います。

以上の３つを参考に、実例を挙げて見てみます。

「とどけ、熱量。」2012年／カロリーメイト

『何を伝えるか？』
このコピーから２つの意味が伝わってきます。
１）受験や仕事など壁を越えようと一生懸命な人に応援という熱量を届ける＝カロリーメイト
２）その頑張り（熱量）が届く（成就する）ようにという応援メッセージ

『その商品のみ当てはまるか？』
「熱量」は直訳すれば「カロリー」です。類似商品や栄養ドリンクでは当てはまりません。

『力があるか？』
たった７文字で構成されています。短いコピーは消費者にスピーディーに届きます。コンマ数秒で読み切れて、内容がなんとなくでも即理解できるようになっています。
さらに、当時はゼロカロリーブームの真っ只中。その中でアンチテーゼのように「カロリー」と謳うことが存在感をより高めています。

いかがでしょうか？
見分けるポイントは、言われてみれば当たり前のように思えるかもしれません。

しかし、CMを出すような企業でも意外と当てはまらないコピーが少なくありません。
（ロジックや諸事情でそうなっている可能性はありますが）

ぜひ、世に出ているコピーをチェックしてみてください。
他社の広告を意識して見てみるのも「見る目」を養うトレーニングになりますので。