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【イベントレポート】1月22日(水)開催『【地域DX】地域通貨 会津コインの挑戦』

目次

【イベントレポート】1月22日(水)開催『【地域DX】地域通貨 会津コインの挑戦』

リトライブ株式会社は、コーポレートフィロソフィーである「ビジネスに出会いを、リトライブはサステナブルな仲間をつくります」のもと、同じ目的を共有する仲間・チームづくりのためのコミュニティサービス「BeaTRIBES(ビートライブ)」の運営を行っています。

コミュニティ形成の一環として、Techトレンドの学びの場であるオフライン型自社イベント「BeaTRIBES HuB(ビートライブ ハブ)」を定期開催しています。

第6回目の開催となる今回は「地域DX・地域通貨」をテーマに、いち早く地域DXの取り組みを開始した【福島県 会津若松市】にて、一般社団法人AiCTコンソーシアムに所属し、【地域通貨】事業をスタートされている、株式会社みずほフィナンシャルグループ・株式会社みずほ銀行 多治見 和彦氏TIS株式会社 小林 慶介氏にご登壇いただき、お話を伺いました。

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セミナーレポート:【地域DX】地域通貨 会津コインの挑戦

地域通貨は、単なる決済手段ではなく、地域経済の持続可能性を高めるための有効なツールとして注目を集めています。今回のセミナーでは、みずほ銀行の多治見氏とTISの小林氏を迎え、会津若松市を中心に展開している地域通貨「会津コイン」を通じた地域活性化の取り組みについてお話を伺いました。

福島県会津若松市は、東日本大震災以降、IT技術を活用した地域活性化に力を入れて推進しており、スマートシティ構想を掲げています。その一環として立ち上がったのが「会津コイン」です。会津コインは、地域内での経済循環を促進することを目的としたデジタル地域通貨であり、TISとみずほ銀行が共同で開発・運用を行っています。

地方都市としてのDX、デジタル推進のトップランナーである会津若松の会津コインを事例に取り上げ、地域DXやデジタル地域通貨の役割についてTIS 小林氏から全体像を共有いただき、みずほ銀行 多治見氏より気づきや共創のポイントをお話いただきました。

0122BeaTRIBES HuB_イベント写真1

地域通貨の意義と課題

地域通貨とは何か?

地域通貨とは、特定の地域内でのみ使用可能な通貨のことを指し、地元経済の活性化を目的としています。現金やクレジットカードとは異なり、地域内での消費を促すことで、経済の内部循環を強化することができます。会津若松における「会津コイン」もその一例です。

一方で、地域通貨の持続的な運用には課題もあります。過去には2005年には306個の地域通貨が存在しましたが、2019年には189個とその数は減っており、自治体主導の地域通貨には、自治体の規模や予算の有無、運用コストの問題から、事業継続が左右されてしまうことも明らかになっています。

また、地域通貨の成功には、「地域経済圏の定義」が重要であるとも小林氏は話します。行政区の枠組みに縛られず、実際の生活圏・経済圏を考慮して設計することによって、利便性向上が進み、伴ってデータの活用、地域経済の循環促進に繋げられると考えられます。

<ポイント>
  • 民間と自治体のハイブリッド(良い共生関係)
  • 利用を制限しすぎず、オープンにしすぎず、バランスよく
  • 生活・経済圏を意識して地域圏でダイナミックに考える
0122BeaTRIBES HuB_イベント写真2

デジタル地域通貨が求められる背景

小林氏は、地域通貨の必要性について、日本の人口減少と地方経済の縮小を背景に説明しました。福島県の人口は2050年までに約46%減少すると予測されており、将来的には約半分の人口で経済を回していかなければなりません。地域を持続させていくためには、デジタルやデータを用いた生産性の改革、イノベーションが必須と述べます。

また、会津若松市では、年間約5億円がキャッシュレス決済の手数料として地域外へ流出していること、あわせてキャッシュレスによる購買データも地域に残らず活かされていないという現状を指摘し、「デジタル地域通貨」こそ、地域内での経済循環とデータ活用を促進できる手段だと述べました。

スマートシティ構想とデジタル地域通貨

会津若松市が取り組むスマートシティ構想では、モビリティ、フィンテック、教育、ヘルスケア、エネルギー、観光、食・農業、ものづくりなど、多用な分野でデジタル技術を活用した地域課題の解決に取り組んでいます。特に、フィンテックを活用した地域通貨の導入は、地域経済の活性化だけでなく、行政サービスのデジタル化やモビリティの改善など、幅広い分野と連携を想定して進められています。
デジタル地域通貨は、単なる決済手段にとどまらず、他分野との連携にも貢献する重要なインフラとして位置づけられています。

会津コインの取り組み、活用事例

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単なる決済手段ではなく「地域活性化のツール」としての位置付け

会津コインは、TISが開発した「会津財布」アプリを通じて利用でき、QRコード決済に対応し、地域店舗での決済を行うことができます。

小林氏は、「会津コインは単なる決済手段ではなく、地域の商店や住民が『自分たちの地域を支えよう』という思いを共有するためのツールである」と強調しました。これは、会津コインがただのキャッシュレスサービスではなく、地域の経済・社会活動と密接に結びついていることを意味します。

そのため、会津コインは、これまで地域店舗がなかなかキャッシュレスを導入できなかったペインを取り除き、また地域のためになる要素として次のような特徴を持って構築されています。

<会津コインの特徴>
  • 即時換金可能なシステム:店舗側は、会津コインの売上を即時に現金化できる。
  • 手数料の上限設定:利用金額に応じた手数料ではなく、一定の上限を設定することで、店舗の負担を軽減。
  • 地域貢献プログラム:会津コインの利用額に応じて、子ども食堂や地域振興事業に寄付ができる仕組みを採用。

会津コインと地域とのコラボレーション

会津コインの取り組みは、地域活性化と地域の課題解決に焦点を当てたさまざまな活動を含んでいます。

<取り組み事例>
  • 商店街とスーパーの協力キャンペーン:ロードサイド型スーパーと中心市街地の商店街が協力し、会津コインを活用した集客施策を実施。
  • 自治体との連携によるデジタル地域振興券:紙の振興券をデジタル化し、利便性向上。
  • 公共交通との連携:MaaS(Mobility as a Service)と組み合わせ、クーポンなどで動機づけから公共交通の利用促進を支援。

また、こうした会津コインと連携した事業や施策に関わるデータをオープンに公開することで、地元の事業者の方、市民の方々に主体性を持って参加してもらうような取り組みも行っています。

デジタル地域通貨は地域の活力を高めるインフラ

通貨や決済は、あらゆる分野に関わる重要な領域であるからこそ、地域通貨の取り組みを多くの自治体が取り組んでいます。

デジタル地域通貨の導入は、単なるキャッシュレス決済の1つではなく、地域経済の活性化や持続可能なまちづくりに貢献する手段として位置付けられます。利便性の面だけでなく、地域への貢献・投資といった視点がデジタル地域通貨にはあります。会津コインは、地域内での資金循環、データ活用、住民参加型の施策を特徴とし、地域の課題解決に向けた重要な取り組みとして、みずほ銀行の金融インフラ、TISの技術力、そして地域の皆さまとともに進めていきたいと思っています。

みずほ銀行の視点から見る会津コインの取り組み

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続いて、多治見氏がみずほ銀行の視点から、地域通貨の広がりと課題について語りました。

多治見氏は、みずほ銀行はこれまでにも様々な地域通貨プロジェクトに関わってきましたが、すべてが成功しているわけではないと前置きした上で、会津コインの取り組みから成功する地域通貨には以下のような要素が不可欠であると指摘しました。

現地に根ざした取り組み
会津若松では、TISが現地に人員を配置し、住民や事業者のニーズを細かく把握している。これが、地域通貨の普及に大きく寄与している。
地域の危機感と一体感
会津若松では人口減少の影響を強く受けており、地元の事業者も危機感を抱いている。そのため、地域通貨を活用して経済を活性化しようというモチベーションが高い。
金融機関の関わり
会津コインには、みずほ銀行が参画しているが、銀行は決済インフラや資金循環の仕組みを提供できるだけでなく、法規制をクリアした形でのサービス提供が可能である。これは、地域通貨の持続的な運用において重要なポイントとなる。

また、多治見氏は「会津若松が地域通貨のトップランナーとしての役割を果たしている」と述べ、今後の展開に期待を寄せました。

まとめ:地域通貨が示す新たな未来

今回のセミナーを通じて、地域通貨が単なる決済手段ではなく、地域経済の活性化に寄与する重要なツールであるとわかりました。

  • 地域通貨の成功には「地元の危機感」と「一体感」が不可欠
  • 官民連携による持続可能な運営モデルが鍵
  • デジタル技術の活用が成功のポイント

多治見氏は「地域通貨は他の地域にも応用可能であり、今後の展開が期待される」と述べ、会津コインの成功を全国に広める可能性を示唆しました。

地域経済の未来を考えるうえで、地域通貨は重要な選択肢の一つとなるでしょう。

交流会・懇親会

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セミナーセクション終了後は、登壇者と聴講者を交えての交流会を実施いたしました。各セクションで出てきたテーマを掘り下げたり、事業連携について対話を行ったりとイベントの終了時まで多くの方々にご参加いただきました。

この交流会をきっかけに、参加者の方々から「後日ビジネスの打ち合わせの約束をした」、「協業やアライアンスなどの相談ができるパートナーが見つかった」などの声もいただき、ビジネスのステップに繋がる出会いの場としてもご活用いただいております。

おわりに

リトライブ株式会社では、今後も定期的にビジネスにおける新たな学びと新たな出会いを創出するリアルイベントの開催を行っていきます。

ご登壇や取材、会場提供などのご連絡、また次回開催イベントに関するご案内のご希望は、info@retribes.co.jpまでご連絡をいただけますと幸いです。

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この記事の監修
リカイゼン サポートデスク 
吉田・新町
BtoBマッチングサービスであるリカイゼンにおいて、発注企業からのご相談のヒアリング、企業選定のフォローなどを行う部門の担当です。出展企業であるシステム開発やWEB制作、クリエイティブ制作会社ともコミュニケーションを取りながら、年間数百件の受発注のサポートを行っています。

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